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【町工場から五輪へ】(4)スピードスケートの砥石 (産経新聞)

2010-02-17 04:09:54 | 日記
 ■硬度高いダイヤ 精密研磨

 千分の1秒を争う氷上のスプリント競技、スピードスケート。男子500メートルの日本記録保持者、及川佑(ゆうや)選手(29)らバンクーバー五輪に出場する国内外のトップアスリートが、究極の滑りを求めてシューズのブレード(刃)を磨くために使うのが、京都府宇治市の研磨製品メーカー「三和研磨工業」のダイヤモンド砥石(といし)「ブレード・シャープナー」だ。

 ブレードは、氷との摩擦が少なくなるように、厚さ1ミリ程度の刃先をできる限り平らに保つことが重要。しかし、いったん滑ると、氷上の不純物を踏むなどして凹凸ができてしまい摩擦が大きくなってしまうため、平らに研磨する必要がある。

 ここに目を付けて、同社がスケート分野に新規参入したのが、平成12年。営業担当者が取引先に「子供のスケート靴を砥石で研いでいるが、もっと良いものはないの?」と言われたのが、きっかけだった。

 昭和24年の創業まもなくから砥石のほか、グラインダーなどの研削工具を製造しており、ノウハウがあった。モニターを依頼した選手からの「もう少しスベスベになる感じで」という注文などにも出来る限り応え、約1年で発売にこぎ着けた。

 製品は直径約65ミリの円盤状で、目の粗さに合わせて数百~数マイクロメートル(1マイクロメートルは千分の1ミリ)大のダイヤモンド粒が入った砥石を使用している。細かく硬度が高いダイヤのため、より精密に研磨ができるほか、耐久性も高いのが売りだ。きっかけは「子供のスケート靴」だったが、販売代理店の営業や試用した選手の口コミで評判が広がり、現在は海外のナショナルチームも使っているという。

 同社企画開発部の福井健三さん(47)は「弊社のメーン商品ではないし、代理店に卸しているだけなので、有名選手が使っていたというのはしばらく知らなかった。工場で作業している社員や箱詰めしているパートのおばちゃんは今でも知らない」と笑うが、技術力は世界に認知されている格好だ。

 福井さんは「けがなく滑ってくれたら、必ずいい記録が出るはず」と日本選手の活躍を信じている。=終わり

【用語解説】スピードスケート

 1周400メートルのリンクを周回し、ゴールタイムを競う。バンクーバー五輪では男女それぞれ500メートルなど5つの個人種目と、団体追い抜きが実施される。日本からは男女19人が出場。加藤条治、長島圭一郎、及川佑の各選手らが出場する男子500メートルはメダルの期待がかかる。岡崎朋美選手は、冬季では日本女子最多となる5度目の五輪。また中学3年、15歳の高木美帆選手も注目だ。

                   ◇

 この連載は真鍋義明、渡部圭介、杉村奈々子が担当しました。

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