誌上セミナー(2)

2016年09月19日 | 日記
今日は、熊本地震の後初めての発声セミナーでした。今回はご参加申し込みが普段より少なめでしたので、第1部をエクササイズ中心に組み立てました。
まずウォーミングアップ。最初に蝶形骨をゆるめる(周囲の骨との接合部分にアソビの空間を作る)エクササイズです。目を動かす、耳を少しだけ引っ張る、鼻から深く息を吸い込む、上を向いて大きく口を開ける、の4種。神経疲労が解消し、横隔膜の動きがスムーズになって呼吸が深くなります。また、指先で軽く肩に触れて肘をゆっくり徐々に大きく回すエクササイズや、壁を使ったスクワットなどで上半身をほぐします。
ウォーミングアップの後は「呼吸」、「発声」、「共鳴」に分けてレクチャーとエクササイズです。呼吸の練習では、「横隔膜呼吸」のコツをつかむために、右腕を挙げて左手の手のひらで右のわき腹を触りながら右の体側を伸ばします。左側も同様に。
あれ、今気付きましたが、今日皆さんにお渡しした資料には「右腕を挙げて左の側筋を伸ばす」、「左腕を挙げて右の側筋を伸ばす」と書いていました(-_-;)間違いです。右腕を挙げて右側を伸ばすのです。大変失礼しました!!
横隔膜はとても大きな筋肉で、肺に空気がたくさん入っている時は水平に近い形でおへそのあたりまで下がっていますが、肺から空気がなくなると、上端が乳首ぐらいまでドーム型に上がります。ですからなるべく下がった状態でキープすると息が長持ちするわけですが、横隔膜は半随意筋ですから「下げて!」と言っても下げ方がわかりません。そこで、軽く胸を張ったまま息を吐き切ったところで身体の緊張を解くと、肺に一気に空気が流れ込み、横隔膜が押し下げられます。この練習を繰り返すうちに横隔膜の動きがだんだんわかってきます。
次に発声のしくみについて少し説明しました。声域別の声帯の写真や声帯の開閉や振動の様子がわかる写真などをお見せし、声帯の形状や位置、動き方などを確認しました。喉仏のあたりを触りながらあくびをすると喉頭が下がるのがわかります。これが喉頭蓋の開いた(いわゆる「喉が開いた」)状態で、そのまま声を出してみると声帯の振動が伝わってきます。音程を上げる時にこれが上がると喉頭蓋が閉まって喉声になるので、喉頭はなるべく低い位置に保ちます。
最後に共鳴のしくみです。最初に蝶形骨の話をしましたが、ここが一番大きな共鳴箱です。トランペットのマウスピースを吹くと呼気が蝶形骨まで届くことや、軟口蓋を指で軽くマッサージして上へあげ、上あごを挙げることで口の中が広くなり、共鳴がよくなること、軟口蓋が上がれば口蓋垂も上がって口の中も咽頭腔も広くなることを説明して、指で輪を作って口元に当て、強く息を吹いて呼気圧を強める練習、前屈して少しずつ上体を起こしながらハッハッハと軽く高めの声を出す練習をしました。「声は共鳴腔で響く」ということが何となく感じられたようでした。
ここまでで1時間が過ぎ、第2部では、春のセミナーの時と同じ曲で斉唱、輪唱の練習をした後、クリスマス会で歌う「I saw three ships」というイギリスのクリスマスキャロルの練習をしました。日本語と違って口の奥を使って母音を発音するよう気をつけながら、一節ずつ歌詞を読み上げてから音程をつけて歌います。男性の参加者がお2人だったので、全パートを全員で練習してから、お好きなパートを歌って頂いて合唱にしてみました。全曲通したところでちょうど1時間経ちました。
終了後、いつものように茶話会をしましたが、最後はやはり地震の話になり、まだ復興途上なのだなど改めて思いました。こうしてセミナーができるのも当たり前ではないのだなと。今日は台風も接近していましたし、参加して下さった皆様に改めて感謝です。
次回は来年の3月19日、2017年春の発声セミナーです。ちょうど半年後ですね。復旧復興の進捗を祈りたいと思います。
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