(北川さんのお名前が違っていました。「智弘」になっていましたが「智浩」が正解です。たいへん申し訳ございません。訂正してお詫びいたします)
1967年生まれで、江別に窯を持つ北川さんの個展。
花器や皿などに、白磁の持つ端正な美をたっぷり堪能できます。
伝統を受け継ぐだけでなく、新しいかたちに挑む作者の姿勢も感じ取ることができました。
この会場からも近い「クラフトAger」の店内や、同店を主宰する「北のクラフトプロジェクトいぷしろん」の展覧会では、急須などを何度も拝見しています(文末のリンク参照)。
また、毎年5月、三越札幌店で、東日本伝統工芸新作展でも、入選作を見ています(この展覧会は、かなりの難関です)。
しかし、個展は初めて見ました。ギャラリーエッセにとっても、工芸の展覧会は初めてのことだそうです。
これは「白磁水氷文鉢」。
表面にしのぎを入れ、縞模様のような凹凸を入れることは、昔からある技法だと思いますが、北川さんは削った稜線にあたる部分をさらに削り取り、つららのような文様に仕上げています。
やわらかさのある文様は、ちょうど春先、とけていく雪を思わせ、いまの季節にぴったりです。
「白磁波文掛花入」。
壁に掛けてありますが、床に置くことも可能です。
この花入れがユニークなのは、アシメントリー(非対称)になっていること。北川さんによると、白磁ではめずらしいそうです。
「枝をこちらの方向に伸ばしたい」
などというときには、向きを変えて対応できるのです。
北川さんもいけばなをたしなむとのことで(ただし、今回の個展の花は、地元の花屋さんにお任せしたそうです)、その体験が生きた作品です。
このタイプの花入れには、中央が三日月形になっていたり、丸く開いている作もあります。
まるい穴も、中央からずらしてあけてあり、掛ける方向が変えられます。
湯呑、長皿、タンブラー、ワインカップなど、日常の食器もあります。
大きな窓があるギャラリーエッセの特徴を生かし、外側に向けて花器などを展示しています(品名を記した札も、外から読みやすいようになっています)。
「実際に、外を歩いていて、ふらっと入ってくれたお客様もいました」
とのこと。
それにしても、白磁でむつかしいのは、写真撮影です。
北川さんによれば
「曇り空の下で見たときがほんとうの色」
とのこと。
このエントリでも、2枚目と3枚目の色味がまったく異なることに、読者の方は気づかれたことでしょう。
朝鮮半島の白磁といえば、純白の中にもかすかな青みを漂わせ、また、博物館で見るような古い時代の白磁はやや黄色を帯びていることがありますが、北川さんの白磁はわずかに緑を帯びているのが特徴です。
微妙な色を筆者の写真の腕で伝えるのは絶望的ですし、やはり実物を見ないとわかりません。ぜひ、気品のある色合いを確かめに、札幌駅北口まで足を運んでほしいと思います。
2009年3月17日(火)-22日(日)10:00-19:00(最終日-17:00)
ギャラリーエッセ(北区北9西3 レ・ノール北9条 地図A)
□北川智浩のページ http://www14.ocn.ne.jp/~hakuji/
■自然の恵みをいただく食卓(2008年9月)
■新茶を愉しむ 北川智浩の白磁の急須と湯呑み(2008年5月)
■本質を極める異職の技-4人展 (2008年3月)
■野の花が似合う花器(2007年)
■新茶を味わう「手に馴染む急須と湯のみ」(2007年)
1967年生まれで、江別に窯を持つ北川さんの個展。
花器や皿などに、白磁の持つ端正な美をたっぷり堪能できます。
伝統を受け継ぐだけでなく、新しいかたちに挑む作者の姿勢も感じ取ることができました。
この会場からも近い「クラフトAger」の店内や、同店を主宰する「北のクラフトプロジェクトいぷしろん」の展覧会では、急須などを何度も拝見しています(文末のリンク参照)。
また、毎年5月、三越札幌店で、東日本伝統工芸新作展でも、入選作を見ています(この展覧会は、かなりの難関です)。
しかし、個展は初めて見ました。ギャラリーエッセにとっても、工芸の展覧会は初めてのことだそうです。
これは「白磁水氷文鉢」。
表面にしのぎを入れ、縞模様のような凹凸を入れることは、昔からある技法だと思いますが、北川さんは削った稜線にあたる部分をさらに削り取り、つららのような文様に仕上げています。
やわらかさのある文様は、ちょうど春先、とけていく雪を思わせ、いまの季節にぴったりです。
「白磁波文掛花入」。
壁に掛けてありますが、床に置くことも可能です。
この花入れがユニークなのは、アシメントリー(非対称)になっていること。北川さんによると、白磁ではめずらしいそうです。
「枝をこちらの方向に伸ばしたい」
などというときには、向きを変えて対応できるのです。
北川さんもいけばなをたしなむとのことで(ただし、今回の個展の花は、地元の花屋さんにお任せしたそうです)、その体験が生きた作品です。
このタイプの花入れには、中央が三日月形になっていたり、丸く開いている作もあります。
まるい穴も、中央からずらしてあけてあり、掛ける方向が変えられます。
湯呑、長皿、タンブラー、ワインカップなど、日常の食器もあります。
大きな窓があるギャラリーエッセの特徴を生かし、外側に向けて花器などを展示しています(品名を記した札も、外から読みやすいようになっています)。
「実際に、外を歩いていて、ふらっと入ってくれたお客様もいました」
とのこと。
それにしても、白磁でむつかしいのは、写真撮影です。
北川さんによれば
「曇り空の下で見たときがほんとうの色」
とのこと。
このエントリでも、2枚目と3枚目の色味がまったく異なることに、読者の方は気づかれたことでしょう。
朝鮮半島の白磁といえば、純白の中にもかすかな青みを漂わせ、また、博物館で見るような古い時代の白磁はやや黄色を帯びていることがありますが、北川さんの白磁はわずかに緑を帯びているのが特徴です。
微妙な色を筆者の写真の腕で伝えるのは絶望的ですし、やはり実物を見ないとわかりません。ぜひ、気品のある色合いを確かめに、札幌駅北口まで足を運んでほしいと思います。
2009年3月17日(火)-22日(日)10:00-19:00(最終日-17:00)
ギャラリーエッセ(北区北9西3 レ・ノール北9条 地図A)
□北川智浩のページ http://www14.ocn.ne.jp/~hakuji/
■自然の恵みをいただく食卓(2008年9月)
■新茶を愉しむ 北川智浩の白磁の急須と湯呑み(2008年5月)
■本質を極める異職の技-4人展 (2008年3月)
■野の花が似合う花器(2007年)
■新茶を味わう「手に馴染む急須と湯のみ」(2007年)