言葉のオルゴール

伝えたい言葉
届きますか・・
この空の向こうへ・・

ゆうちゃんのにっき(菜の花の季節)

2005-04-30 20:32:01 | おはなし・・
ゆうちゃんは・・
同じ学年でも・・
おとなしい性格で、どちらかといえば
いじめられっ子・・
教室のすみに、ポッンといる女の子・・
いつも、さみしそうに・・
でも、ぼくのとなりの席・・
話しかけたいけど、でも、なんて話かければいいんだろ・・
なんだか・・・こまってしまう・・
そう思ってた・・
でも・・
あんなことになるなんて・・
ぼくは、思ってもいなかった・・
きっと・・
ゆうちゃんのこと、・・
ずっと・・
わすれない・・

あの日のこと・・
ぼくは、・・・
わすれない・・

あの日・・
ゆうちゃんは、・・
そわそわしていた・・
どうしたのかと、思っていたら・・
今日は、体育の日・・
わすれものしたらしい・・
でも、誰にも言えずに・・
こまっていた・・

ぼくは、ゆうちゃんに・・
体操服貸してあげた。
ぼくは、今日、体育の時間に
病院にいくことになっていたから・・
病院と言ってもたいしたことはない
眼科だから・・・

病院にいって、帰ってくると・・
ゆうちゃんが、走ってきた・・
「ありがとう・・」
「明日、洗ってくるね・・」
とにっこりと笑った・・
こんなに可愛かったんだ・・
ぼくは、ちょっと、びっくりしたんだ。
いつも、笑っていたらいいのに・・
そう、思っちゃった・・

「うん、明日は、体育ないし、明後日でいいよ」
そう言ってぼくたちは、別れた・・

ゆうちゃんの笑った顔・・
とても、可愛かった。

そして、翌朝・・
ぼくの家の近くで、朝早く・・
交通事故が、あったんだ・・
ぼくは、なにもしらずに・・
学校へ行った・・

先生から・・
ゆうちゃんが、交通事故でなくなったことを聞いた。
ぼくは、・・・
何もいえなかった・・
そして、家の近く出会った交通事故・・
それがゆうちゃんだったこと・・
初めて知ったんだ・・

ゆうちゃんは、ぼくに体操服を届けようとして、
事故にあった・・

先生から・・
体操服の袋をもらった・・
まだ、ゆうちゃんのあたたかさが、
残っているような気がした。

袋の中に・・
何か入っている・・
あれっ・・「これって・・・ぼく?」
小さなマスコットの人形が、入っていた。

きっと・・
一晩で、一生懸命作ったんだろうね・・



昨日見た・・
ゆうちゃんの初めての笑顔・・・
もう見ることが出来ないと思うと・・
涙があふれた・・

先生の話だと・・
「運転手さんは、ゆうちゃんが、ニコニコして
まわりも見ずに、まっすぐに飛び出してきた」そうだ・・


ゆうちゃんは、ぼくのうち目指して、来ていた
ぼくは、すごく、悲しくなってきた
昨日、ぼくが、体操服をかさなかったら・・
ゆうちゃんは、事故にあわなかったんだ・・
そう思うと、ぼくは、とても悪いことをしてしまった
そんな気持ちが、だんだんと大きくなってきた。

そのとき、ゆうちゃんのお母さんが、見えた・・
先生が、ぼくを呼んだ・・
ゆうちゃんのお母さんは、昨日のお礼をぼくに言ってくれたんだ
「ゆうは、今までで、一番うれしそうな顔をして、
学校から、帰ってきました。けんちゃんのことばかり
今日の朝、出かけるまで、話していたんですよ
だから、けんちゃんは、元気をだしてくださいね」
「ゆうは、しあわせだったんですから・・」

ぼくは、もうどうしょうもないくらい・・
涙が、でて・・とめることは出来なかった・・・
もう、教室にはいることできずに・・
そのまま・・保健室に、ずっといた

それから、何日か経ちお葬式も終わり、
少しだけ、落ち着いたとき・・
ゆうちゃんの日記を見つけた・・
ゆうちゃんは、机のすみに小さなノートを
かくしていたんだ。
ゆうちゃんの机をかたずけようとしていた
とき、それは、出てきた。

パラパラとめくると・・
けんちゃんとの約束・・
約束??
ぼくは、覚えていなかったんだ・・





今日、うれしいことが、あった。
けんちゃんが、やくそくしてくれた・・
今度の春・・
一緒に菜の花を見に行こうって・・・
言ってくれた。
「うれしい。・・」



そういえば、そんな話をしたような気がする。
ずいぶん、前のこと・・

ゆうちゃんが、菜の花を両手にいっぱい
抱えてきたときがあったんだ。
どうしたの、こんなにたくさんの菜の花って・・
そんな話をしたっけ・・
そうだ、今度の春に一緒に行こうって・・

すっかり、忘れてたよ・・
ゆうちゃんは、ずっと、覚えていたんだね。


あの時のこと・・


ゆうちゃん、よく花壇の手入れとか、ウサギの世話とか
人に言われなくても、ひとりでしていたよね・・
すごく、めだたなかったけど・・
そうだね・・・


約束・・

  していたんだ・・


ゆうちゃん・・
   

     「ごめん・・」



そう・・今は、4月・・・


・・菜の花の季節・・

明日・・菜の花の咲くところへ・・
行ってみよう・・

ゆうちゃんの代わりに・・
あの、マスコットといっしょに・・

そして、あの場所へ・・・
たくさんの菜の花の花束をもっていこう・・

あの事故のあった・・
原っぱの横の・・あの場所へ・・・


きっと・・

ゆうちゃんが、・・
笑ってくれる・・

あの、いっぱいの笑顔で・・・











ゆうちゃんへ・・

あの時・・

ぼくのうちへ・・

きてたんだろ・・

「ありがとう・・」

もっと・・

もっと・・

たくさん・・

はなしたかったね・・


マスコット・・

ありがとう・・


ずっと・・

だいじにするよ・・・

ぼくは、また・・・

ここに・・

菜の花をもって・・

くるからね・・


ゆうちゃんに・・・

あえてよかった・・・




            けん・・




画像は、paranoiaさんから、お借りしています・・

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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
詩、ありがとうございます (Aoi)
2005-04-03 22:09:34
本当にココロにしみました。

優衣さんからの詩を元に私も詩を書かせてもらいました。よかったら見てください。



このお話もぜひ、絵本化してほしいです。子供に読ませたいです。
ありがとうございます (優衣)
2005-04-03 22:22:08
少しずつ、進んでいますが・・・私の絵が、間に合いません

もう少し、時間がかかります。

必ず・・絵本作りますから・・



aoiさんのコメント大きな力です・・

どうも、ありがとうございます・・・
こんばんわぁ~! (なおみ)
2005-04-03 22:37:50
ゆうさん・・BLOGに・・来てくれてありがとぉ~♪

ここにきて・・びっくり♪

ココロがほっこりなったよ。。。

・・・・いいねぇ~~♪

ステキなお部屋に来れて、、嬉しいです。

また!のぞかせてねっ♪   
ありがとう (あみ)
2005-04-04 00:13:40
これを読んで

涙がでてしまいました。
なおみさん、あみさん・・ありがとう・・ (優衣)
2005-04-04 17:57:37
なおみさん・・

また、きてくださいね

お待ちしていまーす。

こちらから、も遊びに行きますww

よろしくね



あみさん・・



そういってくれると・・うれしい・・

絵が、・・・追いつかないよ・・・
Unknown (みぞプー)
2005-04-06 23:59:47
優衣さん、今晩は。書き込み有難うございます。



読みながら、泣きました。涙で文字が滲んで仕方ありませんでした。



お母さんが、けんちゃんにかけた言葉は、すごく心にしみました。



二回読みました。二回とも涙が出てきました。



胸がいっぱいで、今日はこれくらいしか書けません。ごめんなさい。
いつもありがとうございます (優衣)
2005-04-08 07:06:56
いつも、悲しい話で、もうしわけありません・・

でも、こういう話ばかり、閃いてしまって・・

やっぱり・・素直に泣ける場所・・ほしい気が、します。

閃くままにまた、書いていくつもりです。

また、遊びに来てください・・
はじめまして^^ (hanairo.r)
2005-04-15 23:11:53
トラックバックしてくださってありがとう♪

この物語、読まさせてもらいました^^

すてきなお話を作りますね~。。

心の中が、じ~んとして、涙が。。。

(あぁっ。。化粧がっっ!!w)

またおいでてくださいね^^
ありがとうございます (優衣)
2005-04-16 09:13:30
そういっていただけると・・

とてもうれしいです。



絵本つくりの途中なんです・・

なかなか・・進まないんですが、うれしい言葉をありがとうございます。励みになります・・

こちらからも、遊びに行かせていただきます
Unknown (ageha)
2005-04-16 23:14:20
とっても心に沁みますね。

涙がでたです。

お母さんの言葉もかなり響いて。

うまくコメントできないです。