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無念だ、命をかける思い、湧き上がれ。

平成28年9月18日(日)

 平成十四年九月十七日、小泉総理が平壌に行き、金正日主席と会談し、
 日朝首脳が平壌で共同宣言を出した。
 その日から十四年を経た昨日九月十七日、
 東京で北朝鮮に拉致された被害者救出国民集会が行われた。
 この集会で強く印象に残ったことを記して報告に代えたい。

(1)挨拶に立った安倍総理を初めとする政府側は、
 未だ、十四年前の小泉総理と金正日主席の「平壌共同宣言」と
 この共同宣言の精神に基づいて発せられた二年前の「ストックフォルム合意」
 によって拉致被害者救出を実現すると挨拶している。
 これは驚くべき盲目的な「錯誤の維持」である。
 
 初めにボタンを掛け違えれば、その間違いは最後まで続く。
「平壌共同宣言」は、その掛け間違えた初めのボタンであり、
 戦後外務省による「友好外交」の敗北と破綻を示す象徴的な宣言である。
 
 十四年前の日朝首脳会談の目的、即ち、日朝平壌宣言の目的は、
 日朝国交回復であり拉致被害者救出ではない。
 それ故、宣言の冒頭で我が国が約束したのは、
 北朝鮮に対する巨額の資金援助と請求権の放棄である。 
 これに対する北朝鮮の約束は、
 核開発の凍結とミサイル発射の延期だ。
 しかし、明らかなように、北朝鮮は、この約束を全て破って裏切り、
 この九月九日にも、核実験を行うとともに、
 我が国排他的経済水域内にミサイル三発を撃ち込んでいる。
 にもかかわらず、日本の総理大臣は、
 この平壌共同宣言の約束破りの核実験とミサイル発射から八日後に、
 あたかも、核実験とミサイル発射がなかったかのように、
 相手が約束を破っているこの平壌共同宣言に基づいて、
 拉致被害者救出を目指すと挨拶しているのである。
 この状況で、我が国だけが共同宣言を維持するということは、
 我が国は、
 核弾頭ミサイル開発に励む北朝鮮独裁体制に巨額の金を渡すということだ。 
 これ、世界最大規模のテロ支援である。
 これ、我が国を破滅させかねない深刻な錯誤!
 驚くべきことではないか。

(2)めぐみさんの母、横田早紀江さんの訴え。
 めぐみは、歌が好きでいろんな歌を知っていて、
 友だちとよく歌っていた。
 そのめぐみに北朝鮮で会っていた金賢姫(キムヨンヒ)さんが、教えてくれた。
 
 「ある日、
 めぐみさんと昔住んでいた招待所(拉致被害者を収容する施設)を訪れた。
 その時、いろいろなことが思い出されたのか、
 しんみりした雰囲気になった。
 それで、その雰囲気をかえるために歌を歌うことになった。
 すると、めぐみさんは、
 『君が代』を歌った。」
 
 めぐみはいろんな歌を知っていたのです。
 そのめぐみが、いろんな歌のなかから「君が代」を選んで
 北朝鮮の招待所で「君が代」を歌ったのです。
 そのときめぐみは、
 私は日本人だ、私は日本人だ、
 私の国は日本だと、
 心に念じて歌ったのだと思います。
 
 この話に聞き入る会場の人々は、
 流れそうになる涙をぬぐっていた。
 
 横田早紀江さんの「ことば」は、人の魂に入る。
 この時、会場内に、
 めぐみさんら被害者救出のために、
 命をかけてもいいと思い決した人々がいたと思う。
 こういう母の話を聞けば、命をかけるのが日本人ではないか。
 
 十四年前の九月十七日の午後六時頃に記者会見で発せられた
 早紀江さんの言葉を思い出した。
 その記者会見の三十分ほど前、
 我が国の官房長官と外務副大臣は、
 平壌で午前十時に北朝鮮から通告された
 めぐみさんを含む拉致被害者八名死亡という情報を、
 そのまま早紀江さんに
 「あなたの娘さんは既に死亡されています」
 と通告して、
 めぐみさんの死亡を信じさせようとした(実は、それはウソだった!)。
 それから、三十分後の記者会見で、
 泣き崩れて声が出なくなった夫の滋さんに代わって早紀江さんは言った。
 「人はみな死にます。
 めぐみは濃厚な足跡をのこしていきました。
 みなさん、
 めぐみを愛していただいてありがとうございます。
 めぐみのことを報道してくれてありがとうございます。
 めぐみが生きていることを信じて・・・」
 
 この時、拉致問題は、全国民の問題となった。
 日本人の魂の問題となった。
 政府のよく使う「オールジャパンで取り組む」という言葉が如何に浅薄か。
 拉致被害者救出の国民運動を推進しているのは、
 政府ではない。
 母の言葉である。



西村眞悟の時事通信より。




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