kirekoの末路

すこし気をぬくと、すぐ更新をおこたるブロガーたちにおくる

やっぱりボトムズなんだよな

2007年08月30日 14時23分06秒 | 我流ロボットデザイン
ボトムズの新作のATがCGモデリングで@kirekoです。


>どうしてもかきたくなったので



自分なりのオマージュをいれたATっぽいのを描いてみた。
顔面あたりがどうやってもスコープドッグになってしまうので
悩みまくって描いたり消したりを繰り返してたら
スキャンしたとたん消し残りで悲しいことで飴いっぱい
今すぐおしゃれに着替えてAT探しにいこうオワタだった。
肩なりのキャノン砲塔とかミサイルポッドとか、足の装甲関係の違いとか
あえてATぽく左右非対称を目指したらこうなってた。
うーん、やっぱ顔回り描くとき
スコープドッグがどうしても意識してしまうのは
完成されたデザインだからなんだろうなぁ・・・。
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涙のSINGLE RAIN

2007年08月29日 23時35分06秒 | 末路話
なんという高音の連続、まさに時はバブル時代!@kirekoです。


>無双4猛将伝

立志モードで英雄百傑のキャラクター作ってあそんでたんですが
エディットキャラが男だらけになってしまったので
ちょっと新しい風を呼び込むために、女キャラを作ることにしたんですが・・・

女武将の衣装のクソっぷりに絶望したのと、やっぱりどの武器を選んでも、だいたいガニマタモーションになるのがうける。あらゆる意味で魏延モーションとキョチョモーションは圧巻だった。ちょっとは恥じらいをもちなさいってーの!

ニコニコで三国無双の動画をあげてるおでんの人に感化されてやった
最終的にコウガイモーションにしたが後悔はしていない。


>待ちガイルvs待ちガイル

http://www.nicovideo.jp/watch/sm509632


なんという熱戦、5分から熱いバトルすぎる
こういうHPの削りあい、技の性能を生かした抜き差し、
一瞬の油断をついた攻勢が、スト2のいいところなんだよな
カクゲー黎明期の作品の中でも、これほど差しあいが楽しいゲームもあるまい
(ザンギエフvsダルシムはお察しください)



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夏のうねり

2007年08月28日 23時56分45秒 | 末路話
スイカ割り!スイカ割りったら!スイカ割り!@kirekoです。


>スーパー爆睡の巻物
休日だからと気を抜いてたら12時間睡眠とかしてしまって
昨日の猫の事件(MIXI参照)があったからか、なぜか猫の夢見ました
三毛猫がなぜか風呂場で嫌がりもせず、おとなしくスイッと水がたまるのを
嬉々として遊んで鳴いてたのが印象的でした。
おきたら嫌な汗かいてたんで、実は猫の祟りによる悪夢だったのかもね。
しかし外で大雨ふってたんすか、知らんかったー


>ささやかな贅沢

http://news4vip.livedoor.biz/archives/51045027.html


とくもかくにもケチで貯金大好きと思われる自分には
何ヶ月か節制生活を行った後の通帳の数字を見てニヤリとしてしまって
我慢は美徳の表れなんだと確信できることが贅沢だと思うんですが(色んな意味で)
そう考えると、何の気兼ねもせずに定価で漫画を買うことくらいが少々贅沢かな。
あと夏に冷房機器つけるところかな。


>セブンvsガッツ星人

http://www.nicovideo.jp/watch/sm165501


ガッツ星人ってメビウス劇場版で弱ったマン達にボコボコにされてたような・・・くそっやはりセブンはワイドショットよりエメリウム光線なんだけどメビウスのテレビ版ではワイドショット使ってほしかったな。



つまりガッツ星人とアロンより、ブラックキングとナックル星人のコンビのが
好きだということです。
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漫画バトン

2007年08月27日 09時27分28秒 | 末路話
もらったからには、つかわにゃならん、これが花道、男道!@kirekoです。


>漫画バトン
とりあえず語りつくしたような気がしたが、少し借りるぞォ。

■漫画バトン
というわけで、敬愛してやまない方から回ってきた(文章すらももろ盗作するという度胸試し的な)バトン的なものがきました。
冊数などは覚えていないので無理です。


■最近読んだ漫画
これは箇条書きで。どの時代をもってして最近というのかワカリマセンガ。

・サイバーブルー 一気読み全2巻(原哲夫)
なんという北斗の拳+マッスルボマー的展開が笑える
コンビニで良く売ってる帯の長い特集ワイド版って奴ですね。
1巻の勢いを続けてくれれば最高だったんですが
どうも解説不能の超人オーラパワーが出てきて面白みは半減でした。
しかしガザ様の外道っぷりはいい!

■漫画の所有数
羊飼いの少年「なんでオラの押入れを探すんだ!このっこのっ!」
ひこまろ「エロ漫画と同人誌の宝石箱やぁ~」


■好きな漫画家
好きというより漫画の形態としての才能がすげえと思った人を・・・

・藤子・F・不二雄
ドラえもんを描いた偉大な漫画家というよりも、幼児読者主体の漫画で
毎回はちゃめちゃなストーリー展開でも破綻しない(内容によっては破綻してるものもあるが、全てが完成した破綻オチなので無理矢理という感じがしない、そういうものを超越している)オチを描ける人は現在までも居ないと思う。
皮肉な台詞や、コマの俯瞰の使い方がヤバイ。宇宙ヤバイ!
SFという世界をわかりやすく描いてる短編が結構好きかな。

・高田裕三
サザンアイズとか万猫シリーズで有名な漫画家。
展開の見事さ、空間を使った超能力バトルを描かせたらすごい人。
ブルーシードの完成されたキャラクターと物語展開は、高田氏のキャラ
あってのものだと思う。

・諸星大二郎
全てにおいて異端、数少ない天才と思える漫画家。
絵は劇画調なんだけど躍動感に溢れてて、話はオドロオドロしいんだけど
キャラクターは真面目すぎるために愉快で、妖怪ハンターシリーズとかの
事件が起こってからノンストップで駆け抜ける話の展開は凄すぎる。
西遊妖猿伝とか見てると話の流れはスローで、ご自身も
「死ぬまでに完結するかわからない」と販促出演で冗談で言ってたけど
だいたいの漫画がライフワークで人生をかけて取り組む漫画が
多すぎるのもヤバイ。

・結城心一
簡素で濃密でカオスな漫画を描かせたら、もしかしたら日本でも
有数の実力者なのかもしれない漫画家。
でも絵柄は決して変えずにカオス展開をガツンと描く!
でもオチが非常に弱い!でもヘドロ臭い!そこがいい!
ネタが無くなったらちゃんと時事ネタにも食いつく!(それを登場キャラに言わせるのがうける)

・三浦健太郎
漫画家というよりも芸術家志向の絵を描く人。
一枚の絵で満足できるほどのボリュームなのに、それでも
漫画的要素を含ませることができる天才。
ヤングアニマルの名を上げさせた最大の功労者といっても過言じゃないNE!
ベルセルクなどで見せた神がかった展開と、キャラクターへの感情移入
躍動感のある絵をあれほど綺麗に描くのは漫画として異常だった。
ギャグもしっかり抑えるし、しかも詩人で文字の構成が非常に上手い。
ちなみにkirekoの高校時代の美術の先生の教え子だったらしくて
よく自慢話にこの人が出てきますな。

・横山光輝
コマ割、台詞文学、背景の炎を描かせたらヤバイくらいの天才。
あと漫画界最強の刷り込み師。
「ありがとうござる」
「番兵を斬って逃げてきたのよ」
「おいババア酒だ!」
「まったくもう心配させおって」チラチラ
「またこの男の甘さが出たか」
「おう頂こう・・・この裏切り者めが!」
「わわわ我が家はだだだ代々・・・」
「ムギュー」
「わし何かしたかのう」
「一兵たりとも逃がすな!追えっ」
ジャーン!ジャーン!チャッポー!
「わわわ」
「げえーっ」
「このままではまずい、血路を開いて逃げ延びよ」
○○は大損害を出しながらやっとのおもいで本陣へと逃げ帰った。
この時○○についていた兵はおよそ○騎ほどであった・・・。

「あの蒼空、極みはいずこであろうのう」


■思い出の漫画

「三国志」(横山光輝)
なんというか今の自分を形成するに値する本は
これとドラえもんと美味しんぼくらいか。
学生のチンケな給料で全巻集めて、その後文庫まで揃えて
ヤバイくらいに読んだ。

「妖怪ハンター稗田礼二郎シリーズ」(諸星大二郎)
諸星大二郎作品にどっぷりと漬かった作品。
生命の木と瓜子姫とか、古典文学の話で展開する
ホラーとグロテスクが合体した、力のある漫画はこれを置いて他には無いだろう。
活字を嫌な思いをせずに読める作品。

「西遊妖猿伝」(諸星大二郎)
男臭いキャラとババアとジジイとダイナミックな棒術と化け物と
盗賊と色狂いの変態とかが出てくる西遊記を元にする漫画。
大唐編(9巻)はぶっ通しで何回読んでも面白い。
コウガイジの鬼畜ぶりと八戒のギャグが冴え渡って
大王と称される人は全員男臭くてカッコいい!
でもやっぱりおどろおどろしい劇画ホラー色と
大あばれのアクション展開がたまらん!

「美味しんぼ」(雁屋哲・花咲アキラ)
1巻~13巻までは山岡ダークヒーロー風人情話が普通に面白い。
14巻~36巻までは副部長のシナリオ加担率と社主の業務命令が面白い。
36巻~48巻までは結婚式までの栗田さんのイライラぶりがまあまあ面白い。
49巻~68巻までは外道悪徳社長金上とかが出ると面白い。
69巻~92巻まではダラダラ活字で補足的なところがつまらん!帰れ!

海原雄山の豹変ぶりはだんだん作品を面白くなくならせてる気が。
あと政治批判と偏見批判なのに偏見歴史の話するとかwww洗脳漫画かよ!

■嫌いな漫画

読めない漫画は特に無し!
嫌いな漫画を勧められたら一読だけして
「こういう所は面白い」と認めて相手が調子にのったら即否定弾劾!

■号泣した漫画

さようならドラえもんの「僕が君に勝たないとドラえもんが安心して帰れないんだ!」「そんなこと知るか」ボカッ!とか、
三国志の関羽が死んで殉死する周倉達の「関将軍おともつかまつるーッ」とか、
弟の死へ悲しみ怒った劉備が、あっけなく呉に負けて
死ぬ間際に白帝城で趙雲に言葉をかけて、いつもは動じない趙雲が涙ながらに悲しいこというなよっていうところとか、孔明が死ぬ前に陣中を視察してポツンと呟くところとか、不落剣閣の「泣け、泣くがよい」までのくだりとか
儚さを感じさせる展開で、涙腺崩壊が多くて困るなぁおい。


■貸したけど戻って来ない漫画

曹洪「ケチでサーセンwwww」

■借りたけど返して無い漫画

ドラえもん「一人で返せない本なら借りるな!」


■いらない漫画は捨てるか売るか

いらない漫画なんてないだろ・・・常識的に考えて・・・。
エロ漫画と同人誌は処分に困るけどwwww

■好きな漫画雑誌
昔は短編とか中編シリーズが多かったメンズヤング(双葉社)よりも
長編とギャグの多いアクションヤング派だったな、ピザッツとか快楽天とかは
作家人と編集が好みじゃなくて駄目だった。
漫画ばんがいちとかも新進気鋭の人が多くて読んでたけど
肝心のお話作りが駄目な作家が多くて、連続購読はしてなかったな。
ペンギンクラブ(山賊版含む)とか昔は熱かったけど、今はどうなんだろう。
大暮維人がメジャーになったときはびびったなぁ、ユナイト双児とか
ロケット兄弟とか、氏賀Y太とか、ゼロの者とか、甘詰留太(A・浪漫・我慢)とか
今も漫画描いてるのかな。
しかし、最近はそういう業界も売れなくて大変みたいだね。
え?なんの業界って?青年誌という皮をかぶったエロ漫画業界にきまっとるでしょうが!



■漫喫に行きますか?

昔はよくいったけど最近はいかんね。
よくソファーに座って幕張を読んで笑いをこらえながら
ぱらぱらめくるのが好きだった。

■漫画を読むスタイルは?

天井に向けて寝ながらか、上から見下ろすように座禅を組みながら。


■一度はお目にかかりたい漫画家は?

シバイ「あの世ではゆっくりと教えを請いたい・・・」


■恋してしまった漫画の登場人物

特に無し。
昔を思い出して、あえていうならベルセルクのキャスカとルカ姉。
あとママレードボーイの鈴木亜梨実。
彼女らは気丈すぎる。気丈すぎる健気さ、強さ、弱さを持っているのがいい。

佐久間すず?ああ、大す・・・ラブコメ中毒我欲丸出しヒステリーアイドル!全滅だ!(鋼鉄ジーグ風)


■漫画を描いた事ある?

中学生のころにノートにロボットアクションとか4コマを描いてたな。
ライフルをもったロボットが母艦から発進していくバックがショボくて
爆発演出を鉛筆で書こうとして四苦八苦してたのが思い出される。


■漫画キャラのコスプレをしたことがある?

「わしに死ねと申すか」「はい」


■漫画キャラでしてみたいコスプレは?

どう考えても、西遊妖猿伝の八戒。
彼には近しいものを感じる。
「げっへっへ、昼間の坊主です」
「本当に?顔をよくおみせくださいませ・・・ギャーッ!」


■好きな人にして貰いたい漫画キャラのコスプレは?

コスチュームプレイは駄目だろ。
キャラクターを愛すことと、人間を愛すことは違うし
中途半端な演技は逆にドン引きするわ、シナリオ通りにいかないと
気に食わないだわなので駄目です。


■次に回す10人

ウルトラマン
ウルトラセブン
ウルトラマン二世
ウルトラマンエース
ウルトラマンタロウ
ウルトラマンレオ
アストラ
ウルトラマン80
ユリアン
ゾフィー

宇宙警備隊に届けこの思いッ!



>最後に総括

このバトンすげえだるいよもぉう
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みんな!滅んでしまえばいいんだわー!

2007年08月26日 17時39分49秒 | 末路話
ギジェの最後の下半身吹っ飛ぶシーンは今見てもやばいな@kirekoです。


>四分半でわかるぼくらのイデオン

http://www.nicovideo.jp/watch/sm432955


ロボットアニメの殻を打ち破って、人の情愛、エゴ、生き死に、業をこれほど体現したアニメを今の視聴者達は見ているのだろうか、最近のキャラ設定、物語を作るにおいて定型文となった心理動向に流されて、ただ絵柄の綺麗さにごまかされ、展開の軽薄さに惹かれ、どれを斬ってみても同じ面、そんなものを見て、人材は育つだろうか?いや育たない。


いやでも、コメント見るにイデオンがすごいのは認めるけど、
劇場版エヴァと比べるのは間違ってるだろ、
あれは監督の脳内妄想によるサボりの代償と、劣化脚本の無駄遣いと、
ガイナックスのブランドイメージアップ資金うはうは大作戦したかっただけ。
資金が無くなったから新しい新作で版権作るよー⇒どうみても劣化します。
エヴァもテレビシリーズの22話あたりまではよかったんだがなぁ。
しかし26話構成で総集編を入れるあたりが流石ガイナックスだよなwww


>ここらで清涼剤ドラえもん

http://www.nicovideo.jp/watch/sm892584

http://www.nicovideo.jp/watch/sm892658


最後のクライマックス台詞、ドラえもんが我慢した涙を出しながらの
「食べて生きてればそれでいいのかよ!」のくだりは最高だな。
その後のパラレル西遊記の主題歌インストゥルメンタルがヤバイ。
しかしジャイアンとスネオが良い友達すぎるのがうけるwww
のびたは普段は陰湿で陰険で邪悪な奴だけど、優しくて良心のある
一面も子供らしくて、憎めない奴だということをこの作品で再認識した。
無生物的な山にまで認められてるという所がいい。
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第十九回『龍将帰陣し陣頭に立ち、気運挟んで賊軍を破る』

2007年08月26日 01時36分41秒 | 架空大河小説『英雄百傑』
英雄百傑
第十九回『龍将帰陣し陣頭に立ち、気運挟んで賊軍を破る』


―あらすじ―

昔々、巨大な大陸を統治する皇帝がいた時代。

頂天教の教主アカシラの怪しげな術により、
大敗を被ったキレイは山道の側面林道の獣道へと落ち延びた。
一方、山の麓では、タクエンの説得と、ミケイの進言で
重い腰を動かしたジャデリンを大将とする援軍5000が
キイ率いる後詰め部隊1000と合流し、妖元山の二路を
それぞれ上り始め、ついに官軍と賊軍の決戦が始まった。

数で勝る官軍を見て、頂天教の総大将であるアカシラは
神出鬼没の奇襲攻撃に打って出た。策は見事に功を奏し、
中央路より上ってきた先見斥候足軽部隊の
ミレム、スワト、ポウロの三勇士率いる足軽隊500が襲われ、
同時刻に西路より先を急いでいた総大将ジャデリンの3500が伏兵に襲われた。

あわや敗戦必死と思われた官軍だったが、歴戦の猛将ジャデリンの
獅子奮迅の働きにより、西路の官軍本隊は
多くの被害を出したものの、三方から迫る伏兵を蹴散らした。

一方後詰めを任されたスワトは、非道な賊軍の無礼に怒りをあらわにし
かかる500の賊兵をなぎ倒し震え上がらせ、人間技とは思えぬ
殺戮を行い、賊兵は方々に散り退散した。

思わぬ修羅の業を見た後軍のミケイは、眼を疑ったが
豪傑を後陣へ運ぶと、気丈に敵陣へと兵を進軍させた。


―――――――――――――――――――――


頂天教本陣 ミレム隊


修羅となったスワトの武勇を未だ知らぬまま、
進軍を続けていたミレムとポウロ率いる400の足軽隊は
頂天教軍の本陣、妖元山山頂付近の採石所に肉迫していた。
しかし後詰を足止めに使い、駆け足で上っていたため
遅れて駆け上がってきたものも多かったため、少し行軍を待って
統率できるように兵を整列させると、ミレムは陣の様子を見ていた。
灯り無く、静まり返り、何の物音もしない陣を見て
ミレムはおかしいと思ったのか、ポウロにたずねる。


「兵は落ち着き、いつでも敵を誘い出す準備はできているが、暗くなるというのに灯り無く、守備する賊軍の敵兵も見えないな。むう、ポウロどう思う?」

「戦に重要な本陣をがら空きにするとは…」

「ジャデリン将軍の隊へ兵を割いたのかのう?」

「ふふふ・・・しかしミレム様、これは好機じゃないですか」

この時、ポウロの功名心に火がついた。
口はニンマリと緩み、悪ぶれた表情と口調で言ったポウロの言葉、
それをミレムが理解できるはずも無く、キョトンとした目をポウロにやり
何のことだかわからないといった風に再び尋ねた。


「好機?何のことだ?説明してくれ」

「つまり・・・」

ポウロは再び口をニンマリと緩ませると、
少しだけ眉をピクッと動かして緩やかにミレムに話し始めた。

「後陣のミケイ、キイ将軍は伏兵で足止めを食らい動けませぬ。おそらく陣容を見るにジャデリン軍も足止めを食らっているはず。悠々と動けるのは我ら足軽隊のみ。そして目の前に広がる無人の本陣。ふふふ、今ここで敵陣に官軍一番乗りの旗印を立て、陣を奪えば我らの武功は計り知れませぬぞ」

「ば、ばかな。策を忘れて抜け駆けをせよとは。ジャデリン将軍は元より、策を反故にされたミケイ将軍が怒るぞ」

「陣を奪って功を成せば文句は言えませぬ、クックック。ミケイとジャデリンの鼻を明かして一気に征伐の武功を上げれば、皇帝もさぞお喜びになり、我らに彼ら以上の高級官職(特別権限を持つ官僚)として召抱えがあるやもしれませぬぞ」

普通であれば、作戦及び進軍の変更は一介の将がやってはいけない事で
大将か、直属の上官の許しが無ければ死罪になるのが当たり前であったが、
この大陸の帝国の法には武功を立てれば罪と帳消しという暗黙の了解があった。

ポウロは楽花郡の田舎暮らしに飽き飽きとしていた頃に、国の法律、
特に軍法を良く学んでおり、ポウロの言は欲丸出しの功名にくらんではいたが、
時代の理に適ってはいた。

なぜなら、高級官職になった人物の多くが
賊討伐の武功によるものだと言われるからだ。


「だ、だからといって間違えば死罪になるぞポウロ!」

「また臆病の虫が騒ぎましたか」

「なんとでも言え!そのような大事、俺にできると思うか!」

「帝の血族の者ならできるはずでございましょう!?」

「えっ!?」

大声でそういったポウロは、未だ煮え切らないミレムに向かってそう言うと
その大声に後ろで止まっていた兵士達は騒然とした。


「(…ぽ、ポウロ、噂程度なら話は済むが、こう公に言ってしまっては…)」

「ふふふ・・・」


ザワザワザワ・・・

以前から帝の嫡流(子孫)という官軍に入り噂を兵士達に流していたとはいえ、
帝の血族と兵士の前で言うことは、噂の度を越し、公として認めることになる。
疲労の色の見える足軽達も、それを聞くと顔を強張らせ、真剣になった。
噂には聞いていたが、まさか本当の事だとは思わなかったからだ。
狙い通りに動揺する兵士を見てポウロは、今度はやんわりとミレムに話しかける。


「ミレム様。どんなに素晴らしき草花も水と土が無ければただ枯れるのみです。どんなに便利な農具と耕人がいても、水と土がなければ実りある作物は育つはずがございません」
(優れた君主でも、名声と領土が無ければ衰退する。優れた豪傑や参謀が居ても、人馬と、それを養う領土が無ければ召抱えられず。国は成り立たないだろう)


「・・・はっ!!」

その言葉の真意を理解し驚くミレムは、今まで焦燥の色に染まっていた顔を
まるで憑き物が落ちたように、野心に満ち満ちた顔へと一変させた。


「帝に仕える高級官職になるか、一介の義勇の部将で終わるか。転機でございますぞ!ミレム様!」

「ふ、ふふふ。ぐふふふふふ。そうだのう。そうじゃ。そうじゃ俺は帝の血族じゃ」

「さあ、ご指示なさいませ」

まるでポウロに洗脳されたように、帝の血族になりきるミレムは
ポウロの最後の進言の一言を受け取り、野心にゆがんだ顔を
一度キリッと立て直すと大きく息を吸い込み、高々と叫ぶようにこう言った。



「足軽隊よ良く聞け!黄州四谷郡官軍属、関州楽花郡盛草村義勇の将ミレムは今、策を反故にする!臨機を見、義によって悪辣非道の賊の本陣を奪い取り戦勲武功を立て陛下への忠節の表れとする!異論、反論など許さぬ!我は帝の血族なるぞ!!帝のご威光を見せつけよ!続けーッ!!」


「オーーーーッ!!」


こうしてポウロの野心に出し抜かれたミレムは『帝の血族の軍』という鼓舞に
士気煌々、いきりたった足軽隊400人を連れ、もぬけのから同然となっていた
敵軍の本陣、採石所へと攻め込んだ。


柵をなにともせず上りぬけ、兵士達は城門を空け、
ミレム隊は足軽隊を方々に侵入させると速攻で陣の各所を制圧した。
流石に殆どの兵が居なくなった陣を奪取するのは容易く
隠れていた守備兵の殆どが方々の体で逃げ出していった。


「やったなポウロ。あとはミケイ隊に連絡の星升火矢を上げればよいことじゃ」

「ふふふ、本陣奪取一番乗り。笑いがとまりませぬな・・・」

足軽隊が陣を奪取していく様子をニヤリと恍惚の笑みを浮かべ
見つめる二人は、気づいていなかった。
賊軍の将ブラツク率いる黒い甲冑の兵が周りを取り囲んでいることに。


ジャーン!!ジャーン!!!

「ワーッ!!ワーーーッ!!」

けたたましいドラの音と共に黒い甲冑を着たブラツクの兵500が
まるで陣の回りを取り囲むように現れると、勝利を確信していた
足軽隊400は浮き足立ち大混乱に陥った。


「ほ、本陣の周辺から賊兵だと!?な、なんだとそんな気配は無かったはず!どこから来たと言うのだ!」

この光景を見て、額にたらりと脂汗をかき始めたポウロは
今まで功名の笑みを広がらせていたとは思えないほど、
焦燥に煽られ、動揺を隠せずに入られなかった。
己の功名心がしたこととは言え、ミケイの策を反故にし
帝の血族をミレムに名乗らせて敗北すれば、死罪は元より
三族(当人妻子、父母、兄弟)皆殺しの憂き目に会うと思うとポウロは、
その場にヘナヘナと倒れ怖気づいてしまった。

しかし人間の生への業は侮りがたく。
それでも生きようと必死に逃げ支度をするポウロはこう言った。


「と、取り囲まれただと!!こ、このままでは策を反故にし、空陣と思って進軍させた責めを負うのは必須・・・こ、ここはミレム様、ここは逃げまし・・・」


「黙れいポウロ!俺は帝の血族ぞ!ここで耐えてこそ功績もあがるというもの!お前は敵を見ながら俺に逃げろとでもいうのか!帝の血族の俺に!」


「え!?どう考えても立て直せませぬぞ!血路を開いてお逃げを」

「黙れい!!!これ以上言うと斬り殺すぞ!!!」

剣を抜き、眼をグッと開いたミレムの顔を見てポウロは悟った。
ミレムの思い込みの激しさが災いしたのか、自分の進言で、
軟弱だった男の心が、まるで本当に帝の血族と思えるほどに
強く、雄雄しくなってしまったのだ。


「ああ、野心に己を飲まれたか・・・私もこれで最後か」

ポウロは愕然として己の最後を予感した。
しかしミレムはへたり込むポウロを力いっぱい持ち上げると
剣を振りかざしながらこう言った。


「ポウロ!ボサッとへたりこんでないで聞け!わしはまず統率できる足軽隊を集めて陣の西路側の防衛に向かう!お前は統率できる兵100人の背中に5本の灯火を持たせて中央路側で戦わせよ!あとの兵は陣のあらゆる場所にかがり火をたかせよ!」


「え?あ・・・はい!!」

絶叫するミレムに言われて、ポウロは半ば強制的に
陣内を駆け巡るように走り抜けていった。
ミレムは自分の周辺に居る足軽隊を集めると、まずは散らばっている兵の
士気を高めるために、陣頭に立って灯りをつけ味方を鼓舞し始めた。


しかし、天はミレムに対して残酷であった。


ジャーン!!ジャーン!!


なんとジャデリンに負けて撤退してきた賊将レツドの兵300が
本陣を取り囲むブラツクの部隊を見てこれ幸いと攻撃を仕掛けてきたのだ!
ミレムは苦虫を噛み潰したような顔を浮かべるが、
これもまた功名の調味料のひとつと思うと、野心が先に立ち
どこか嬉しそうな表情を浮かべながら、松明を煌々と燃やしていった。


「ふふふ!過酷であればあるほど功名になるわ!ここを死守し、見事守り抜ければ城一つ!将を討ち取れば郡一つ!大将倒して勝利すれば州一つだ!!賊軍一兵たりとも、この陣に近づかせるな味方少なければ褒美も多い!防げッ防げーーッ!!」


「「「オオオーッ!!」」」

数倍の敵に対してまったく揺るがない、というよりも
野心に飲まれて功名に狂った姿は、兵士達には勇猛に戦う将に見え
「流石、帝の一族の血は将たるに足りるもの」と自分達も奮戦した。

ボッボッボッボッ!

ブラツクとレツドは段々に本陣から増え始める松明の数を見て
実は陣内には相当の官軍の兵士が居ると思って、一気に攻めることをやめ
ジリジリと囲い込んで士気を下げ攻めるように命令した。

ミレムのとっさの機転によって、陣に族兵は一人として入れなかった。
怖気づいていたポウロも、いつの間にか力をつけていたミレムに感嘆し
その守りには名将も適うまいと思った。

「「「ワーーッ!」」」

そして程ほどに時間がたった時、西路より駆け上がってきた
ジャデリン本隊に賊軍は居を突かれて官軍に挟撃され
ブラツクはジャデリンと一騎打ちするも討ち死にし、
レツドは兵を良くまとめようとしたが、流れ矢に当たり捕らえられたのだった。

こうして賊軍の本陣は奪取されたのだった。
ジャデリンは伏兵にも負けず、奪取し良く守ったミレムに感嘆した後
ポウロを守兵に残し、ミレムと共に騎馬隊300騎余りで
おそらく足止めを食らってるであろう
ミケイ、キイの隊を救出しに山を駆け下りるのだった。



中央路 後軍ミケイ隊


ジャーンジャーン!!!!

「「「ワーッワーッ!!!」」」

「ここに伏兵!?なんということ!各自扇形陣形!殲滅せよ!」

ジャデリンの予想通り、その頃ミレム隊の応援に向かった
ミケイ隊1000もミレム達足軽隊と同じく、側面の林道から突如として現れた
頂天教軍の大将アカシラ率いる本隊1500の伏兵に急襲されていた。
突如として現れた1500もの兵に、流石に用兵に長けたミケイも
苦戦を強いられ、その兵の半数を失いつつあった。


「ヒャッヒャッ!弱兵を倒すのは愉快愉快!それ追い込めぇ!敵を蹴散らすんだよぉ!」

紫色の法衣のようなものに身を纏い、馬に乗りながら軍配で指揮をする
アカシラの軍の統率力はすさまじく、兵士はあたるを幸いとするように、
猛然とミケイの兵に向かい、畳み掛けるような猛攻を仕掛けていった。

「「「ワーッ!」」」

ブーン!カキーン!ブスッ!グシュッ!グサッ!

「ぐ、ギャアー!」
「ウワーッ!」
「う、うわあ」

「ヒャッヒャッ、愉快痛快だねェ!」

アカシラの狂喜の声と次々とやられる官軍の兵の悲鳴が戦場を木霊する。
陣形の先頭でどうにか騎馬隊の指揮をとっていたミケイは、この惨状を
苦々しく見ていた。

「鼓舞しても、この戦局ではおそらく兵も長くは持つまい…退路もふさがれ、敵にとり逃される事もあるまい…ならば!やるべき事は一つ!」

ダッ!ダッ!…ドドドドドッ!!!

ミケイは、おそらく形勢の立て直せない勢いを見るに、
手綱をギュッと握り締め剣を前方へ向けると、アカシラが指揮をとり
馬に乗っている場所を確認すると、緩やかな山道を勢い良く下り
手勢の豪の者5、6騎を従えアカシラに猛然と突撃した!
流石にミケイの誇る騎馬武者隊率いる突撃とあって、みるみるうちに
敵兵の陣形に一筋の道ができていく。


「賊軍の大将とお見受け致す!我ら騎馬隊と、いざ尋常に勝負勝負!」

「ヒャッ?おやおや決死の突撃ってかい?弓隊!防ぎな!」


ヒュンヒュンヒュン!!

名乗りを上げるミケイの騎馬武者へ、アカシラの回りに控えていた
歩兵が持った小弓から放たれた矢が一斉にミケイを狙った!
揃って突撃した騎馬武者はミケイをかばい、まるでハリネズミのような姿を
晒しながら落馬し、騎馬武者隊は突撃の勢いを失った後、ミケイを守らんがため
槍隊の槍を先んじてうけると馬ごと叩き落され、それぞれ無残な最期を遂げた。

ミケイは馬を走らせて退路を作ろうと自らの剣を奮うが
多くの兵に阻まれ、まさに命事切れる瞬間を今か今かと待つばかりであった。


「ヒャァッ?白の甲冑の武者君はまだがんばってるのかぃ!不愉快だねぇ!」

「こ、ここで死ねばジャデリン将軍に面目が立たぬわ!」

「ヒャッヒャッ!もっと囲みな歩兵隊!あの白い甲冑を赤く染めてやるんだよ!」

ブーン!ガキーン!

賊軍のギラギラした目をした10数人の歩兵に囲まれ
流石にそれを押しのけられるほどの武力はミケイには無かった。


「む、無念だ!ここで私は終わりなのか・・・」

「ヒャッヒャッ、絶望に歪む顔は愉快だねェ!さあ!官軍の将なんて生きててもしかたない!一思いに殺してしまいなァ!」


嬉々として馬の上で面白がるアカシラと
囲んだ兵士のギラリと光る刃に落胆に暮れるミケイ。



絶体絶命のその瞬間であった!



ジャーン!ジャーン!

ヒュンヒュンヒュン!!!ザクザクザクッ!!!

「う、うわーー!!!」
「ふ、伏兵だーっ!」
「ギャアアーッ!」

側面の林道から現れた500の兵。
放った矢は賊軍の側面の兵士達を捉え、兵士達は次々と討ち取られていった!
その旗印は官軍、キレイの軍タクエンの部隊であった。


「官軍の兵達よ臆するな!関州の智謀の士タクエンが兵を連れて参ったぞ!」

「同じく関州の勇将ドルア推参!!」

林道を徘徊し、キイから500の兵を借りて動いていた
タクエンとドルアが敵の虚を突き、襲い掛かったのだ!


「ヒャッ!?ばかな官軍の伏兵がなぜここにいるのよぉ!!!?」

「アカシラ様!前方、本陣からの敵の旗印が!」

「ヒャ?な、なっ!?本陣が奪われたのかい!?レツドやブラツク達はどうしたんだい!ええい!くそーーっ!押し返すんだよ!」


アカシラが前方を確認し、馬のいななきが聞こえると、
そこにはジャデリンとミレムの指揮する300の騎馬隊が
恐ろしい突進力でアカシラの軍に突撃してきたのだった!


「ジャデリン将軍・・・そ、そうか!やったのか!やってくれたのか!ミレム殿!!!」

ミケイが感嘆すると同時に剣を取り、あっけにとられていた
回りの兵を振り払って逃げると、まんまと本隊へと復帰し、再び
自分の隊の指揮を取り始めた。


「それ!今だ!!押せーーー!!!」

「「「ワーーーッ!!!」」」

二方向から攻められて統率に優れるアカシラの軍も浮き足だち
およその兵達は各個撃破されていった!

「ヒャ!!!!!不愉快不愉快不愉快!!!!こうなれば逃げるが勝ちよ!再起して西の頂天教軍と合流すればいいこと!!逃げるわよォ!!」

「あ、アカシラ様!あれは・・」

アカシラが自分の精鋭の部下を率いて山を降りようとした
その時であった。

ジャーンジャーン!

けたたましいドラの音と共に、後方から官軍の旗印が見える
行軍のすばやさ、兵の士気、疲労の色の無さ、
いずれをとってもその軍はまさに精鋭であった!
かかる兵は次々に討ち取られ、アカシラの回りの兵も
それぞれに奮戦したが、勢いに負け押し殺され絶命した。

「ヒャ・・・ば、ばかな、軍が、壊滅・・・お、おまえらは!!」

兵に囲まれ混乱し、アカシラが絶望のふちにたつころ
二つの騎兵がアカシラの前に出てくる。


「ふふ、どうだアカシラよ。おぬしの妖術にもこのようなものはあるまい?」

「若、敵軍の総大将を助長する発言はいけませぬぞ」

「わかっておる。オウセイ!敵の総大将を捕らえよ!」

「はっ!」


「ヒャ・・・ヒャァァァ!」

アカシラが声を上げて驚き落馬し、それを見て笑う騎兵の将の一人が
前に出てアカシラに縄を打った。

陣頭で指揮をとっていた二つの騎兵、ボロボロの赤き甲冑に身を包んだ、
その将はなんと、山道を敗軍の将として駆けずり回っていた、
キレイとオウセイの二人であった!

「若、勝鬨をあげなされ」

「おう!」

キレイは手綱をギュッと握り、騎馬から剣をもった手をあげると
大声で兵士達にむかってこう言い放った!


「敵総大将を捕らえた!勝鬨をあげよ!エイエイオーッ!」


「「「オーーーーーーッ!」」」



ここに頂天教軍討伐軍南勢征伐、最後の要所妖元山は陥落した。
兵士達は、戦と討伐の終わりをそれぞれに分かち合うと
キレイ、ジャデリンの掛け声にあわせて勝鬨をあげた。
意気邁進な兵士達の笑顔、頑張った将達の安堵の息は、
恒久に続く、平和な時代の到来を予想してのものだった。
夜にかがり火が煌々と輝き、満天に広がる星空の輝くその光は、
新帝の威光、英傑達の活躍、それを象徴するようであった。


しかしこれは、次なる大乱の前の輝きに過ぎなかった。


皇帝が出率し帝国を開き、大陸を一つにして202年、その夏。
ここに綺羅星のごとく輝く英傑揃いて、邪教頂天の賊軍を征伐し
阪州は妖元山にて、その勝鬨を上げ候。
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摘発ワロタ

2007年08月24日 23時02分38秒 | 末路話
おれたちゃアウトサイダー!硬いルールは苦手でも@kirekoです。


>わいせつ(エロ)同人誌直印刷直売してたら逮捕

http://ncs2.rnb.co.jp/news/detail.php?recid=12597553

■痛いニュースより
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1021712.html

■カジ速より
http://www.kajisoku.com/archives/eid1639.html

久々に懐かしい名前がニュースにっておい!逮捕かよ!www
処理、墨塗りしてない原稿あったとかそういう感じか?
なんにしても脱税まがいの用件でガサいれされてるのはワロタ。
商業無視してアマチュア逮捕とか職権乱用も甚だしいなwww
困った困った、でも規制してまたアングラに戻るのも
今の何でも手に入る時代から言ったらそれもいい判断かもな
自由に慣れきった作家には、一度地下にもぐってもらって
素人が入場料払って行くだけで楽しめる祭りの雰囲気とは
一線を引いてほしいよな、やっぱ。
いつの間にかスリルを求めるものが、普通に手に入るようになって
秋葉ブームみたいな乗せられ商法にだまされて
おおっぴらに排出するから、暗黙の了解とされていた良き物が
こうやって目をつけられて消えていく。
ただの線が亜鉛で作られた紙春画で逮捕されるとかどんだけだよwwww
まさしく世はルネサンス前の暗黒時代!!wwww

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やっぱボトムズだよ!ダグラム!ガリアン!レイズナー!

2007年08月23日 19時10分44秒 | 末路話
乾大先生のBGMがもう聞けないと思うとせつねえ@kirekoです。


>やっぱ予告が大事!

良輔作品は予告がすごすぎましてな・・・わからないと思うが今週もロボットアニメの臭いを理解するためにキレコと地獄へ付き合ってもらう。


装甲騎兵ボトムズ ウド編~クメン編初期 予告
装甲騎兵ボトムズ クメン編まで 予告
装甲騎兵ボトムズ サンサ編 予告
装甲騎兵ボトムズ クエント編 予告

本編がグダグダでも予告でしっかりしめて
これほど来週が楽しみになるものもあるまい!
実際サンサ編の前半はグダグダだったわりに見れたのは
後半のイプシロンとのバトルまでの時限爆弾への布石へ向かわせる
この予告だったわ。
しかし全編通してやはり際立ったのは、ウド~クメン編の予告
引用がすばらしい、「明後日、そんな先のことはわからない」は
ナレーターの銀河万丈ポエムと相まって名文句!


■予告に見るロボットアニメ

80年代の時代を物語る予告集

それにしてもダグラムの次回予告及び
冬木音楽(ウルトラマンシリーズで有名な人)はゾクゾクするぐらい素晴らしい!
なんという日本サンライズ黄金期・・・!!
銀河万丈ってか田中大先生の声が余りにも名ナレーターすぎてふいた。
パトレイバーのOVAシリーズの予告とかも火の七日間とか
押井臭さの古典が入ってて、やっぱこの頃の押井はすごかったな
ある意味、好きなことを縛らずにやってて(褒め言葉)
でもこのシリーズでオーガスまで入ってるのがうけた。
デザインさえ間違ってなければうけたんだけど
全てにおいて劣化マクロス+イデオン+サブマリンだからなぁ・・・
お話自体はSF色が強すぎてお子様には受けなかったけど
あの時代にしてモームとかメイドロボとか時代の先取りいってたなwwww
しかし、なんという予告集。やっぱ次回予告はパワーがないとな!
スペース!ラナウェイ!



http://www.nicovideo.jp/watch/sm51210

最後にボトムズOVA野望のルーツよりオドン強食戦。
この味方からいきなり撃たれる描写があっけなくて素晴らしい
しかし共食い・・・そりゃレッドショルダー強くなるわ!!ww
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第十八回『豪傑、修羅宿りて激怒の刃を奮う』

2007年08月21日 00時48分58秒 | 架空大河小説『英雄百傑』
英雄百傑
第十八回『豪傑、修羅宿りて激怒の刃を奮う』



―あらすじ―

昔々、巨大な大陸を統治する皇帝がいた時代。

頂天教の教主アカシラの怪しげな術により、
大敗を被ったキレイは山道の側面林道の獣道へと落ち延びた。

一方、山の麓では、タクエンの説得と、ミケイの進言で
重い腰を動かしたジャデリンを大将とする援軍5000が
キイ率いる後詰め部隊1000と合流し、妖元山の二路を
それぞれ上り始め、ついに官軍と賊軍の決戦が始まった。

数で勝る官軍だったが、頂天教の総大将であるアカシラは本陣を手薄にし
妖元山の各所に抜け道を掘り、そこを通って通常路からでは想像できない
場所からの神出鬼没の奇襲攻撃に打って出た。

策は見事に功を奏し、中央路より上ってきた先見斥候足軽部隊の
ミレム、スワト、ポウロの三勇士率いる足軽隊500が襲われ、
同時刻に西路より先を急いでいた総大将ジャデリンの3500が伏兵に襲われた。

疲労と奇襲であわや敗戦必死と思われた官軍だったが、
歴戦の猛将ジャデリンの獅子奮迅の働きにより、西路の官軍本隊は
多くの被害を出したものの、三方から迫る伏兵を蹴散らしたのだった。

そして決戦は後半戦を迎える。

―――――――――――――――――――――


中央路 頂天教本陣手前 スワト隊


「ワーッ!!ワーッ!!!」


思わぬ場所から急襲を受けたミレム三勇士の足軽隊は
兵達が浮き足だつ前にポウロの進言によって隊を二分化し、
敵本陣へはミレム・ポウロ隊400が進軍し、
後ろで敵の伏兵を足止めする役目を言い渡されたスワトは、
急いで後方に走っていったが、敵将ルブーと兵500に対して
すでに虚を突かれ混乱していた後方の足軽兵100人は脆く、
次々に討ち取られ対峙し残っていたのは僅か50人程度であった。


「撃ち方!・・・そらっ矢を浴びせろ!」

ヒュン!ヒュンヒュン!!

ドスッドスッドスッ!!

「ぎ、ギャアーッ!」
「ウワーッ!!」
「むぐぐ・・・」

賊軍の弓隊から放たれた矢は、山道に鋭く弧を描き
足軽隊をハリネズミの如く姿に変え、山道には断末魔が響き
草には死体が積まれていった。


「へへっ、ルブー様!あとは小勢ですぜ」

「容赦なんてかけるなよ!命乞いなんてする奴は真っ先に殺せ!官軍に加担したことを後悔させてやれッ!全員皆殺しだ!!」


その声に残った少ない足軽隊は青ざめた。
合戦において、どのような状況でも、雑兵身分の者が
命乞いや降伏などをすれば、命だけは助かるという暗黙の了解が
この時代には存在したからだ。

「ひ、ひええ、たすけてくれー」
「おらはこんなところで死にたくはない!」
「に、にげろーっ!」

ガシャン!バラッ!バラッ!

戦っても降伏しても、どうあっても殺されるという言動は、
足軽の士気を大幅に下落させ、武器甲冑を捨て逃亡するものが出る始末であった。


ドタドタドタッ!


象のような激しい地鳴りとともに、疾風のように駆けてきた
スワトがやっと足止めをしていた部隊の場所へとやってきた。


「関州義勇軍ミレム隊の将!豪傑スワトただいま参上つかまつった!!」


しかし、声を上げたスワトの前に広がっていたのは
恐怖に逃亡していく足軽隊が、ルブーの兵達に次々に討ち取られていき、
物を言わなくなった兵士達の残骸を賊軍が踏み荒らし、首をはねて
甲冑や武器を剥ぎ取っている姿であった。


「へへっ遅かったな豪傑さんよ、もうほとんど片付けちまったぜ」

「なにっ!それがしを待たずして…誰か!誰かおらぬか!」

愕然とするスワトの前に、一人の足軽が怪我した体の鞭打ち、
片足を引きずりながら駆け寄ってくる。

「しょ・・・将軍!」

「おお!生き残った者がおったか!」

ドサッ!
足軽が力尽きたようにスワトの前で倒れ、
スワトはそれを抱きかかえるように、足軽の体を前面で受け止めた。
その足軽は力なく、腕はだらんと力なく伸びきり、体すべてをスワトに預け
数箇所に斬り傷を受け、すでに虫の息であった。


「あ、足止めしていた足軽隊は、ぜ、ぜんめつ・・・面目ございませ・・・」

「そうか良く報告をしてくれ・・・!」


ヒュンヒュンヒュン!!グサグサグサッ!!!


「ギャアアーッ!!」


ビシャアーッ!ビタビタべタッ!!


足軽が最後の言葉を告げた瞬間、上空から数本の屈強な矢が降り注ぎ
背中をえぐるように貫くと、足軽は甲冑を貫通した箇所と口から血を流し
スワトの甲冑、顔面、手足は、足軽の血で赤く染まった。

「き、貴様!なんということを!」

「すまねえすまねえ、どうも逃げ惑う兵が必死に駆けずり回る所をしとめるのが大好きでなぁ!命乞いをして血反吐を吐きながら死ぬ様はたまらねえぜ!」

「お、おのれ!!!!たとえ敵軍とて敵意無き兵を害すは将、延いては人の道に非ず!!!!貴様ら賊は人の道さえ無くしたか!!!」

「どういわれようとこの勝負はアカシラ様率いる我ら頂天教の勝ちよォ!その足軽も、豪傑殿に最後の報告をして、兵としてさぞ満足であろうのうヒャッハッハ!」

そういうとにわかに足軽の死体を漁っていた賊兵が動き始め
足軽を抱えながら立つスワトを囲むように、手に持った剣や槍を
ギラギラと輝かせる。

「さあおしゃべりは終わりだ!てめえもあの世で官軍に入ったことを後悔するんだなぁ!!」


スッ・・・

「・・・すまぬ。我らが大功を成すために見殺しにしたも同じこと。恨むなら早く駆けつけられなんだそれがしを恨め・・・」

スワトは足軽の死体を強く抱き、赤く染まった顔面をぬぐい
すでに死んでいる足軽の亡骸をその場に置き、手を合わせると
野生の獣にも似た、鋭い眼光をルブーに向けてジッと放った。


「な、なんだ、その目は!なにをしてる野郎ども!さっさとやつを殺せ!」


ダッ!!!


「え・・・?」


スパァァァンッ!


今や今やと賊兵がスワトに飛び掛ろうとした瞬間、
スワトの体は風か何かが乗り移ったように俊敏にその場で跳躍し
数十の賊兵を飛び越えて、ルブーが居る場所まで行くと
手に持った大薙刀を一気に振り下ろし、ルブーの甲冑ごと真っ二つにした。
ひしゃげたルブーの胴体はものすごい勢いで空を飛び、醜い体を地上に晒した。


ズゥン!


「え・・?」
「ルブーさ・・?」

ブゥン!!ブゥン!!

「ギャアアアーッ!」
「うわああああ!!」

そして賊兵がそれに気づき、声を発した瞬間
下半身だけで立っていたルブーの『もうひとつの体』が
バランスを保てなくなり倒れ、同時に周辺にいた賊兵達の首や胴体や足や血が
弧を描くように空中に爆風にもまれるように吹っ飛んだ!


「このやろうなにしやが・・」

ブンッ!!グシャッ!!

それを見た賊兵は剣や槍をスワトに向けるが
流れる暴風と化したスワトの大薙刀を振り下ろし、なぎ払われ
あるものは頭から唐竹割りにされ、あるものは胴体ごと真っ二つにされ、
あるものは甲冑ごと突き刺され空中に放り投げられた。


「く、くそっ!」

ヒュンヒュン!!ザクッ!!

「や、やったああ!」

ズッ!バキッ!!!!

弓を撃って抵抗した兵もいたが、今のスワトに
恐怖に慄いた賊兵が小弓で放つ矢など蚊ほども利かず
的中に喜んだ弓兵は、驚くべき跳躍力で飛び込んできたスワトに
何の反応も出来ず、喜んだ表情のまま首を腕でへし折られた。

恐れ慄く賊軍の兵達の顔は、どれも恐怖にゆがみ
顔面から汁をたらし、手足は奮え、武器を投げ出し命乞いをする者までいた。

「ほ、ほら武器は捨てた。降伏する!殺さないでくれ!」
「え、お、おい・・ま、まてよ、冗談、だろ」
「ま、まってくれよ、た、たのむ、おれたちは命令されただけ・・・」

しかし、まったくと言って良いほどスワトの動きは
その足を止めず、大薙刀を振り上げ、いつもの温厚で仏のような顔は
存在せず、眉間にしわを寄せ、鋭い眼光を賊兵達に向けながら
低い声で唸るようにこう言った。



「あいすまぬ。それがし、今や慈悲の心など無く。心に修羅が宿り、憎しみの影が体を覆いもうした。お主らに情けをかけようと思うとも、修羅の心がそれを許さぬ。それがしの前で命乞いや、立ち止まるは愚の骨頂でござる。肢体無残に死にたくなくば今は去れ…残らば命を害するのみぞッ!!」


グッ!!!ブゥンッ!!!


「ぐぎゃ!」
「ひ、ひえっうグッ!」
「ギャアアアア!!」


それから数分、人間のものとは思えない断末魔の連続が、
山の木々を木霊し、恐怖の言葉は山を震わせ、
奇怪な物体をあたりに撒き散らし、山道の林を赤く染めた。



――その後、ミケイ隊1000が駆けつけた時、
あたりは地獄のような恐ろしい光景に包まれていた。
ミケイは多くの兵の死体に囲まれた、血まみれのスワトを見て言葉を失った。
全身ところどころに小さな傷はあったが、幸いスワトは
意識を失っていただけであった。
しかし、その右手には大薙刀を悠然と構え、
左手には最後に討ち取った賊兵の首を持ちながらの姿を見て
ミケイはスワトを起こすことを一瞬ためらうほどであった。

しかしミケイはひと時すると、悲惨な光景に兵の士気が
下がってしまうのではないかと思い、スワトを木で組んだ担架で
部下に担がせ、密かに本陣へと返すと、複雑な思いのまま
ミレム達を追うように1000の兵を山頂の本陣へと向かわせるのであった。


ミケイは、後にこの光景のことをこう語っている。



 血を纏いし豪傑、礼無きに修羅となりて振り回す大薙刀は暴風となりて、
 賊、首と胴体は繋がることなく拉げ、薄暗き山道を鮮血が舞い、肢体飛ぶ。
 無残に消え行く賊の死体300余。すでにとめるもの在らざること
 広がる阿鼻叫喚の地獄絵図は、これ修羅の業、冥府魔道の狂戦士なり。


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第十七回『官賊決戦!獅子将、壮烈たる山吼えに形勢を翻す』

2007年08月19日 20時37分44秒 | 架空大河小説『英雄百傑』
英雄百傑
第十七回『官賊決戦!獅子将、壮烈たる山吼えに形勢を翻す』


―あらすじ―

昔々、巨大な大陸を統治する皇帝がいた時代。

頂天教の教主アカシラの怪しげな術により、大敗を被り
山道を敗走するキレイ、オウセイの官軍隊であったが、背後からは
逆落としをかける形で迫る頂天教軍、前方に伏してあった頂天教軍の兵に
挟み撃ちにされ、決戦し討ち死にを漏らすキレイをオウセイは一喝した。
そして忠義精鋭の騎馬隊を盾にすると、キレイを伴って山の道無き獣道を進んだ。
林道にて出会った野生の虎にキレイは生きるを学び、
オウセイは暗雲の千切れに光を見た。

一方、山の麓では、タクエンの説得と、ミケイの進言で
重い腰を動かしたジャデリンを大将とする援軍5000が
キイ率いる後詰め部隊1000と合流し、妖元山の二路を
それぞれ上り始め、英傑たる武将達は各々の思惑で策を走らせ、
官軍と賊軍は相対して、自軍の総力をあげ
雲間切れし妖元山を舞台に決戦を仕掛け始めたのだった。

―――――――――――――――――――――


妖元山 頂天教 本陣手前

切り開かれた緩やかな坂で形勢され、回りを林道が囲む中央路に
屈強な500人の兵を引き連れ、ミレム、スワト、ポウロの三勇士と
足軽隊は山道を足早に進んでいた。

しかし、中央路の回りの林道には、
すでに頂天教軍の武将ルブー率いる500の兵が、アカシラの命を受け
じっと息を潜め伏兵として官軍を今か今かと待っていた。

林道の先で物見をしていた賊の一人が、
兵が息を潜めた林道を駆け抜けて、ルブーに報告をする。

「ルブー様!官軍の先鋒が見えましたぜ!」

「ようしおまえら!先頭の兵が過ぎたらドラを鳴らせ!一気にたたむぞ!」

「へい!」


頂天教軍の兵は再び息を潜め、官軍足軽隊の先頭の兵を見送ると
後ろの兵の切れ目を見て足軽隊を一気に急襲した!


ジャーン!ジャーン!

「ワアアアアァーッ!!」



「なにっ林道に伏兵とはいつの間に!いかん引き返せ!」

足軽隊の先頭集団に居たミレムが、後ろでけたたましく鳴るドラを聞いて
あわててすぐに引き返そうとするが、サッと横に居たポウロが進言する。

「いえミレム様、ここは本陣に見えるように星升火矢(火をつけると塗料が燃焼し光る大玉のついた矢)を上げてミケイ将軍と後詰に防いでもらいましょう」

「しかしそれでは後ろの足軽隊に被害がでるぞ!」

「ここはスワト殿に任せましょう、頼みましたぞ豪傑殿!」


「ハッハッハ!腕がなるわい!それがしの武、敵兵に見せ付けてやりまする!御免!」

ズッ!バババッ!!

そういうとスワトは、グイと足に力を込めて走り出すと
甲冑を着込んでいる人間とは思えない速さで、
敵の500の伏兵部隊に一人で突っ込んでいった。

「何度みてもスワトの走りの速さには驚かされるのう」

「さあ我らも先を急ぎましょう!」

そう言ってポウロとミレムは足止め兵を除く
足軽隊400の兵を引き連れ、敵本陣へと駆け上がっていった。


中央路 官軍キイとミケイの隊

山の中腹で戦備えの休息を取っていたミケイとキイの本隊の見張りが
ミレム三勇士の足軽隊から星升火矢の輝きが見えると、急いで
ミケイとキイに報告した。

「前方から官軍の星升火矢があがりました!先遣の足軽隊に何かあったようですな!」

「やはり敵の伏兵がいましたか・・・。キイ将軍、我が足軽隊を救うために兵1000を私にお貸し頂けますでしょうか?」

「うむ、斥候隊をむざむざ殺してはならぬ。行かれるが良い」

「それでは・・・」

キイはミケイの策をタクエンから聞かされて知っていたが
中央路より上ってきた官軍隊2000の兵の半数である
1000の兵による出陣を許した。
普通ならば本隊から兵を割くのは余り好ましくないことだが、
この時許したのは、先ほど参謀のタクエンから
「ミケイが軍を動かす時は止めるべからず」と言われていたからである。


「ミケイ隊、進軍開始ーッ!」

ミケイ率いる1000の兵は山中で戦い始めた
足軽隊を救うため一気に山を駆け上がった。


西路 ジャデリン本隊

この時、ジャデリン本隊3500は、
驚くべき速さの進軍で敵の本陣へと向かっていた。
ミケイに言われたことを根に持って、手柄をとられんがための
速攻進軍であったが、兵の疲れを無視していた進軍だったため
兵の疲労が激しく、軍は山道に細長く伸びきっていた。

「ヒィ・・フゥ・・城からもう走りっぱなしで・・もうだめだぁー」
「いくら険しくない緩やかな山道とはいえこれはつかれるのう」
「はぁはぁ・・・無駄話をしてると将軍に怒られるぞ」
「ミケイ将軍の言葉に刺激されすぎじゃ、わしらのことなど考えておらん」

兵達は余りの進軍に、あるものは疲れ果てて足を止め
あるものは槍や剣を杖代わりに歩いていた。
少なからずジャデリン将軍への不平不満をもらすものも出てくる有様であった。

しかし、その光景にジャデリンは気づくどころか
敵の本陣の喉笛まで差し掛かったところで再び足を速め
ジャデリンは疲れ果てている兵達にこう言い放った。


「ふう・・・ようし、もうすぐ敵陣だ!気合を入れて賊軍を駆逐せよ!」


「「「・・・お、オー・・」」」


「くそ今に見てろ、あの腐れミケイめ、この猛将ジャデリンを蔑みおって!思い出しても腹がたつわ!こうなれば速攻で本陣を陥落させて奴の度肝を抜いてやるわ」


ジャデリンは眉間にしわを寄せ、グチグチとミケイに対しての
恨み口上を放つと、その怒りをあらわにしながら再び軍を動かした…
その時だった!


ジャーン!ジャーン!

頂天教軍の将レツド、クピン、イエロ、それぞれ500の兵を連れた三隊が
どこからともなくジャデリン隊を囲うように三方から攻め立ててきたのだ!

「ワーーーーッ!!」

長い行軍で疲れきっていたジャデリン軍の兵士達は
突然の敵兵の登場に戦う準備もままならず、ほうぼうの体で討ち取られ
数で勝るジャデリン部隊だったが、細長く伸びた軍の陣形も災いし
敵兵の斬り込みを完全と許してしまった。
慌てふためく将兵の中で、ジャデリンは、
それまでの憎しみの表情であった顔に汗をたらし、
あせりの色を隠せないでいた。


「ジャデリン将軍!敵の伏兵は前方、側面、後方の三方より我が隊を斬りこみ、前方後方ともに体勢ままならぬまま苦戦を強いられております!」

「な、なんだと!?この何もない坂道に伏兵だと!?どこからきたのだ!」

「わかりませぬ!しかしこのままでは疲れきった我が隊は全滅しますぞ!」

「ぬぬう・・・敵方に三方を取られたか」

前方、後方の挟み撃ちの上に、側面からも攻撃を受けた軍ほど
もろいものは無く、たとえ数で勝っていても苦戦は必死、
追い込まれれば敗北することは必定であった。

普通の将ならば、この絶体絶命の報を受けて慌てふためき
全滅を待つばかりだが、しかし歴戦の猛将ジャデリンは流石に違った。
焦燥感がにじんだ表情を一変させると、声を大にして部下に言い放った。

「将兵に伝えぃ!落ち着いて指揮をとれる兵は楔型の陣形を取り!敵を各個撃破する!数はこちらのほうが勝っているはず、よくよく落ち着いて陣形を整えよ!先んじてわしが敵を切り崩す!奴らもまさか反撃してくるとは思うまい、その迂闊を突き敵に強撃を与えよ!」

「ハッ!」

「ワーーーッ!!」

ジャデリンの怒号とも思える大声に、浮き足立っていた将兵達は
動きの取れる部隊を纏め上げ、ジャデリンの言った楔形陣形(攻守のバランスの優れた五角形の密集陣形)を瞬く間に作り上げ、ジャデリンは自ら先頭に立ち
襲い掛かる敵の伏兵部隊を猛々しい勢いをもって剣と槍で切り崩した。


「死にたい奴から前に出てまいれ!獅子奮迅!猛将たる我が力、貴様ら賊兵のあの世の語り草として覚えい!我が武勇、貴様らの冥土の土産としてくれるわ!でぇーい!!!」

ブゥン!ブゥン!ブゥンブゥン!!!

先陣にて七尺(2m強)の大槍を片手で構え振り回し、敵兵を切り裂きながら、
瓦解する味方部隊を鼓舞し、指揮をとるジャデリンの姿は、
伏兵に浮き足立ち、疲れていた兵士達を奮起させた。
その戦ぶりたるや、まるで猛々しい百獣の王、獅子の如きものであった。


ダッダッダッダッ!!

ジャデリンは敵兵を突き破り、荒々しく馬を走らせると、
敵部隊の将クピンとイエロを発見し、猛然と突撃した。


「そこにおわすはどこぞの賊将か!我が名は官軍総大将、四谷郡随一の猛将ジャデリン!腕に自信あらばわしと勝負せよ!」

「官軍の将め、おまえなどと勝負などしてられるか!」

「尋ねられて名乗らぬは将として無礼の極み、待っておれ!今すぐそっ首叩き落してくれるわ!」

「やれるものならやってみろ!それおまえらあの猪武者を殺せ!」

バーッ!!!
クピンとイエロの前に賊軍の槍隊数十人が
ジャデリンの馬に向かって槍を構え、
突っ込んでくるジャデリンの前に立ちはだかった!


「ならば押し通るッッ!!」

ダッダッ!!ブンブンッブゥン!!!

ジャデリンは大槍を振り回す勢いをそのままに、
賊軍の槍隊にむかって渾身の力を込めて横なぎに振り払った!!

ガキーン!!バキッ!!!

大槍はものすごい勢いを保ちながら、敵の槍の穂先に当たり
勢いに負けまいと力を込めた賊軍の槍兵達だったが
槍は真ん中から竹のように裂けながら折れ、槍兵はなす術も無く
突っ込んできたジャデリンの馬の突撃に弾き飛ばされ
囲いはみるみるうちに解けていった。


「ばかな、槍ごと兵をなぎ払うとは、ぬうう!イエロいくぞ!」

「おう!いくら馬鹿力でも俺ら二人がかりならばチョロイぜ!はいやっ!」

ダッダッダッダッ!
乗った馬の腹を蹴ると、二人の将はジャデリンに向かって
加速をつけながら猛然と襲い掛かった!


「もう一度名乗られたし!我は四谷の猛将ジャデリン!!」

「我こそは頂天教軍の将、クピン!」
「二人でかかるを卑怯と思うな!同じくイエローッ!」

「構わぬ!むしろ望むところじゃ!!でぇーい!!」


ヒュッ!ブゥン!ガキーン!!

たったの一合、振り払うジャデリンの大槍に二人の将が刃を重ねた瞬間、
クピンとイエロは手にしびれるような激痛を覚えた。

「げ・・・!!!」
「ッ!!!!!!」

「どりゃどりゃどりゃ!!」


ズゥン!ヒュンヒュンヒュンヒュン!

ジャデリンの勢いのやまぬ槍捌きは、クピンとイエロを絶句させた。
二人を相手としているのに、ジャデリンのその鋭い突きと払いの連続技に
クピンとイエロは攻撃する隙などなく、打つ槍をあわせ守るに精一杯であった。


「ドォォォリャ!!」

ブンッ!ズブゥッッ!

「ぎ・・・グヌワーッ!」

クピンがふっと息をぬいた瞬間、あっという間にジャデリンはそれを見抜き
目にも留まらぬすばやい突きを放ち、クピンを一撃で絶命させた。

「あっ!クピン!」

ブゥン!グシャ!!!!!

「ギャアッ!!」

クピンがやられたのを見て、気を抜いたイエロも
ジャデリンは見過ごさなかった。
大槍の勢いをそのままに縦なぎに振り落とし
甲冑、兜ごとイエロの顔面と胴体を叩き割ったのだ!


「賊将クピンとイエロ討ち取ったりッ!!」

「「「オーーッ!!」」」


まさしく形勢逆転の布石、現状を翻す、獅子奮迅の働きをする
ジャデリンの猛攻に、突然の事態に浮き足立っていた官軍の将兵達は
おたがいに歓喜の声を上げ、将を失って残った敵兵の多くは
惨めにも武器を捨て、ジャデリンに恐れおののき、ほうぼうのていで瓦解した。
もう一方の前方で戦っていた賊軍のレツドは、
形勢を見るに作戦の失敗を察知し、部隊に本陣への退却を命じた。

まさしくジャデリンの猛将ぶりを見せるに余りある猛攻であった。
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ライバル

2007年08月19日 15時17分21秒 | 末路話
OK!あからさまに過激な内容でも大丈夫~@kirekoです。


>組曲『マクドナルド』

ヌカみそ氏のブログから拝見
http://www.nicovideo.jp/watch/sm870411


なんというマックだけで使える専門用語連打、これがわかればマック内でのAクルー認定は確定(前限定)。ラウンド関連の話はあるあるだったし、タイムアウト関連の話と1TC1ラウンドとか、リブが焼きすぎて真っ黒けとか、懐かしい単語が多くて困った。ただ問題はこれマックの中でもカウンター&ドライブスルー関連の話が多いわりにDメン、金庫、オープンクローズメンテ関連、補充の話がアドミックス以外まったくカットされてるあたりが視聴者に対してのやさしさ+藤田デンの話があったのは感心した。しかし残念だったのは、歌ってる奴はSW以下なのか・・?わざとわかりやすく歌っているのか?むしろこれ働いてる奴以外わかんねえよ!そういえばあのマックマスコット四天王軍団はグリマス以外ドコいったんだ?!とか、ファミリーナゲットはウザ過ぎた!!とか、そういう無駄な詮索ばっかしてしまって楽しく動画を見れなかったことか。


ラストらへんのファーストフードへの超皮肉はワロタ。
しかし、歌ってる奴の声が昔働いてた人の声にそっくりで困った。
気になって、思い出してみたら嫌な思い出しかない人だったわー
それにしてもマックで働いてる奴らの声は異常に高くなるか低くなるか
二極化の傾向だな。

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第十六回『官軍、其々英傑策謀し妖元山に臨む』

2007年08月18日 23時40分31秒 | 架空大河小説『英雄百傑』
英雄百傑
第十六回『官軍、其々英傑策謀し妖元山に臨む』


―あらすじ―

昔々、巨大な大陸を統治する皇帝がいた時代。

頂天教の教主アカシラの怪しげな術により、大敗を被り
山道を敗走するキレイ、オウセイの官軍隊であったが、背後からは
逆落としをかける形で迫る頂天教軍、前方に伏してあった頂天教軍の兵に
挟み撃ちにされ、決戦し討ち死にを漏らすキレイをオウセイは一喝した。
そして忠義精鋭の騎馬隊を盾にすると、キレイを伴って山の道無き獣道を進んだ。

キレイは野生の虎に生きるを学び、オウセイは暗雲の千切れに光を見た。

一方、山の麓では、タクエンの説得と、ミケイの進言で
重い腰を動かしたジャデリンを大将とする援軍5000が
キイ率いる後詰め部隊1000と合流し、妖元山の二路を
それぞれ上り始めた。

―――――――――――――――――――――


妖元山 正面路

山頂付近の採掘所に最も近い正面路を進むキイ、ミケイの隊2500は
緩やかな斜面に泥と化した山道をものともせず、比較的乾いた道まで
一気に駆け上がり、緩やかになった風も幸いし、その進軍は
比較的素早いものであった。
しかし流石に封城から出て走りっぱなしの兵士達の顔は辛く
疲労感が目に見えていた。

夕日が差し掛かる山路の中腹で、兵士の疲労感を見たミケイは
同隊のキイに一計を投げかけるため近づいた。


「キイ将軍。緩やかとはいえ、遠路と山道を駆けて兵士達の疲労の色が濃いようです。ここは少し休息をしてみては?」

「ミケイ将軍。すまぬが、私は何か胸騒ぎがしてきた。情弱いこと笑われるやも知れぬが、我が兄キレイが心配ゆえ、このまま進軍を止めとうは無い」

「至極、その心中お察しします。が、この山道で敵の伏兵にあえば大被害を被るでしょう。それに先ほどから不気味なほど敵軍の音が聞こえませぬ。これは伏兵の兆候と思われます。兵法にもあります『敵大挙するも音せずは奇襲の構えあり』と」

「ふむう・・・。すまない、それがし兄上ほど兵法に詳しくない苦手者で。それでは如何致すのが最良のことと思われるか?」

「500ほどの足軽隊に斥候(偵察)をさせましょう。機先を制せば敵の出方もわかりますし、敵が勝利に浮き足だっていれば、その隙を突き敵を撃ち砕けます」

「ふむう・・・。タクエン。おぬしはどう思う」


「賛成でございます。兵はここにて休ませ、敵を警戒しましょう。兵を休ませるために2隊に分け、一隊は警戒をとかず、一隊は休息をとるが最良かと」

「お主がそう申すならそうしよう。ミケイ将軍。我等は休息することに決めた。それで斥候足軽部隊の将は誰が良い?」

「我が軍のミレム、ポウロ、スワトに向かわせます」

「そうか、あの三勇士なら上手くやるであろう」


キイはそう言うと辺りを警戒する歩兵1000と
斥候する足軽部隊500を残し他全軍に休息体勢をとるように言った。
疲労の色が濃かった兵士達は、その命令に歓喜し安堵の息をもらし
その場にへたり込むように皆それぞれ休息し始めた。
ミケイは次に、ミレム、スワト、ポウロの三勇士を呼んだ。

「ミレム殿三人に500の足軽兵を預ける。敵の動向を探り、敵兵と会えばすぐに本隊に知らせよ。念を押しておきますが、これは斥候任務。決して無理に攻めることなど、なさらぬように」

「わかりもうした。見事に斥候の任果たしてみせましょう」

「頼みましたぞ」

ギュッ!

そういうとミケイはミレムの手をとると握手に見せかけて
何かを握らせた。ミレムはミケイを覗いたが、ミケイは眉をゆるやかに動かし
およそ将軍らしからぬ美しいその顔に笑みを浮かべるだけであった。
ミレムはその表情を見ると、何か不思議がっていたが、
ミケイの真意には気づかなかった。


「頼みましたぞ」

「はっ、はあ・・・」


ミケイは再びそういうと、ニッコリと笑って周辺の見回りに向かった。
ミレムは、不思議そうな顔を浮かべながら、その足で自分の部下となる
足軽隊500を集めると、先ほどもらった紙をポウロとスワトに見せた。


「スワトにポウロ、これはどういう意味であろうか」

「どれどれ、『足軽隊は戦出来ぬ鳩に非ず、それ啄木鳥となり、鴉を追い出し、山に大鵬を迎え華を持たせよ』・・?それがしてんで判らぬ、どういう意味かのう?」

「・・こ、これは!」

「どうしたのだポウロ」


「ふふふ、あのミケイという将軍。表は美麗なれど、裏はなんという策士だ」


「「ええ!?」」


ポウロは訝しげに文面を見るに再び小声で笑い始めた。
ポウロの言にますます文面理解できないためか、思わず声をあげてしまった
ミレムとスワトは、不思議そうな顔をしてポウロに向かって質問した。


「鳩・・・啄木鳥・・・鴉・・・大鵬・・・?ええぃよくわからん!」

「どういうことだポウロ、判りやすく説明してくれ」


ポウロはコホンと軽く咳払いをすると
ヒラヒラの薄い紙に指をさし、ミレム達にわかりやすく説明した。


「鳩という鳥は平和。つまり戦においては令に応じるだけの無能を意味します。啄木鳥は木を叩き、驚き出てきた虫を食らう鳥。これは我等に敵を突付き、敵本隊を炙り出せということです。鴉は忌み嫌われるもの、つまり賊軍。大鵬は我等が官軍の大将ジャデリン将軍を表します」


「ふむふむ・・・で、我々はどうすればよいのだ?」


「つまり、これは我等に敵を挑発し、本隊の伏している場所を判明させ、おびき出し、その間に別の山道から来たジャデリン将軍に手薄になった採石所本陣を奪回してもらい、官軍の大将としてジャデリン将軍に華を持たせようというミケイ将軍の『誘引歓待』の策です」

ポウロはそう言うと、スッと休息をとり始めた兵士達の待つ
簡易陣へと向かう白銀の甲冑のミケイの後姿を見て
頬を吊り上げ、片目を瞑り、不敵な笑みを浮かべながらこう言った。


「あの才気あらば、敵本陣を自分の部隊だけで落とすことも可能だと考えているのでしょう。しかしミケイ将軍が本陣を落としたとあらば、ジャデリン将軍の総大将としての体面がたちますまい」

「なるほど、そこで動きやすい義勇軍として集まり、官軍将以外の特別扱いを受けている俺達を使ったのか・・・ミケイ将軍、侮り難し・・・」


「若いながらあれだけの大言、臆せずの進言をするからして大した度胸の持ち主だと思いましたが、彼はジャデリン将軍のような、ただの『戦争屋』ではありませんな。自らの功名に走らず、引き際と兵略を知り、軍事策知に長ける大人物です」

「ふむう・・」

「ぐむむ・・」

ミケイの深慮を知り、あっけにとられるミレムとスワトを尻目に
ポウロの口調は強く、ゆっくりではあるが、さらに緩やかに流れるようであった。


「文ひとつ、紙切れひとつでそのようなものまでわかるものか・・」

「適所に割り振るが君主の役目なら、見抜くべきを見抜くことは家臣たる者の勤め。賢人は軍、延いては国の宝でございます。それが図りかねる深謀を持っているなら、なおさらでございましょう」


ポウロはそういうと、今にも噴火しそうなくらい知恵熱の出ている
スワトに向かって目をやり、ふふっと微笑んだ。


「今のはそれがしにあてた言葉か!ぬぬう!あーあ!もう!わかった!わかったわかった!わかったわかったわかったわかった!!!それがしには深謀はわからぬことが、よーくわかった!戦は得意なそれがしがやるから、そういう難しいのは得意なポウロ殿に任せる!それでよいだろう!な!」


「ふふふ、まあではそのように」

「それに!ともかく今は足軽を率いての任務が大事ということがわかったのだから、評論や無駄な詮索などせずさっさと先へ急ごうではないか!」

スワトは早く切り上げたい気持ちでいっぱいだった。
人には向き不向きがある。スワトはそういう意味では
この手の話題に不得手すぎたのだ。
それを見て、微笑を浮かべ続けるポウロに
ミレムは苦笑いをしながらこう言った。


「ハハハ。ポウロよ、もうそのへんで許してやれ。スワトは戦にて活躍を見せると言うておるではないか。それに、たしかにスワトの言うのも最もじゃ。我らの任務が重要であるなら、さっさと足軽隊を集めて出発しなければ将軍ににらまれるぞ」


ミレムは、そういうと今集めた500人を一度見回り、
再び選りすぐりの斥候足軽隊500を集めはじめた。
悪く言えば味方を欺くような特命の任務であるためか、
どことなくあたりを気にしながら、何も言わずに足軽隊を集めた。

しかし、この行動の一部始終を見ていた者がいた。
休息をとる官軍と今行く足軽隊に兵糧を配っていた
キレイ官軍後詰部隊の武将の一人、兵糧総督のドルアであった。


「むむ・・・ミレムのあの意気、あの行動。ただの斥候とは思えん。キイ様にお伝えせねば」

ドルアは配っていた兵糧を部下に任せると、
一目散に休息中のキイに通達をした。


「なに?足軽隊が怪しい?」

「はっ、あのような物々しい兵の選び方はおかしゅうございます」

「おまえの見間違えではないのか?」

「いえ、見間違えにしてみても余りあり。あれは仰々しすぎます」

「むう・・・タクエン。おぬしはどう思う」


兵糧総督のドルアの話を聞きながら、口に手を当てて
考え込んでいたタクエンは、キイにたずねられて、重い口をあけた。


「私が考えまするにおそらく、ミケイ将軍の功名の謀(はかりごと)かと」


「なにっ!?口を慎めタクエン!兄上の抜け駆けに対して、援軍の助勢を進言してくれ、今また自らの部隊を使って危険な斥候に向かわせたミケイ将軍が何の功名の謀を考えていられるというのだ」


「ミケイは昼間に我が軍が負けたことに敵兵が有頂天になっているはずと考えています。これを多勢をもって討ち取るは易し、しかし本陣目前になっての休息の進言、500の斥候、しかも機動力のある足軽隊を送るは、怪しすぎます。物見ならば10人程度で十分でございましょう。おそらく、これは別路より進軍してくる本隊に本陣を奪わせる『誘引歓待』の策かと」


「む、むう、しかし官軍の兵はことごとく疲れているのは事実ではないか。休息させることは兵の士気のためであって、何の策でもないはずだ」


タクエンはキイの言葉をきくと、スッと顔をドルアに向けこう尋ねた。


「ドルア殿、ミレム達が選んでいた足軽は、どのような兵であった?」

「はっ、足軽は疲れを知らぬ我が軍の屈強なものばかりでございました」

「やはり・・・キイ様、これは抜け駆けにございますぞ」

「なにっ!?」


「つまり・・・」


キイは一言一言に驚いたそぶりを見せたが、
タクエンは冷静に、つらつらとミケイの思惑をキイに説いた。


「おおぉ…なんという遠謀。た、タクエン。このまま手柄をとられては兄上に面目が立たぬ。私は何をやればよい」

「それがしにそれとなく500の兵をお貸しください。そうですな、キレイさまを探すという口実がよろしいでしょう。初手を見るに敵方も何か策を弄してくるはず、ミケイの思惑通りになるとは思えませぬ。その間に・・・」

「そ、そうか。ではそのようにしてくれ。ミケイ将軍にはそれとなく伝えておく」

「はっ」

タクエンはキイに深く礼をし頷くと、近くにいたドルアに声をかけた。


「・・・それとドルア殿」

「何でございましょう」

「貴殿のその慧眼を買って、私と共に500の兵を指揮をとってくださらぬか?」

「はっ、戦は余り得意ではありませぬが、それを承知の上ならば・・・」

「よし、では早速兵を集める手立てを考える故、手伝ってくだされ」


こうしてタクエンは500の兵を独自に動かした。
英傑たる才能を如何なくはらんだ将兵は、山の林道を密かに進んだ。


妖元山 頂天教本陣


暗い採石所の一部に設置された岩部屋。
髑髏をイメージさせる不気味な蝋燭台には燦燦と灯がともり、
回りにおかれた甕や壷には毒々しいとまでいえる紫や赤、青、黄色の
液体が入っていて異臭を漂わしている。
ここは少し前までは官軍の採石現場監督が居座っていた場所であったが、
今は賊軍、頂天教の教祖、総大将アカシラの個室となっている。


「ヒャヒャ・・・あの無様な官軍の姿を思い浮かべると研究も進むやねェ」

キレイの軍を破ったアカシラは上機嫌で、机の上に調合物らしき
粉末の薬品を置くと、それを飲み込み、片方の手に持った器の中の水で
押し流すように飲み込んだ。

「ヒヒ・・ウシャ!ウヒャヒャ!!今日のは特に気分がのるねえ!」

薬を飲んだアカシラの顔は紅潮し、気分が良くなったのか
岩部屋で軽やかにジャンプし始めた。
石で出来た床を跳ねるその足音は、実に軽快であった。


バタバタバタッ!


「失礼しますぜアカシラ様!見張りからの報告で、どうやら予定通り官軍が中央路と東路の二路より進行してきやがりましたぜ。数はあわせておよそ6000、旗印から見るに将は官軍の大将ジャデリンの野郎かと」

「・・・ヒャヒャ、なんだぁってぇ?御大将自らまたやられにきたのかい。こりないこったねぇ・・ヒャヒャッ!ヒャハハッ!

「アカシラ様、どうするんで?」

「ヒャヒャ…ただ笑ってもいられないか、じゃあ秘策を授けようかね…」


賊出身の低く曇った伝令の声が、頂天教の教祖、
勝利に浮き立つ賊軍の総大将アカシラの耳に入った。
その報を聞くなり、アカシラはニヤリとほくそえむと、
急に自分が座っていた椅子から立ち、伝令の兵士にヒソヒソと耳打ちした。


「・・・ヒャヒャ・・・じゃあいつものように頼んだよォ」

「へい。へへっ、じゃあ櫓のやつらにも伝えてきやすぜ」

バッと兵士が走っていくと、誰もいなくなった
アカシラは再び笑い始めた。


「ヒャヒャッ!昼間にやった雷は雲が晴れて使えないからねェ!今回は正攻法で行くよォ!流石に採石所に作った無数の抜け道があって、道道の場所につながってるとは奴らも考えまいねぇ!まさに神出鬼没のわれらの軍にあわや官軍壊走するしかないってか!?ヒャッヒャッ笑いが止まらないねえ!」


アカシラの不気味な声が岩部屋中に響いた。
暗雲晴れ始めた妖元山に、今まさに将兵達の知略遠謀を廻らせた戦いが始まる。

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女神様がメガンテ

2007年08月17日 18時50分46秒 | 我流ロボットデザイン
あっちは私が引き受けますbyサガ2の女神強すぎ@kirekoです。


>うませてよ

昨日絵チャで左右非対称のキモメカを指図して
コマンダーに作らせてて思ったんですが、
キモいの中にもキモカッコイイのがあると
キモメカもただでは終わらない感じがしたので
キモカッコイイを目指して描きました。





KMOI-17R、キモさを自重してちょっとだけかっこよく描こうと思って武器なんにするよと思って、三本の鉤爪はき待ってたんだけど、片方が決まらないから、昨日のコマンダーのフランス器具マニア会話を思い出してやっぱオーソドックスなのは鞭かなと感じてトゲトゲをつけていたら、全体的にトゲトゲにしたかったんだけど、それじゃあ作者は病気シリーズの一員になりそうだったのでやめておいたメカ1号機。特技は保健体育。


>あー夢がーざわめくー




お口直しにどうぞ。
すいません片方のミサイルはふと思って描いて消すの忘れました。
つけるとなんともバランスの悪いwww
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マアマア冷ボウ

2007年08月16日 15時53分51秒 | 末路話
エアコンの冷房はやっぱすげーよ!文明の利器さすがだよ!@kirekoです。


>ついに我慢できずに
夏の冷房病対策(電気代が馬鹿にならないという言い訳)のため
ずっと扇風機様の力に頼っていたわけですが、さすがに
30度超の熱帯夜という豪傑を前には鉄の意志も討ち死にした
ので、エアコンの冷房をいれました!
28度設定でドライでこの力・・・
そして思いっきり寒くなろうということで
扇風機様の力も借りて(空気の回りが良くなって冷えやすいらしいです)
ああもうなんという贅沢の蜜付け!
クーラーのスイッチもいれ。扇風機もつけた。思えばkirekoは果報者だ。慎まねばならん慎まねば。

天下の伏龍と鳳雛を手に入れる、そんな気分でゴワした。


>どうでもいいけどおやつカンパニー

自分が停止している間に、コマンダー氏のブログで興味深い文があったみたいすね


■遠足とかのおやつの話(下のほう)
http://blog.livedoor.jp/commander_rp/archives/51075101.html


金額は小学校ごとに違ったようなんですが、うちの小学校は一律200円でした。
500円?山の手マンモス小学校はケンちゃんラーメンでも買ってろ!
マア値段のことはよしておきマアマアマア!マアマアマア!


・週間『私の中のおやつ』
小学校のころは通学路に駄菓子屋が二軒あって
「学校の帰りに買って帰るな馬鹿どもが!」と買い食い禁止令をひかれるほど
買い食いが盛んでしてね。買い食いする奴の中でも
1000円くらいもってて、むちゃくちゃ買う
『駄菓子屋無双』してた奴がやばかったな・・・。

って話がずれたけど、駄菓子屋といえば
やっぱあの商品を入れる器というか、現実的に言うと
どう考えてもミニ四駆が入ってる箱の内側みたいな奴ありましたよね?
あれにあえて20円30円50円の駄菓子をめちゃくちゃいれて
勘定する駄菓子屋のばあさんが、いくら買っても勘定間違えないあたりに
当時はさすが商人だと思いましたね。(今思えば数えやすい数字だったよな・・・)

で、自分の200円の主力駄菓子というとやはり
上記のブログでコマンダー氏もいっていますが太郎シリーズは
コストパフォーマンスに優れていて自分もよく買っていました。
小学生だとあのジャンキーな味がむしろ快感なのか
同学年の中でも好評でした。
(問題は熱を帯びすぎて時間がたつとハイパーベトベトンスペシャルローリングサンダーになることくらいか)

ヨーグル(壷状の器に入ったヨーグルト味の駄菓子)も当時は悪くないと思ってたんですが、やはり回りのヨーグル否定派に押されて、自分は甘い味のパン状の駄菓子ラスクを買ってました。

数合わせの10円でよくつかってたのはフィリックスのガムかな。
クジつきなのに六年間一回もあたったことのないガムで、ハズレ率は異常。

炎天下をものともしない武士達は、遠足に30円のふがしを
大量購入してましたが、後半はなぜかベタスルメと錠菓ラムネの取り合いになる感じが忘れられない。

そして自分が主戦力としてたのはやはり
30円シリーズの金字塔、麦チョコとココアシガレット、そしてベビースターラーメンでしょう!

麦チョコとはポン菓子をチョコでコーティングしたものなんですが、
その量が多くて、30円にしてはポン菓子より食いやすくて、
チョコバットほどくどくない味が大好きで、よく小学生のころお菓子の交換を
求められたときは、麦チョコ戦法といって麦チョコ10粒で幾つ交換という
30円の麦チョコを50円以上のものと交換できる高レートを可能にする夢の戦法
編み出されたほど、高性能な駄菓子でした。

遠足場所が河原だとよく先生の前でココアシガレット片手に挑発してたら
ライターで先端焦がされそうになってやばかった記憶が懐かしい・・・。


でも駄菓子はとにかくのどが渇く!
なにを選んでものどが渇いて遠足の後半戦である
菓子を食い終わった後に、夕焼けの草原からコンクリートの焼けた地面を歩いて駅へと直行する帰りのいわゆる『炎天下の地獄の帰宅デスマーチ戦』に備えて駄菓子を全部食って干乾びた喉を潤す飲み物が一滴も残ってないという精神的苦しみは、子供らしさが招いたとはいえ、シェイクスピアにも劣らぬ悲劇だろうな。


うーん懐かしいな~。駄菓子屋もずいぶん消えたなぁ~。

そんなこんなで今日はこの辺で・・・へーくっしゅん!(今度は寒すぎ)
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ずんぐりずんぶり

2007年08月15日 15時01分57秒 | 我流ロボットデザイン
おれたちゃ海賊~おれたちゃ海賊~@kirekoです。


>重武装といえば
二足歩行で重武装で上半身過積載の戦闘ロボットという
イメージのもとに描いてみた。



なんという上半身カオスwww
肩のやっつけレゴブロック的な武装のくっつき方が
自分なりにうまくいって良かったですばい。

上半身過積載ユニット二足ってなんか憧れるけど
バランスの悪さはとんでもないよね、ザメルくらいになると
もうアンバランスを通り越してるけど・・。

ぜんぜん話変わるんだけど、kirekoがどうも
ガンダムSEEDのバスターのデザインが気に入らないのは
質感はあるんだけど重武装かといえば半端でそうでもない
かといって大火力でバランスがいいかというとそうでもない、
射撃時のノックバックを除けるための安置用スパイクとか
固定する足に鉤爪的な装備を出して、地面に刺してor足に根がはる状態で
使えばバスターも映えるんだけど、思うに宇宙でああもバンバンうつと
どうも軽さが目立っちゃうんだよなぁ。
そういうところが二足過積載の悪い部分だと思うと
どうもデザインまでカッコ悪く見えてくるからこれ不思議あるね!

多脚は加重を分散できるし、砲戦時も安定感があるのが売りだけど
生理的に気持ち悪いと思われちゃうのが玉に瑕。
ガンダムSEEDに多脚のMAも出てたみたいだけど、
空中戦主体のアニメでは、多脚とかデカイMAは
さほど強くないというお墨付きで困ったwww

しかしロボット会の世間的な強さは二足>多脚なんだよね。
多脚代表のデザートガンナーの強さが異端的なのは
やっぱりリアル路線の重厚感がもたらすものなのか・・・。

二足だとドラグナー2号機がベストだと思ってるんだけど
割とあんまり強くないってイメージがあるわ。

まあ何が言いたいかというと
肩100発ミサイルにどてっぱら大型ミサイルの重火力な上にヤバイくらい機動力があって、そんじょそこらのレールガンは効くはずもない装甲を持って、出力のいらない反物質剣持ってるギルガザムネは重火力二足ロボット世界で最強だということです。


量産型のドラグーン?ぼっこぼこにしてやんよ!


以上重火力二足ロボットの話でした。
コメント
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