言葉のオルゴール

伝えたい言葉
届きますか・・
この空の向こうへ・・

きみにあいにきたよ

2005-11-22 07:39:18 | おはなし・・
まーくんは、いつもげんきに学校へかよっています。
でも、ひとつきになることが、あります
それは、通学路にある大きな病院のよこをとおるときに・・

いつもいつもひとりのこが、まどからそとをみているのです・・
どうしてだろうがっこうへはいかないのかな?まーくんはそうおもいます

あるひ、まーくんは、おもいきってびょういんへいってみることにしました
びょういんでは、いろいろなこどもたちが、たくさんいました

みんながっこうへいっていないなのかな?まーくんは、そうおもいながら、あのこをさがしました。
ひとつひとつ・・びょうしつをさがしていきます

5つめのへやで、あのこをみつけました。「こんにちは・・」
まーくんは、そのこにこえをかけてみました。

「どうしてここにいるの?」
その子は、びっくりしたように、まーくんをみつめます。

「きみにあいにきたの・・いつもそとみているだろ・・」
まーくんは、にっこりとわらいました。

そのこも、うれしそうにわらいました。
すっかり、なかよくなったふたりは、たくさんのはなしをしました・・

またあしたくるよ・・
まーくんは、てをふりびょうしつをでていろなことをかんがえました。
そのこは、かなちゃん・・
ちいさいころから、びょうきになってずっと、びょういんでおおきくなったこと・・
がっこうへ、いってみたいな・・そうおもってること
しゅじゅつをしないとなおらないこと・・

まーくんは、しらないことが、たくさんありました
また、おはなしをしようとおもいながら、おうちにかえりました。

まいにちまいにち、まーくんは、びょういんへいきます。
すっかりなかよくなってふたりは、あえるのが、すごくたのしみになりました・・

「まーくん、かなねっ・・この窓から見えるあの丘で、おもっきり、走ってみたいんだよね。
はしったことないんだよ。。」
少し、息を吸ってから、かなちゃんは、また、話し出した。
この頃、少しかなちゃんは、元気がないような気がぼくは、していた。

「だから、まーくんが、お友達と走って、学校へ行っていたでしょ・・すごくうらやましかったんだ。」

当たり前だと思っていた走ること。・・・

かなちゃんは、走ることが出来ないんだ。・・

そんなこと考えたこともなかったよ。・・・・

「かなちゃん・・いつかきっと走れるよ。
そのときは、いっしょにあの丘へ行こう・・」

そんな約束をしてまーくんは、うちにかえりました。

ある日、病院からまーくんが、帰ろうとすると、かなちゃんは、寂しそうな目で、まーくんを
みつめています

「どうしたの??。」

まーくんは、言いかけたとき・・・
かなちゃんの目から、涙が、あふれました。

「まーくん、かな、ね・・・もう、あえなくなるかもしれない・・」

かなちゃんの目から、あふれる涙を見ているとまーくんも悲しくなってきました。

「そんなことないよ。・・
一緒にあの丘へ行こうって約束したじゃない・・大丈夫だよ。。大丈夫だから・・・」
「一緒に、走ろうって、言ったよね・・
約束したんだよ・・・病気なおしてさ・・一緒に走ろう・・ねっ・・・」

二人は、そう約束して、まーくんは、うちに帰りました。
大丈夫さ・・自分にそういい聞かせて・・

それから、また月日が、過ぎていきました。
そして、ある日のこと
びょういんへいってみると・・
かなちゃんのべット・・だれもいません・・
すっかり、かたずけてあります・・

ベットのうえに、てがみが、おいてありました。
かなちゃんのてがみです

まーくん・・
いつもなかよくしてくれてどうもありがとう・・
とっても、たのしかったよ・・
でも・・さいきん、ちょっと・・くるしい・・
あえなくなるかもしれない・・
だから、てがみかいたよ・・
いつかも、はなしたけど・・
あのおかのうえ・・
いつか、はしりたいね・・
かけっこしたいね・・
いっしょにいこうね・・

どうもありがとう・・
              かな・・

かぜになりたいな・・


まーくんは、なきました・・
たくさんたくさん・・なきました。
かなちゃんは、しんでしまったんです・・
きのうのよる・・

さみしくてさみしくて・・
まーくんは、なんにちもなきました・・

でも、ある日まーくんは、
もういちど・・かなちゃんのてがみをよみました。
「あのおかのうえ・・かぜ・・・」

かなちゃんは、かぜになったんだ。
まーくんは、それから・・・おかにいきました。
かぜが、ふいています・・
かなちゃんだ・・そうおもいました。

まーくんは、はしります・・
かぜといっしょに・・かけっこしました。
かなちゃんといっしょにはしります。

それから、まーくんは、さみしくなると・・
かぜになったかなちゃんにあいにいきます・・

そして・・おおきなこえで「かなちゃーん・あいにきたよ」って、さけぶんです・
すると、かなちゃんが、ぼくのところにきてくれる・・そんなきがしています

風やさしく僕のほほをなでていく。

仲良しだっだ頃の思い出をここに残したまま・・
ここだけが、あの時のまま・・

時が、止まったまま

柔らかな光とともに・・
歌う風の歌を聴きながら・・
自分たちの二人の影が見えるこの丘・・
ずっと・・・

ここに・・いつまでも・・
また、あの時と同じように・・・
柔らかな光が、僕を包む・・

「かなちゃん・・」

風が、かなちゃんの返事をここへ運んでくる。









ねぇ・・

きみは・・・

いまもここにいるの・・

ぼくは・・

きみがだいすきだよ・・・

さみしくなったとき・・

ここにきていい?・・・

きみのこえ・・・

おもいだすよ・・

あのえがおも・・・

また、ここにきていい??・・

きみに・・・

あいにきていい??







このお話で・・えほんをかこうとおもっています・・
感想を聞かせてください・・
よろしくお願いいたします






新緑の頃(貴方への手紙)

2005-06-29 16:14:55 | おはなし・・
貴方とであった

あの時

すべて、幻だったのでしょうか


優しい風の吹く中

歩いていた

あの頃

もう戻ることは、できないと

思いながら・・

ひとつひとつ思い出を積み重ねてきましたね

現実のあわただしさの中・・

だんだんと

変わっていった

私たち・・・


貴方は・・

風の歌が聞こえますか?

波が語る言葉を受け止めることが出来ますか??


いつからでしょうか・・

言葉を交わすことがなくなったのは・・

たぶん・・

貴方では、なくても同じだったかもしれません・・




風が、旅をするように時が流れていく

人の心も変わっていく

風よ・・

教えてください

もう・・

戻ることは、できないのでしょうか







緑色の風(チーとポン)

2005-05-30 10:45:45 | おはなし・・
ぼくは、ある日・・
緑色のアーチを抜けて、友達の家にいったんだ。
ハムスターの子供が生まれたから・・
見においでって・・

可愛くって、手のひらで、小さい手や足が動いていた。
僕は、どうしてもこの子が、欲しかったんだ。
可愛くてさ・・

無理やり、お願いしてもらってきた。
僕のうちには、もう、1ぴきいるんだ。
だから・・友達をつれてきてやりたかったんだ。
家にいるのは、チー(チビ)、今日、仲間入りしたのは、
ポンけんかしないかなって・・
少し、心配したけど、いっしょにケージにいれちゃったんだよ

ずっと・・

見ていたけど、けんかするようでもないので、いっしょに入れていたよ
どっちが、チーで、どちらが、ポンかわからなくなってきたんだ。


でも・・
ずっと見ていると、ポンの足がおかしい・・
ぜんぜん動かないんだ。
獣医さんのとこに連れて行ったんだ。
下半身麻痺・・
足が動かない・・
「この子は、長生きできないね。今は、左足だけだけど、右足も麻痺するだろう」
「えっ・・」
ショックだったよ。
でも・・
先生が・・「どうしますか??安らかにいかせますか」って、
言ったんだ
「とんでもない。つれて帰ります」とお父さんが、言った。
「短い命でも、最後まで飼ってやろうね。」って・・


薬をもらって帰ってきたんだ。
ぼくは、ケージの中では、チーが、ポンのことを心配しているように
ソワソワと動いていた。
きっと・・たくさん心配していたんだろうね。・・
ポンの姿を見ると、入り口をガジガジとかじりだし、早く開けろと言っているように
ぼくは思った。

チーは、ポンの足が悪いのが、わかるのか・・・
それから、ポンのそばにいるようになった。


ポンは、だんだんと不自由になっていったんだ。
それから・・
2年間生きていた。

ポンは、自分が不自由なのをほっておいてくれと言うように・・
一人になりたがった。
チーは、ポンの後ろをモコモコモコモコとついていくんだ。
ポンが、横になるとチーも寄り添うように横になる。
ポンは、それが、ウザイらしく「じじじじじ~」と怒り出す
それでも、チーは、ポンのそばから離れようとしなかった。
ポンが、チーをいやがるのは、チーが、デブくてコロッコロッのせいもあると思う

そんな感じで・・2年と半年くらいたったある日・・
いつもは、ぼくが、朝起きると2匹とも部屋から出ておはようと言ってくれるのに・・
その日は、チーしか出てこなかった。
いつもどうり種をあげても、チーは、食べようとしないんだ。
嫌な予感がして、のぞいてみると・・

ポンが、冷たくかたくなっていた。

でも、長生きしないと言われて2年半も下半身麻痺を抱えながら
回し車に乗ったり・・ケージを登ったりぶら下がったりしながら、
生きていたんだ。
あとで・・・
埋めに行こう・・そう思っていたら・・

チーがいない。
部屋に戻ったのかなと思っていたら・・
チーが、ポンに寄り添って寝ていた。
チーは・・息をしていなかった。


ポンが亡くなったのは何時か判らないけど・・・
チーはもしかしたらポンが死んだことを知らせるために、朝までがんばって生きていたのかなぁ。
知らせて安心したから、大好きなポンと一緒に天国へいったのかなぁ。


穴を掘って2匹を寄り添うように並べた。
これじゃぁ、ポンが怒るかな
これくらいかな。

ポンが怒らずチーが寂しがらないようにチョッとだけ離して、埋めたんだ。

天国でも・・
仲良くしてくれるかな・・

きっと・・

ポンの後を・・チーが、ついて回るんだろうね・・
そして、また、緑色の風が、ポンの「じじじじじ~」って、怒った声を運んでくる・・



ねぇ・・

ポン・・

いやがらないでさ・・

チーと仲良くしてね。

ぼくは・・

きみたちとめぐりあえて・・

とってもうれしかったよ・・


だから・・

おわかれしたときは・・

とてもさみしかったんだ・・


ねぇ・・

やくそくだよ・・

ポン・・
チーと仲良くしてね・・

また・・

いつかめぐり会える日がくることを

ぼくは、信じている・・

「ありがとう・・」

大好きな・・

ぼくのともだち・・

チーとポン・・






この話は、実話です
あまりに素敵なお話でしたので、書かせていただきました。(やしちさんの文をたくさん使わせていただきました)了解済みですww
写真があれば、本に出来たらいいですね。
もちろん、やしちさんの名前でねww


ありがとう・・(かなちゃんの手紙)

2005-05-30 06:49:57 | おはなし・・
ねぇ・・

まーくん・・
かなね・・

学校へいったことないんだ。

小さい頃から、ずっと、病院だったんだ。

だからね・・

まーくんたちが、学校へ向かう姿・・

とっても輝いていたんだ。

いっしょに仲間に入ることができたらって・・

ずっとずっと・・

・・・思っていたんだよ・・

あの時・・まーくんが、会いに来てくれて、とってもうれしかった。

びっくりしちゃったけど・・・

本当にうれしかったんだ・・

「ありがとう・・」

本当に楽しかった。

いっしょに・・走りたかったよ・・

あの丘で、まーくんといっしょに・・

走りたかった・・

風になって・・・

今度生まれ変われるなら・・

元気な子供に生まれてくるから・・

絶対に・・

また、お友達になってね。・・

絶対だよ・・・

もう・・

お別れだね・・

「ありがとう・・」

あの丘で、待ってる。・・

だから・・

思い出した時でいい・・

遊びにきてね・・


まーくんに会えてよかった・・

ごめんね。・・

約束守れなかったよ・・


ごめんね・・


カーネーションの花束(みゆちゃんのゆめ)

2005-05-05 17:48:58 | おはなし・・
みゆちゃんは、小学1年生・・
小学校に通っています

みゆちゃんは、
お母さんと二人暮し・・

みゆちゃんのお父さんは、みゆちゃんが、
小さいときに、交通事故で、亡くなってしまいました

それから、お母さんとふたりで、くらしています
みゆちゃんは、思います

みんなには、お父さんがいていいな・・
どうして、家には、いないの?
お母さんの仕事が、遅くなるときは、一人ぼっちで
家で待っているんです。

さみしくてさみしくて・・
泣きたいときもあります・・
でも、自分が泣いちゃうと・・
お母さんが、悲しむから・・

みゆちゃんは、泣きません・・
たくさんたくさん・・
がまんしてるのです・・

お父さんがいたら、お母さんは、家にいてくれるの?
そう一度、聞いたことがありました。

そのとき・・
お母さんが、泣いてしまったんです・・

「ごめんね・・」と・・
ぽろぽろと涙を流しました・・

そのとき・・
お母さんに聞いては、いけないことだとわかったんです。

お母さんは、泣きながら・・
みゆちゃんを・・
ぎゅっと・・
抱きしめました。


もう・・
みゆちゃんは、何にも言うことは、
できませんでした・・・
大好きなお母さん・・

もう・・
泣かせたくなかったから・・
お友達と話をしてて・・
お父さんの話が出ると・・
とても、うらやましかった・・

でも、・・
みゆちゃんは、・・
お父さんって・・
覚えていないんです・・
高い高いしてもらったことも・・
おんぶしてもらったことも・・
ぜんぜん、覚えていないのです
お父さんって・・
どんな顔なのかな??
お父さんって・・どんな人だったんだろう・・・

本当は、・・
お母さんに聞きたいことが、・・
たくさんあるんです。

でも・・・
また、お母さんを泣かせると思うと・・
言葉がでてきません・・


お母さんの仕事が遅いときに・・
泣きながら、眠ったこともあります


ある日・・
みゆちゃんの夢に・・
男の人が、でてきたのです・・
はじめは、みゆちゃんは、誰なのか・・
・・わかりませんでした・・

でも・・
その男の人は、いうんです・・

「みゆ・・・」

「元気か・・」って・・

この人・・
もしかして・・
お父さん??
夢の中のみゆちゃんは、思いました・・

「寂しい思いさせてごめんな・・」

「お母さんをたのむよ・・」

そういって・・
消えてしまいました・・


夜中に・・
みゆちゃんは、はっとして、目が覚めました。
横で寝ている。
お母さんの顔をみると・・

涙が・・・

疲れた体に鞭打って・・
仕事をしていることは・・
みゆちゃんには、わかっていました・・

だから・・
お父さんが、来てくれたんだ
そう思いました。

「お母さんを頼む・・」

その言葉が、・・

まだ、耳に残っています。
みゆちゃんは、その声を思い出しながら、また、眠ってしまいました。


翌朝・・・
みゆちゃんが、おきると、お母さんは、朝食の用意をしていました。
みゆちゃんのお皿にだけ・・・目玉焼きが、のっていました。
急いで、ご飯を食べて、・・・
みゆちゃんは、学校へいきました。


休み時間に・・
お友達が、母の日のプレゼントの話をしていました。

「おこずかいで、ハンカチをあげようかな??」

「私は、カーネーションを買ってあげよう・・・」

みゆちゃんは、おこずかいがありません。
どうしたらいいんだろう・・・・

「おこずかい、いいな・・」

みゆちゃんは、そっと、つぶやきました。
お母さんは、がんばってるよ・・
それは、わかっていました。

「お父さん・・」

夢のあの声は・・・きっと、お父さん・・・
母の日に、プレゼントしたい。

でも、何をしたらいいんだろう・・・
おこずかいもないし・・・
みゆちゃんは、考えました。

そういえば・・・

みゆちゃんが、大切にしていた赤い包装紙とみどりのりぼん・・・
いただいたお菓子の缶に、あまりにきれいだったので、たたんで、なおしておいたのです・


そうだ・・・
カーネーションを作ってみよう・・・
学校から帰ってくると、みゆちゃんは、包装紙の入った缶を探しました。

「あった。。。」

「これっ・・」

そっと、開けてみると、入れたときのまま・・・
きれいにたたんで入っていました。
みゆちゃんは、カーネーションを作ります。

でも、何度作っても、うまくいきません。
くずれてしまいます。
みゆちゃんは、なきそうになりながら・・
作りました。

気がつくと・・・
何度も何度も、失敗しているので、・・
包装紙があと少しだけになってしまいました。
もう失敗は、できない・・・
みゆちゃんは、作ります・・・

やっと・・
一本だけ・・カーネーションができました。
まわりに、散らかってしまった。
作りそこないのカーネーション・・
捨てることができずに、大きな袋にいれて、押入れにいれておきました。

そのまま・・・
みゆちゃんは、そのカーネーションの袋のことは、忘れてしまっていました。




きょうは、母の日です
みゆちゃんは、学校から帰ってくると、お母さんのために、何か、作ってあげたいそう思いました。

でも、お母さんから、火は、使わないようにと、堅く言われているのです。

それで、冷蔵庫にあった食パン2枚、ビンに入ってたジャム、マーガリン、そして、きゅうり
サンドウィッチを作ることにしました。
一枚のパンを半分に切り、ジャムをはさみました。
もう一枚のパンに、マーガリンをぬり、ぎこちない手つきで切ったきゅうりをならべました。
二種類のサンドウィッチができました。
お皿にサンドウィッチをならべ、机になおしておいたカーネーションをコップにさしました


お母さんどんな顔で、食べてくれるかな・・
わくわくして待っていました。

でも、お母さんは、帰ってきません・・
おなかすいちゃったな・・
みゆちゃんは、サンドウッッチの耳をかじりながら、お母さんを待っていました。

「がちゃ・・」と音がして、お母さんが、帰って来ました。

「お帰りなさい」

「今日、母の日でしょ・・サンドウッッチ作ってみたんだけど・・・」
お母さんは、うれしそうにテーブルを見て言いました。
「ありがとう・・おいしそうだね・・・」
それから、みゆちゃんとお母さんは、一緒にミルクを温めて・・ソーセージをやいて、半分ずつ、お母さんといっしょに食べたんですよ。

お母さんのうれしそうな顔・・ひさしぶりです。

一緒に、お風呂にはいって、いっしょのお布団で、ぎゅっと抱っこして眠りました。


それから、何日かたったある日・・
久しぶりのお母さんのお休みの日・・
でも、みゆちゃんは、学校です。
今日は、早く家に帰ろうそう思いながら・・
みゆちゃんは、学校へ、いきました。

お母さんは、そうじをはじめました。
押入れを見たとき、大きな袋があることに気がつきました。

中を開いてみて、びっくり、たくさんの作りそこないのカーネーションが、入っていたからです。
「こんなにたくさん・・」
くずれたもの、つぶれたもの、葉が、取れかかっているものなど・・・
ひとつひとつにみゆちゃんの心が、詰まっているのです

お母さんは、大きな花瓶をさがしました・・
「でも、花びんなんてあったかしら・・」
食器棚を探していると、昔、お父さんが、使っていたビールのジョッキがでてきました。
「あっ・・・これは・・・」
奥にしまっていて、あったことさえ忘れていたもの・・
お母さんは、みゆちゃんのカーネーションをこのジョッキにさすことにしました。

お父さんとみゆちゃんからの母の日のプレゼント

心のこもったもの・・・
テーブルの真ん中にかざり、みゆちゃんの大好きなクッキーを久しぶりに焼いてみました・・・

みゆちゃんが、学校から、帰ってくるのを楽しみにして・・・・






おとうさん・・

大丈夫だよ・・

心配しないでね・・

がんばるから・・

だから・・

悲しいとき・・

辛いとき・・

力を与えてね・・

まけないよ・・


だから・・

見ていて・・・

わたし・・

がんばるからね・・

「おとうさん・・」

「ありがとう・・」

「おかあさん・・これから、お手伝いもっとするからね。」





ゆうちゃんのにっき(菜の花の季節)

2005-04-30 20:32:01 | おはなし・・
ゆうちゃんは・・
同じ学年でも・・
おとなしい性格で、どちらかといえば
いじめられっ子・・
教室のすみに、ポッンといる女の子・・
いつも、さみしそうに・・
でも、ぼくのとなりの席・・
話しかけたいけど、でも、なんて話かければいいんだろ・・
なんだか・・・こまってしまう・・
そう思ってた・・
でも・・
あんなことになるなんて・・
ぼくは、思ってもいなかった・・
きっと・・
ゆうちゃんのこと、・・
ずっと・・
わすれない・・

あの日のこと・・
ぼくは、・・・
わすれない・・

あの日・・
ゆうちゃんは、・・
そわそわしていた・・
どうしたのかと、思っていたら・・
今日は、体育の日・・
わすれものしたらしい・・
でも、誰にも言えずに・・
こまっていた・・

ぼくは、ゆうちゃんに・・
体操服貸してあげた。
ぼくは、今日、体育の時間に
病院にいくことになっていたから・・
病院と言ってもたいしたことはない
眼科だから・・・

病院にいって、帰ってくると・・
ゆうちゃんが、走ってきた・・
「ありがとう・・」
「明日、洗ってくるね・・」
とにっこりと笑った・・
こんなに可愛かったんだ・・
ぼくは、ちょっと、びっくりしたんだ。
いつも、笑っていたらいいのに・・
そう、思っちゃった・・

「うん、明日は、体育ないし、明後日でいいよ」
そう言ってぼくたちは、別れた・・

ゆうちゃんの笑った顔・・
とても、可愛かった。

そして、翌朝・・
ぼくの家の近くで、朝早く・・
交通事故が、あったんだ・・
ぼくは、なにもしらずに・・
学校へ行った・・

先生から・・
ゆうちゃんが、交通事故でなくなったことを聞いた。
ぼくは、・・・
何もいえなかった・・
そして、家の近く出会った交通事故・・
それがゆうちゃんだったこと・・
初めて知ったんだ・・

ゆうちゃんは、ぼくに体操服を届けようとして、
事故にあった・・

先生から・・
体操服の袋をもらった・・
まだ、ゆうちゃんのあたたかさが、
残っているような気がした。

袋の中に・・
何か入っている・・
あれっ・・「これって・・・ぼく?」
小さなマスコットの人形が、入っていた。

きっと・・
一晩で、一生懸命作ったんだろうね・・



昨日見た・・
ゆうちゃんの初めての笑顔・・・
もう見ることが出来ないと思うと・・
涙があふれた・・

先生の話だと・・
「運転手さんは、ゆうちゃんが、ニコニコして
まわりも見ずに、まっすぐに飛び出してきた」そうだ・・


ゆうちゃんは、ぼくのうち目指して、来ていた
ぼくは、すごく、悲しくなってきた
昨日、ぼくが、体操服をかさなかったら・・
ゆうちゃんは、事故にあわなかったんだ・・
そう思うと、ぼくは、とても悪いことをしてしまった
そんな気持ちが、だんだんと大きくなってきた。

そのとき、ゆうちゃんのお母さんが、見えた・・
先生が、ぼくを呼んだ・・
ゆうちゃんのお母さんは、昨日のお礼をぼくに言ってくれたんだ
「ゆうは、今までで、一番うれしそうな顔をして、
学校から、帰ってきました。けんちゃんのことばかり
今日の朝、出かけるまで、話していたんですよ
だから、けんちゃんは、元気をだしてくださいね」
「ゆうは、しあわせだったんですから・・」

ぼくは、もうどうしょうもないくらい・・
涙が、でて・・とめることは出来なかった・・・
もう、教室にはいることできずに・・
そのまま・・保健室に、ずっといた

それから、何日か経ちお葬式も終わり、
少しだけ、落ち着いたとき・・
ゆうちゃんの日記を見つけた・・
ゆうちゃんは、机のすみに小さなノートを
かくしていたんだ。
ゆうちゃんの机をかたずけようとしていた
とき、それは、出てきた。

パラパラとめくると・・
けんちゃんとの約束・・
約束??
ぼくは、覚えていなかったんだ・・





今日、うれしいことが、あった。
けんちゃんが、やくそくしてくれた・・
今度の春・・
一緒に菜の花を見に行こうって・・・
言ってくれた。
「うれしい。・・」



そういえば、そんな話をしたような気がする。
ずいぶん、前のこと・・

ゆうちゃんが、菜の花を両手にいっぱい
抱えてきたときがあったんだ。
どうしたの、こんなにたくさんの菜の花って・・
そんな話をしたっけ・・
そうだ、今度の春に一緒に行こうって・・

すっかり、忘れてたよ・・
ゆうちゃんは、ずっと、覚えていたんだね。


あの時のこと・・


ゆうちゃん、よく花壇の手入れとか、ウサギの世話とか
人に言われなくても、ひとりでしていたよね・・
すごく、めだたなかったけど・・
そうだね・・・


約束・・

  していたんだ・・


ゆうちゃん・・
   

     「ごめん・・」



そう・・今は、4月・・・


・・菜の花の季節・・

明日・・菜の花の咲くところへ・・
行ってみよう・・

ゆうちゃんの代わりに・・
あの、マスコットといっしょに・・

そして、あの場所へ・・・
たくさんの菜の花の花束をもっていこう・・

あの事故のあった・・
原っぱの横の・・あの場所へ・・・


きっと・・

ゆうちゃんが、・・
笑ってくれる・・

あの、いっぱいの笑顔で・・・











ゆうちゃんへ・・

あの時・・

ぼくのうちへ・・

きてたんだろ・・

「ありがとう・・」

もっと・・

もっと・・

たくさん・・

はなしたかったね・・


マスコット・・

ありがとう・・


ずっと・・

だいじにするよ・・・

ぼくは、また・・・

ここに・・

菜の花をもって・・

くるからね・・


ゆうちゃんに・・・

あえてよかった・・・




            けん・・




画像は、paranoiaさんから、お借りしています・・

桜の花の舞う頃

2005-04-18 08:09:21 | おはなし・・
桜の花の舞う頃・・・


また、わたしは・・・・

ここへ来てしまいました。
あなたとの思い出の場所・・
もう何年になるんでしょうか・・

あれから・・・

出会った頃・・・
それも桜の木下でしたね。
あなたは、満開の桜の写真を撮りに来ていましたね・・
近くでは、あちらこちらで、お花見をしていた人たちが、たくさんいました。
私は、一人桜の木の下で、桜が舞い散るのを眺めていました・・・

ひとり・・・
一人の時間が、私は、好きでした。

ひとりで・・
桜の花びらが舞い散るのを見ていると、心の中が、洗われたようでした。

あなたは、私の横で、桜の木を写真に取り続けていましたね・・
そのしぐさが、おかしくて・・
吹き出した私に・・
少し、怒ったように、あなたは、笑いましたね・・

そう・・
あなたは、語りましたね。
自分のこと・・
写真に対する情熱・・
それから、たくさんの人の中が、苦手なこと・・
カメラのレンズを通すと世界が、変わること・・・

時々・・
その場所へ行くと・・
あなたは、いましたね・・
あなたの仕事は、フリーのカメラマン・・
昼も夜もカメラを持ち歩いて、いつでも、写真を撮り続けていること・・
たくさんの私の知らない世界のこと、話してくれました。

そんなあなたにだんだんと、惹かれていく私が、いました。
あなたと会えるのが、だんだんと・・
楽しみになってきました・・
でも、もう、桜の花は、終わり・・・
もう、会えなくなるのかとさみしげにうつむいた時・・
あなたは、いいましたね。

「今度は、違う場所で・・」と・・
今度と言う言葉を聞いたとき・・
とてもうれしかった・・・
本当に・・ばんざいって、叫びたいくらいに・・・

それから、たくさんの月日が過ぎ、あなたの仕事も、安定してきて・・
やっと・・と言うそのとき・・

1本の電話が、私を地獄へ突き落としました・・
あなたが、事故で・・死亡したとの連絡が・・・
信じられずに・・
あなたの元へ駆けつけたとき・・・
もう、あなたの手は、冷たくなっていましたね。

それからのわたしは・・
しばらくの間、口も聞かず、泣いてばかりでした。

しばらくして・・・
あなたのおかあさんから・・
1通の手紙が、届きました。


あなたが、取ったたくさんの写真と・・
手紙・・・
あなたが、書いていたものでした。



親愛なる君へ


僕の今の仕事・・
少し、危険が付きまといます・・
もしものときのために・・
この手紙を書きます・・・

君が、この手紙を読んでいると言うことは・・・
僕は、ここへはもういない・・・
そういうことになります・・


君の笑顔が、好きでした・・
もし、この仕事に成功し、無事に帰ったとき・・
君に、プロポーズするつもりでした。
実現できなくて・・「ごめん・・・」

僕は、もう、きみをしあわせにできない・・
だから、僕のことは、わすれてください・・・
君の幸せを祈る・・

僕は、きっと・・・
空の上でも、写真を撮っていると思うよ・・・



ずっと・・
泣いてばかりで、涙もかれたと思っていたのに・・
でも、まだ,涙ってでるんだね・・


あれから・・
もう・・5年もたちました・・

ここへくると、・・
今でも、あなたが、写真を撮っている姿が、・・
私には、見えるんです。










今・・

気づいたの・・・

あなたが、伝えたかった言葉

もう・・

こんなに時間が、過ぎたのに・・・

忘れることはできない・・

この手にあるあなたの言葉・・


もう・・

桜の花は、ないけれど・・

あなたの足跡だけが・・


いまでも・・

心の中に焼きついてます・・・


この空を見ていると・・

まだ、あなたが・・

ここにいいるようで・・

時間のたつのを忘れてしまう・・

あなたが残した写真の数に

驚いたあの頃だったね。

今では、その一つ一つが、私の中で・・

力をくれる・・

きっと・・

あなたの声が聞こえる・・

さみしくなると、私は、またここへ来る・・


・・あなたに会いに・・・

・・ここへくる・・



ともだちのたね・・

2005-04-15 06:11:47 | おはなし・・
なっちゃんは、お引越ししたばかり、・・
知らない町・・知らない場所・・
お友達もいません・・
寂しくなりました・・

ある日・・
なっちゃんは、お祈りをしました。
「神様・・お友達が、できますように・・」

それから何日か、たったある日のこと

朝起きると・・
手に、種を握っていました・・
なつみちゃんは、種を持っています・・

でも、この種は、何の種だかわかりません・・
朝起きて、手のひらにしっかりと握っていたのです・・

「どうしょう・・」

なっちゃんは、思います。
「植えてみたら・・花咲くかな??」と
とにかく・・植えてみることにしました。
大きな大きな種・・
いったい・・の種なんでしょうか。

それから・・
なっちゃんは、毎日毎日、水を上げました。
雨が、ひどい日には、流されないかと心配で見に行きました・・

風がひどい日には、飛ばされないかと、家に入れました・・
そして、ある日芽が出ました・・

大きな大きな双葉・・・
やっぱり・・何の花が咲くのだろう・・

そう思い、毎日毎日、水をかけていきます・・・
だんだんだんだん・・
大きくなってきました。
「あっ・・・」
たんぽぽだ・・・

でも・・・
こんな大きなたんぽぽみたことは、ありません・・
どうして、こんなに大きいの??
不思議でたまりません・・

花が咲き・・・

また、種がなり・・・
綿毛が、ふわふわと浮かんで、風にのり、飛んでいきました。

遠くへ・・・
ちょっと、寂しくなったなっちゃん・・・
綿毛を見送りながら、手を思いっきり、ふりました。
きっと・・
この種・・
また、誰かの手に握られるのかな・・
そう思いながら・・・


それから、また、風の強い日のこと・・

あのタンポポの綿毛は、戻ってくるではありませんか・・
たくさんたくさん

それも・・・
綿毛に・・子供達が、乗っているんです・・
あちらこちらの寂しいお友達が・・・
綿毛に乗って・・・
あつまってきました・・


なっちゃんは、うれしくてうれしくて・・・
たまりません・・

たくさんのお友達が、できました。

そして・・・夕方になると帰って行くんですよ

なっちゃんにたくさんのお友達が、できました。

きっと・・

きょうも・・

あの種は、誰かの手に握られているんでしょうね。

白もくれんの木の下で・・

2005-04-05 08:17:28 | おはなし・・
 僕らが出会ったのは、この白もくれんの木の下だった・・
少し、肌寒いこんな日だったね。

こんなに・・雲ひとつない・・・・

そうだった・・
あのときも、変な天気だったよなぁ・・・・
空は、晴れていたのに雷の鳴る・・

君は、もくれんの花の香りに誘われて・・
ここへやってきた・・

僕は、そのとき・・
君の目が、見えないことは、わからなかった・・
いや・・
性格にいうと・・
まったく見えないというわけではなく、光とか、人影とか
やっとわかるくらいだった・・
ただ・・
君の澄んだ瞳に吸い込まれているような気がした。

そのときだったよね・・
大きな雷が、落ちたね・・
君は、思わずに手に持っていた鍵を落としたんだ・・
それを拾おうと、屈んでいたんでけど・・
小さい鍵を拾うのは、君の視力では、無理だったんだろう・・・
そのとき、僕は、君の瞳に少しの光しか映らないことがわかったんだ・・

君は、目が、あまり見えなくても、凛としていたね・・
それが、ぼくには、魅力的に見えた。

それから・・
何ヶ月か時が経ちして君の瞳から・・
すべての光が、消えてしまった・・
君の瞳から、涙があふれ・・・・
君は、ずっと泣き続けていた。

「もう、わたしは、一生光を見ることできないんだね・・」

そのとき、僕は、言葉を口にすることできずに・・・
ただ、君のその手をしっかりと握り締めること・・

「・・・・・・・・」

そうすることしか、できなかった。

僕らは、恋人??友人??
まだ、あいまいな関係だったから・・
抱きしめることは、そのとき・・少し、とまどった。

君は、いよいよ一人では、動くことが、大変になってしまったね。
だけど、君は、まけなかった。
誰にも迷惑をかけまいと、自分で何でもしようと一生懸命にすべてのことに
打ち込んだね・・

だけど、うまくいかない日が、続き・・一度だけ弱音を吐いたね。
あれは、一度、お湯を沸かしたときに、うまくやかんがもてなくて、足に
お湯をかぶったとき、君は、動けなくて、僕に電話をした。
両足にひどいやけどをしてしまったね。
あの頃から、僕らは、お互いに必要としていることが分かったね・・
僕は、君のその手をずっと、引いていよう
君の瞳の変わりになれたら・・・
今もそう思っているよ


そう、今も君は、ここにいる・・
僕の横に・・

あれから・・もう、30年だよ・・

でも、まだ、ここに・・
白もくれんの木は、ここにあるんだ・・
僕らが、天国へ行くまで・・・

ずっと・・
ここへ・・
あるといいね・・







大切なあなたへ


ねぇ・・

私の手を・・

ずっと・・

引いてくれたね・・

つまずきそうになると・・

あなたは、・・

いつも・・

ささえてくれました・・

あなたのうしろ・・

わたしは・・

ずっと・・

ついていきます・・

これからも・・


「ありがとう」












桜の花の舞う頃・・・

2005-04-04 20:43:58 | おはなし・・
また、わたしは・・・・

ここへ来てしまいました。
あなたとの思い出の場所・・
もう何年になるんでしょうか・・

あれから・・・



出会ったのも・・・

桜の木の下でしたね。
あなたは、満開の桜の写真を撮りに来ていましたね・・
近くでは、あちらこちらで、お花見をしていた人たちが、たくさんいました。
私は、一人桜の木の下で、桜が舞い散るのを眺めていました・・・

ひとり・・・
一人の時間が、私は、好きでした。

ひとりで・・
桜の花びらが舞い散るのを見ていると、心の中が、洗われたようでした。
あなたは、私の横で、桜の木を写真に取り続けていましたね・・
そのしぐさが、おかしくて・・
吹き出した私に・・
少し、怒ったように、あなたは、笑いましたね・・

そう・・
あなたは、語りましたね。
自分のこと・・
写真に対する情熱・・
それから、たくさんの人の中が、苦手なこと・・
カメラのレンズを通すと世界が、変わること・・・

時々・・
その場所へ行くと・・
あなたは、いましたね・・
あなたの仕事は、フリーのカメラマン・・
昼も夜もカメラを持ち歩いて、いつでも、写真を撮り続けていること・・
たくさんの私の知らない世界のこと、話してくれました。

そんなあなたにだんだんと、惹かれていく私が、いました。
あなたと会えるのが、だんだんと・・
楽しみになってきました・・
でも、もう、桜の花は、終わり・・・
もう、会えなくなるのかとさみしげにうつむいた時・・
あなたは、いいましたね。

「今度は、違う場所で・・」と・・
今度と言う言葉を聞いたとき・・
とてもうれしかった・・・
本当に・・ばんざいって、叫びたいくらいに・・・

それから、たくさんの月日が過ぎ、あなたの仕事も、安定してきて・・
やっと・・と言うそのとき・・

1本の電話が、私を地獄へ突き落としました・・
あなたが、事故で・・死亡したとの連絡が・・・
信じられずに・・
あなたの元へ駆けつけたとき・・・
もう、あなたの手は、冷たくなっていましたね。

それからのわたしは・・
しばらくの間、口も聞かず、泣いてばかりでした。

しばらくして・・・
あなたのおかあさんから・・
1通の手紙が、届きました。


あなたが、取ったたくさんの写真と・・
手紙・・・
あなたが、書いていたものでした。



親愛なる君へ


僕の今の仕事・・
危険な仕事です・・
もしものときのために・・
この手紙を書きます・・・

君が、この手紙を読んでいると言うことは・・・
僕は、ここへはもういない・・・
そういうことになります・・


君の笑顔が、好きでした・・
もし、この仕事に成功し、無事に帰ったとき・・
君に、プロポーズするつもりでした。
実現できなくて・・「ごめん・・・」

僕は、もう、きみをしあわせにできない・・
だから、僕のことは、わすれてください・・・
君の幸せを祈る・・

僕は、きっと・・・
空の上でも、写真を撮っていると思うよ・・・



ずっと・・
泣いてばかりで、涙もかれたと思っていたのに・・
でも、まだ,涙ってでるんだね・・







あれから・・
もう・・5年もたちました・・

ここへくると、・・
今でも、あなたが、写真を撮っている姿が、・・
私には、見えるんです。


ほらっ・・
今日も・・・桜の花びらが、舞っています・・

まるで・・
あなたの写すカメラのシャッターように・・























おなじこどもなのに・・

2005-04-02 15:25:03 | おはなし・・
カブール川のほとり・・
「むかしは、花がたくさん咲いていたんだよ」
そのおじいさんは、寂しそうにつぶやきました・・・


アフガニスタンというくににいる・・
こどもたちのおはなしです・・・

このくにでは、みんなじぶんのたんじょうびをしりません・・
だいたい、なんさいくらい・・とひょうげんします
たんじょうびを紙に書くという習慣が、ないからです



みずくみは、こどもたちのしごとです・・・
おけをかつぎ、ながいみちのりをあるきます
ながいときには、2時間もかかります。

マハッドくんのおとうさんは、せんそうで、けがをして
しごとができません。だから、みずくみ、くつみがき、
トイレットペーパー売りなど、しごとにいっています

マハットくんは、はたらいてかぞくをやしなっています
かぞくみんなが、いっしょうけんめいにはたらいて、
いちにち200えんです。


4.5畳のへやに10にんが、すんでいます。
おおきなへやにすみたいとおもっていますが、おかねが、
かかります

このむらには、がっこうは、ありますが、いっていない
こがおおいです。
がっこうへいくと、はたらけないので、はたらきてとして
うちにいるこが、おおいんです
お金があると、こどもたちは、がっこうへいけるのに・・
おかあさんは、つぶやきます・・

ストリートチルドレン・・・
おとうさんもおかあさんもいないこどもたち
みんなで、あつまってくらしています
あるこがつぶやきました。
「ごはん、、まいにちたべることできるの?」
「いいな・・]


なかには、地雷をふんで・・・・
あしをなくしたひと、
めがみえなくなったひと
てがなくなってしまったひと・・
たくさんのしょうがいをもってしまったひとたちがいるのです

でも、みんながんばっていきています・・
このくに・・・
へいわに・・・
むかしのように・・
はなのさきみだれるくにになるためには、
おおくのてだすけが、
ひつようです。

いきてゆくこと・・
それは、・・・
だれにでも、・・・
平等にあたえられるべきものなのに・・・


どうか、へいわになりますように・・
このこどもたちに、えがおがもどりますように・・




今、これをイラスト書いています
少しだけ、アップします




せんそうって・・

2005-03-29 01:55:16 | おはなし・・
ねぇ・・・

「戦争って、だれが、するの?」と
ある一人の少女が、つぶやきました・・

「どうしてするの?・・」その子は、
この日本から、遠い国に住んでいます・・

その子は、イラクという国に住んでいます。
内乱や戦争によって、両親を亡くしました・・
兄弟もなくしました。

彼女の周りには、地雷で、失明した人、
片足だけになったひと、腕がなくなった人など
たくさんの犠牲になった人達がいました・・

少女の大きな目には、たくさんの涙が、あふれました
みんな何にも悪いことしていないよ・・

どうして、こんなに悲しいことばかり、起こるんだろう
どう考えても分かりません・・

どうして、もっと、仲良くなれないんだろう・・
こころのなかで、少女は、自分に問いかけました。

でも、答えは、でてきません・・
どんなに考えても、たくさんの人々が、犠牲になった理由が、
出てこないのです・・

何のために、戦争をするの・・・
こんなにたくさんの人たちのなみだの上に幸せが、あるのでしょうか

もう二度と・・こんなことが起こらないように祈ること・・・
それだけしか、わたしたちには、できないのでしょうか?





げんきになあれ・・

2005-03-27 10:18:34 | おはなし・・
なっちゃんは、3さいのおんなのこ・・

なっちゃんは、いつも、げんきです・

いつも、・・・

たくさんあそびます・・

たくさんわらいます・・

たくさんうたいます・・

おとうさんのおひざで、えほんを

よんでもらうのがだいすきです

おにいちゃんともなかよしです・・

でも・・

あるひ・・

びょうきになってしまいました。

いつものように、げんきがありません・・

みんなが、しんぱいしています・・

おねつがあります

はなみずが、でます

せきで、おなかがいたいです・・

げんきがありません・・

なっちゃんは、・・・

おうちのなかで・・

おとなしくしていなければ、いけません・・・

おくすりもきちんとのみます・・

すこし、くらいおいしくなくても・・

がんばって、のみます・・

ごはんも・・

ぜんぶはたべられないけれど・・

すこしだけ、たべました・・

はやく、げんきになってやりたいことが・・・

いっぱいだから・・

こうえんにおべんとうをもって・・

あそびにいきたいです

はたけで・・・おままごともやりたいです・・

おうたもうたいたいし、えほんもよみたい・・

おえかきもしたいから・・

なっちゃんは、がんばります・・

「はやくげんきになあれ・・」

おひさまが、ほほえんでいます。

きっと・・・

なっちゃんは、もうすぐ、げんきになりますよ・・




これも・・絵本にしてしまおうかな・・