キサラギ・ジュンの税務小説

『黄金武将』翻訳『天皇財産と課税』『SCOOPED』ニュージーランド活劇『大統領になれなかった男』『NORADテープ』

イミテーション・ゴールド キサラギジュン フクミツ説

2017-07-08 16:13:01 | イミテーション・ゴールド

 
 
 
 
 《近所のスナックのママから借りている黄金のライター》・・・純金のライーターには、「三二五八八八」、「CREDIT SUISSEの花模様の絵柄」、「一〇 OZ」、「ORIGINAL FACY GOODS」、「九九九.九」、「FINE GOLD」が刻印されている。それもフィリピン旅行の最中、置き引きにあってワシの手元にはもうない。ママになんて言い訳をしようか、今迷っている。もちろんニセモノだろうな、きっと。

□フクミツ説
『将軍 山下奉文―モンテンルパの戦犯釈放と幻の財宝』福光実氏によると、 
『日系米国人のフクミツ・ミノルが一九五三年一二月に行った「ヤマシタ・トレジャー」の発掘チームは埋蔵明細図から山下兵団の逃走ルーツを追って調査したが、既に発掘された穴が無数に残されているだけで、中身は掘りとれらていた。フィリピン人の従軍者も多数いたわけで、多くは殺されたが、残っている者はお宝を探したに違いない。
  確実度の高いモンタルバン東方、ワワ部落の鍾乳洞は終戦後、まもなくアメリカ軍が発掘した。バギオは日本司令部があったセネラル・ホスピタルや経理部のあったマドリガル財閥の邸宅跡が掘削され、確かに金の延べ棒や金塊が出たようである。また、当時ペソ銀貨も沢山あったが、バキオ北方十二キロの地点で多数発見されている。
   フクミツ氏の調査団はバギオからバヨンボン、バカバック、キヤンガン、大和基地に至るルートを詳細に追ったがお宝は出てこなかった。
 実は、フクミツ氏が山師でもないのにこんなに追いかけたのは理由がある。日本人死刑囚(レッド・クローズ)五三人と終身刑囚(ブルー・クローズ)五五人を助けるためだった。エルピデオ・キリノ大統領とデューキ参謀総長から日本兵を釈放してもらう条件にフィリピンの埋蔵金を探して、政府に納めるのを条件としていたからだ。もっともキリノ大統領は直接にこのことを知らなかったようである。この釈放交渉に行ったマラカニヤンに行ったフクミツ氏が、いかに、戦犯の裁判が誤謬に基づいているか熱弁した後に大統領が吐露されたことばはとてもお宝のあるなしで釈放を左右するようなものではなかったからである。
フクミツ「戦犯収容所の一人ひとりに、それぞれの親があり、妻があり、子供があり、兄弟があり、恋人を残している者もいましょう。もう八年以上、いえ戦争に駆り出されて一〇年以上、彼らは日本の土を踏んでいないのです。戦争は彼ら一人一人の責任でしょうか。祖国のためと信じて戦ったのです。彼らを故郷に帰してあげて下さい。そうしてやりたいお気持ちは、同じ人間として、大統領閣下のお心の中にもあると、私は信じます」
 キリノ大統領の大きな柔和な目が鋭い光に変わった。「君の崇高なお説を前にして、こんなことをぃうのは気がひけるが、私は、日本軍によって・・最愛の妻を殺されている。子供を、三人、親戚を九人までも、あの憎むべき戦争で失っておる」。
―キリノ夫人は一九四五年二月一九日、壊滅寸前の日本軍によって殺されている。三人の子息と九人の親戚も戦争で失ったのは事実である。それを乗り越えて大統領はレッド・クローズを無期に減刑して巣鴨プリズンに移送、その年の一二月二四日には釈放した。ブルー・クローズは、デューク参謀総長がただちに無罪放免した。デューク参謀総長がお宝探しをフクミツ氏に課したようだが、それもフィリピン国民感情に配慮した結果であり、お宝を回収できるとは考えていなかったそうだ。

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