タイトルは一日にして成らず 対メキシコ

１－３，明確な敗戦である。

敗戦のポイントを結果から逆算することはできる。
ゴール前での不用意なバックパス、マークミス、中盤での出足の遅れ、クロスの精度の不足、
交代選手のスロースターターぶりetc.
しかし、それらが多少改善されたとしても、「こう戦えば勝てていた」という明確な作戦案は
みつからない。

メキシコは強かった。
日本と同じくらい俊敏で、ボールへの寄せが早く、中盤でのボール回しもうまかった。
また、サイドチェンジを的確にこなせる選手、トラップがうまくロングパスを収めることのできる選手、シュートを枠に飛ばせる選手も多く揃えていた。
すなわち、日本と同じタイプで、日本より０．５枚格上のチームだったのだ。納得の結果である。

強いて言えば、永井・東を前半温存し、宇佐見・杉本・斉藤を前半使って０－０に抑えて
後半勝負、という戦い方はありえた。しかし、現実に日本が大津のゴールで先制したことを考えるとこれは結果論であろう。

この壁を越えるためには、１８人の大半がタイトルホルダーにふさわしい能力を持つように
選手を選ぶ、さらにはそれが可能となる様に層を厚くすることが必要であろう。

さしあたっては次の３位決定戦である。大事なことは何か。

今回手に入れた宝を持ち帰ることである。宝とは何か？

銅メダルではない。それは大事だが、一番ではない。

今回の功労者である、永井、清武、大津、吉田、その他の成長した有力選手を無事に
連れ戻すことである。（東京サポとしては権田と徳永もここに入れたいが）

３位決定戦では選手が壊れる恐れが多分にある。
間違っても永井を先発で使ってはならない。
五輪の銅は大切ではあるが、引き替えに上記の各選手を壊すことは今後数年分の大損失である。
必ずやそれは避けてもらいたい。