世界の株式市場は休暇モードに突入した。ウォール街では古くから“閑散なきは売買を控える。怪我をすることが多い”という格言がある。
相場の内容が今後の方向性を示さないからだ。
有力な投資家はクリスマス、新年とバケーションにはいる向きが多い。
またヘッジファンドも2009年の勝負は終わり、2010年の戦略を練っており、市場からは離れる。
年末のメディアは2009年の相場の総括と、2010年の展望の記事で埋まる。
12月の東京市場のラストスパートは見事であった。年初来、世界の株価に出遅れていた分をほぼ1ヵ月で挽回し、なんとか強気相場に乗ることができた。
われわれの関心事は2010年の相場の方向性にある。
ことしは米国の金融政策、財政政策が効を奏し、その波に新興国も同調して景気対策を発動し、世界経済は底入れ、上昇軌道に乗った。問題は景気の勢いが2010年のどこかで鈍化しないかどうかにある。ダブル・ディップ(2番底)説だ。米国をはじめ中国など新興国の政策当局は、浮上のきっかけをつかんだ景気のエネルギーを挫折するような事態を放置しないだろう。景気の勢いを持続させるためには、自律的な回復の循環運動が必要である。
ウォーレン・バフェットの伝記「スノーボール」(日本経済新聞刊)は、投資で成功するには小さな雪の塊で大きな雪だるまをつくる過程が書かれている。
「予想と分析は別もの」というのがバフェットの持論である。このことを肝に銘じ2010年の戦略を考えたい。
目先の材料は半導体市場の回復に注目している。銘柄の広がりが期待できる。