足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

新興市場の猛反発をどうみる

2007-10-18 18:46:17 | 株式

モルガンスタンレーの国際投資部門の責任者バートン・ビッグスは、2003年に退社し自らヘッジファンドを立ち上げた。

トラクシス・パートナーズだ。彼はストラテジストとして世界的に名の売れた人であるが、60歳代後半に独立したのだから、そのエネルギーは大したものだ。評論家として米バロンズ誌などにもしばしば登場した。

「実践で成果を上げることができるのか?」と思ったが、波乱のここ4年間を見事に泳ぎ抜群の成果あげた。

今年の初め「アブない金融錬金術師たち・ヘッジホッグ」(望月衛訳・日本経済新聞社刊)を書いた。忙しい仕事の時間を割いて本を書くエネルギーもにも感心した。かずかずの実践に使える部分が多いすぐれた本だ。

そのなかに世紀の相場師として名を残したジェイシー・リヴァモアの言葉を紹介している。

「ジェシー・リヴァモアがあるとき投資戦略を聞かれた。“安く買って高く売ることだよ”と彼は答えている。一般投資家がやっているのはまさしくその逆なのだ。彼らは高く買って安く売る」(同書)。

当たり前の話であるが、世紀の相場師がいうことばだけに重みがある。この本には随所に教えられることが多い。

本日は新興市場が戻り高値を更新した。4日間の続落のあとの大幅高で、1日の指数の上昇率は+7.22%である。9月19日の安値からは1ヵ月で42%も上がった。マザーズの売買代金の上位10位のうち9銘柄がインターネット関連である。

新興市場への投資は「乗り遅れた」と考える投資家も多い。

バートン・ビッグスはネット株について「日本の資産バブルと今回の米国のITバブルの崩壊は似ている。しかし大きな違いがある。日本はバブルで痛みを残しただけだが、バブル時に米国はハイテク投資に力をいれ、産業界の生産性向上といプラス面を残した」という(同書より)。

マザーズ市場での株価の動きは、ようやく日本でのネット革命の現実買いが始まったことを示しているのかも知れない。

こんな視点で新興市場の反騰を考えてみたらどうだろうか?

コメント
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