kirekoの末路

すこし気をぬくと、すぐ更新をおこたるブロガーたちにおくる

よろしくチューニング

2005年11月30日 21時12分33秒 | 末路話
勝手にしろと叫んで吼えたbackexhaust!@kirekoです。


>秋葉系オルタナティブダンスユニット
やけにトランスしてるわけだが。

正直誰もが一度は、かめはめ波を本気で出そうとしたんじゃないんだろうかw



>決戦!サルーイン
ロマサガ1の屈指のラスボス名曲ですね。
今年でたPS2用ロマサガ1リメイク作品
『ロマンシングサガ・ミンストレングソング』(略してミンサガ)
で、原曲をアレンジした曲が出てるんですよ。
ちなみにkirekoは原版も好きですがアレンジ版も好きなんですよ
まあ、とにかく↓で聞いてみてくれ、何かに気づくはずだ。



原曲であるSFC版ロマサガ1の決戦サルーインはコレ。



ミンサガアレンジ版がコレ。



で、コレ。









アカペラでフェードアウトまでやってくれるとは思わなかった。ワロス。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

こい 青二才!

2005年11月29日 15時31分00秒 | 末路話
なにを死にぞこない!@kirekoです。

>必殺技
少し調べものをしていたらなんか引っかかりました

■必殺技事典
http://senkisenki.hp.infoseek.co.jp/index.htm

特撮からアニメ、ゲームや漫画まで網羅してあるところが気に入りました
特に戦隊系の必殺技が乗ってたのが良くて
熱中してみてしまいました。

FC桃太郎伝説の技「だだぢぢ」が乗ってて感動したw


>RO
亀島でチマチマあげつつ、ふとしたことをきっかけにジュノーへ行ったんですが
途中クリスタル様に遭遇しまして叩きましたところ
帽子をゲットしました。そうですアニバーサリー帽子です。
どうでもいいんですがこの帽子、つけると超凡愚に見えるんですが
セージキャッスルで撮ってみましたが・・・・


どうみても後期型劉禅の匂いがプンプンしますこの帽子


こんなんでステータス+2だと・・?だが凡愚になれる帽子は大好きだ!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夢の人

2005年11月28日 12時44分23秒 | 末路話
おまえはすでに剣持つサムライ~@kirekoです。

>やばい
昨日、鳥汁作ったんすよ鳥汁。
で、野菜が何品か足りないので近くのスーパーいったんすよ
野菜に続き、まいたけとしいたけ買って
よーしこれで味の部分は完璧だと思ってレジ向かったんですよ
レジ混んでて、とりあえず並んでたら

「お次のお客様こちらへどうぞ~」

と言われて、俺がレジのほうへ向かうとそこには



スーパーのレジにするにはもったいないくらいの超カワイイ娘



kirekoは思わず「え!?ここレジ?!」って言いそうでしたが、周りの目もあるため
心を鎮めて抑えておきました。

もうなんか釣り銭渡される瞬間までドキドキ空間でしたよ

なんかレジの調子が悪かったらしく、うまく処理できなくて
バーコードが読み取れないみたいな状況におちいってたんですが

「あ、すいませんこのレジ調子悪いみたいなんで。もうちょっと待ってくださいね~」

「いえ!こちらこそ!!」
テンパリすぎて意味不明なことを口走るくらい相当テンションが上がってました。

とりあえず昨日はそのおかげかテンションが下がらずに大変心晴れた日でした。


「なに 恋は路傍の花」
横山劉備の台詞が突き刺さるある午後の冬空の下でした。


>監獄ロック
昨日、池袋周辺で居酒屋探してたら
面白い物件ありました。

■ザ・ロックアップ
http://www.hotpepper.jp/s/H000010326/top.html

とりあえずメニューの名前見て吹いた
たこ焼き時限爆弾など面白い+ゲーム感覚を味わえるっていうのが気に入った

なにより店員全員がミニスカという流言に、その場に居た俺とE氏とK氏が憤死。

19日の飲みは、ここで決まりかな。OK。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

STILL TIME

2005年11月27日 12時05分57秒 | 末路話
そうさmakeaTreasure錆び付いた時の中に君の声を聞く@kirekoです

>うんめうんめ
昨日のRO集会でなんか知らんけどこの言葉が流行ってたので
とりあえず、便乗しておきましたが。
うんめって結局なんなのさ!
うんめうんめ、そりたつ壁うんめ。

>ひさびさに見たら更新してたのね
あのゲームハードでFFラストを再現していた
RSFさんがマイケルクエストの続編作ってた模様。

http://www.hcn.zaq.ne.jp/cabic508/rsf/

ピンボールの弾くバーでザンギエフ持ち上げてるのワロタ
情報古くてすまんw
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

FOR REAL

2005年11月26日 12時31分56秒 | 末路話
何を見つめてゆこう時間を切り裂いて@kirekoです。

>サプライズ
ドトールで気だるい休憩時間をテラテラとだべりながら話していると
三年くらい一緒に働いている先輩の人にやっとメールアドレスを教えてもらいました。(お互いに「教えてよ」「だめです」を繰り返してた会話に終止符が打ち込まれやがりました。


で、携帯にアドレス打ち込んでたら、なんか知ってる名前と
知ってる顔の画像が液晶に浮かんだんですよ。
まあその人、数ヶ月前に社員になってどっかの店のマネージャーやってると
聞いてましたが、入った当時から面白い人で、何より楽しい人でした。

で、いきなりその人から着信来たんで先輩に携帯差し出したんですよ。

そしたら

「Iさん、Kさんから電話きてますよ」

「え?!ちょ!ごめん!」

いきなりトイレに駆け込む先輩。

不思議そうにドトールのロイヤルアイスミルクティーをすするkireko。

トイレから出てくると、なんか知らんけど楽しげな会話をする先輩。


で、電話を切ってまず出てくる一言。








「実はあの娘と前から付き合ってんだ。皆には内緒ね」








まじかYOOOOOOOOOOOOOO!?
いや、恋愛とか一際興味なさそうに見えた先輩だったから
正直、驚いたぜよ。
でも良かった良かった。素直に人を祝える気持ちってのは
やっぱいつでもいいもんだぜ!
たしかに今思えば、二人が一緒の時間働いてるとき
やけに会話クオリティが高かったよなぁ・・・。




とりあえず皆には黙っておくとしよう。







kirekoのテンションが一気にあがった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

CLOSE YOUR EYES

2005年11月25日 18時06分26秒 | 末路話
瞳を閉じれば~漢たちの大和@kirekoです。

>ザ・マネーウォー
バイト先の先輩が日雇いのバイトを始めるらしく
どうやら登録方法がわからないらしいので
漫画喫茶にて検索エンジン様の力を借りて検索してきました。
最近行ってなかったんですが、知ってるネットカフェが大改装していて
びびりました。
ドリンクサービスは基本であるものの
パソコンモニターの近くにテレビ、まじ心地良いリクライニングシート
超うまいデザート+おやつメニュー、しかもマニアック漫画が勢ぞろい!

なんか知らんけど、店員の人が超ベテランだったのか
接客はウマイし、印象もいいです。店員さんの時計が高そうだったのと、後ろの壁にある黄金色に輝く時計を見て思ったんですが
ここってゴージャスセレブの通うネットカフェですか?

思わず料金確認しちまったぜ!(料金想定内より安くてびびったけどな)

まあまあそんなゴージャスカフェ(仮)で
漫画太郎先生の珍遊記4巻をめくりつつ、日雇いのバイトで検索を
かけてたんですよ。(最初は周りの空気に飲まれたのか、東証のページでライブドアの株価とか見て「あがってますな」とかほざいてました)


『日雇い』で検索してまず出てきたもの、それは・・・







日雇い刑事


「こ、これはあれですよね?日雇いの刑事的な・・・」
「おかしいだろ、日雇いで警察って。一日署長じゃあるまいし」
「日給とかいくらなんすかね」
「もしかしたら事件に巻き込まれて撃たれるかもしれんからなぁ、高いかも」
「囮捜査とか時給たかそうだなwwww」
というクオリティの高い会話を2,3してたんですが

全員で一呼吸おくと声を揃えてこう言いました。

『これってドラマじゃん!』

静かなゴージャスカフェで騒ぐ男たちがやけに浮いてました。


「呑む、打つ、買う・・・これがオレたちの捜査だ。」
このうたい文句にも終始爆笑してました。


で、先輩が見つけた日雇いのバイトを紹介されたんですが、結構激やば系だったので軽く怪物君のOPイントロで喋る「うるさーい」って声をかけてスルーしました。


まあその場はそれでしのぎましたが、これからどうなることやら。


>某ROiris鯖輸送部隊の騎士のせびんさんへダイングメッセージ
「歌詞に出てくる諸葛孔明のことについて詳しく教えろ」
血で文字が書いてある、kirekoが事切れている・・・。


>M氏へ
お約束だが反応させてもらうぜYEAR!

まあなんつーか、落語とバトル系アニメのカップリングは吹いた。
俺も結構落語好きだから、たまに演目見入っちゃうけど
幽女買いとか火炎太鼓の1シーンとか、たしかに落語は萌えに通ずる
大人の世界の叙情詩だよな。
あとアニメ本編でたぶんやると思うけど、巌流島は個人的にみてえw

まあおちつけ、嫌いなら見なけりゃいい語らなきゃいい聞かなきゃいい
精神でいけばいいと思う。それだけだw

あとアレだ、萌えって叫んでる人の8割はネタだから気にするな
まあおかしな国になってるけど、関連する言葉を過剰反応&意識しすぎだぜw
スルーする感じに楽しく、楽にいけよ楽に。

そういや最近、秋葉系秋葉系って騒いでるけど
一昔前には異常者扱いだったのにな、随分脚光を浴びたもんだw
メイドカフェとかやたらとテレビとかでやってるけど、
普通の喫茶店としては、おかしいシステムだよなw

でも、おたくは弾圧されてるほうがいいと思うんだけどな
なんかメイドカフェでデレデレになってる秋葉系の人見ると
「おたくも変わったな」って思えちゃうんだよね。

おたくは弾圧されればされるほど強くなれる種族なので
最近の秋葉系の発言ダメっぷりを見て幻滅するkirekoであった。

あとM氏へ、おたく系を語るならこれを見てからいってくれ!
80年代のいい意味でおたくの青春を語っているアニメだぜ!
語るのはそれからだw

■『おたくのビデオ』
http://www.gainax.co.jp/anime/otaku.html
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

(´`c_,'` )チチチチップ&デール!はやく!

2005年11月23日 01時04分32秒 | 末路話
心すれ違う悲しい生きざまに~@kirekoです。

>RO
最近クルセのレベルがようやくあがりました。
早いものでもうすぐ95です。やる気があがらないと思ってたら
わりとパーセンテージがあがるので、まだまだやっていけます。

亀島でMPKしてる奴ご馳走FUUUU!
廃屋でハイエナ狩りFUUUUUUUUUUUU!

>近況
韓玄に仕えてる魏延の気分。

>今日は
スターウォーズエピソード3の発売日です。
皆さん、今度ライトセイバーで斬りあいましょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シナリオ【慟哭】までのまとめ

2005年11月21日 19時38分16秒 | 末路話
全員の持ち物+ネタ。

【健二】
持ち物:携帯電話、自作プログラム入りメモリー。
なんだか知らないけど推理担当。夜路死苦哀愁。

【綾香】
持ち物:携帯電話、救急箱。
なんだか知らないけどブチキレ担当。試行錯誤了承。

【智弘】
持ち物:ハンドガスバーナー(中身ガス少量)、携帯電話。
とりあえず恐怖耐性無し、けどたまに熱い。説明主人公上等。

【五郎】
持ち物:ニューナンブ(弾無し)、警察手帳、ガンケース【改造H&KMP5】(貫通力高金属弾装填マガジン2、電動)
実はガンショップ千手の常連で、店主とも信頼の仲。
射撃の腕は抜群ということにしよう。あんま喋らない人。正確射撃使勝手最高!

【尾山】
持ち物:ジュラルミンケース(救急医療セット、薬瓶(カーボレーン酸入り)、患者カルテ、謎のカプセル瓶)
最初は金の亡者キャラにしようと頑張ったものの
なんか重要キャラになってますよ旦那。金亡者医者重要率過度。

【貴美子】
持ち物:バッグ(心霊物品)
いまいちキャラが浮き出ない、感情変化◎
走りが早いって裏設定をどこで使うか迷う。一番美人設定効果薄!

【飛鳥】
持ち物:ガンケース【改造HKG3】(貫通力高金属弾マガジン2、電動)
ガスきれかけのライター。
こいつが居てホントよかった。うっさいキャラ必要だなやっぱ。
ほんとのストーリーテラーは彼かもしれない。軽口馬事雑言上等!

【恵】
持ち物:特に無し。
クールビューティーで、ヒステリックキャラの予定が
落ち着きすぎてて、ビックリするほどリーダー格。
使いやすくていいけどさーっ!御利用有難兎御座居間守。


【没ネタ】
実は【慟哭】にはボスキャラが居る予定でしたが
三章までの引継ぎといたします。そうです、あの人です。
虚無僧主人には、もっと辛辣な死に方を用意していたんですが
余りに可愛そうなので心臓発作的な感じにしてみました。

【今回のウイルス設定】
症状:感染から発症までに潜伏期間があり、ある条件下に陥ると爆発的にウイルスが増えて発症。肌が緑色に変色して急激な身体成長加速(加齢)と思考能力低下が始まる。ある特殊な条件で変異してしまう生物もいる。

感染:ウイルス固体の密集率が高くなければ、空気感染はしない。
ただし換気の悪いところや、感染者から受けた傷や血液を体内に入れると
爆発的なウイルス増殖をして、数時間でゾンビ化してしまう。
ちなみに体力は1,5倍、耐久力は1,2倍になる。

効果的:焼く、脳髄部分に衝撃を与え破壊する。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シナリオ【慟哭】-6

2005年11月20日 22時24分53秒 | バイオハザード・OB・FILE『K』完結
PM9時51分 ガンショップ【千手】 オーナー室


「きゃあっ!」

奇妙なうめき声を上げながら栗木が起き上がり
それまで容態を見ていた綾香の肩に触れると
そのまま物凄い力で綾香はバリケードのあるドアの床へ
体ごと吹っ飛ばされた!


『大丈夫か?!』
智弘と健二がお互いに声を揃えて綾香のほうへ駆け寄る。
ドタドタと音を立てて走る二人の横にはソファーから立とうとしている
栗木の姿が横目で見えた。


「おい!貴様、なにをする!」
栗木の胸倉を摑もうと手を伸ばす恵。
店内中に響き渡るような恵の怒号が、さっきまで銃を構えて
ナルシズムの境地に至っていた飛鳥の耳に入ってきた。

ソファーから完全に立った栗木の胸倉を恵が摑む。
栗木は下をうつむいている。


「どうしたってんだい・・・おい!」
飛鳥が銃を肩からぶら下げながら、さっきまで倒れていた
栗木の胸倉を摑む恵を見て少し驚いた表情で言い放つ。


「こいつが起き上がったらいきなり、あの子を吹っ飛ばしたのよ!」
パイプ椅子に座っていた貴美子が立ち上がり栗木に指を指し言い放つ。
立った勢いで、パイプ椅子が倒れ、後ろの銃器のパーツか何かの部品にあたり
オーナー室にプラスチック音が響く。


「おい、なんとか言えよ。おい!」
胸倉を摑んでいた恵が、再度栗木に詰め寄る。
しかし恵は言い放ちながら、疑問にぶつかっていた。
何故かおかしい、摑んでいる手に当たっている栗木の肉体が
やけに冷たい・・・。これはまるで死体・・・・・。


「・・・ニッ・・」
栗木がスゥーッと手を上げながら、うめき声ともつかない声をあげる。


「・・・はなれろ」
尾山が少し口に空気を含んで、しっかり聞こえるように小声で恵に言う。


「なんだと・・・?」
まだ疑問と怒りが心の中で入り乱れ続けている恵が
栗木の胸倉を摑みながらゆっくりと尾山の声のほうへ振り返る。




「ソイツはもう手遅れだ・・・はなれろーっ!!!」



尾山の声が部屋中に響くと、ふっと後ろを向く恵に
栗木の上げていた手が、胸倉を摑んでいる恵の手を強く握り締める。


「くっ、なにをする!」
握られた栗木の手の冷たさに少し恐怖を覚え、
すぐさま手を解こうとするが、さっきまで倒れていた怪我人とは思えない
ほどの力が、恵の手を捕らえて離さない。


「おい、その手を離せ!」
飛鳥が栗木に近づいて栗木の片方の腕を摑むと

ブゥン!ドーン!バキッ!

次の瞬間飛鳥は作業台のほうへ吹き飛ばされていた。
物凄い音が部屋中に響く。

「いってえ・・くそっ、なんなんだよ」
幸い怪我は負ってないようだ。どうやら吹っ飛ばされた拍子に
窓ガラスに張ってあったベニヤ板がクッション代わりになったらしい
ベニヤ板が真っ二つに割れて外のバックライトの光りが差し込んでくる。


「は、はなせ!」
恵が再度必死に強く握られた手を振りほどこうとするが
栗木はうんともすんとも言わない。


「ううう・・・ニ・・・ク・・ヲ・・」

うつむいていた栗木の顔が、ゆっくりと電灯と窓から入る
バックライトに照らされて鮮明になっていく。


「うわああ!」
思わず『栗木であったであろう顔』に声を上げる恵。
その目は光りを失い、まるで白目をむいたような縮小した瞳孔。
色黒で健康的な肌色を保っていた肌は、緑色に変色し腐食したように
ボタボタとその肌であろう物体を床にたらしている。


「ニク・・・ア"ア”ア”!」

ゆっくりと口を開く栗木であったモノ。
開くと同時にだらしなく唾液がボタボタと床に落ちる。
その口からは嫌悪感すら覚える腐臭と
まるで空腹時に食事を目の前にした犬のような
獰猛な牙とも思える歯をむき出しにしている。

口から出される腐臭と目の前の恐怖の光景に嘔吐の感覚を覚える
恵の目は恐怖の色に染まっている。
恵の唇は震え、塗られた薄いピンクのルージュの色は
見る見るうちに血色を失っていくように青くなる。


「おい!誰か助けろ!」
作業台から飛鳥が大声を上げる。


ガンッ!

それと同時に今まで恐怖に慄いていた貴美子が
さっき拾った玩具の突撃銃をバレルの部分を力強く握り締め
化け物に近づくと思いっきりグリップの部分をぶつけた。


「このおおおおお!!」
目の前に起こる恐怖に歪んだ表情を見せる飛鳥に対して
必死に恐怖を押し殺そうとする貴美子の表情は必死である。


ガンッ!ガンッ!ガンッ!

「このっ倒れなさいよ!」
2,3度、栗木の後頭部をなぐりつけると
栗木であったものは少しゆらゆらとよろめいたが
恵を摑んでいる手はまだ強い力で押さえつけられている。
何度か殴打していると、当たっているグリップの部分が歪み始めた。


ガンッ!ガンッ!パキッ


「倒れなさいよ!」
グリップ部分が栗木の腐った肉体を抉りどうやら骨の部分に当たったらしく
耐久度を越えて、強化プラスチックのグリップに亀裂が入ったようだ。



ガンッ!バキッ!ガシャーン!


「うおっ?!」
余りに勢いがつきすぎて、持っていたバレルの部分が
すっぽ抜けて、飛鳥頭上を通過しベニヤ板のある窓のほうへ飛び
板をつきぬけ窓にあたり、ガラスが壊れたようだ。
飛鳥の付近にまでガラスの破片がパラパラと落ちている。


「ア"ア”ア”!!!!!!!!!!」


咆哮をあげる栗木であった化け物が、貴美子の一撃などお構いなしに
恵の手を払い、恵の肩を摑むとノド元に顔を近づけ、ギラギラした
その牙を突き立てる!


「・・・体を横に倒して!」
それまで黙っていた五郎が大声を上げる。手にはホルスターから取り出した
ニューナンブが構えられていた。
とっさにその声に気づき体を横に倒した恵。
恵が体を横にすると丁度化け物の口と頭が見えた。

「ッ!」

ドォン!ドォン!


「ギャアアアア!!!!」

次の瞬間、銃声と共に化け物の口と頭のど真ん中に10円玉ほどの穴があく!
化け物が咆哮を上げよろめくと、恵は簡易テーブルの方へとっさに逃げる!


ドォン!


「・・・終わりだ!」
化け物の全身が見えると、さらに一発打ち込む五郎。
正確な射撃は化け物の胸に当たり、化け物はよろめきながら
バリケード付近の壁へ血を撒き散らしながら倒れる。

栗木であった化け物は完全に沈黙し、おびただしい血を床に流し
再び深い眠りにつくのであった。







「助かったぞ警官・・・いや五郎・・とか言ったか」
いつも強気な恵らしくもない調子で、そっぽを向きながら礼を言い
貴美子の方へ向かう。

「貴美子、お前にも一応礼を言っておくぞ」
柱によっかかりながら、いまだ顔に余裕の現れない貴美子の肩を
摑み、力をほぐすようにもむ。


「あ、あんな化け物。ホラー映画で何度も見てるから平気よ!」
必死に強張った顔を解こうと、笑顔を作ろうとするが
体全体が震えて、笑顔にもまだ余裕が生まれない。


「助けてもらったのにその態度かよ?しかしあんたの銃の腕には驚いたぜ!」
飛鳥が工作台から立ち上がり、そっけない態度で応対する恵に対して
少し皮肉ぶりながら、安堵の表情を浮かべ五郎に話しかけてくる。


「・・・昔からよく・・・やってましたから」
少し表情の暗い五郎。化け物は倒せたのに何故だろう
うっすらと顔には悲壮の表情さえ見える。


「まさか化け物に・・・なってしまうとはな」
尾山が栗木の近くにより、イロイロと調べている。


「このままココから脱出できませんよ、どうしましょう」
智弘が貴美子のほうへ歩きながら、全員に問いかける。
たしかに、外の化け物がいつ中へ入ってくるかわからない、
地下通路の電子ロックドアだっていつ破られるか・・・
ここが安全かというとそうではないのだ。


「ここで待っててもはじまらねえ、思い切って道路へ出てみねえか?」
飛鳥がふと思いついた案を言ってみる。
たしかにここで待っていても、いつか化け物に襲われてしまうのだ
思い切って道路に出て車でも拾えればめっけものだ。


「けど、この店が化け物に囲まれていたら・・・リスクが高すぎませんか」
健二に肩を借りていた、綾香が発言する。


「・・・もう銃の弾も残ってないしな」
弾倉が空になったニューナンブを見つめて、そのままホルスターへしまう五郎。
顔は余り明るくない。


「おい・・・これは」
尾山が栗木の死体から何かを見つけたようだ。

「なんですか?」
健二が尾山の近くに駆け寄る。

「コレなんだが・・・」
尾山が栗木のポケットから何かを取り出し、手に持っているものを
健二に見せた。

【自動車のキー】と【ブラックライト】のようだ。

「ブラックライト・・?まさか」
ブラックライトとは肉眼では見えない特殊な蛍光塗料を塗り
それを映し出すことのできる装置だ。

健二が何かひらめいたらしく、ふと簡易テーブルのほうを見ると
ベニヤ板を打ち付けたのであろう金槌とクギ
そして蛍光ペンがおちていた。

「・・・俺の予想が正しければ・・」
簡易テーブルの上にある蛍光ペンを手に取ると
さっき拾ったメモの一枚に字を書いて蛍光灯の当たらない暗い場所に行き
ブラックライトを当ててみる。

ブラックライトを当てると、さっき書いた字が浮き上がってくる。

「やっぱりだ!」
健二の声が部屋中に響き渡る。
なんだなんだと皆が集まると、健二は息を大きく吸い込み
淡々と説明していく。

「このメモ。実は、この蛍光ペンで書いたものなんだ」
メモを見せ、ブラックライトを当てている健二に
少し疑問に思ったのか智弘が声を上げる。

「でもブラックライトに映る文字って、たしか肉眼で確認できないんじゃ」
たしかにメモの文字は黒いサインペンで書いてあって
全員の肉眼で確認できる。

「最近の蛍光塗料には優秀なのがあってね。この塗料は、サインペンと同じ色を出せてブラックライトに照らすと、普通のサインペンで書いたところは消えて、塗料を塗ったそこだけ光るように細工されてるんだ」

健二はメモの二枚目を取り出し皆に見せる。

メモ二枚目
『…隠れた通路の謎は、商売人らしいパスカルが解いた。
…財宝の部屋へと着いたはいいが、テーべとブルーが喧嘩をしだした。
…のばらの咲いた階段の下へ降りると、持ってきたにもつがずっしりと肩へ食い込む。
…スイッチを動かすと地上への階段が続く扉が現れた。』

次にブラックライトのスイッチを入れ、照らしてみる。

『…隠        し  部屋へ   は、テー  ブル  の      下 
…スイッチを動かすと地上への階段が続く扉が現れた。』


「テーブルの下にスイッチ!?」
早速、恵が簡易テーブルの下に手を伸ばし手探りで触ってみる。


カチッ!


「あ、あった!」
恵が声を上げると同時に、スイッチを押してみる。


ズズズ・・・ドォン・・・


簡易テーブルが変形し、隣の壁に収納されていく。


「あれはドアノブじゃねえか!」
壁の色と同化して今まで見えなかったドアノブが簡易テーブルをどかした
今ははっきりと見える。どうやら隠し部屋への入り口らしい。


「こんなもんがあったなんて・・」
五郎が栗木の死体を少し横目で見ながら言う。


「とにかく中へ入ろうぜ!」

ガシャン!!

飛鳥がドアを開けようとした瞬間。さっき割れた窓ガラスから何かが
部屋の中へ飛び込んできた。


・・・化け物だ!


「はやく行くんだ!」
そう恵が叫ぶと、飛鳥、健二、綾香、智弘、尾山、貴美子の六人が中に入る。


「さあ!あんたも早く!」
栗木の死体を見ていた五郎に激を飛ばす恵。
ハッと我に返った五郎がドアの中に駆け込んだ。

「ア"アア!!!」

「くっ!」
恵に襲い掛かろうとしていた化け物をすんでのところで避けてドアの中に入る恵。

鍵を閉めると、その場を逃げるように走った。

PM10時11分 【千手】隠し部屋

隠し部屋の中に入ると、部屋の中に黒塗りのワゴン車が
ぽつんと置いてあった。どうやらここはガレージのようだ。

「早く乗り込め!」
運転席に乗った尾山が最後に入ってきた恵に催促するように
声をかける。エンジンは、すでにかかっているらしく
車体がアイドリングで少しゆれている。

「わかっている!」
ワゴンのサイドドアに乗り込むと、尾山がハンドルの前にあるスイッチを押した。


「まったくとんだタダ働きだよ!」
全員にそういうとガレージのシャッターがあがっていく。
後ろのドアからガンッガンッ!と大きな音が聞こえる。

「は、はやくしてくれよ!」
ワゴンの後部座席に座っていた飛鳥が尾山に催促をする。
まだシャッターは半分ほどしか開いていない。


ガン・・ガン・・・

ガタン!

後ろのドアがついに開き、化け物が数匹ワゴンめがけて襲ってくる。


「おいドアが破られたぞ!!おっさん早くしろ!」
飛鳥の声がさらにでかくなる。言葉遣いもあらあらしい。


「シャッターが開いた!いくぞ!何かに捕まっていろ!」
尾山はシャッターが上がるのを見ると
アクセルを思いっきり踏んだ!




…ブゥゥゥン!!!!ブゥゥン!!キュゥゥ!




道路に出て住宅街のほうへ車を向かわせる尾山。


「どうやら助かったみたいだぞ・・・おい?」
尾山が助手席に座っている五郎を見ると、少し不思議そうに
五郎の顔を見た。













五郎は、うっすらと涙を浮かべていたのだった。




シナリオ【慟哭】-終了-

この記事を評価する

シナリオ【変化】へ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シナリオ【慟哭】-5

2005年11月18日 18時43分48秒 | バイオハザード・OB・FILE『K』完結
PM9時32分 ガンショップ【千手】店内


ガサッ ガサッ

開封してあったモデルガンの空箱の山を押しのけて作業用のつなぎを着た男が
健二たちのほうへ歩いてくる。

また化け物か?
それとも人間か?
男の足音と店内の無機質な空調の音だけが、ただ店内を響かせている。
少々の疑問と沈黙に秘められた多大な焦燥感。


ドアから出てきた男が、健二達の目の前に立った。

「おいあんた人間か?」
沈黙を破り、飛鳥が恐る恐る声を発する。

「警官に・・・医者か・・・。良かった・・・」
男は足を引きずり、左腕の中間を右手で抑えている。
良く見ると患部から出血しているようだ。
つなぎの胸についているネームプレートには『店長 栗木具志』とかいてある。

「と・・とにかく奥の部屋へ・・・」
息苦しく健二達に語りかけると、アイコンタクトで
全員に奥の部屋に来るように指図した。

【千手】オーナー部屋

空箱を掻き分け、ドアの中に入ると栗木が大型の南京錠でドアを閉める。
中には簡素なテーブルと、メンテナンスを行う作業用の台が見える。
すわり心地の良さそうな黒塗りのソファーとパイプイスが何個か置いてある。
外が見える窓ガラスには全て木製の板がボルトで打ち付けてある。
ソファーの奥には簡易キッチンのような場所がある。
奥には外に出るためにドアが見えるが、栗木がやったのであろうか
ドアノブには大きなチェーンがグルグル巻きになっており
冷蔵庫やタンスなどでバリケードが築かれて簡単には通れなさそうだ。


ドサッ


栗木はソファーの手前に立つと、そのまま倒れるように横になった。

「大丈夫ですか?」
綾香が倒れた栗木に近づく。それに気づいた健二や智弘が救急箱の中を
効き目のありそうな薬剤やガーゼをガサゴソと探り出し
傷口を見て、どうにか治療しようとしているが
まったく知識の無い二人は手際が悪い。

「チッ・・・そこをどきたまえ」
見かねた尾山がジュラルミンケースを置きソファーに近づいてくる
軽い舌打ちを二度、三度しながら少し表情を曇らした。

「傷は浅いが、出血がひどいな」
尾山がジュラルミンケースから応急処置の道具を引っ張りだし、
傷口を見るや消毒液とガーゼと包帯で処置していく。
尾山が処置道具を動かすたびに、栗木が苦しそうな表情とうめき声をあげる
いつの間にかソファーの下には血溜りが出来ていた。
黒塗りのソファーは血液の赤い線を引き
ポタポタと音をたててこぼれていく。

「この止血の遅さ・・・フィブリンか?血小板が元々少ないのか?これでは持たんぞ」
尾山が処置道具を洗おうと簡易キッチンの洗面台へと向かい
洗面台の蛇口をひねり、少し熱い湯で洗浄を始めた。
ガスと水道は、まだ使えるようだ。

「これからどうする」
奥のバリケード辺りを散策していた恵が口を開く

「外は化け物、駐車場にも化け物、唯一の脱出路の地下通路も化け物だらけ…」
飛鳥は中央の柱にもたれかかりながら下をうつむいてブツブツと独り言を言っている。

「あんた警官だろう?どうにかならないの?警察の応援とかさ?」
智弘は、うつむいて黙っている五郎へ目配せしながら話しかける。

「・・・応援は呼んでいる・・・もう向かっているはずだ」
智弘の質問にそっけなく答える五郎。
うつむいた表情から察するに、あまり他人と話すのは得意ではないようだ。


少しの沈黙の後、それまでうつむいていた貴美子が口をあける。


「・・・あの化け物・・・まるでホラー映画なんかに出てくるゾンビだわ」
崩れない暗く堅い表情。
やはりまだショックから立ち直れずにいるのだろうか、貴美子の口調は
予想以上に重たい。

「ゾンビだって?へっ、悪い冗談だぜ。じゃあなにかい?これは映画の撮影か何かで、俺達はさしずめ追い詰められる出演者ってとこかよ」
飛鳥が嫌なものをあざ笑うような表情で貴美子を見る。

「くだらない事を言ってないで、これからどうするか考えろ」
恵が作業台にある引き出しを調べている。
四段目の引き出しが開かない。
どうやら鍵がかかっているようだ。

「・・・うう・・・こ、これを」
ソファーに横になっていた栗木が再度うめき声をあげながらポケットから
小型のキーを取り出す。

「引き出しの鍵か・・・開けてみるか」
恵が作業台の四段目の引き出しの鍵穴にキーを差し込んでみる。

ガチャ

「これは・・・?」
引き出しを開けると長方形のケースが二個と紙切れが2枚あった。
ケースには【HK G3】、【HK MP5】と書いてある。
ケースに鍵はかかっていない。

「・・・HK・・MP5・・銃の名前だ」
五郎が立ち上がり、ケースを恵からもらい
簡易テーブルの上に置いて開けてみる。
中には精巧な作りの銃が入っていた。

「これ・・・使っ・・て・・・俺・・を・・・くれ・・・そこ・・テーブル・・スイッ・・チ・・を・・・・うごか・・し・・・・て・・」
ドカッと大きな音がソファーあたりから聞こえる。
栗木が言葉を最後まで言い切らないうちに意識を失ったのだろうか
首をソファーにべたっとつけ、沈黙してしまった。

「栗木さん?!・・・気絶してしまったようだわ」
とっさに綾香が声をかけるが栗木の返事は無い。

…カタッ

奥で道具の洗浄が終わったのだろうか、尾山がこちらに来て栗木を見る。
なにやら不思議そうな顔を浮かべている、栗木の容態のせいだろうか。

「む・・・?血が固まっている・・・それにこのかさぶた・・この短時間に?」
自分のジュラルミンケースに道具をしまいケースを手に取ると
何か疑問でもあるのだろうか、やはり不思議そうな表情でつぶやいた。


「メモか・・・」
健二が引き出しに入っていたメモを手に取り読んでみる。


メモ一枚目
『依頼されたG3とMP5が、やっと完成した。
古くからのお客だから仕方ないが、こういう改造はしたくないものだ。
弾までコピーしてくれといわれたが、この弾は日本では違法すぎる代物だ。
銃とあわせたときの貫通能力が高すぎる。これで何をやる気なのかは知らんが
日本のガンマニアもおかしくなったものだ。となりの居酒屋のオヤジといい
まったく近頃の奴には困ったものだ。病院から【血小板減少症】と言われた。血液中の血小板がたりないらしいが出血すると大変らしい、
気をつけよう。帰りにエンジェルキャットで医者に指定された薬剤を買ったが、
どうも風邪気味だったので風邪薬も一緒に買っておいた、
これで明日には動けるはずだ。』

どうやら日記のようだ・・・。

メモ二枚目
『…隠れた通路の謎は、商売人らしいパスカルが解いた。
…財宝の部屋へと着いたはいいが、テーべとブルーが喧嘩をしだした。
…のばらの咲いた階段の下へ降りると、持ってきたにもつがずっしりと肩へ食い込む。
…スイッチを動かすと地上への階段が続く扉が現れた。』

謎の文章だ・・・小説の1ページであろうか?


「ふぅん。このケースの中身かな」
メモを覗き見していた智弘がケースに目をやる。
中身が気になっているらしく、目は少し横のケースへチラチラと動いている。


「とにかくあけてみよーぜ!そらっ」
飛鳥が勢いよくケースを開けるとそこにはメモにかいてあった銃器が
ケースの衝撃吸収剤に囲われて入っていた。
銃の横には弾倉であろうものが二本置いてある。

「へへっかっこいいだろ!な?な?」
飛鳥が銃をケースから出し、壁に向かって構えている。
どうやら映画か何かで見たアクション俳優のかっこいいポーズを
とっているようだが、飛鳥がやるとどう見てもはしゃぐ子供にしか見えない。

「まるで玩具の兵隊だな」
恵が冷ややかな目で飛鳥に皮肉めいた言葉を言い放つ。


「へっ、なんとでもいいやがれっ」
飛鳥はまったく気にして無いようにポーズを続けていた。


その次の瞬間、ソファーに横になっていた栗木が起き上がった。


「意識が戻りましたか?」
綾香が栗木に近寄る、だが栗木は答えない。
まだ調子が悪いのだろうか、下にうつむいて何か口をモゴモゴしている。







「・・・ア"・・・アア”ア”!!!」



ドンッ!








栗木がうめき声を上げながら綾香を手で払い、異様な表情でソファーから立ち上がった。

この記事を評価する


シナリオ【慟哭】-6へ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シナリオ【慟哭】-4

2005年11月15日 17時24分39秒 | バイオハザード・OB・FILE『K』完結
PM9時10分奥通路ドア階段

秋独特の小寒い風が、冷たいコンクリートに伝わって
より一層深くなる闇に人間達の恐怖を煽る。
通路を吹き抜けた風は、冷たさと共に今現在
この街で起こっている異変を知らせる
不自然な異臭を運んでくる。


通路の電子ロックを開け、通路続きにある階段までたどり着いた六人。
ドアの向こう側の通路で悲鳴が聞こえる。
貴美子の顔は、さっきまでの満点の笑顔から
悲哀の表情に歪んでいる。

階段近くでしゃがみこみ、うつむいている貴美子。
なだめる智弘と綾香だったが、貴美子は一向に暗い顔で泣き出している。

カツンタンタンタン・・・
冷たいコンクリートを靴がはじく音が階段の上のほうから聞こえる。
健二と飛鳥だ。


「この上はどうやらメモに書いてあったガンショップのようだぜ」
飛鳥が解けた靴紐を直しながら階段上り口付近で言う。


「正面ドアは開いてましたが、どうやら化け物はいないようですが・・・」
健二がへたり込んでいる貴美子をチラチラと横で見ながら
綾香や智弘にアイコンタクトで移動を提示する。


「さあ貴美子さん行きましょうよ」
智弘が優しく手を摑むが、その腕に自ら立ち上がろうとする力は無く
無力に智弘の腕にブランと吊り下がっている感じだ。


「ね?ここにいても危ないのは一緒だから・・・」
綾香がもう一度貴美子に話しかける。顔にはうっすらと笑顔を作ってみたが
貴美子は元気のない表情で、しくしくと泣くだけだった。

そんな会話がニ、三回続くが、
まだ貴美子はマネージャーの最後の姿が目に焼きついて
そのショックから立ち直れないようだった。


「おいおい、ソイツのせいで襲われるのなんてまっぴらごめんだぜ。早くいこう」
飛鳥がそんな貴美子を見て、少し投げやり気味に言い放つ。


「飛鳥さん、ちょっとそれは無いんじゃないの?貴美子さんの大切な人が死んだのよ!」
余りに気持ちを察せない飛鳥にキッと睨む綾香。

少々それにびびったのか飛鳥が「チッ」と
舌打ちしながら階段の上のほうを見て黙り込んだ。


そんな状況をつぶさに見ていた恵が、少し真顔で重たい口を開く。

「泣いてるのは勝手だが、オマエ一人の感傷で全員の命が危険に晒されるのはどうだ?オマエのワガママに付き合ってやれるほど、私はこの状況に余裕を感じない。私は先に行くぞ。泣きたいならずっと泣いてろ。あの化け物どもと一緒にな!」
そういうと恵は、階段を見ていた飛鳥と共に階段を上り始めた。

「・・・」
恵の一言一言が、貴美子の心にズキズキと刺さる。

「そんなこと言わなくたって・・」
綾香がなだめている手を止めて、ポツンとつぶやく。

「だけどたしかにココを動かなければ、いつかやられてしまう」
健二も恵の台詞を聞いて「最もだ」と感じていた。

「とにかく上へ行きましょう。このままじゃ危ないですよ」
智弘が強引に貴美子の腕を引っ張り階段を上らせようとする
綾香も智弘のフォローにまわり、貴美子の肩に腕組みをし一緒に上っていく。



「俺達は・・・生き延びられるのか・・・」
健二がドアの電子ロックを再びかけながら
階段を上っている貴美子の背中を見てポツンとつぶやいた。





ガチャン。階段を上がった先のドアをあけた。



PM9時13分 ガンショップ【千手】横 有料駐車場

タッタッタッタ…
五郎と尾山が全力で走りながら、追いかけてくる化け物どもを
かいくぐり、どうにか有料駐車場前まで来たようだ。


「見ろ!駐車場が見えるぞ!」
尾山が車のキーを出しながら後ろに迫ってくるこの街の『市民であったもの』であろう化け物に恐怖しながら、持ちにくそうに手にぶら下げているジュラルミンケースを強く握り締める。


「た、助かった!」
駅からゆうに300mは全力疾走している五郎は、うっすらと頭部と背中に
冷たい感じを覚える。冷や汗まじりの表情は暗く必死だったが、その顔も少し
緊張のゆるみであろうか、安堵の表情を見せる。

だが初めて人に向けて撃った衝撃は五郎をいささかパニクらせていた。
右手に持った警察支給のミネべアM60『ニューナンブ』のグリップを
支えている指が震える。


「まだまだワシらは運を持っていると見えるな!」
有料駐車場のゲート内に入ると車が見える。

ワゴン車、軽トラック、普通乗用車。
その中で一際目立つ黒塗りのベンツ。
その前で止まり、急にキーをガチャガチャとドアにあてがう。
どうやら尾山の車らしいが、暗闇の中少ないバックライトで照らされる
普通車の中では異彩を放っている。


「早く乗りたまえ!」
外で周囲を見張っていた五郎を自分の車へ向かうように指示する尾山。

ドンッバタンッ

助手席に乗り込んだ五郎は、ドアを閉めると
シートベルトをつけるのも忘れ、回りの状況をつぶさに確認する。
周囲に化け物の姿は無い。
ゲート前には駐車場警備員であろう数人の死体が見える
化け物は大通りのほうに群れをなしているが
まだココまでは感づいていないようだ。

しかし、尾山の様子が変だ。キーを挿して回しているのに
なぜかエンジンがかからない。

「どうしたんですか?!」
五郎が普段あげることの無い大声を上げ、尾山に話しかける。

「エンジン部分に異常な負荷がかかっている・・?すまん、降りて車の下に何か無いか見てくれ」
五郎に指図すると即座に五郎はドアを開け
ベンツの車体後部下部分を見る・・・。


そこにはエンジン部分に食いつく化け物の顔があった


「ギャ・・アア・・アア・・アアア」

顔面は赤い血液に覆われ、あごから鼻にかけて化け物の顔が引き裂かれる感じで
エンジン部分に食い込んでいる。火傷と思われる頬の黒い燻りがモーターとの
摩擦熱を感じさせる。

少し弱弱しいうめき声が、よりリアルな恐怖を五郎に掻き立てさせた。

「うわああ!」
思わず声を上げる五郎を見て、尾山もドアを開け、車体の下部分を見る。


「ちっ!こりゃだめだ!」
エンジン部分の焼ききれ消耗した感じを見ると、動かないと悟った尾山は
さっきまでキーを回していた右手を即座に車の後部座席のファイルへと伸ばした。


「とにかく逃げろ!」
ファイルを手につかんだ瞬間、恐怖におびえる五郎に指示する尾山。
表情には焦りの色が見え隠れする。


「は、はい!」
五郎は言葉を聴くなり、駐車場近くの店に走り出した。
手に持ったニューナンブを再び強く握りながら・・・。


「くそっ、ワシのベンツが・・!」
尾山も、それを見るなり後に続くように走り出した。




PM9時18分ガンショップ【千手】店内

駅前大通りの街灯にポツンと照らされる『GUNSHOP』の文字。
大通りでは、悲鳴や怒声、化け物たちのうめき声が風に乗って流れてくる。
店内は外の状況に比べ静かで、さっきまでの暗い通路の電灯より明るい
蛍光灯の明かりが店内を照らしている。

展示用のガラスケースや、太い針金を組み合わせて壁に張ってある軍隊の
レプリカ軍服。商品であろうモデルガンや、BB弾を射出できるさまざまな
タイプの銃器が並んでいる。

入り口付近には高そうな銃がショーケースのバックライトに
照らされ、その重厚さ溢れる存在感を物語っている。

通路から階段を上がって、このガンショップに来た健二たち六人は
何か使えるものは無いか、脱出路は無いかと散策している。

どうやら奥にドアらしきものが見えるが、
銃器の空箱などがあって思うように進めないようだ。

「おい、これカッコいいじゃん!」
飛鳥がガラスケースから銃を持ってくる。
ついていた札には『コルトAR15A2』と書いてある。
その突出したフォームから見ると、どうやら攻撃力の高い突撃銃の
モデルガンのようだ。

「子供の玩具にしては良く出来ているな」
恵が興味津々にモデルガンの数々を手にしている。
会社で管理職として働く恵にとって、子供の玩具に触れる機会など
まったくといって無いのだ。あったとしても子供の玩具だ、興味をそそる
はずも無いと思っていた恵だが、精巧に出来た数々のモデルガンを見て
少しずつではあるが、その価値を再発見したようだ。

「こ、これは・・」
智弘が少しばかり興奮しながら、ガラスケースからとある銃を取り出す。
札には『H&K MP5』とかいてある。
多くのアメリカガンアクション映画や、海外の警察の特殊班などに配備される銃で
モデルガンとは思えないその精巧な作りは、智弘でなくとも目がいってしまうだろう。

「しかし、なんでまた居酒屋の裏通路がガンショップに通じてるんだ?」
飛鳥が銃を肩越しにかけて、またケースの中を物色しながら疑問を投げかける。

「さっきのメモを見ると、元々あの居酒屋は、このガンショップの別店舗だったらしいんだが、居酒屋に買収されたのか何かして、居酒屋になったらしい。あそこのオーナーが何かやったんじゃないのかな?」
健二が物色している智弘と飛鳥に目をやりながら淡々と説明する。


「しかし・・・このままここに居ても、奴らの餌食になるだけだ。どうする」
恵がハンドガンを持ち、すっとその場に立ち上がる。


「バリケードでも築ければ、いいんですがね・・」
まだショックから立ち直れない貴美子をなだめながら、綾香が周囲を見回す。


ガチャッ!


その時、急に入り口のドアが開いた。
警官の服を着た男と、白衣を着て右手にジュラルミンケースを持った男が
ドアを思いっきり開け、店内に駆け込んできた。

「ば、化け物かっ!?」
銃を入り口付近に構える飛鳥。急に騒然となる六人、そして店内。


「はぁはぁ・・・はぁ・・」
警官が息を荒げている。極度の緊張と疲労のあまり
その場に倒れてしまったようだ。

「ま、まてワシらは人間だ」
白衣の男が手を上げて銃を向ける飛鳥たちに抵抗の意思はないと伝える。
左手に持ち抱えてるファイルが持ちにくそうだ。


「まだ生きている人がいたのか!」
健二は人に出会えた喜びの表情を見せる。
他の人も同様に少し浮いた顔を見せる。


十分後

少し落ち着きを取り戻しつつある八人。
バリケードを築く代わりに、壁際にあったスイッチを使って
格子シャッターをおろした。
これで時間が稼げるだろう。
シャッターが下り終わると、全員の顔に余裕が戻り
まるで長い時間の悪夢が取り払われたように
今まであったことを少しずつではあるが淡々とした口調で会話し消化していく。


「そうですか・・・駐車場はダメですか・・・」
健二ががっくりと肩を落とす、唯一の脱出手段だった車での脱出が
不可能となったのだ。ショックも相当なものと言える。


「下の通路は外に通じているのだろう?そこから逃げ出せないのか」
尾山がレジカウンターごしに話しかける。


「電子ロックがかかっていて、脱出不可能なんですよ・・それに・・・」
智弘が貴美子をチラチラ見ながら言う。
通路には、もしかしたら『彼』のなきがらがあるかもしれない。
それを今の貴美子に見せるのは酷だと思ったからだ。


「どうすればいいんだ・・・」
五郎が、少しぼやき気味に言う。











ガチャン・・・キーッ














その時奥の扉が開き、空箱を押しのけて何者かが出てきた・・・

この記事を評価する

シナリオ【慟哭】-5へ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シナリオ【慟哭】-3

2005年11月14日 14時35分43秒 | バイオハザード・OB・FILE『K』完結
PM8時54分 居酒屋裏通路

ヒタヒタと近寄る恐怖と自我を戦わせながら
少し走るぐらいの早歩きで薄暗い居酒屋の裏通路を走る七人。
今まで居た休憩室のドアはガタガタと不思議な音を立てて揺れ
今にも化け物たちの群れが飛び込んできそうだった。
その音に恐怖を覚えながら、ひたすら声を押し殺すような沈黙を続ける。

地上の排気口から
ヒューっと冷たい風が独特の重苦しい臭いと共に吹いてきた。
裏通路は外の有料駐車場の近くの建物に繋がっている・・・。


「みんなどうしたんだ?急に暗い顔して黙っちまいやがってよ」
いつもどんなときでも会話が止まるのが嫌いな飛鳥が
その長い沈黙に耐え切れなかったのか、皆に聞こえるように言う。


「とんでもねえ事に巻き込まれちまってるのはわかるけどさ、明るくいこうぜ!」
続けて飛鳥が言い放つ、今度はさっきより大きな声で皆に言う。
こんな状況でも、表情は常に明るい感じだ。


しかし、皆の表情は少し暗い。むしろまだ現実の把握が出来てないようだ。


「おいおい、聞こえてねえのかよ。まったく必死すぎだぜ」
やれやれと思った飛鳥が手を上にあげ『わからない』と言いたげなポーズをし、
さらに大きな声で、周りに聞こえるように言う。


「人生楽しくいかなきゃな、なぁそうだろ?おい?」
いまだ無視され続けることを気にしていないように
今度は前を歩く恵に声をかける飛鳥。



「うるさい。少し黙ってろ」
恵が余りに騒々しい飛鳥に向かって、少し怒気をはらんだ声で言い放つ。


「・・・へっ、へいへい。黙ってればいいんでしょう」
少し残念そうに口を閉ざす飛鳥。
恵に言われたことが気に障ったのだろうか、表情は少し曇っている。



再び始まる沈黙。七人の足音と妙なうめき声だけが
わずかな電灯の明かりに照らされている薄暗い通路を埋め尽くす。



50mほど歩いただろうか、通路の端に横たわっている人影が見える。
薄暗い通路では確証はないが、この店の店員がつけているエプロンに似ている
胸に何かを抱えているらしく、腕はがっちりそのものを摑んで離さない。


「お、おいアレを・・・」
健二が指を指すと、人影がドサッと力なく
抱えていた腕をほどき、その場に崩れる。
ほどいた腕からは白い紙のようなものがパラパラと床に散らばり
通路にだらしなく広がると同時に薄暗い電灯に照らされる。


「また化け物かい?」
智弘が健二の指指す方向に人影を見て少しビクッとする。


「いや・・・どうやら『被害者』のほうらしい」
健二がその人影の近くに寄って、少し気味悪そうに声を上げる。
エプロンをつけた人間は、すでに右腕と足に噛み傷があり
どうやら血は止まったらしいが、すでに脈は無く呼吸も止まっている。
数枚血に染まった白い紙を握り締めて事切れている。
エプロンについたプラスチック製のネームプレートには
『居酒屋虚無僧店主 万田功』と書いてある。
散らばった白い紙をよそに、エプロンの周りを散策する健二。


「何かめぼしいものはあったかい?」
さっきまで曇った表情をしていた飛鳥が健二に近づいてくる。
走ると同時に散らばった白い紙の何枚かが宙に舞う。


「何かな?行ってみようよ」

「だめですよ。ただでさえ事件に巻き込まれてるんですから!」
なんだろうと近寄る貴美子を止めようとするマネージャー。


「健二、よしなさいよ。他人の死体なんて見たってしょうがないわよ」
死体の周りを散策していた健二に対して綾香が言い放つ。
たしかに最もなことだ。もし警察が来たら、
何か疑われることを聞かれるかもしれない。

その危険性を危惧する綾香の意見を聞かず、
健二と飛鳥は倒れた男の周辺を散策する。


「これは・・・株券?・・店の権利書?そうか持って逃げ出そうとしていたのか」
恵が散らばった白い紙のいくつかを手にして、読み上げる。
どうやら店の権利書や株券のようだ。

「逃げ出そうとして権利書を持っていっけど、外に出て殺されたということか・・・ということはこの先に繋がっている建物はすでに化け物に・・・」
冷静に推理する智弘。しかし、顔はあからさまに恐怖に歪んでいた。
小説やテレビでは、たしかに死体なんてザラに出てくるが
実際に見ることとは違う。多大な不快感と恐怖感、
嘔吐の感覚さえ出始めている。

「ちょっと?大丈夫?さっきから顔が青いけど」
貴美子が智弘の顔を見て、心配そうに声をかける。

「は、はい。貴美子さんがいるって言うのに。ダメだな僕は・・・」
智弘が心配されたことを気にしてだろうか
少し無理にでも明るい顔を作ろうとするが
実際に起きている事柄を見ると、やはり暗くうつむき
明るい言葉や表情など出るはずもなかった。


「これは・・・」
健二が死体の胸ポケットに入っている4枚のメモを発見した。

1枚目
『■前日の売り上げ 前前日より12万円売り上げが上がった。
今日から新メニュー『北海道風虚無僧ちゃんちゃん焼き』を発売した。
材料コストに対して売り上げは上場のようだ。相変わらず自家製醸造
ビールの売れ行きがいい。ガイドブックを信じる馬鹿な客のおかげだ。
普通のビールより高いだけでウマイと思えるなんて。いいカモだぜ』

2枚目
『くそっ、どういうことだ。肉屋の奴がもうウチには納入できないと
言ってきやがった。肉のコストを下げろと言っただけなのにまったく
融通の利かない奴だ。最近事件が多発している。従業員には関わるな
ときつく注意しよう。通路続きの店のガンショップ【千手】の店主の影響か?
最近、俺に逆らいやがる従業員が多い。シメなきゃいかんな』

3枚目
『ガンショップの栗木のヤロウが、また文句を言いにきやがった。
「この店から出てくる客がウチの店で暴れる」だぁ?へっ!
もともとおめえの店だったらしいが、そんな文句くらいでへこたれる
俺じゃねえんだよ。文句があるならてめえのガンショップもつぶして
虚無僧二号店を作ってやるよ。栗木よ!』

4枚目
『裏通路から外 出るドアと ン  ップに出る アに
電子ロックを  てやっ ぜ。ざまーみ がれ栗木 っ!
だが 俺も歳 からな 忘れ  メモし おくぜ。
ガン ョップへの  ワード 0820
通路から外への スワード 06      だぜ』

四枚目はところどころ血が滲んで読めない部分がある。

「血で汚れて見えないな」
飛鳥がメモを取ってみている。
見終わったようだ。手のひらからメモをその場に置き、立ち上がる。

「何かの役に立つかもしれないから持っていきます」
健二は少し気になったのか飛鳥が床に置いたメモを
ズボンのポケットの中に入れた。

「とにかく進もうか。ここにいても始まらないからな」
恵がメモを調べていた健二と飛鳥に声をかけ、
七人で固まりながら少し早めの速度で歩きながら通路の奥に向かう。


通路の奥は電灯の本数が多いのか、少し明るくなっている。


通路の奥にコンクリートの壁を挟んでドアが二つ見える。
一つからはうめき声が聞こえる。もう一つのドアからは地上からの
風が吹いているようだ。若干ドアを叩く音も聞こえる。
二つのドアには番号入力型の電子ロック錠がついている。
電子ロックの解除には四つの数字を打ち込んでいくようだ。


「おい見てみろ、電子ロックだ」
恵がドアの電子ロックを指差し、手に持っていたハンドバーナーを健二に渡し
少し焦ったように、数字の羅列を打ち込んでいく。


そのとき後ろの通路の休憩室のドアから通路全体に響く音が聞こえた。


ガァン!ズサッ・・ズサッ・・


何かが後ろから追いかけてくる音がする。
通路に響くようにうめき声が聞こえる。


「くそっ、後ろのドアを突破されちまったか!」
健二が声を張り上げる。その瞬間、その場にいる全員が顔を歪ませる。


「は、はやくロックを解除しろよ!」
焦りが沸点まで達したように飛鳥が声を上げる。
無理もない。今通ってきた通路には他に逃げ道らしきものは無く。
ここで解除できなければ化けモノから逃げる術はない。
持っていたガスバーナーを強く握り締めた。


「何か武器はないの?!」
綾香が回りを見渡した。
通路の棚のところに【木製の長い角材】を発見したようだ。


「どうしよう・・十字架もにんにくも利きそうにないし・・・」
貴美子が持ってきたバックから番組で使っている除霊道具を
取り出すが、使えそうなものはほとんどない。


「貴美子さん。ドアの近くまで下がっていてください」
マネージャーが綾香の見つけた角材を手に持ち、ぐっと力をいれて構える。


「無理よ!そんな棒きれでどうにかできる相手じゃないわ!」
貴美子がマネージャーの腕をつかんで止めようとする。
しかし、それを振り払うマネージャー。


「私は高校時代、甲子園に出たこともあるんですよ?大丈夫、心配しないでください。危なくなったら戻ってきます。下がっていてください・・・
怪我でもされたら事務所に怒られますから」
角材を持って貴美子を押しのけ、走り出すマネージャー。


「お、俺もいくよ。役に立たないかもしれないけど
じっとしてるのはニガテなんだよね・・・ガスバーナー貸しておくれ」
飛鳥の持っていたガスバーナーを自分が持っていた救急箱と交換してもらい
マネージャーの後に続く智弘。


「くっ、電子ロック・・電子ロックのパスワード・・」
プログラマーである健二の脳がフル回転している。
店の電話番号、住所、ありとあらゆる数字を打ち込んでいる恵に
言いながら、あたりを警戒している。


「くそ!人生最悪だよ!もういやだ!だめだ!」
飛鳥は悲鳴をあげている。開かないという現状にパニックしているようだ。


通路中間点

アアア・・アアアア!!

電灯の薄暗い明かりに照らされて、化け物どもが通路の奥へ奥へと移動してくる。


「も、もうここまで来てるのか」
角材を持って走ってきたマネージャーが少し息を整えながら
化け物たちのスピードに驚愕する。目測で化け物との距離は
約10m先といったところだろうか。


「ま、マネージャーさん。僕もやりますよ」
ガスバーナーの使い方を見ながら智弘も息を切らして到着する。


「す、すまないね君。今度、河野貴美子のコンサートがあったらチケットを優先して君にあげるよ」
冗談まじりに手に持った角材を再び握り締める。


「マネージャーさん。甲子園出場って、ほ、ほんとなんですか?」
冗談に対して質問で返す智弘。
震えの止まらない右腕にガスバーナーの点火スイッチがカチカチと
音を立ててぶつかっている。左手でそれを抑えるが左手も少し震えている。


「いちおね・・・・・・万年補欠だったけど」
少し照れ笑いながら、目の前に近づいてくる化け物に
目をやるマネージャー。



「ア”ア”ア”ア”!!」
化け物は手をマネージャーに振り上げ、ギラついた口と目で睨み
攻撃してくる!


「く、くるぞ!智弘君!」
角材を上段に構えて化け物に思いっきり振り下ろすマネージャー!


ブゥン!!ガンッガンッ!

「ウ”アアア・・」

叩かれた化け物は苦しそうにその場に崩れる
叩かれた部位の皮膚ははがれ、だらしなく血液が出ている。

「このっ!」
智弘がバーナーのスイッチトリガーを押す。


ボォォォォ!

水の沸点をゆうに超える温度の炎の塊が小さなバーナーから射出される。


「ウファアアアア”!ガアァァァ・・!!」

まるで油に引火するように化け物の髪の毛や皮膚に燃え移っていく炎。
ジタバタと動き回り、その場に倒れこみ静かになる化け物。

「いけますね!これは」
智弘がクロこげになり異臭を放つ化け物を見ながら
バーナーが有効であることを知ると、俄然強気になっている。

しかし奥からまたゾクゾクと群れがやってくる。

「まだまだ、来るみたいだ・・気をつけるんだぞ!」
マネージャーの声が通路中に響いた。


通路奥

後ろで物が倒れる音、人間が焦げた匂いなどが電子ロック前にいる
恵や飛鳥の恐怖を煽り立てる。
貴美子は、マネージャーのことが心配なのだろうか
通路の中間を覗いている。
綾香は周辺を見回し、何かないか見ている。

「セキュリティが高すぎて、非常用の解除プログラムじゃ
電子ロックが解けないみたいだ」
健二が携帯のメモリーを使って、自分で作ったプログラムを使い
電子ロックを解除しようとしている。
だが、どうやらセキュリティレベルが高くて携帯のメモリーでは
解析が追いつかないようだ。


「っ・・・どうすればいいの」
綾香が少しあきらめ気味に声を上げる。


「蹴飛ばして開くドアでもなさそうだな」
恵が電子ロックドアの材質を見て冷静に言う。
しかし表情に余裕などない。真剣そのものだ。


「くそっ!あの店主が生きてるうちにパスワードを教えてもらえば良かったんだ!」
飛鳥が少々あきらめが入ったような声で言い放つ。


「ん・・・?パスワード・・?そ、そうだメモだ!」
健二が何かをひらめいたようにポケットから
さっき拾ったメモを取り出す。


「ガ・・ンショップへの・・パス・・そうだこれだ!」
メモをパラパラめくりながら、血がにじんだ四枚目のメモに目をやり
パスワードがわかったようだ。


「恵さん!0820だ!」
大声でドアを隅々まで調べていた恵に合図を送る。


「わかった。打ち込むぞ・・・0・・・8・・・2・・・0・・!」
恵が確認するように打ち込んでいく。



ピーッ!


「やった開いたぞ!」
電子ロックの表示が赤から青へ変わった、どうやらドアが開いたらしい。


「はやく智弘たちを迎えにいかなければ・・・」
その時、言うより早くダッと駆け出した影があった。
貴美子である。

ガチャ

「と、とにかく俺達は早く中へ行こうぜ!」
飛鳥が、いの一番にドアを開け内部へいく。

通路奥手前

「だ、だいたい倒せましたけど・・まだ奥からきますね」
智弘が少し震える声でマネージャーに話しかける。
ガスバーナーの残量も少し不安になってきた。


「どこまで持つか・・・早くドアを開けてもらいたいね」
マネージャーがさっきにもまして角材を強く握り締める。
角材の先には赤黒い血らしきものがついており
それまであった戦闘の物凄さを語っている。


「みんな!ドアが開いたわ!早く来て」
貴美子の声が聞こえる。やっとかと安堵の表情を浮かべる二人。


「助かった!」
智弘が声を上げると、とっさに体を翻し通路奥に向かって走り出す。
マネージャーも一緒に走り出した。

「ア”!ア”!ア”!」

その時、マネージャーの後ろに倒れていた化け物が急にマネージャーの足に
噛み付いてきた!

「ぐわっ!」
ふくらはぎの部分から出血した血液が化け物の顔にシャワーのように降り注ぎ
智弘と貴美子の恐怖の色をよりいっそう際立たせる。


「ッ・・このやろう!」
手に持っていた角材で化け物の背部を思いっきり一突きするマネージャー。
化け物は噛むのを止めて、その場にぐったりする。


「は、はやく逃げてくれ・・」
足をずりながら後ろに振り返るマネージャー。
角材を化け物から引き抜き、足の痛みも気にすることなく
ゾロゾロと薄暗い通路から出てくる化け物に睨みをきかせる。

「そ・・そんなこといったって!」
貴美子が情けない声をあげる。マネージャーに駆け寄ろうとしたのを
智弘が止める。

「早く!今のうちに!!」
智弘は半ば強制的に貴美子の腕を取りドアまで走った。




「そ、それでいい。貴美子さんさえ無事なら・・」
踏ん切りがついたような表情を浮かべ、
角材を強く握り締め化け物に思いっきりぶつけるマネージャーだった。
血飛沫は壁、床、イロイロな場所にかかった。











化け物の咆哮がドアまで続いた。

この記事を評価する

シナリオ【慟哭】-4へ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「おおキレた!」「キレましたな!」

2005年11月11日 23時36分21秒 | 末路話
神様気取りに化け物は作れても、風邪薬の一つも作れやしねえ@kirekoです。

>バイオ小説
アウトブレイクやりながら再度構想を練ってます。
恐怖が伝染してパワーアップするのさフフフ
加速するはずがない更新スピードにこうご期待!
ノーダメノーウェポンクリアやったぜ!

クソッタレ!

>ワロタ
ツンデレ三国志。なぜだ
むさくるしいのに、心に響きおるわ。

■参考
http://hobby8.2ch.net/test/read.cgi/warhis/1127412725/
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

というわけで3

2005年11月09日 19時01分07秒 | 末路話
量産だと・・・?ふざけるな!@kirekoです。

>バイオハザードOB
【決意】クリアさせていただきました。
いやー長かったですが、やっとクリアできました。
デビットで挑戦して、仲間も犠牲者を出さずクリアできました
(最後は二人這いずってましたが)

結局、三つの薬剤を遠心分離機?にかけてデイライト作ったんですが
何処で使うのかわからず、とりあえず追っかけてくる
化け物から逃げまくりました。
アサルトライフルとグレネードを拾ったので
化け物やろうと最後のデスマッチを繰り広げてました
で、最後アサルトライフルの弾が切れて
シンディにグレネードを渡し、デビットのハンドガンで倒しました。


と、思ったら復活するのね!さすがボス!

というわけで武器が乏しい現状にCOMシンディはなぜか強気!
とりあえず弾倉が空になったハンドガンを見ながら
デビット様は工具入れから仕込みナイフを出して反撃開始。

何かないのかと周辺探していたら
装甲車(?)の上に何か光っているものが・・・

アンプルシューター

ちょwwwwこれってデイライト仕込んで撃つって奴じゃねwwww
これ打ち込めば勝てるはずwwwwwやほwwwww
しかし、ステータス画面を見て、何かおかしいと気づいたkireko。


⇒スタートボタン


⇒所持品一覧を見る


⇒ハンドガン(0) アンプルシューター 救急スプレー アサルトライフル(0)


⇒周囲を見る、光ってる部分を見る。あ、あれカードキー。


⇒へたり込んでるCOMシンディと逃げっぱなしCOMヨーコ


⇒デイライト何処いった


⇒うっ!?まさか誤爆で前の場所でアサルトライフルの弾と交換した?!


⇒ォォォォオ!突進して襲い掛かる化け物。


⇒お、おい待ってくれ。おれは丸腰だぜ。


⇒くそーーーとどけ苦し紛れのスパナーーーッ


⇒ヘゥプ!(たすけろ!)←結局パンチは食らった


⇒なんか知らんけどヨーコがハンドガンの弾一杯もってた


⇒ヨーコに起こしてもらいつつ、ハンドガンの弾要求。


⇒へたり込みながらハンドガン連射!(起こしたCOMシンディを囮にするあたりが鬼畜)


⇒辛くも勝利ッッッッッ!(感染率87、3%ッ)


というわけでデビット様の逃走劇は終わったようだ。

終わったんだ、終わった。

一息つくと今まで必死だったことが・・・・

どうでもよく思えてきた・・・

なぜだろう、どうにも疲れる・・・・







あのエンディングは・・・うぅむ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

というわけで2

2005年11月08日 17時06分05秒 | 末路話
デビットと相性悪い奴多すぎだろ@kirekoです。

>バイオハザードOB
とりあえず獄炎クリアいたしました。
窓に張り付いてるリッカーを外から眺めるのが

「おい今なにか見えなかったか?」
「いいえ」

なかなかB級ホラーの流れぽくていい感じでしたな。

獄炎の謎解きはいいですね、謎解きがバイオの醍醐味といえば
そうなんですが、迫り来るゾンビ達をなぎ払いながらコードを打ち込んだり
クリーチャーの群れを押しのけながら
ファイルからの少ない情報で暗号を解いていくなど
なかなか考えさせられるもんだなと思いました。

電圧室(?)のパズルは何度やっても楽しいです。

>で、シナリオ【決意】なんですが
ファイヤーマンのコスチュームで出撃したらノーリーズンで
ジョージになっちゃいましたよ。ジョージ操作性普通で助かったけどな!
謎解きが、かなりキテます。
思わず攻略サイトを覗きたくなるような感じですが
そこを我慢し覗かずプレイするのがいいです。

1F書斎までいけましたが、エレベーター動かして1個薬品手に入れたのに
でかい化け物が襲ってくる

「た、たすけて・・・」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする