温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

八町温泉 共同浴場(旧)

2009年05月31日 | 福島県


秘湯の宝庫である只見線沿線。西会津の会津川口駅は只見線運転上の重要な駅となっていますが、この会津川口駅の前から野尻川に沿って国道400号線を南下すると、やがて玉梨八町温泉に行き当たります。この玉梨八町温泉は、玉梨と八町という二つの温泉を合わせた名称であり、川を挟んで左岸が玉梨温泉、右岸が八町温泉となっています。いずれも旅館が数軒ほどでとても鄙びた温泉地ですが、にもかかわらず両方に共同浴場が存在しており、しかも両者は川を挟んで真向かいに位置しています。

今回ご紹介するのは八町温泉の方の共同浴場です。今年の春に改築されて新しい姿に生まれ変わったそうですが、まだ新しい湯屋には訪れていないので、記録の意味も込めて旧湯屋についてご紹介したいと思います。
川沿いに建てられた湯屋は、脱衣所と浴室が一体化している昔ながらの造りで、更衣スペースこそ男女別ですが場所が異なるだけで、一応カーテンがついているもののお互い丸見えです。また浴槽は混浴となっています。浴室は決して広いとはいえませんが、天井が高いために圧迫感はありません。

コンクリートの浴槽には2本のパイプから源泉がブレンドされて注がれていますが、チョロチョロと少しずつ出ているぬるめのお湯が本来の八町温泉のもので、一方勢いよく注がれている方は対岸の玉梨温泉のお湯です。これは、ある時から八町温泉の源泉湧出量が減ってしまい、この分を補うために対岸のお湯を借りているわけです。
無色透明ですがほんのり濁っており、塩味に炭酸の味、そして金気の味が感じられます。特に八町源泉の方は量こそ少ないものの炭酸が強いようです。また金気の影響で浴槽や床が赤茶色に染まっており、お湯がオーバーフローして流れ出てゆく路には析出物がコッテリ付着しています。

さてこの鄙び感たっぷりの湯屋が取り壊され、改築されたとのこと。
どんな建物に生まれ変わったのか、旧来通り外来客を受け入れてくれるのか、訪問する機会があれば改めてご報告したいと思います。


脱衣スペース


対岸から見た様子(写真中央)


橋の上から見た様子(写真中央の赤い屋根)


八町温泉のバス停 素朴な感じの待合所


含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(亀の湯源泉)
43.6℃ pH6.8 成分総計5203mg/kg 6.4L/min

福島県大沼郡金山町大字玉梨 地図
 
24時間可
寸志(100円以上)

私の好み:★★★
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鍋山の湯 黒湯

2009年05月30日 | 大分県


前回に引き続き、別府郊外の「鍋山の湯」についてお話させていただきます。
泥湯からちょっと戻ると、黒湯があります。小さな祠の前に石組みの浴槽が2つあり、上の方はかなり熱めで、下の方はかなりぬるめでした。どちらに入るか迷いましたが、結局熱さとぬるさの両方を我慢して入りました。足して2で割ると丁度良い湯加減になったかと思うのですが、野湯ですのでその辺りの調整はじぶんで行う他ありません。

お湯の色が独特で、灰色のお湯なら他にもありますが、ここは灰色というより名前の通りほとんど黒に近く、そして黒色に近い灰色の湯の華で濁っていました。浴槽の上の方ではシューシュー音を立てて噴気を上げながらお湯が湧き出でており、このお湯がいかに新鮮であるかが実感できるかと思います。
また泥湯同様こちらも眺望が素晴らしく、特にここからは別府湾が綺麗に見下ろせます。
温泉天国別府を象徴するような野湯ではないでしょうか。


まわりには黄色く硫黄が析出している噴気孔が見られます


こんな感じで湧いています


野湯につき泉質等不明

大分県別府市明礬 地図

24時間可
無料

私の好み:★★★
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鍋山の湯 泥湯

2009年05月28日 | 大分県


別府の明礬温泉から西へ伸びる山道を進みます。途中からダートになりますが気にせず前進し、行き止まりまで行ったら車を止めて、そこから更に10分ほど山を登ると、俄然視界が開け、ガレのような場所が広がります。このガレのどん詰まりに「鍋山の湯」と称される野湯があります。「鍋山の湯」には泥湯と黒湯の2つがありますが、今回は泥湯をご紹介します。ガレの手前左側に黒湯が、ガレの奥に泥湯があります。

先述の視界が開けるところは実に眺望が素晴らしく、左右には美しい山並みが広がり、そして正面には別府湾を見下ろせ、この眺望を見ながらゆっくり湯浴みできるのが泥湯なのです。ここには石組みの浴槽が上下ふたつに並んでおり、上の方がぬるめで、下の方が熱めでした。いずれにも硫黄の匂いが漂う乳白色の濁り湯が張られており、湯船の底には硫黄分たっぷりの白灰色の泥が溜まっています。眺望にうっとりしながらさっそく泥パックを開始。腕や頬などに泥を塗ってみたところ、つるつるになりました。効果抜群です。
広い空の下、眺望と乳白色のお湯と泥パックを一度に堪能できる、何とも贅沢な野湯であります。


こういう道を進みます


別府湾を見下ろす絶好のロケーション


絶景を眺めつつ、雄大な大自然に包まれながらの湯浴み


野湯につき泉質等不明

大分県別府市明礬 地図

24時間可
無料

私の好み:★★★
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新穂高温泉 アルペン浴場

2009年05月27日 | 岐阜県


北アルプスの登山基地にもなっている新穂高温泉は、奥飛騨温泉郷の一番奥にあって、非常に風光明媚な観光地です。新穂高温泉には有名な露天風呂「新穂高の湯」がありますが、私が訪れたときは休日でとても混雑していたので、更に奥へ進んでロープウェイ近くのバスターミナルに隣接している「アルペン浴場」に入ることにしました。

ここは旧上宝村が登山客のためも設けた無料の温泉浴場で、私の訪問時にも重装備の登山客が数人ほど後から入って汗を流していました。内部の造りは至ってシンプルな共同浴場となっており、湯船は男女別にそれぞれひとつずつ、お湯が静かに掛け流されています。無色透明で無味なお湯からは金気の匂いが感じられ、粒状の茶色い湯の花も大量に舞っています。また金気の影響でオーバーフローしたお湯が流れるところや浴槽の底は赤錆の色に染まっています。

温泉分析表は昭和51年のものと同58年のものが掲げられており、51年のデータでは源泉温度75.5℃、pH6.2、湧出量毎分380L、成分総計688.5mg/kgとありますが、58年になると源泉温度が64.5℃と下がっておるものの湧出量は毎分600Lと増えており(pHや成分総計は不明)、わずか7年でこれだけの変化があるわけですから、昭和58年から26年が経過している今ではそれぞれの数値も大いに変化しているものと思われます。

浴室の窓の目下には蒲田川の清流が流れ、対岸には水力発電用の太いパイプが山肌を這うようにはるか上まで繋がっています。新穂高ロープウェイの駅から近く、しかも無料で入れるので、付近を観光の際には是非立ち寄ってみてください。




付近には熱いお湯が噴出すモニュメントがありました


単純泉
64.5℃ 600L/min

岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂 地図

9:30~16:00 無休
無料
(但し、目の前の駐車場を利用する際は500円とられます)
コインロッカーあり

私の好み:★★
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(旅グルメ)新庄 梅屋

2009年05月26日 | 山形県


山形県新庄といえば日本蕎麦の美味しい店が揃っている城下町ですが、これ以外にもご当地ならではの麺料理「鶏モツのラーメン」があります。まだ知名度は低いようですが、新庄市内には鶏モツラーメンを出す店が点在しており、それぞれの店の味を比べてみるのも面白いかと思います。

今回紹介するのは新庄警察署近くにある梅屋さん。ご夫婦でしょうか、若い男女二人が頑張って店を切り盛りしているようです。店内には「愛をとりもつラーメン」と書かれたポスターが貼られています。いろいろとメニューがあるようでしたが、やはりここは鶏モツらーめん600円を注文。やがて目の前に出された丼にはなみなみとスープが注がれており真ん中に目玉のモツがたくさん盛られていました。

しょうゆ味のスープはあっさりしており、麺は細めでやさしく縮れています。肝心の鶏モツですが、モツだからといって豚や牛と違ってクニャクニャしておらず、どちらかといえばコリっとした食感で、また全然コッテリ感が無く逆にとってもあっさりしており、柔らかめの砂肝を食べているような感じがしました(砂肝もモツといえばモツですね)。ただ、全体的な味がちょっとシンプルすぎて、もう少し何かしらのインパクト(例えばスープのコクや、モツの下味など)があれば、新庄市内で燻り続けることなく全国区の味に成長できるのではないかと思いました。




山形県新庄市千門町3-16
0233-22-3910
11時~15時/17時~20時 火曜定休

梅屋 (ラーメン / 新庄)
★★★☆☆ 3.5

コメント (2)
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