足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

2010年の日本の魅力点・・・米バロンズ誌より

2009-12-24 07:52:48 | 株式

昨日のNY市場ではドルが下落した。これまで景気の力強い回復を期待して長期金利が上昇し、ドルへ資金が回帰をしてきた。しかし新築住宅(11月)の販売が予想に反して落ち込み、個人消費(同)も予想を下回ったのがドルに影響して小幅なドル安になった。

この動きを好感して金相場が反騰、ほかの商品相場も上昇した。

しかしこの動きがNY株には影響を与えず、株価は4連騰になった。目立ったのはハイテクで半導体関連やインターネットが上昇した。

相場の基調は強くクリスマス明けに期待する人気は強い。

今週の米バロンズ誌のコラム「Asian Trader」では2010年のアジア株について書いているが、その日本のくだりが面白い。

「日本株はどうか?」という設問に対して次のように解答。

「円高、デフレ、鳩山政権の景気対策への失望で2009年はアジアで最悪の成果であった。GDPの成長率は+1.2%から0.9%に引き下げられた。モルガンスタンレーは2009年半ばから日本株をオーバーウェイトしてきたが、間違った。それでも2010年も同じ見方をとる。企業業績の回復でPER16.5倍になったので魅力が出てきたからだ。日本は世界第2位の経済大国で、株式市場では景気循環株が60%を占める。この比率は米国42%、ヨーロッパ31%より大きい。円安が継続すれば輸出企業が恩恵を受ける」。

世界の投資家から見放された東京市場の人気挽回のカギは、民主党の政策ではなく円相場とみる。

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相場の2つの注目点

2009-12-22 07:46:44 | 株式

昨日のウォール街は加者も少なく商いは低調であったが、相場は上昇しNYダウ平均は戻り高値に接近した。VIX (恐怖)指数も急低下し今年の最低水準に並んだ。

NY株から東京市場をみるヒントは2つ。

まずハイテク株の堅調と景気敏感株の人気の継続である。アナリストの格上げもあって半導体のインテルが人気化した。ほかにアドバンス・マイクロ・デバイシス、デルなどが軒並み買われナスダック指数を押し上げた。

2は景気敏感株ではアルコアが急騰した。景気の回復を先見して金利のイールド曲線が右肩上がりを一段と強めた。10年国債と2年国債の金利差が年初の1.45%から、この日は2.82%に開いた。景気の回復とインフレの台頭を先見する。

2010年初めには第4四半期の決算発表が始まるが、企業業績の好調を織り込み始めた。

ドル高が続く。ユーロ、円は下落した。これまで積みあがってきたドルのショート・カバー(買戻し)も加わる。

8月以来、東京市場はNY株の上昇に対して鈍感で、立ち遅れてきたがその大きな理由のひとつがドル安であった。ここへきてドル安のトレンドに変化が出てきたのは注目点。今回は円安というよりも、世界の通貨に対してのドル相場の復権である。米国のドル安による景気の回復というファンダメンタルを為替相場が率直に織り込み始めた。

われわれは引き続き円安の恩恵を受けるハイテク株に注力したい。

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今週の焦点

2009-12-21 08:01:19 | 株式

今週のNY株は休暇モードにはいる。

24日のクリスマス・イブは半日の立会い、25日はクリスマス休日である。有力なヘッジファンドや投資銀行のトレーダーは早々に休暇をとりデスクを離れる。

われわれの今週の焦点は円相場の行方である。本日の日経新聞の「社長100人アンケート」でも景気の2番底を警戒する理由に円高があげられた。先週は90円台に乗せたが、この水準を維持すれば、大半の企業は90円を想定した計画を立てっているので、為替問題は重しにならない。

今回の円相場の反転は円安というよりも、ドル高である。ユーロと円に対して交代でドル高トレンドを繰り返している。

今月にはいってから、われわれは円安で恩恵を受けるハイテクなどの輸出関連株に注目してきた。ドル高が始まったとみているからである。今週もこの分野から注目株を取り上げる。

当面の注目点は先週、IPOした日本海洋掘削(1606)への人気の継続と、引き続き公開される24日のヤーマン(6630JQ)、25日の一建設(3268JQ)である。

いずれも先行きの評価が難しいベンチャー企業ではなく、経営基盤のしっかりした新興企業である。評価がしやすい。

日本海洋掘削と並んで注目したい。

また新興企業に人気の好転の兆し出てきたことも明るい材料である。

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ドル高が続く・・・ビル・グロスが現金比率を高める

2009-12-19 08:53:14 | 株式

昨日のウォール街では円相場が対ドルで1%下落し90.47円になった。

日銀の政策決定会合での「物価マイナス許容せず」という政策を反映した。今回は円安だけではなく、主要6ヵ国通貨に対してのドル高が目立つ。ドル指数(DXY)の動きがそれを示している。

またブルンバーグによると世界最大の債券ファンドを運用するピムコ投資顧問のビル・グロスが現金比率を7%に引き上げた。昨年のリーマン破綻の10月以来のことだ。

シカゴの金利先物市場では来年6月までに連銀が利上げする可能性が41%という相場を出している。

注目されるのはビル・グロスが金利の上昇を見込んで債券相場の軟化を見ているのに、個人の資金が相変わらず株式から債券ファンドに流入していることである。

昨日のNY株ではハイテクが相場を牽引した。オラクル、リサーチ・インモーションという人気株の好決算が好感された。ハイテクでもPCなどハード関連に人気が向いている。

NY株の短期の先行きには見方が分かれる。

クリスマスを前にして機関投資家やヘッジファンドが「今年の勝負は終わった」と運用を終了するところが増え、当面方向感のない相場展開と見る向き。

いまひとつはS&P500が、今月は1,100前後でのもみ合いが続けてきたので、相場反騰のエネルギーの蓄積はとてつもなく大きいとみる見方。

東京市場は、これまでのドル安/円高というインバランスが修正されるプロセスにはいったとみる。相場と景気には好材料である。

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日本海洋掘削のIPO

2009-12-18 08:20:15 | 株式

昨日は日本海洋掘削(1606)が公開された。

昨今の新興市場の不振のなかでは久しぶりの好調なスタートであった。

IIPO価格3,800円に対して5,000円で初値をつけ、引けは5.530円であった。公開値での市場からの吸い上げ資金は68億円と大型のIPOであったが、買い物が間断なくはいり堅調な展開であった。

国際的に石油の掘削活動を行うが、技術力、経験、資金力がモノをいう業界で参入障壁は高い。当初は国策企業としてスタートしたが、今回の公開で目実ともに民間企業のスタートを切った。

今後は世界のビッグ10に入るのが当面の目標である。ウォール街と東京市場をみて投資してきた人には、日本のエネルギー産業もようやくここまで来たかという感慨をもつはず。

先行き株価をどう判断するか。

同じIPO銘柄でもベンチャー企業ではない。株価判断には国際比較がひとつの尺度になる。

ウォール街での大手の掘削企業はいずれも時価総額が1兆円を越える。日本海洋掘削は昨日の引値では980億円だ。この点では、この世界ではまだ小粒である。

PER14倍。米国のベイカー・ヒューズ(BHI)、ハリバートン(HAL)はいずれも16倍。株価は今年の安値からベイカーが+87%、ハリバートンが2倍になった。いずれも市場の人気株である。

日本海洋掘削はブラジルでも今後、大水深開発計画に加わる。ビジネスチャンスは大きい。

われわれの理論株価の評価では上値は高い。

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