キサラギ・ジュンの税務小説 『日本人のパナマ文書リスト公開ー住所別』『NORADテープー撃墜した戦闘機』

『イミテーション・ゴールド』『微風のマニラから』『天皇財産と課税』『ナピサン』『大統領になれなかった男』

若王子事件 微風のマニラから(21) キサラギ最終版

2016-10-12 12:37:31 | 微風のマニラから

挿絵 500*333

□若王子事件
ツチヤは日本人が懐かしいのか、こんな話もした。
「某大型商社のマニラ支店長若王子氏がマニラ郊外のカンルーバンで誘拐されたんだな。そう、86年(昭和61年)11月15日の白昼、彼はゴルフ帰りだった。マカティ(マニラ一の高級事務所街)にあったその商社に日本政府特使(石原慎太郎議員)がきたときには、彼らは現ナマを持ち合わせていなかった。
この誘拐の首謀者はミンダナオを根城とするモロ民族開放戦線の一味の仕業だといわれる。なんか日本赤軍〈泉水博)の関与もあったと噂が立った。
日本人が日本人を誘拐するようゲリラに頼んだんじゃないかとかね。
身代金誘拐なら開放の代償がいるわけだが、日本政府は払う気はないよな。当然某商社の本部が払うことになる。
そのため、商社の社長(八尋氏)も現地にやってきた。
その商社の系列銀行がマニラにあった。
しかし、おおっぴらにその銀行から降ろして払えば表勘定から出したことになるからマスコミが気がつく。
それに後で国税の調査があったら、その使途を明らかにしなけりゃ経費に落とすこともできない。使途不明金というやつさ。
その社長は俺のマニラ駐在事務所のメトロバンクの預金から立替払いしてくれといってきたのサ。
オレのところもドル資金はあるにはあるが、おれは貸してやればいいじゃないかと思ったが、
そのときも本社の中村秘書室長(カミソリ・ナカムラ)から電話があり、「例の資金(身代金)は香港支店(の四葉DNA)から送金するから受け取って社長と一緒に、シン枢機卿に渡してくれ」っていうことだった。
このカネは日本の政権や官邸、大蔵省ではトップシークレットだった。誰に対してか?国税とマスコミに対してである。
国税の調査で当然、身代金の捻出について、その商社がどこから出したか聞かれるし、もしどの科目から支出したのか、身代金を渡した相手がわからなければ使途不明支出金で課税されちまう。せっかく支店長が助かったのに商社の費用に落ちないのであれば商社は助け船(カネ)を出したくない。身代金を政府の官房機密費か、外務省特別勘定から支払ってくれと商社が政府に要求してもすげなく断られている。時の官房長はG氏だった。「彼が四葉の例の勘定から支払えといったらしいんだ。そのカネはもともとフィリピンに隠匿されていた金塊やダイヤモンドだ。それが俺んとこの香港支店に信託されていたものだからフィリピンのゲリラに払っても損はない」ということだったらしい。
「そのため政府の要人が来ているんだろう?」とニガワラ。「わからん、日本の都知事に聴いてくれ」とツチヤ。
「一人の命は全地球よりも重い」なんてフクダ首相みたいなことをいってた時期だから政府が出すことになったらしいが、そのことはゲリラ側が先刻承知のことで、知らなかったのは日本のマスコミと国税当局だったのだ。
ともかくそれから、フィリピン中の日本人が狙われるようになった。
「田辺さんよ、フィリピ-ナの魅力とキミの命の代償、身代金とどちらを選ぶ?そうなったら?」とツチヤ。
「政府が払ってくれるなら、フィリピーナを選ぶし、政府が自業自得だ、払わないというなら親父に頭下げなきゃならないからフィリピーナはよしとくよ」と田辺(埼玉東上線の某駅前の億万長者の息子)が久しぶりに良いことを言った。
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