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北朝鮮への報復的核攻撃

2017年08月05日 | 安保・国益


北朝鮮核問題で、北朝鮮から米国への恫喝がエスカレートしている。

これまでは、米韓同盟や日米同盟あるいは安保理の枠組みの中での米国の対応策ということだったが、北朝鮮ICBMが米国本土に到達する性能を有するようになり、かつ核恫喝が続くようだとフェーズが切り替わる。つまり、米国の個別的自衛権として米国単独での判断による応戦が可能になりつつあるということ。



《対応策の整理》

ここで北朝鮮への対応策を俯瞰して整理する。

(穏便↑)
(1)非難の応酬と経済制裁
(2)中露も巻き込んでの兵糧攻め(中露が協力しないと成功しない)
(3)内部工作による政権転覆
(4)米特殊部隊等による斬首作戦
(5)通常兵器による軍事作戦
(6)核兵器による軍事攻撃
(激烈↓)

これまでは、主に1、2であり、3も報じられるようになった。4が噂として流れたこともある。5の可能性は広く論じられている。
だが、私が知る範囲では6を論じた識者はいないように見える。

そこで、可能性が高いかどうかは述べないが、この記事では6を論じる。



《報復的核攻撃の正当性》

冒頭で述べたように米国の個別的自衛権が成立する条件が整いつつある。北朝鮮は米国本土に到達するICBMを現に保有しつつあり、米国本土への核攻撃を辞さない言動をしている。

CNNは7月26日に次のように報じた。

朝鮮中央通信は北朝鮮外務省報道官の話として、「もし北朝鮮の最高権威が脅かされれば、核を含むあらゆる攻撃手段を動員することによって、直接的・間接的に関与する国家と機関を先制的に壊滅しなければならない」と強調。「米国が我々の最高指導者を排除しようとする素振りをかすかにでも見せれば、時間をかけて増強してきた我々の強大な核のハンマーで、米国の心臓部を容赦なく攻撃する」とした。


そして、7月28日に発射された北朝鮮のミサイルは、その到達高度から射程距離が10000kmと想定され、米国本土を射程内に収めるICBMとしての性能を有していることが判明した。

北朝鮮の言い方は、「最高権威が脅かされれば」「我々の最高指導者を排除しようとする素振りをかすかにでも見せれば」と条件が付いているが、そのレッドラインがどこにあるかは米国にはわからない。米韓軍事演習で発動するかもわからない。

つまり、北朝鮮には米国を核攻撃する「能力」と「意思」の両方が揃った。

さすがに、米国もなんのきっかけもないのに先制核攻撃はしないだろう。それをやれば未来永劫、世界史上の汚点になりかねない。だが、北朝鮮からの先制核攻撃への反撃としての核攻撃なら十分考えられる。米国の戦史でも、相手の攻撃を待ってからの100倍返しの事例がある。(我が国も当事者だった…)

ゆえに、次に発射されるICBMはただちに、米国の個別的自衛権が発動される理由になり得る。(と、私は考える)

7月28日と同様に、日本海に着弾するロフテッド軌道で再び発射した場合でも、これまで通り見逃すかどうかはもはやわからない。米軍三沢基地(青森県三沢市)への核攻撃の可能性ありと判断し、これに迎撃ミサイルを発射。そして、間髪を入れずに北朝鮮への報復的核攻撃を実施。というシナリオがありえる。

国連安保理へは、「ICBMによる攻撃を受けたが弾頭の種類が不明なので、これを迎撃しつつ、(個別的)自衛権を発動して直ちに報復の核攻撃を行った」と報告すれば良い。発射されたICBMの軌道データくらい、日米で相談すればなんとでも発表できる。


(追記)

時事通信は次のように報じた。「包囲射撃」とは、グアム島に命中しないように発射するということだろうか。だとしても、実行すればタダでは済まない。米軍による迎撃と反撃が想定される。

【ソウル時事】(8月)9日の朝鮮中央通信によると、北朝鮮の朝鮮人民軍戦略軍報道官は8日付で声明を出し、北太平洋の米領グアム島周辺を中距離弾道ミサイル「火星12」で「包囲射撃する作戦計画」を慎重に検討していると威嚇した。


また、ロイターは次のように報じた。「世界がこれまで目にしたことのないような炎と怒り」とは、核兵器を匂わせているように見える。

トランプ米大統領は8日、北朝鮮が米国をこれ以上脅かせば「世界がこれまで目にしたことのないような炎と怒りに直面することになる」とし、同国をけん制した。

トランプ氏、北朝鮮をけん制 「米脅かせば炎と怒りに直面」
https://reut.rs/2wrdY3o



《報復的核攻撃の概要》

北朝鮮は、陸続きで国境を韓国、中国、ロシアと接している。韓国は一応味方であり、中露は敵対する場面もあるが核保有国なので、いずれの国境付近も核攻撃できない。特に中露国境付近を核攻撃したら、地球滅亡規模の全面核戦争になりかねない。

ゆえに、核攻撃の対象は北朝鮮の中央付近を半島横断するエリアに限定される。



ただ、北側の中国との国境沿いにも弾道ミサイル関連施設、そして南側の韓国との国境沿いには長距離砲やロケット砲が乱立しているので、これらへの攻撃も必要になる。このエリアへの攻撃は通常兵器による攻撃にならざるをえない。

つまり、第1弾として北朝鮮中央部を半島横断するように米国からのICBMまたは戦略原潜からのSLBMで核攻撃。このエリアの半島の幅は約200km程度なので、十数発も撃てばこのエリア全域をカバーできる。

北朝鮮側のミサイル警戒能力はゼロに等しいだろうから、着弾するまで察知されることはない。そして、気づいた時には北朝鮮の首脳部はほぼ消滅し、指揮系統や通信機能も破壊される。これにより、日米韓が北朝鮮から報復攻撃を受けるリスクを著しく減らすことができる。通常兵器での攻撃であれば、指揮系統や通信機能を破壊しきれないことによる報復攻撃のリスクが高まってしまう。

ただ、核攻撃エリア外(北朝鮮の北側と南側)に生き残った北朝鮮軍が、中央からの指揮を失っても独自判断で報復の弾道ミサイル等を撃つ可能性は排除できないので、続いてこのエリアへの通常兵器での攻撃が必須になる。これが第2弾の攻撃であり、イラク戦争などと同様に巡航ミサイルや空母艦載機での攻撃になるだろう。



《地上軍の侵攻》

イラク戦争などの例でいえば、空爆の次は地上軍による侵攻だが、近年の米国は地上戦による戦死者の発生を忌避する傾向にある。実は、この点で核攻撃が効果を発揮する。

即ち、核攻撃エリアは破壊力が桁違いであることの他に、放射能汚染されているので、米韓軍の北上も、中国やロシア軍の南下も限定的となり、米中露での地上戦が発生しづらくなる。



これは私がいつも繰り返していることだが、中国もロシアも西側諸国と直接国境を接することを忌避する。ロシアは特にその傾向が強い。ウクライナ政変に続くクリミア事変もその力学に従って発生した。

つまり、米国が北朝鮮を軍事攻撃した際に、戦後処理として北朝鮮全土が米軍に制圧されることを、中国もロシアも傍観することは絶対にないということである。

そして、しばらく前から中国もロシアも北朝鮮との国境に近い位置に軍を集め、有事に備えているとの報道もある。開戦すればただちに侵攻して、それぞれに緩衝国となる傀儡国家を作ることを狙っているとしても不思議ではない。

従って、通常兵器での攻撃では、地上軍による侵攻に自由度があるので、北朝鮮領内にて、米韓軍・中国軍・ロシア軍の地上戦に発展しかねない。

逆に核攻撃であれば、放射能汚染エリアへの侵入が容易でないことから、北上する米韓軍と、南下する中国軍・ロシア軍の衝突は回避できるのである。



《新たな国境》

核攻撃エリアの放射能汚染が収まるまでの間に、米中露による新たな国境線の策定交渉が進むだろう。



それは、けしからぬ北朝鮮を成敗して滅亡させる代わりに、その領土を米中露で3分割するに等しい。図はその一例である。

韓国(米国)は38度線の国境を北側にずらす形で領土を広げ、中国とロシアもそれぞれ南下して小さな傀儡国家を成立させる。そして、おそらく中国もロシアも日本海に面する港湾の権益を確保するだろう。

韓国の文在寅政権は親北あるいは従北と言われるが、その北朝鮮が滅亡しては精神的支柱が消える。その時に中国もロシアも頼るに値しないと思えば、観念して日米側を頼るしかなくなるだろう。(それはそれで迷惑な気もするが…)



《日本の懸念》

北朝鮮中央部への核攻撃は、北朝鮮首脳部の消滅と指揮命令系統の壊滅的破壊が期待できることから、通常兵器による軍事攻撃に比べれば、日本列島への弾道ミサイル被弾の極小化を期待できるメリットがある。ロフテッド軌道ではない少数の弾道ミサイルなら迎撃の成功率も高いはず。

しかし、偏西風による東北地方などへの放射能汚染の影響、および、やはり拉致被害者の安否へのリスクが避けられない。




以上。





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