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あくまでも”日記”なので!

なんとも魅力的な

2016年07月07日 | Weblog
 大概、本を選ぶ時、裏表紙にあるような、粗筋を読んでから買うんだけど、
読みもせず、家にはないってタイトルだけで買ってしまう。
もう、自分にとっては「鉄板」の作家さんだから。

”絶対”という単語は、そうそう使うことは出来ないとは知ってても、
つまらないことはない”絶対”に、と言いきれるから。

今回も、薄いので短編、しかもタイトルから、かってに彼女が得意なジャンル、ホラーかミステリーだと思っていたら・・・。




小池真理子 著 「一角獣」

8頁〜30頁までの8篇からなる短編集で、しかも、予想と違って恋愛小説だった。

8人の女性たちは、若くもなければ中年でもない。
それなりの恋愛経験もあり結婚経験者もあるような人ばかり。
ただ一様に、人生に対し夢とか希望のような明るい未来を求めてもなく、
虚しさ、切なさを纏って、晩秋から冬にかけての曇り空の様な生き方をしている。

外見はもちろん想像だけど、木村多江さんのような薄幸が似合うのイメージしか思い浮かばない。
あんなに綺麗ではないだろうけど。

物静かに地味に、只々毎日を過ごしていて、
気が付くと季節が年が変わっていることに気付いてた。そんな女性たち。


何でだろう?すっごい魅力的に感じてしまう。

自分が大勢でワイワイ・ガヤガヤするのが苦手なので、
そんな孤独感満載な生き方をしてる女性が魅力的に感じてしまうのか?
明るく、元気な女性が良いのは頭では知ってても、そうはならない。



この本の中では、”私”という1人称は出てこない。

”女は〇〇した”

第3者の解説形式で物語が進んでいく。


著者が会心の出来と言っていた、本のタイトルにもなった、”一角獣”
若くして職を転々とし、求められれば男の相手もするが、それに対して何の感情を持たない若い女。
人生の希望も夢も持たず、淡々と生きてきた。

ある日、版画家の家政婦のならないかと持ちかけられ、受けることに。
会話も殆ど無い、クールな主人と家政婦の関係が暫く続き、数カ月後、老猫を切掛に少しだけ会話をし始めた矢先、
版画家は拳銃自殺をする。
事件当日から姿が見えなくなった老猫を心配し、誰もいない版画家の家に毎日通う女。
日に日に長く誰もいないその家に居留まるようになる、何もせずに只々窓の外を見ながら。


多くの人が「何じゃこりゃ?つまらん!」って言うかもしれない。
いやいあ、この空気感、メッチャ良いじゃん。
明確な起承転結が全く無い。全体に漂う寒々しい薄暗い感覚。


それこそ”絶対”的にこの小説が好きって言う人は極少数派だと思う。
ってか居るんだろうか?この本が好きって言う人と、会ってみたい。
第3者的に冷静に考えてみると精神病的にも感じてしまうから。

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