僕のリズムを聞いとくれ

仕事関係、アウトドアライフ、富山県や水橋のこと五七五、サッカー、お気に入りのモノ、コト等を徒然なるままに綴っています。

4月の読書日記

2017年05月01日 | ご本

 ■安部公房全作品〈3〉 (1972年)

いやはや、なかなか。三作品が入っているのだが、『飢餓同盟』は少々悲しく、『けものたちは故郷をめざす』は随分やるせなく、『R62号の発明』は少々不気味で、でも医学部出身だけありその手術の折の描写が繊細に細部まで描かれており楽しめる。昭和45年頃の発売の全作品集なので、印刷技術が微妙で、活字が小さく読みづらくはあるが、時間を持て余した方にはなかなか読み応えのある一冊であると思う。
読了日:04月30日 著者:安部 公房

■バトル・ロワイアル 下 幻冬舎文庫 た 18-2
青春大冒険純愛流血活写社会批判パロディ・・・
問題作として様々に批判されたモノではあるが、青春小説、友情・恋愛小説として名作ではないだろうか。ホラーではないだろうと思われる。
オイラの場合まず、漫画から入った。漫画は本当にエロく振りすぎていた。映画が青春により過ぎでしかも端折りすぎており、わけがわからなかった。
漫画のことがあり、原作を期待して(?)読みだしたら、止まらなくなった。構成力のある作家だと思う。

■バトル・ロワイアル 上 幻冬舎文庫 た 18-1
上巻でちょうど半数になるなんて・・・。ともかく捲頁が進みます。読後感想は下巻を終えてしっかり書きたいと思います。

■潤一郎ラビリンス〈2〉マゾヒズム小説集 (中公文庫)
この手の作品をもっと、読みたい感じがする。潤一郎の良さというか、手にかかるべきテーマではないかと考える。『日本に於けるクリップん事件』は特に続編を持った読みたい感じがした。

■幸田文全集〈第7巻〉おとうと・笛
この巻の中の『おとうと』の感想だが、やはり結核の怖さを思い知らされた。また、幸田文流の生活の美しい描き方がとても気持ちいい。他の随筆や短編も、明治から大正、昭和へと移り行く主婦仕事が美しく描かれ惚れ惚れする主婦像を結んでいる。

■破戒 (新潮文庫)
泣けた。彼自身の決意も心打たれるが、周りの方々の彼への思いの集結がすごすぎて・・・。それも彼の凄さなのか?という小説としての流れを語るだけではなくて、底辺に流れる所謂『問題』というものにも大変興味を抱かせ、文庫本の解説なんて夏休みの宿題の折以外読んだことないんだけれども、この作品に関しては読み進めようと思った。110年程しか経っていない今の日本が忘れてしまった、日本の暗澹たる歴史を再認識させられた。また、当時(明治時代)の日本語の書き手落としては優等生ではないかと思える位読みやすい日本語なのでした。

 



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