追悼コンサート

2017年04月23日 | 日記
熊本市の中心部にあるカトリック教会で「熊本地震犠牲者追悼チャリティコンサート」が開かれ、私が指揮を務めている「コール・クライゼル」も出演させて頂きました。
この話は、昨年暮れに、うちの合唱団の男性陣の数名が所属しているD男声合唱団を通して、主催団体から出演オファーを頂いたことに始まります。
日本の男声合唱団は全国的に大きく組織化されているらしく、各地で災害などの追悼コンサートを行っているのだそうです。熊本地震の被災地である熊本のD男声合唱団がホスト役となり、今回の中心的合唱団であるTクワイアーを迎えて、他の男声合唱団から歌いに来る方々も含め、カトリック作曲家高田三郎の典礼聖歌を歌う合同合唱団が組織されました。第1部ではD合唱団が「高田典礼聖歌」から数曲、第2部では我がコール・クライゼルが15分ほどの演奏、第3部は、Tクワイアーを中心とした合同合唱団による「高田典礼聖歌」8曲、というプログラムです。
高田典礼聖歌は日本語なので、コール・クライゼルにはドイツ語の宗教曲を歌ってほしいというオファーでした。うちの合唱団は月に2回しか練習がなく、これまで宗教曲はプロテスタントの曲しかやったことがないので選曲に悩みましたが、紆余曲折の末(?)、カトリック教会で会衆賛美に使われているヘンデルの「Tochter Zion」と、シューベルトの「ドイツ・ミサ曲」から3曲を歌うことにして、これだけでは割り当てられた時間が余ってしまうので、伴奏ピアニストさんに「ドイツ・ミサ」から2曲をオルガン独奏して頂くことにしました(会場になるカトリック教会にはピアノがなく、伴奏も独奏もパイプオルガンです)。
「ドイツ・ミサ曲」は、シューベルトがアマチュア合唱団のために書いた曲だそうで、音取りが比較的易しく、1曲1曲が短めで、それでいて大変美しく、崇高で格調高い作品です。練習もまあまあスムーズに進んだのですが、歌詞を読み込んで曲想を表現していく段階で、多少なりともキリスト教の教義や信仰心の核心部分への共感や感動が必要になってきます。一番難しかったのはそこでした。今更ですが、西洋音楽の源流が教会音楽であることを改めて痛感した次第。
そして昨日、遠路はるばるT合唱団が熊本入りし、リハーサルと懇親会が行われました。実は、その前日の夜に、万やむを得ない事情で伴奏ピアニスト(オルガニスト)さんが出演できなくなり、彼女のお知り合いの女性に急遽代奏をお願いすることになりました。昨日のリハーサルではほぼ初見に近い状態だったので、歌の練習よりテンポやフレージングの確認に終始しました。しかもリハーサル会場は当日演奏する教会ではありません。しかし幸いなことに、彼女は当日の会場になるカトリック教会のオルガンを何度も弾いたことがおありだとのこと。オルガンは、ストップの操作などピアノと違うことがいろいろあるので、経験者でないと難しいのです。また、オルガン奏者は2階の奥で、祭壇に背を向けて弾くので、指揮も合唱も見えません。その状態で指揮をしても、指揮と歌と伴奏がずれてしまう危険性があります。そこで、今回は私は指揮をせずにソプラノの左端で一緒に歌い、うちの合唱団で以前伴奏をして下さっていたMさんにオルガン補佐をお願いして、私とのアイコンタクトで曲のアタマのタイミングをオルガニストに伝えて頂くことになっていました。Mさんと代奏者のIさんが本当によくやって下さり、合唱団のメンバーも瞬発力と集中力を発揮して下さって、本番は練習よりも良い演奏ができたと思います。会堂はお客様でいっぱいでした。今回は私も一緒に歌ったので、喪服の方や、演奏を聴いて涙を流している方も目に入ってきました。泣くことはとても大事なことだと思います。泣いて頂けたことが有難いと思いました。私も、曲間のオルガン独奏を聴きながら涙が出ました。
今日は朝から航空自衛隊によるブルーインパルスのアクロバット飛行の実演があり、そのせいで熊本市内は中心部に向かって大渋滞でした。渋滞を予想して電車で行くことにしていたのですが、電停も道路まではみ出すほどの長蛇の列。電車もバスも満杯で何台も見送り、仕方なく自宅に電話して父に車で送ってもらいましたが、車も全然進みません。何人もの方から「間に合いません」、「遅刻します」とメールが入り、私自身も遅れそうで、朝からヒヤヒヤでした(-_-;)何ともスリリングな一日でした。
熊本地震から1年。復興もまだ道半ばです。亡くなった方を心から悼むことと、生き残った人々が前を向いて進んでいくことは表裏一体の事柄だと思います。一日一日、生活の小さな一コマ一コマを心から慈しみ、人と人との心のつながりを大切にしたいと改めて思いました。

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