今週の米バロンズ誌の特集は“強気、気をつけて!”(Watch out,Mr.Bull)
世界の投資家は気迷い、機関投資家のなかでももっとも影響力のあるヘッジファンドは現金比率を極端に高めている。リーマンショックの時は弱気に賭け大成功して、その後の相場の反転時には主役になった。
しかし今回の下落局面で大きく利益を上げている話はあまり聞かれない。一方、投資家は先行き不安から資金を引き揚げ始めた。
バロンズ誌の特集はタイミングが絶妙だ。強弱の見方の両面を記者は取っている。
「2008年のクラシュと異なるのは銀行の信用収縮が銀行の流動性問題につながった。今回の流動性は十分にある。8月の株価の下落を予見したミステリー・ブローカーが今回は8月の安値に接近すると予想した。相場の本格的な反転には金融株の上昇は必要条件だ。それが実現すれば年末のS&P500は1300に達する(昨日のS&P00は1151)」(9月26日付)。
この文章はバロンズ誌の巻頭に掲載されたが、ミステリー・ブローカーとして実名を明かさないことを条件にバロンズ誌とコミュニケーションをとる。この雑誌にしては珍しいケースだが、謎めいた話はそれだけに読者をひきつける。