真理の探求  ― 究極の真理を目指すあなたへ by ぜんぜんおきなわ

本が出ます。
タイトル:「神の子への手紙」
2017年8月1日 刊行

第五回 フィロソフィー(その三)

2017-05-19 13:30:32 | 哲学
言葉のイメージが、「生理」と呼ばれる強い感覚に食い込んで来て、一体化するという話です。

例えばユダヤ人という言葉があります。私はこれまでの人生で、何度かこう質問されたことがあります。

「なんでヨーロッパで、あんなにユダヤ人は差別されたんだろう?」

これについての答えを探ると無限探求の穴に入り込みそうなので、ここでは横に置いておきますが、事実として、戦前のヨーロッパでは、ユダヤ人という言葉は、それこそ生理的な嫌悪感を、多くの人々に起こさせる言葉でした。

ナチスは人々のそうした「生理的感覚」を利用しました。

ナチスのプロパガンダによってヨーロッパ人がユダヤ人嫌いになったというよりも、ナチスが登場する前からヨーロッパではそうだったのです。ナチスはもともとあった無数の火種を、さらに燃え上がらせたに過ぎません。

逆に、「ナチス」という言葉は、当時の世界では一部を除き、それほど嫌悪感を抱かせる言葉ではありませんでした。

ヨーロッパから遠く離れたアメリカにも、ナチスに傾倒する団体があり、共鳴する人々もいました。

当時のアメリカを代表する企業のフォード社、その社長のヘンリー・フォードは、ナチスに多額の献金をしており、ナチスから勲章を授与されています。

ヘンリー・フォードはアメリカ産業界のビッグネームであり、同時に反ユダヤ思想の代表的な論客でした。その著書はアメリカのみならず、ヨーロッパでも有名になり、1930年代、獄中にいた若きヒトラーも多大な影響を受けたほどです。

ヒトラーと言うと、反ユダヤ思想の親玉みたいなイメージが現在では流通しておりますが、当時はフォードの方が嫌ユダヤ業界では遥かに有名人だったのです。

アメリカ人のフォードも含め、多くの欧米人がユダヤ人に対する生理的な嫌悪感を持っており、ヒトラーも最初はそうした巨大なヘイト運動の一人にしか過ぎませんでした。

この事実は、今ではほとんど忘れられています。
フォードがアメリカの自動車会社だということは誰でも知っているでしょうが、どういう創業者の下でつくられた会社なのか、ほとんどの人は知りません。

(フォードの車に乗っちゃいけないという話ではありません。)

そして、戦後では180度変わって、「ナチス」という言葉は、聞いた瞬間に生理的嫌悪感を抱かせる言葉となりました。ヒーローは一転して悪の権化です。

このように、生理的というと、論理を超越した絶対的なリアリティだと思われていますが、現実には諸行無常の極めて儚いリアルでしかありません。

普遍的な真理と比べれば、浮かんでは消える泡(あぶく)のようなものです。

しかし、この泡をリアルと感じるその力は強大です。

現在の世界では、「イスラム」という言葉が、人々に嫌悪感を抱かせる言葉として、その幅と深さを増しているようです。

言葉の力は強大で、その力は単なる字面を越えて、我々の生理的感覚にまで発展して行きます。その奥深く強烈な力は、我々を戦争にまで導いても、何ら不思議ではありません。

具体例の説明が長くなりましたが、次回は本題に戻ります。

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