世間から非難されてもほとんど動じることはない

　決して人がよくて寛大だとはいえない。人の意見によって自分の幸福を左右されることほどばかなことはない。人間の本当の性格を知るのはとてもむずかしいことで、偏見によってよい方にも悪い方にも誤解が生じるわのである。

　しだがって自分の良心がとがめるような場合には、人がよしと認めてくれてもあまり慰めにはならない。それに対して正しい目的をもって行動したと自信のもてる場合には、たとえ世間から非難されてもほとんど動じることはない。