5月にはいってから世界の株価の調整局面が続いている。
月初来の下落率は日経平均が-5%、NYダウ-3%。
ギリシアの金融不安、商品相場の下落、米財政問題、連銀のQE2(量的緩和)の打ち切りなど材料が市場では懸念材料として上げられている。いずれも後講釈的な材料ではあるが、進行中である。
それに「5月に売る」という確度の高い相場の季節性が加わる。昨年も相場は4~5月にピークを打ち秋口から回復に転じた。
ソロスが金と金鉱株のFTFを売却したことが話題になったが、同時に資源関連のフリーポート-マックモランとゴールドコープには新規投資した。資源関連に弱気したのではないことが分かる。
バフェットが昨年、新しく採用した運用者のトッド・コム(40歳)がマスターカードの大量取得の報告書を提出した。もともとバークシアはアメリカン・エキスプレスの長年の大株主であるが、金融株に強いコムが選んだ投資銘柄の第一号である。
このほか昨日は世界最大の債券ファンドを経営するビル・グロスが「ギリシアは金融面での破綻」の可能性を指摘した。現在のギリシア国債の利回りは15.44%である。彼は米国の国債にも弱気で売却した。
ここに上げた3人の投資家は世界の株式相場の方向性に何らかの形で影響力をもつ。
それぞれが相場の動きに静観するのではなく、積極的に動いていることには注目される。