温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

石和温泉 深雪温泉 貸切風呂

2022年03月25日 | 山梨県

(2021年6月訪問)
拙ブログでは今まで何度か取り上げている山梨県石和の「深雪温泉」。実際に私も複数回宿泊しており、昨年6月にも一晩お世話になっております。いままでの宿泊ではなぜか貸切風呂を利用したことが無かったので、今回は貸切風呂を初体験させていただくことにしました。


今回お世話になったお部屋はこちら。2階だったか3階だったか、ともかく駐車場に面した北東側の明るい和室でした。お手入れが行き届いた綺麗な室内で、快適に一晩過ごすことができました。


もちろん館内にある二つの大浴場「柿の湯」にも・・・


「ももの湯」にも入りましたが、これらの浴場については既にこれまでの記事で述べておりますので、今回は敢えて触れません(大浴場については以前の記事をご覧ください)


今回取り上げたい貸切風呂へまいりましょう。
まずは更衣室から。室内が広かったり洗面台が複数あったりと、貸切風呂にしてはやけに立派な更衣室ですね。さてと、着替えてお風呂へ行きましょうね・・・


おおっ、広いじゃん。


広い上にシャワーが複数あるぞ。全然貸切風呂っぽくないなぁ。
中小規模の旅館だったら大浴場として扱われる規模のお風呂です。
こんな立派なお風呂を貸切って良いのかしら。


内湯の浴槽は美しい石板張り。湯口から注がれる温泉が、縁から惜しげもなく溢れ出ていました。訪問日の内湯はちょっと熱めで、長湯できない感じですが、それでも心身がシャキッとするので、個人的には好きでした。


露天風呂もあるんですね。二つの建物に挟まれたスペースを活かして設えたような造りで、正直なところ殺風景な感は否めず、内湯と違って後から増設したような感じが強いお風呂です。


露天風呂の浴槽でも温泉が掛け流されており、少々熱めな内湯と異なり、こちらは適温が維持されていました。ちょうど2人入れそうな大きさです。


なお上画像は室内に掲示されている「温泉分析表」と称する案内文です。昭和37年という文言があるように、2つある大浴場に比べてかなり古いものなので、おそらくこの貸切風呂は以前大浴場の一室として使われていたのではないかと推測されます。そして後年「柿の湯」「ももの湯」ができたことによって、貸切風呂へ用途変更されたのではないでしょうか(間違っていたらごめんなさい)。

たしか貸切時間は50分だったかと記憶していますが、広い上に内湯・露天と2つも浴槽があるので、あっという間に時間が過ぎてしまい、本音を言えば1.5倍の時間が欲しかったほどでした。広すぎて持て余してしまったわけですが、でも貸切風呂によくある閉塞感や圧迫感など皆無であり、のびのびと贅沢な時空間を堪能できたので、このような貸切風呂はとても有難い存在だと思います。もちろん貸切風呂でも「深雪温泉」自家源泉の「完熟の湯」が完全かけ流しで提供されており、とっても良い状態のお湯に入ることができました。まさに極楽。また行きたいなぁ。


完熟の湯
単純温泉 48.7℃ pH8.4 663L/min(掘削自噴) 溶存物質461.4mg/kg 成分総計461.4mg/kg
Na+:127.7mg(89.81mval%),
Cl-:118.1mg(54.77mval%), Br-:0.2mg, SO4--:44.4mg(15.13mval%9, HCO3-:92.6mg(25.00mval%), CO3--:9.0mg,
H2SiO3:52.9mg,
(平成31年3月28日)

山梨県笛吹市石和町市部822  
055-262-4126
ホームページ

日帰り入浴の利用可能時間については公式サイトでご確認ください。
1100円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

古奈温泉(伊豆長岡) 弘法の湯 本店

2022年03月20日 | 静岡県

(2021年5月訪問)
前回記事の韮山温泉館からてくてく歩いて狩野川を渡り、古奈地区へとやってまいりました。一般的に、この古奈地区の温泉は知名度の関係で伊豆長岡温泉の一部に属しているような扱われ方をしますが、狭義の伊豆長岡温泉とは場所も源泉も異なるため、本記事では古奈温泉として取り扱うことにします。
今回訪ねるのは「弘法の湯 本店」です。「弘法の湯」グループは広義の伊豆長岡温泉エリアに3店舗運営しており、うち古奈温泉にある本店と、伊豆長岡温泉の長岡店で日帰り入浴可能です。この時は日帰り入浴で利用させていただきました。訪問時、建物は改装工事中だったため、上の画像にはブルーシートが映り込んでいますが、この記事が公開される時点では既に工事が終わって取り払われているものと思われます。


こちらのお宿では北投石によるホルミシス効果が売りらしく、公式サイトのほか、玄関前にもその効能を謳った看板が大きく掲げられているのですが、この手の効果について私は「信じる者が救われる」ものだと考えておりますので、信心がちっともない私のような不届者には効果が及ばないんだろうなぁ、なんて些末なことを思いつつ入館したのでした。


帳場で日帰り入浴をお願いしますと、快く受け入れてくださいました。なお食事のみの利用も可能なんだそうです。帳場で料金を支払いますと、引き換えに更衣室のロッカーキー、そして館内案内図を受け取ります。私のような初見の客にとって、この館内図は非常に重要です。と言いますのも、館内は広くて部屋がたくさんある上、廊下があちこちで曲がったり分岐しているので、地図が無いと迷子になってしまうこと必至なのです。


こんな迷える子羊ならぬ初見の私みたいな客でもお風呂へたどり着けるようお宿側もちゃんと配慮しており、受付で配布する館内図の他、廊下には青いカーペットが敷かれていて、帳場からこの青いカーペットに従って奥へ奥へと進んでゆくと、やがて男女各浴室へたどり着けるようになっています。私もこのカーペットが無ければ、地図を片手にキョロキョロあたりを見回し、迷って迷って半泣きしていたことでしょう。カーペットに導かれて奥へ進んでゆくと、まず女湯として設定されているいくつか浴室前を通過します。男湯は更に奥へ。


結構進んだ先に男性更衣室がありました。ロッカーは帳場でもらったキーで指定された番号の箇所を使います。鍵を開けるとロッカー内部にはバスケットが収められており、その中にはフェイスタオル1枚とバスタオル1枚が用意されています(1日コースの場合)。更衣室内はエアコン完備で、ウオーターサーバーによる飲用水のサービスがあり、また各種アメニティも揃っています。また室内の一角には自由に着用できる浴衣が積まれており、内湯や更衣室からちょっと離れたところにある露天風呂や休憩室へ行く場合、男女共用の岩盤浴を利用する場合などにはこの浴衣を利用することになります。着替えを済ませていざ内湯へ。

(今回記事では浴場内の画像はございません。また公式サイトからの借用も禁じられていますので、今回記事では文章のみで説明させていただきます)

まず内湯に入ってビックリ。室内には湯気が濃く充満しており、まるでミストサウナ状態なのです。はじめ入室先を間違えたのかと思ったのですが、どうやら内湯はこの湯気がモクモクしたところで間違いないらしく、お宿側の説明によればラジウムを逃さないようにするため窓を閉め切っているんだとか。それゆえ窓を開けないでほしいとのことですが、果たしてこの効果を信じている人がどれほどいるのかしら…。いや、冒頭でも申し上げたように信じる人こそ救われるのですから、疑い深く邪念にまみれた私のような人間に効果が及ぶことはないのでしょう。
出入口付近には洗い場が位置しており、シャワー付き混合水栓が10~12か所ほど設置されています。そしてその隣に主浴槽が据えられています。石材で固められた武骨な感じの造りで、その大きさは3.5×3メートルほどでしょうか。加水された温泉が放流式で供給されています。充満した湯気の中で湯浴みするわけです。

主浴槽から更に奥へ進んで仕切られた部屋に入ると、そこはミストサウナ室。横に寝そべって、天井から霧吹き状態で落ちてくる温泉を全身に浴びます。以前神奈川県津久井郡藤野にあった「東尾垂の湯」にも同様な設備があって私は大好きでしたが、あいにく「東尾垂の湯」は閉館してしまったため、その施設を思い出しながら、温泉ミストをたっぷり浴びたのでした。ここのミストサウナもなかなか良いですよ。


続いて岩盤浴も利用してみました。この施設では日帰り入浴料金の中に岩盤浴の利用も含まれています。上述した更衣室に積まれた浴衣を着てから、いったん廊下に出て、すぐ目の前にある男女共同利用の岩盤浴室へと入ります。
室内は左右に分かれており、右が比較的ぬるめ、左が熱めです。横に臥せるブースはたくさんありますから混雑で入りきらないということはないかと思いますが、でもその都度ブースを清掃しているわけではないため、場合によっては前の客の汗がそのまま岩盤の上に残っている可能性もあるじゃないかしら、なんてと思ったりしました(単に私が消毒作業を見ていなかっただけかも。その場合は申し訳ございません)。


露天風呂も浴衣に着替えて一旦更衣室から廊下へ出て向かいます。露天風呂には脱衣室は無く、ただ棚があるだけで至って質素。洗い場もシャワーが1つあるだけで、滑りやすいために石鹸やシャンプーなど使用禁止となっています。ということは内湯で体を洗ってから利用することが前提になりますね。
旅館内の庭園に設えられた露天風呂で、周囲の景色が見えるわけではないので大して開放感はないのですが、雰囲気はまずまず良いため露天らしい清々しさを味わうことができました。温泉のお湯は浴槽中央から投入されており、浴槽の縁からしっかり溢れ出ています。内湯同様しっかり放流式の湯使いです。ちょうど床に横になってオーバーフローのお湯に触れられるスペースがあったので、他にお客さんがいないことを確認してトドになってみました。外の風に吹かれながらのトド寝は気持ち良いなぁ。

さてお湯の特徴ですが、無色透明無味無臭でサラサラとした浴感の湯です。アルカリ性ですが特段ツルツル感が強いわけでもなく、いまひとつ個性に欠けるような気もしますが、でもこういうアッサリとしたお湯は万人向けですので、敏感肌な方も刺激に弱い方も安心して湯浴みを楽しむことができるかと思います。なお各浴槽とも41℃前後の入りやすい湯加減に調整されていました。分析表を見ますと溶存物質615.3mgなので確かに薄いお湯なのですが、それでも何だかんだで芒硝型になっており、こうしたお湯の特徴はいかにも中伊豆らしいところと言えましょう。湯上がりはしっかり体の芯まで温まるので、アッサリ系とはいえさすが温泉の底力を実感します。


お風呂上がりは休憩室でひと休み。今回私が利用したのは夕暮れコースですが、1日コース(もしくはタオルなしコース)は8:00~22:00まで最大14時間も滞在できちゃうので、頭を空っぽにしてひたすらのんびり湯浴みと睡眠したいという方におすすめ。しかもこのような広い部屋が使えるのも嬉しいところですね。


伊豆の国市長岡1157-2 第一貯湯槽
アルカリ性単純温泉 59.6℃ pH9.1 溶存物質615.3mg/kg 成分総計615.3mg/kg
Na+:162.1mg(88.24mval%),
Cl-:120.8mg(40.89mval%), SO4--:193.0mg(48.20mval%), OH-:0.2mg,
H2SiO3:76.8mg,
(平成26年12月2日)
加水あり、加温循環消毒ろ過なし

静岡県伊豆の国市古奈1179
0120-57-2617
ホームページ

日帰り入浴8:00~22:00(露天風呂は10:00~22:00)
1日コース(8:00~22:00まで最大14時間滞在可。レンタルタオルと浴衣付き)1600円
タオルなしコース(8:00~22:00まで最大14時間。レンタルタオルや浴衣は無し)1300円
夕暮れコース(16:00~22:00。レンタルタオルと浴衣付き)1000円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★+0.5



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韮山温泉 温泉館 2021年春 再訪

2022年03月11日 | 静岡県

(2021年5月訪問)
たまに行きたくなる特定の温泉ってありますよね。東京西郊に住む私にとって、伊豆に点在する共同浴場は比較的手軽に非日常の温泉気分が味わえるので、あまり遠出できないときには伊豆へ向かうことが多く、とりわけコロナ禍で地方へ出かけにくくなっている昨今では、伊豆の共同浴場のお世話になることが多くなっています。今回取り上げる韮山温泉「温泉館」もそのひとつ。今回記事のタイトルこそ「再訪」ですが、実際には今まで3~4回ほど訪問を重ねています。
拙ブログでも2011年10月に一度こちらの施設を取り上げていますが(当時の記事はこちら)、それから11年ぶりに再度記事にしてみることにしました。
以前こちらの施設は伊豆の国市営でしたが、最近経営が市から「韮山源氏温泉協同組合」へ移管され、それに伴って施設名も「韮山温泉館」から地名を削除した「温泉館」へと変更されています。また公営ではなく民間施設という位置づけになったようです。なお韮山温泉と称していますが、最寄り駅は伊豆長岡駅です。


下足場の右側に設置された券売機で湯銭を支払うと、番台にいたおじさんがここまで出てきて対応してくださいました。そして私や他のお客さんが浴室に入ると、おじさんはその度に、男女各浴場入口の脇にぶら下げられた小さなホワイトボードへ、水色もしくはピンクのマグネットを貼り付けて入室客数をカウントしていました。中の混雑具合を把握するためでしょうか、あるいはコロナ感染対策なのでしょうか。
地元民向けの共同浴用ですから、脱衣室の内部は至ってシンプル。ロッカーとSUS製の流し台、そして扇風機があるばかりです。さっさと着替えてお風呂へ向かいましょう。


白色基調のタイルが多用された室内もやはり余計な装飾など無く、汗を流して湯船へ浸かることに専念すれば良い、という思想に基づいているような潔い造りです。手前側に洗い場が、奥の窓下に浴槽が配置されているのですが、天井が低く、また梁などの関係もあって、手前側は昼間でもやや薄暗い感じです。


洗い場にはシャワー付き混合水栓が3つ並んでいます。なお石鹸類の備え付けはありませんので、事前に用意しておきましょう。かく言う私もこの日はうっかり忘れてしまったので、付近のドラッグストアでトラブル用、いやトラベル用の小さいボディーソープ等を買い揃えてから訪問したのでした。


底に敷き詰められた豆タイルから昭和の雰囲気が漂ってくる横長の湯船は、並んで入れば6人サイズ、詰めればもう1~2人は入れそうな大きさで、女湯側の側面から出ている湯面下の湯口より源泉が投入されています。湯口には布が被せてありますが、特に湯の花が出るような泉質ではないので、あくまでお湯に混じってしまう砂や配管錆などの固形物を漉し取るためのものでしょう。

そのお湯は無色透明無味無臭でサラサラとしたさっぱりしています。脱衣室には41℃に調整していると書かれていましたが、私の体感では42~3℃ほどあったように感じられました。純然たるかけ流しの湯使いで、お湯の鮮度感は抜群。癖も嫌味も外連味も無いアッサリ系のお湯なので、普段使いにもってこいでしょう。にもかかわらず温浴効果がパワフルなのは、さすが本物の温泉たる所以。シンプルなお風呂だからこそアッサリとしたお湯の持ち味が良く伝わってくるのです。


浴舎の裏手には源泉井があります。ここから汲み上げているんですね。浴槽の目と鼻の先で汲み上げているのですから、そりゃお湯がフレッシュなのも頷けます。今回も良い湯でした。また来ます。


富士見の湯 韮山8号
アルカリ性単純温泉 60.5℃ pH9.4 82.4L/min(動力揚湯) 溶存物質0.868g/kg 成分総計0.868g/kg
Na+:238.6mg(84.39mval%), Ca++:35.5mg(14.39mval%),
Cl-:163.7mg(37.35mval%), SO4--:333.8mg(56.18mval%), OH-:0.4mg, CO3--:16.1mg,
(2020年9月28日)
加温循環消毒なし(ただし清掃時は次亜塩素酸系洗剤を使用)
加水あり(温度調整のため)

静岡県伊豆の国市南條1603-1  
055-949-2639

15:00~20:00 月・木・年末年始定休
400円
ロッカー(100円リターン式)あり、他備品類なし

私の好み:★★★

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

熱海温泉 KKRホテル熱海(日帰り入浴)

2022年03月03日 | 静岡県

(2021年4月訪問)
一時は斜陽観光地の代名詞だった熱海ですが、いまではすっかり息を吹き返し、昭和の頃には浴衣姿のおじさんたちが赤ら顔で下品な話に華を咲かせていた大型旅館も、いまでは加齢臭を寄せ付けない小洒落たスタイリッシュなリノベーションホテルに生まれ変わり、それに伴い当地の宿泊価格相場も「自分にご褒美」的なラインへ上がっているようです。普段は渋い旅館を好む私も、たまには気持ちが弾むようなホテルに泊って心をときめかせたいのですが、でも無い袖は振れませんので、巨大なホテルを下から見上げてひたすら羨むだけにとどめ、その場を素早く立ち去るのが常となっています。
そんな私でも日帰り入浴を受け付けているホテルならば比較的気楽に訪問できますので、今回は熱海駅から徒歩約10分のところにある、海を臨む巨大なホテル「KKRホテル熱海」を訪ねて、入浴のみ利用してまいりました。


それにしてもデカイですね。巨大な要塞のようです。建物が大きい上、熱海ならではの急傾斜地に建てられているため、道路から建物1階までの擁壁も高く、それが余計に要塞感を強めているようです。主に全国の観光地に点在するKKRの各施設は、えてして昭和の匂いが残るような如何にも保養所然とした施設が多いような印象ですが、この熱海に限ってはKKRの固定概念を覆す大変立派な建物であり、とても共済組合の福利厚生施設だとは信じられません。


さて上り坂のアプローチを進んでエントランスを入り、フロントで日帰り入浴をお願いしますと、快く受け付けてくださいました。所定の料金を支払うと引き換えにフェイスタオルがもらえます。


タオルを片手にエレベーターで浴場がある7階へ。


この7階エレベーターホールは見晴らしが素晴らしく、相模灘を一望できます。
晴れていれば伊豆諸島を望めるかと思いますが・・・


残念ながらこの日はあいにくの天気だったので、肉眼でわかるのは初島だけでした。でも高いところから海原を臨むと気分が清々しくなりますね。なおこのホールの一角にはお水のサービスがありますので、お風呂上がりに景色を見ながら水分補給するのも良いでしょう。


見晴らしの良いホールを挟んで左右に浴場が分かれており、海に向かって右側が男湯です。
私の訪問時はコロナ対策の一環として、靴を靴棚に入れずビニール袋に入れて各自のロッカーへ収める措置がとられていました。脱衣室も綺麗で明るく、洗面台もそこそこ広いので使い勝手良好です。なおロッカーはコロナ感染対策のため使用の都度スタッフにより消毒され、入浴客は消毒済みのところを使うことになります。


建物自体が大きく湾曲しており、浴場もそれに伴って大きくカーブしています。室内が広いのみならず、圧倒的なオーシャンビューのおかげで室内なのに開放的。しかも床や浴槽には伊豆青石をふんだんに採用しているので、居心地がすこぶる良好、爽快です。海を臨む窓に沿って設けられた主浴槽はとても大きく、循環濾過された温泉のお湯が張られています。お湯は底でしっかり吸引され、湯口の他、側面からも投入されていました。後述するようにこちらのお湯は本来色を帯びているのですが、内湯はしっかりろ過されているため無色透明です。とはいえお湯に残る温泉成分の影響か、浴槽底面に敷かれている伊豆青石は温泉成分で赤茶けていました。


浴槽とは反対側の山側に洗い場が配置され、シャワー付き混合水栓が12基、そして立って使うシャワーが2基設置されています。
この他、洗い場の奥にはサウナや水風呂、そして小さなジャグジー槽(非温泉)なども設けられています。


浴場から外へ出るドアを開け、庭園風の設えで雰囲気が良い露天ゾーンへ。
プールのように大きな内湯の主浴槽と比べると、桜御影石で作られたこの露天風呂は小さく、約2.5メートル四方の5人サイズかと思われますが、でも高台に建てられたホテルの7階という高度のおかげで、大変見晴らしがよく、眼下に広がる相模灘を一望しながら気持ち良く湯あみできました。

露天風呂は景色のみならず、お湯も素晴らしい。内湯は循環ろ過でしたが、露天は源泉のお湯がしっかりかけ流されているのです。湯口からは50℃近い熱めのお湯が注がれていますが、外気で冷却されるため、湯船では加水することなく丁度良い湯加減が保たれています。そして湯船のお湯は海側の縁の切り欠けからオーバーフローしています。
ホテルの敷地内で汲み上げている自家源泉かけ流しのお湯は、僅かに緑色を帯びたような山吹色に濁っており、塩辛くて苦汁味も少々感じられます。なお匂いはあまりなく、見た目とは裏腹に金気も感じられませんでした。湯中では食塩泉らしいツルスベの滑らかな浴感がはっきり得られ、しかも温浴効果も強く、体の芯まで良く温まります。
眺めが良くしかも風が吹き抜けるので、つい長湯してしまいがちですが、逆上せやすい熱の湯ですから、この露天風呂では迂闊に長湯せず適宜湯船から上がって休憩するなど考えながら湯あみを楽しみましょう。

建物は綺麗だし、お風呂からの眺めは良いし、しかもお湯も素晴らしい・・・なんて素敵なホテルなんだろう!
こんなホテルを割引料金で利用できる国家公務員がとても羨ましく思えてしまいます。はぁ、しがない零細企業人のオイラにゃ別世界の話だぁ・・・なんて一喜一憂しながら露天の湯船に浸かっていると・・・


あれ、海の上に何か見えるぞ?


相模灘の洋上に大きくて綺麗な虹がかかっているではありませんか。
露天風呂に入りながら、海原と虹を両方目にできるんですから、こんな幸せなことはありません。この時の私は虹を眺めながら、こんな好機を得られた自分のささやかな幸運を祝ったのですが、まさかその数か月後に眼下の国道や海岸線を東進した先にある伊豆山地区で土石流災害による大惨事が発生するとは予想だにできませんでした。もし今後この露天風呂で同様の虹を見ることがありましたら、伊豆山の早期復興を祈っていただきたく存じます。


熱海129号泉
ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉 63.6℃ pH7.31 成分総計23.14g/kg
Na+:4694mg, Mg++:417.5mg, Ca++:3128mg,
Cl-:13090mg, Br-:12.8mg, I-:1.3mg, SO4--:1426mg, HCO3-:66.2mg,
H2SiO3:50.6mg, CO2:31.6mg,
(平成26年8月8日)
内湯:加水・加温・循環ろ過・消毒あり。
露天:加水・消毒あり。加温・循環ろ過なし。

静岡県熱海市春日町7-39
0557-85-2000
ホームページ

日帰り入浴11:00~20:00
1600円
(公式サイトにあるクーポン提示で平日は1200円。国家公務員共済組合員も組合員証提示で1200円)
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする