散歩の途中朽ちかけたベンチ前の朽ちかけた木の柵の下
そこに身体の糸だけでぶら下がる蛹を見つけてしまう。
お菊虫、ジャコウアゲハの蛹である。
番町皿屋敷
私の子供時代の記憶ではお菊さんの物語は女中の彼女が
大事な大事な十枚の皿の一枚を割ってしまい
それを咎められて切られて井戸に投げ込められ
それを恨んで夜な夜な幽霊となって出てくると
一枚二枚と皿を数えて「一枚足りない」と祟る話と思っていた。
「何度数えても一枚たりない」と泣く彼女のそこだけが
際立って頭に残って違った話になってしまっていた。
細川家のお家騒動の中で青山鉄山による若殿殺害の謀議を
聞かれたお菊を亡き者にせんと
役目とされた彼女の管理の大事な皿を一枚隠して彼女に罪をきせ
彼女をその咎で井戸に切って捨てたのだ。
その後井戸から現れるお菊の霊が事の真相を暴くというものであらしい。
この時罪をきせられ折檻を受ける図がこの蛹に似てるというので
この蛹をお菊虫と言うのだそうです。
そんなお菊虫がこんな状態でぶら下がっている。
見つけた以上ほっておくのも無慈悲かと思った末
接着剤で直そうとするが風は吹くし焦ってうまくいかず
(固形の接着剤が劣化してたかも・・・)
手っ取り早くテープでとめることにする。
チョウになるまでの辛抱そこまでもてば問題はないだろう・・・