温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

八幡館温泉(コンテナ温泉)

2010年10月07日 | 青森県
 

東北道の大鰐弘前インターからちょっと南下した側道沿いにある、知る人ぞ知る温泉です。看板も何も出ておらず、私もここへ到達するまで何度も迷ってしまいました。普通の民家の一角なので、所有者の方が善意で地元向けにお風呂を開放していると判断すべきでしょう。なお温泉ファンからはコンテナ温泉とも称されています。


 
玄関入ると左手に小窓と現金投入口が。管理人さんがいる時もあるそうですが、私の訪問時は無人でした。小窓の向こうは一般家庭のリビングルームで、本当にここが浴場なのか疑わしく思えるほど。狭い廊下を通って奥の浴室へ。

 
脱衣所も浴室も質素で狭く、2~3人入るのが限度でしょう。浴室は木造ですが、浴槽はちょっと木でも石でもタイルでもない。よく見たら農業などで業務用に使う運搬用の青いコンテナなのでした。「コンテナ温泉」の名前の由来です。わざわざバスタブを用いることなく、身近なもので代用するという合理的な発想ですね。簡易な浴室なのに、シャワー付きカランが2基あり。浴槽はコンテナだからといって侮るなかれ、実にちょうどよい深さで、しっかりと造られており、見た目の安っぽさを良い意味で裏切ってくれました。


パイプからはお湯がドバドバ大量投入。どんどんオーバーフローしています。それどころか、湯船に注がれるよりはるかに多いお湯が、パイプからそのまま排水口へ捨てられているではありませんか。浴槽が小さいので余っちゃうんでしょうね。また湯口では55℃もあるため、湯温調節のため湯船への投入量を絞って、その分が捨てられているという見方もできます。いずれにせよ贅沢な湯使いで、感動ものです。

無色透明のお湯。湯口に置かれたコップで飲んでみると、薄い塩味とダシの味が混じって、ちょっとおいしいかも。ごく薄い臭素臭とダシ汁っぽい匂いが漂います。つるすべ感は弱いのですが、しっかりと気泡が付着し、湯面でもシュワシュワと泡がはじけていました(遊離炭酸ガスは検出されていないので、おそらく窒素ガスか何かでしょう)。食塩のためか湯上りはとても温まり、いつまでもポカポカです。飾りっ気が皆無の質素なお風呂で、贅沢に掛け流す新鮮なお湯に浸かれる喜びは、温泉ファンならどなたでも共感していただけるはずです。しかも寸志で入れるのですから、感謝感激です。



ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉
40.8℃(※) pH8.4 180L/min(動力揚湯) 成分総計2846mg/kg
(※)平成11年8月分析時の温度。年々上昇しており現在は50℃以上あります(訪問時の実測値は55.1℃)

青森県南津軽郡大鰐町八幡館
(施設の特性上、地図による位置特定は自粛します。ヒントは、国道7号の鯖石交差点近くで東北道の側道(砂利道)沿い、目の前に東北道の非常出入口があります)

開放時間不明(常識の範囲内で)
寸志

私の好み:★★★
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光風温泉

2010年10月06日 | 青森県
 

自動車修理工場である光風商会の敷地の一角にある温泉浴場です。看板が出ているわけではないので、自動車修理工場内にあることを予め知っておかないと、見落としてしまいがち。国道101号の旧道(現・県道245号)沿いで、弘南バス・相野東口バス停の目の前です。以前は本当に地味な建物でしたが、2006年に改築されて、外壁はエメラルドグリーン系のパステルカラーに塗装されました。

休憩所に座って常連さんと世間話をしているおばちゃんに料金を手渡し。脱衣所入口の棚には常連のお風呂道具が所狭しにズラっと並んでいます。浴室は奥に長く、湯気が立ち込めて濛濛としていますが、入った途端に芳しい臭素臭が香ってきました。カランは14ヶ所で、青森県標準の押しバネ式、うちシャワー付が4ヶ所。これまた青森県では当たり前ですが、カランから出るお湯は源泉です。



奥の壁には鯛を釣る恵比寿様の絵が描かれています(女湯は大黒様と虎の組み合わせだそうです)。縁起でも担いでいるのでしょうか。
タイル貼りの浴槽は二つに分かれ、手前側が大きめで4~5人サイズ、奥側が2~3人。鉄パイプからシュワシュワ音を立てながら源泉がドバドバ投入されています。お湯は投入口のある手前側浴槽から奥側へ流れて排湯されるため、手前側が熱くて45℃近くはあったように思います。常連の爺様曰く「今日はなんぼか熱い」とのこと。熱いからか浴槽の脇でトドになる人が多く見られました。

お湯は薄黄色透明。湯口にコップあり、塩味+ダシ味+(気の抜けたような)炭酸味で、口当たりは悪くなく、寧ろおいしく飲めちゃうかも。弱い油臭+臭素臭がはっきり香ります。成分総計が9.928g/kgとなっていて津軽平野の温泉ではかなり濃い方ではないでしょうか。その成分ははっきり食塩と重曹で占められています。

入浴中は炭酸ガスの泡が体にまとわりついてきます。新鮮なお湯なんですね。つるつるすべすべ感も心地よく、特に重曹の影響で湯上りのさっぱり感が強いようでした。一方で、食塩のため湯上りは湯冷めせずポカポカ。お湯の熱さ、そして炭酸ガスや食塩による保温性の高さゆえ、暑い時期にじっくり入ると火照ってフラフラになっちゃうかもしれません。

お客さんが次々に入ってくて、評判の良さがうかがえます。知らなきゃ行かない浴場なのに、1日150人も来るんだとか。温泉ファンなら行ってみて損はないと思います。


ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
50.5℃ pH6.95 湧出量不明(動力) 成分総計9.928g/kg 

弘南バス・相野東口バス停下車、目の前
弘南バス・路線バスのページ(←五所川原管内あるいは鰺ヶ沢管内の「五所川原~鰺ヶ沢線」を参照)
JR五能線・木造駅から徒歩15分(約1.3km)
青森県つがる市森田町下相野野田73-3 地図
0173-42-1496

6:00~20:00 第1・3月曜休
250円

私の好み:★★★
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