温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

郡山市 ホテルバーデン

2022年07月30日 | 福島県

(2021年10月訪問)
前回記事で取り上げた「なりた温泉」の近くにあるビジネスホテルです。周囲は田んぼだらけで何もないのですが、郡山南インターからは近いので、アクセス面は良好です。また館内にレストランもあるので、食事面の心配もありません。こちらのホテルは以前拙ブログで紹介したことがあるバーデン温泉や石橋ヘルス温泉と同系列の経営であり、館内には宿泊者専用の温泉浴場があるため、どんなお風呂に入れるのか楽しみにしながら宿泊利用させていただきました。なお訪問時はエントランス目の前にバス停が立っていて、郡山駅から路線バス1本でアクセスすることもできたのですが、2022年4月に路線バスが廃止されてしまったそうです。残念。


こちらがお部屋。広くて快適でした。
なお宿泊直前にネット予約しようとしたら満室と表示されてしまったのですが、電話で問い合わせたら無事に部屋を確保できました。このホテルに限った話ではないのですが、ネットで予約ができなくても、電話だと何とかなる場合がよくありますので、もし泊まりたい宿が満室だったとしても、あきらめずに電話してみましょう。


各部屋のユニットバスには温泉と書かれた水栓跡があり、温泉マニアとしては期待してしまうところです。ネット情報によれば客室にも温泉が引かれているとのことでしたが、現在この温泉と書かれた配管には封栓されていて使えません。フロントの方にも確認したのですが、現在お部屋への温泉の引湯はしていないそうです。となれば、温泉に入りたきゃ大浴場へ行くしかありません。


宿泊客用大浴場はホテルの1階です。ロビーから奥へ入って宴会場の廊下を突き進んだ奥にあります。24時間利用できるわけではなく、夜は24時まで、朝は4:30から利用可能です。なお私は旅程の関係で朝6時前にチェックアウトするため、朝5時前に大浴場を利用したのですが、なんとこんな早朝から既に2人の先客がおり、しかも浴場から出るときには5~6人と続々お客さんがお風呂へやってきたのです。このホテルは早朝から動き回るお客さんが多いのかしら。


脱衣室はとても広くスペースにゆとりがあります。また棚に大きなカゴが備え付けられていて、洗面台も大きく、清掃も行き届いていて使い勝手良好です。こんな立派な設備を宿泊者だけで使うのはもったいない気がします。なお浴場にタオルの備え付けがないので、各客室からタオル類を持ってゆくのですが、部屋へタオルを持ち帰る際に使うビニル袋が用意されています。ゴルフ場などのお風呂でよく見かけるサービスですが、こうした小さな心配りが嬉しいですね。


浴室もかなり広く、天井も高くて窓も大きく、露天こそありませんが、非日常空間を感じるには十分な広さと開放感が備わっています。また足元には十和田石(緑色凝灰岩)が敷かれているので足裏から伝わってくる感触も良好です。さらには、洗い場ゾーンとと入浴ゾーンがちゃんと分かれており、洗い場と湯船側を仕切る壁の一方(浴槽側)はベンチになっていて、湯船から上がってちょっと休憩するのに便利な造りになっています。


洗い場には計12か所のシャワーブースが設けられ(その他にも立って使うシャワーが2つあり)、一つ一つの間隔が広く取られているので、隣のお客さんをあまり気にせず使えるかと思います。なおシャワーから出てくるお湯は真湯かと思われます。


浴槽は内部がタイル貼りで縁には御影石を採用。弧を描くこの浴槽は前後二つに分かれており、手前側はちょっとぬるめでやや小さい一方、奥はグランドピアノのような形状で、実際の容量はわかりませんがとても大きく、数十人は余裕で入れるのではないかと思われます。


湯口から温泉がドバドバと轟きながら大量投入されており、しっかりかけ流されています。季節によって加水するそうですが、おそらく訪問日はほぼ無加水だったようです。つまり完全かけ流しの湯使いです。こちらでは二つの源泉をブレンドしており、湯口から出てくるお湯をテイスティングしてみますと、淡い塩味と弱い芒硝の味が感じられる程度で、印象的な香りや味、色など分かりやすい特徴はありません。しかしながら湯上がりは体の芯まで良く温まり、いつまでも汗が引きませんでした。
分析表を見ますと、溶存物質1.002g/kgというギリギリのラインで単純泉から逃れられて、辛うじてナトリウム-塩化物・硫酸塩泉という泉質名が名乗れています。0.003g少なければ単純泉になってしまう状況ですから、それゆえ知覚的特徴が弱いのかもしれませんが、とはいえ湯船に浸かるとしっかりとしたツルスベ浴感と少々の引っ掛かりが混在して肌に伝わってきます。いかにも食塩泉と硫酸塩泉のミックスといった感じですが、特筆すべきは26.2mgも含まれる炭酸イオンの多さでしょうか。この炭酸イオンの多さが明瞭なツルスベ浴感をもたらしているのでしょう。大量投入の完全かけ流し温泉は実に気持ち良く、浴場の大きさも相まって、実に心地よい湯浴みを楽しむことができました。

なお宿泊者はお隣の「バーデン温泉」もチェックインとチェックアウトの両日利用することができ、フロントで利用チケットがもらえるのですが、個人的にはこの大きな浴場だけで十分満足できました。


石橋温泉・石橋興産温泉 混合泉
ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉 45.0℃ pH8.4 溶存物質1.002g/kg 成分総計1.002g/kg
Na+:313.7mg,
Cl-:221.4mg, SO4--:211.7mg, HCO3-:123.9mg, CO3--:26.2mg,
H2SiO3:31.0mg, HBO2:51.1mg,
(平成8年3月5日)
加水あり(源泉温度が高いため季節により地下水を加水。加水率0~4%)
加温循環濾過消毒なし

福島県郡山市安積町成田字島ノ前2-3
024-947-7777
ホームページ

宿泊者専用(入浴のみ不可)

私の好み:★★★
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郡山市 なりた温泉

2022年07月24日 | 福島県

(2021年10月訪問)
福島県郡山市の東北道郡山南インター付近にはいくつもの温泉が点在しており、この界隈だけでちょっとした温泉巡りができてしまいます。今回取り上げる「なりた温泉」ものその一つであり、温泉浴場の他に旅館などいろんな施設が併設されているのですが、今回は日帰り入浴で利用しました。
県道から路地に入って奥の突き当たりには大きなゴルフ練習場(打ちっぱなし)が広がり、手前にはデイサービス施設やビール園等もあって、ビール園では焼き肉なども楽しめるんだとか。風呂上がりにビールを飲みながら焼肉を頬張るだなんて最高じゃないですか。


さてこちらが温泉施設の建物です。土曜日の夕方に行ったら多くのお客さんで賑わっていました。人気があるんですね。
こちらの温泉で日帰り入浴する場合は、利用時間の長さによって料金が異なります。下駄箱の鍵を受付に預けて料金を前払いする際に、1時間・2時間・4時間・終日といった感じで利用時間を申し出て、それに応じた料金を支払うことになります。なおカードやSuicaの利用も可能です。


受付前のホールを横切ってお風呂へ向かいます。
なお今回の記事におきましては、浴場内部の画像はございません。文章のみでご説明致しますので、あしからずご了承ください。内部の様子をご覧になりたい場合は公式サイトをご参照ください。

更衣室にはたくさんのロッカーが用意されており、空いている任意の場所が使えるのですが、料金支払い時に受付でロッカー専用のカードを手渡されるので、そのカードをロッカーの扉の裏側に差し込むことでロッカーが施錠できる仕組みになっています。

以下の説明は男湯の場合です。内湯に入って真正面にサウナ、右手に水風呂があり、左手に浴槽や洗い場などが広がっています。そして奥に向かって右側に洗い場のカラン11個がずらりと並んでおり、シャワーから出てくるお湯は温泉です。
洗い場とは反対の左側に浴槽が据付られており、ジェットバス付の小さいもの(ちょっとぬるめ)と、部分的に泡風呂が稼働している大きな主浴槽(サイズは失念してしまいましたがかなり大きい)に分かれています。両浴槽とも縁には赤っぽい色が入ったグレーの御影石が採用されており、浴槽内部にはブルーのタイルが張られています。大きな浴槽では、壁上のスノコみたいな構造物の隙間から温泉が落とされていて、小さな湯の滝が幾条も並んでいるようでした。湯船のお湯は無色透明で、湯口のお湯を掬って口にしてみると、ほんのりとしたゴムっぽい匂いと少々の苦みが感じられました。硫酸塩泉にもかかわらず、湯船の中では意外にもツルツル浴感が強いのですが、おそらく炭酸イオンの多さがが影響しているものと思われます。なお湯の花は見られません。おそらく内湯はかけ流しではないでしょうか。

露天風呂はいわゆる岩風呂で、裏山が迫っているため景色は眺められませんが、緑は豊かなので、さほど殺風景ではないかと思います。浴槽の上には太い木の柱で立っている傘のような屋根が掛かっており、多少の雨や、夏の厳しい日差しは避けられるでしょう。なお湯使いに関する説明が見当たらなかったのですが、露天風呂はどうやらお湯が循環されているようで、湯口からの投入量が不自然に多いのに対し、オーバーフロー量が少なく、またお湯自体からも内湯のお湯から感じられたような特徴が弱まっているような感を受けました。

いずれにせよ大きなお風呂でツルツル浴感のお風呂に入るのは実に気持ちが良いもの。
料金が手頃であることも相まって、地元の方から人気を集めるにもわかる気がします。


成田温泉
ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉 49.7℃ pH8.7 323L/min(動力揚湯) 溶存物質1192mg/kg 成分総計1192mg/kg
Na+:356.2mg(93.88mval%),
Cl-:215.9mg(36.25mval%), SO4--:423.6mg(52.50mval%), HCO3-:58.0mg, CO3--:17.4mg,
H2SiO3:63.8mg, HBO2:27.8mg,
(平成25年8月19日)

なりた温泉2号泉
単純温泉 40.5℃ pH8.3 327L/min(動力揚湯) 溶存物質1192mg/kg 成分総計1192mg/kg
Na+:121.5mg(95.65mval%),
Cl-:19.5mg(10.11mval%), HCO3-:255.4mg(77.03mval%), CO3--:17.4mg(10.66mval%),
H2SiO3:165.2mg, HBO2:9.3mg,
(平成25年5月24日)

郡山市安積町成田字車川原27
ホームページ

日帰り入浴6:00~23:00
550円/1時間 780円/2時間 このほか4時間コースや1日コースあり。
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★+0.5
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郡山市 ホテルシーアンドアイ郡山

2022年07月19日 | 福島県

(2021年10月訪問)
久しぶりにみちのくの温泉を取り上げましょう。今回は猛暑で火照った体をクールダウンするのにふさわしい温泉をご紹介します。
郡山市街の国道4号沿いに建つビジネスホテル「ホテルシーアンドアイ郡山」では、ビジネスホテルでは珍しく自家源泉を所有し、且つ日帰り入浴を受け付けています。


場所は郡山駅から南西へ1キロ半ほど離れたところにあり、駅から徒歩で15分ほどかかるものの、国道4号沿いにあるため、自動車での移動でしたら便利に利用できるかと思います。なお国道側に駐車場はありませんが、真裏にコインパーキングがありますので、そこを利用することが可能です(宿泊客の指定駐車場でもあります)。

玄関入って左手にある、一見するとホテルとは思えないほどとっても小さなフロントで日帰り入浴したい旨を話し、料金を支払うと、スタッフの方がお風呂までの行き方や利用方法など丁寧に説明してくださいました。なお料金に関して、通常は850円ですが、タオル持参だと500円でOKです。


お風呂は2階にあるのですが、2階は土足厳禁になっており、2階エレベーターホールの前に下足棚が設けられています。この下足棚は階段からだとちょっと遠回りになるので、1フロアだからと意地を張らず、フロントのスタッフさんの薦めに従い、素直にエレベーターを利用することをおすすめします(階段を上がった私は、ちょっと戸惑ってしまいました)。


エレベーターホールからロビーを見下ろす吹き抜けの脇の通路をグルっと回って奥の方へ進みます。なお脱衣室内にロッカーは無いので、浴室入口に設置された小さな貴重品用ロッカーを使うか、あるいはちょっと離れたところにある別室のロッカールームを使用することになります。

ビジネスホテルの所謂「大浴場」によくありがちな特徴として、「大」と銘打っておきながら、実際にはそれほどでも…という規模の造りが多かったりしますが、こちらもその典型であり、脱衣室はそれほど広くありません。というか正直なところ狭い感じが否めません。もっとも宿泊客しか利用しないことを前提として設計されているのでしょうから、当然と言えば当然なのかもしれませんね。とはいえ広くない空間にもかかわらず洗面台が2つあり、ドライヤーも用意されていたり、水分補給のための飲料水サービスもありますから、決して使い勝手が悪いわけではありません。

この脱衣室で着替えているときに、ちょっと気になる点がありました。脱衣室内の棚の一部を潰して蓋が取り付けられ、その中にサウナの操作盤などが設けられているのですが、奥から何やら音声が聞こえてくるではありませんか。しかも熱いのです。
どうやらこの奥にはサウナ利用客のテレビが収められているようです。限られた空間を工夫している努力の跡なのですね。


浴室もやはりビジネスホテルの「大浴場」らしく、実際にはそれほど大きくないのですが、上述のようにサウナが設けられており、このお風呂を利用するお客さんの多くはサウナに入って、眉間に皴を寄せながら玉のような汗をかいていらっしゃるようです。


上述のように設計時点では宿泊客のみの利用を想定しているはずなので洗い場は3つありませんが、これも致し方ありません。混雑時には譲り合って使いましょう。なお3ヶ所のうち1ヶ所はそこそこスペースが確保されているので使い勝手は良好です。また各ブースにはボディーソープ等の備え付けもあります。


浴槽は左右に分かれています。
左側の浴槽は4~5人サイズで、そこに張られているお湯は自家源泉の温泉を加温循環消毒しており、温泉成分の影響で全体的に黒ずんでいるのですが、それでも後述する右側のお湯よりは若干透明度が高いようです。また加温しているとはいえ、41℃前後に抑えられているため、じっくりと長く浸かっていられます。


一報、右側の浴槽には源泉かけ流しで且つ非加温のお湯が注がれています。お湯と言ってもその温度は30~31℃くらい。夏は気持ち良いでしょうけど、冬はちょっと冷たいかな。浴槽の大きさは(目測で)1.8m四方、おおよそ3人サイズです。加温浴槽は黒ずんでいましたが、非加温の方は金気の影響で湯船の周りなど赤く染まっています。


何やら賑やかな言葉が躍っている掲示の下に湯口が設けられており、非加温浴槽へ源泉のお湯が落とされていました。塩ビ管から出るそのお湯は、湯船より若干温かい感じがします。また湯船ではやや黄土色を呈しながら薄く濁っています。湯船に浸かると、意外にもツルスベ感が得られ、且つキシキシと引っ掛かる感触もしっかり伝わってきました。湯口のお湯を口に含んでみますと、甘塩味と金気味、しっかりとした芒硝味、ほのかな甘み、そして僅かなタマゴ風味が感じられます(タマゴ風味は感じる時と感じないときがあり)。郡山市内では多くの温泉が湧出していますが、その多くは食塩泉かアルカリ性単純温泉なので、このような金気が多いぬる湯はかなり異色の存在と言えるでしょう。

非加温源泉は約30℃ですから、水風呂が好きな方はもちろん、水風呂が苦手な方でも不快感なく入ることができるかと思います。猛暑でヘトヘトになったら、この爽快な非加温源泉かけながしの浴槽に入って心身をシャキッと蘇えらせましょう。とっても爽快です。


浴室とロッカールームの間には休憩室が設けられています。お風呂上がりにちょっとそこでひと休み。
室内にはソファーが置かれているほか・・・


出入口付近に流し台があって、飲泉所が設けられています。専用の水栓からタラっタラっと滴り落ちてくる程度で、かなり少量ずつなのでコップに溜まって飲めるまでに時間がかかりますが、ここへ来たからには是非飲んでみてください。なお郡山市内で保健所から認められた飲泉所はここが唯一なんだとか。


郡山療養温泉あさかの湯
ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉 30.5℃ pH7.9 183L/min(掘削動力揚湯) 溶存物質1.798g/kg 成分総計1.798g/kg
Na+:536.8mg(59.05mval%), Ca++:36.9mg, Mg++:10.4mg, Fe++:0.5mg,
Cl-:440.6mg(47.57mval%), Br-:1.0mg, I-:0.3mg, HS-:0.1mg, SO4--:490.8mg(39.12mval%), HCO3-:198.4mg(12.45mval%),
H2SiO3:31.0mg, HBO2:41.0mg,
(平成29年12月14日)
かけ流し浴槽は加温加水循環消毒なし。
加温浴槽は加温循環消毒あり。

福島県郡山市堤下町12-7
024-927-1119
ホームページ

日帰り入浴11:00〜18:00
500円(タオル持参の場合)、850円(レンタルタオル類と浴衣セット付)
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★+0.5
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小諸市某所の温泉スタンド

2022年07月11日 | 長野県

(2021年9月訪問)
前回記事の投稿から2週間も間が空いてしまいました。お待たせして申し訳ございません。
連続して投稿してまいりました群馬県西毛から長野県東信にかけての温泉めぐりは、まだ記事にできていない箇所もあるのですが、とりあえず今回の記事で一旦締めくくります。その最後に取り上げるのは、小諸市の郊外某所にある温泉スタンドです。このスタンドがある場所の周りには、いかにも信州らしい長閑な田園風景が広がっています。


さて上画像の設備がその温泉スタンド。付近の県道を走っていると、温泉櫓のような構造物が目に入ってきたので、もしやと思って近づいてみますと、案の定、温泉関係の施設だったのでした。


どうやらこの場所に源泉があり、湧出したお湯をタンクにストックしているようです。


タンクに貯められたお湯は、下部のホースから吐出するようになっています。


でもこの温泉スタンドは小諸市民のためのもの。部外者が気軽に使えるものではありません。


数秒だけバルブを開けてお湯を出してみました。
ホースから出てくるお湯は無色透明の食塩泉で、ほんのりと塩味が得られ、また微かなアブラ臭や硫黄臭の名残のような匂いもわずかに感じられます。温泉と言ってもごく一般的なFRPタンクにストックされているだけなので、決して熱くなく、どちらかといえば生ぬるい感じですので、これを浴用として利用する場合は一旦加温する必要があるでしょう。

タンクの前には立派な分析表が掲示されており、これによるとこの源泉はなんと自噴しているんだとか。その湧出量は毎分156L。施設管理のコストはかかるものの、ポンプアップの電気代が不要なのは良いですね。もちろん湧出した温泉のすべてが温泉スタンド用として目の前のタンクにストックされるわけではなく、多くは崖の上の南方にある2ヶ所ほどの温泉施設へ引湯されているようです。従いまして、ここで湧出した温泉に入浴したい場合は、温泉施設を利用すれば良いわけですね。

温泉マニアの方でしたら、ここでビニールプールを膨らませたりして、お湯を張って即席の露天風呂を楽しんでしまうのかもしれませんが、最近そのようなアグレッシブさが失われてしまった私は、ちょっとだけお湯を出してテイスティングしただけで満足し、浴びることなくその場を後にしたのでした。


(源泉名は伏せさせていただきます)
ナトリウム-塩化物温泉 37.4℃ pH8.0 156L/min(掘削自噴) 溶存物質1.372g/kg 成分総計1.373g/kg
Na+:394.6mg(83.01mval%), Ca++:58.9mg(14.21mval%),
Cl-:589.9mg(80.21mval%), Br-:2.4mg, I-:0.9mg, HS-:0.2mg, HCO3-:227.2mg(17.93mval%),
H2SiO3:59.3mg, HBO2:11.8mg,
(平成31年1月4日)

長野県小諸市某所

小諸市民ならば24時間無料で利用可能(市民以外や業務用途は利用不可)

私の好み:評価対象外
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