ずぼら堂懐古録

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古い建物を探して各地を徘徊。

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×「西天満三丁目の長屋(中国茶館 無茶空茶 )」

2017-03-12 | 大阪市 北区 北

西天満の地で長らく愛されてきた中国茶専門店「無茶空茶」が移転することとなった。
入居していたのは堂々としたたたずまいの古い日本家屋だったが
2017年春、解体されることになったのだそうだ。
(移転先は不明だが、御霊神社のお札をもらったと店主のブログにあるから、船場のどこかなのだろう)



店主のブログによると、この建物は築107年とのこと。
天満の街は明治42年(1909年)のキタの大火で焼け野原になってしまったというから
大火災からの復興期に建てられたものだろう。

私は茶館の客として何度か訪れたことがあるのだが、
古い日本家屋に中国の骨董や家具、モダンアートがセンス良く飾られた美しい店だった。
この空間が永遠に失われるのは非常に残念なことだ。



おそらく次の移転場所でも、美しく魅力的なお店を作られることと思うが
この静かな西天満の街角、奇跡的に一列に並んで残っていた古い和風建築群、
(お向かいにも立派な古い邸宅があった)
それらを眺めながら店に向かう時の気持ち、
どっしりした古民家だからこそ醸し出せた空気はもう味わえないのだ。



上記の建物全景写真は店休日の時のもの。
営業時は表に看板が出ていた。



営業中の目印がこの吊り看板。
茶色い丸物体は陶器の茶壷(中国茶器の急須)。



かなり前の写真。
古い郵便受けに玖瑰花茶(バラのつぼみ)がぎっしり入っていて驚いた。
(実際に使用しているのは別にポストを設置していたように記憶している)



店の隣は昔の石畳の路地(大阪ではロォジと発音)。





石畳の路地には舟板(琵琶湖から引き揚げた古い船の材らしい)が置かれていた。



店内は入ってすぐが土間、その奥は一段上がって座敷(畳は外してある)。
上記の庭の見える席は座敷だった所。
このテーブルも舟板で作ったという説明を聞いた記憶がある。
(テーブルに使用した残りを路地に置いていたのかもしれない)
縁側の右にある白い扉の向こうが厨房だったように思う。



座敷から見た土間。重厚な中国家具が置かれていた。
座敷の入り口に小さな戸があって(上記写真右)、そこから地下室に入れたような。
地下室の床には色鮮やかなマジョリカタイルが敷き詰められていた、
という記事を雑誌『大阪人』で読んだ記憶がある。
その美しいタイルも解体工事により廃棄されてしまうのだろう。





座敷の奥は坪庭。
長屋というと貧困者向けの狭苦しい安普請な建物、
というイメージを持つ人もいるかもしれないが、
大阪の長屋文化は非常にバリエーションが豊かで、
この建物のように美しい床の間や坪庭のある洒落た長屋も数多い。







外から見るとこういう感じ。
上記写真左側の板塀は無茶空茶の裏口。



坪庭の木戸を出た所は石畳の路地の続きと裏長屋。
路地のどんつきにある木戸は隣家の裏口。
もしかして隣家も解体されてしまうのだろうか。



この茶館のトイレは建物内にあるのだが、なぜか出入り口が家の外(路地側)に付いていて
客はいちいち庭に降り、裏の木戸を出てトイレに行かねばならず、不便だった。

茶館の店主、黄安希さんが以前に出版された書籍『中国茶で楽しむ十二ヶ月』には
この無茶空茶の建物内の写真が掲載されている。
(プロの手によるものなので、拙ブログのものよりはるかに美しく分かりやすい)
大阪美術倶楽部の旧鴻池邸(解体済・現存せず)の座敷や庭の写真も載っているので
興味のある方は是非。

『西天満三丁目の長屋(中国茶館 無茶空茶 )』
旧称:
住所:大阪市北区西天満3-9-12
指定:

階数:地下1階(?)~地上2階
構造:木造
設計:
施工:
竣工:1910年(明治43年)

撮影:2014年、2013年、2007年
現況:×2017年春 解体予定


【参考】
参考図書一覧
中国茶館 【無茶空茶】
無茶空茶日乗(店主のブログ)
中国茶館 無茶空茶 • Instagram photos and videos
食べログ(リニューアル前の記事)
茶館でランチを楽しむ 1 無茶空茶 館 [中国茶] All About
黄安希 - 平凡社

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