真理の探求  ― 究極の真理を目指すあなたへ by ぜんぜんおきなわ

本が出ます。
タイトル:「神の子への手紙」
2017年8月1日 刊行

第三十五回 誰が悟るのか(その四)

2017-06-18 13:19:32 | 悟り
前回、「悟り」という言葉を巡る毀誉褒貶(きよほうへん)、および不動の言葉そのものについて見てきました。

例として精神世界のビッグネームによる講演の場面でも、この構造は不変だと観察できると言いましたが、この構造についてもうちょっと詳しく見てみましょう。

講演会において、まず男性の先生が「私は悟ってるんですよ。」と言います。その後、すぐに、横にいる奥様が、「この人は悟ってませんから。」と聴衆に言います。それを聞いた瞬間、聴衆がわっと笑います。

つまり、見事なご夫婦の連携で、「悟ってるんですよ」という肯定に、「この人は悟ってませんから」という否定を付け足して、話を成り立たせているわけです。

もしこれを一人の講演でやるとしたなら、第三十三回のブログでも言いましたように、こう言うしかないでしょう。

「私は悟ってるんですよ。とは言っても、私が悟ったわけではありませんが。」

なぜこのように肯定と否定がセットになってあらわれざるを得ないか。それは、「悟る」というのは「私」において起こることでありながら、「私」という主体が行えるものではないからです。

これと似ている例で、我々が毎日体験しているものとしては、「眠り」という神秘体験がそうでしょう。

眠りというのは、私に訪れるものであって、「私」が自分の意思で行えるものではありません。机上のコップを持ち上げるように、「私」が主体的に自分の意思でできるものではないわけです。

できるとしたら、「眠り」というものが私という場に訪れやすいように、リラックスできる空間で横たわるとか、ベッドや枕を体にあったものにするとか、そういう外的な努力です。

「悟り」のために瞑想をしたり、坐禅の修行をするというのも、「悟り」がその修行者に訪れやすくするための努力です。

つまり、気持ちを落ち着けて、ベッドに静かに横たわるのは、眠りが訪れて、眠りが眠ることを邪魔しないようにしているわけです。これと同じように、気持ちを落ち着けて静かに瞑想をするというのは、悟りが訪れて、悟りが悟ることを阻害しないようにしているのです。

魚釣りの極意もそうですが、釣り人が釣り糸を川に落としても、釣り人が魚を獲ることにその念を強くしている間は、魚も寄って来ません。釣り人が無心になった時、はじめて魚は針のエサに食いつくのです。

結局、本人の努力と根性で可能なことは、悟りが悟るための「場」を作る段階のみです。だから、「私」が悟るのではありません。

以前、インターネットで検索していたとき、悟りについての例え話で、こういうものを見たことがあります。

蝶をいくら追いかけてもつかまえることはできない。追いかけて、追いかけて、追いかけまくって、疲労困憊で大地に「大の字」で倒れた時、蝶はその開かれた手のひらの上に、そっと降りる。

これはうまい例え話だと思い、今でも私は覚えております。

その人が追いかける「主体」であることをやめ、蝶が降りるにふさわしい「場」になった時、あれほど追いかけても手に入らなった蝶が、向こうから手のひら降ってくる。

普通、「場」と言うと、我々は自分が立っている足元の地面などをイメージします。

しかし、蝶が手のひらの上にとまって気づくことは、私の方が「場」なのであって、地面の方はその私という「場」にとまっている「もの」なのだということです。

私が地面の上に立っているのではありません。地面が私という場において「居る」のです。

それゆえ、色即是空で言えば、地面の方が「色」であって、私という場の方が「空」です。

通常の常識的な感覚では、どうしても地面の方が「場」であって、「私」の方がそれに乗っかっている「もの」という感覚になります。我々はこれにすっかり慣らされてしまっているのだと言えます。

ゆえに、「悟り」とはこうした主体と客体との根本的な逆転だと言えるでしょう。
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