キサラギ・ジュンの税務小説 『日本人のパナマ文書リスト公開ー住所別』『NORADテープー撃墜した戦闘機』

『イミテーション・ゴールド』『微風のマニラから』『天皇財産と課税』『ナピサン』『大統領になれなかった男』

ワインボックス殺人事件 夢見る警察  キサラギv.2016/9

2016-10-12 11:19:59 | ワインボックス殺人事件
  1. □夢見る警察

    http://junkisaragi.com

     

  2. 陰謀劇なんか小説の中での話だよ。
  3. それを信じてるやつは変質狂か左翼なんかで、
  4. 主義やゴシップにまみれている。
  5. だが、これはちょっとおかしい。
  6. 陰謀説が正統論に優るのは、陰謀劇の方が周辺事情から説き起こした事実構成の矛盾を突いていることの方が多いからだ。陰謀は通常の社会常識ではどうにもならない、だって、常識ではそんなこと起こりっこないと見捨てられるのがほとんどなのだから。
  7. 木村国際税務研究所

    ジュンキサラギFlag CounterNAPISAN(短編プロモーションはここをクリック>→SPOOCED 8分15秒。)
    税務小説

    件 http://blog.goo.ne.jp/zeekkimura3

  8. 「あいつら、オレを待ってるからな」
  9. オレを監視している。きっと、夢想警察がオレを逮捕しに来る。
  10. -リック・ネイルセン( Rick Nielsen)『安い罠のアルバム 』
  11. チップは必要だ。特に最近はやつらは要求する、特に夜遅くなんかに。 夜中、電話があった。寝ぼけたような声で、語尾を下げた低い口調でそいつは要求した。「明日、午前9時だがね。SFOが一度キミとあいたいと言ってるんだ。アオテア(Aotea)広場だがね、そこに居てくれ」。
  12. イアンはその日の朝9時過ぎ情報を得ようとその場所へ行った。そこにいたのは温和な情報局員、SFO幹部のジブ・ビーティ(Gib Beattie)主任捜査官だった。側に連れがいた。地雷源の地雷のようなやつだ。そのほかにも連れがいてみんなFBIのような縦じまの背広を着ている。
  13. イアンはビーティ捜査官が情報部員と話をている現場を1ヶ月前にも目撃している。その中で何が話されたかも知っている。査問委員会が審議中に、ボブのSFOとの論争内容が彼らの抵抗線を引き下げるかもしれない。SFOと接触することが失敗につながるかどうかはカウントしない事にしている。
  14. イアンは見通しのいい場所に駐車して、車の後ろ席からその様子をビデオカメラでのぞいた。「どうか神様、いい写真が取れますように」イアンは何か気が狂ったみたいに運転席にドサっと倒れ込み、400ミリレンズを扱いやすい200ミリに代えている時だった。
  15. 「見ろ!」と地雷情報部員スティーブ・ドレインがビーティーの後ろで叫んだ。
  16. スティーブ・ドレインがここにに向かって走ってくる。ボブは彼とは話したくない、たとえ彼の前で正式にでも話したくないのだ。なぜなら、イアンの車はここでは駐車許可がもらえない。そこを衝かれれば留置場行きだ。
  17. あいつが「俺たち、ここじゃなくあっちの方で話そうじゃないか、片方の目でな」、そしてそうなった場合、このカメラからフィルムが抜き取られる。情報部員はSFOのジブ・ビーティーやスティーブ・ドレインたちと一緒に角を回って走ってくる。ボブの見張り場所は案の定最悪だった。イアンは引っ張り出される、そして言われる。「ここだ、ここへ来て俺達をとっ捕まえてみろ」と。ビーティーとドレインはイアンの車までほんの半歩前まで近づいたが通行していた車の流れでさえぎられた。イアンの顔は見られなかったようだ。が、彼らの内どっちかが車の中のイアンのひざの上にカメラがあるのを発見した。ドレインは滑らかに動き、いつもそうしてるんだろうか、車の後部ドアを開いた。「なんだ!ここで何をしてるんだ、くそガキ!」と叫んだ。イアンはわずかにクラッチ板を踏んだ。
  18. 5年もの間、テレビニュースの定期番組でイアンはニュース・エデターをしている・・ので熱狂的な視聴者はイアンの顔を知っている・・のでドレインもイアンがイアン・ウイシャートのことだということぐらい知っているだろう。この状況は彼に取ってもまずいハズだ、レイバンのサングラスをしているのでわからないのか、なんと血をみるような場面なんだ。
  19. ドレイン「おまえとどこかで会ったな?」続いて、「オレは知ってるぞ、さ~ここで何をしていたか言え」と云われた。
  20. 「知ったことか」ボブは撮影をあきらめ彼らにののしった。ジブ・ビィーテーはほくそ笑むか怒鳴るか迷っていた。それで彼の耳と鼻を引きつらせて洗面器に顔を突っ込むときのような表情をした。
  21. 彼の目は憎しみでギラついていた。「ウイシャートの馬鹿野郎!馬鹿やろう!今逮捕するぞ」イアンはかろうじて動ける瞬間があった。SFOの捜査官ステーブ・ドレイン、前は警察官だ。車に腕を差し入れ、カメラを奪い、中からフィルムを抜き取る。イアンは彼がオリンパスカメラのひき手を引っ張る前にぐいっと自分の方に引き寄せた。
  22. 「離れろ、兄弟」と叫んだ。イアンは前に学んだ通り、彼らに警告した。「あんたたちはそんな権利行使はできないはずだ、オレの車に手を突っ込んでカメラを奪うなんて、越権行為だ」。
  23. ドレインは車から手をひいた。ビーティも車から一旦離れた。彼らの薄笑いが顔の表情に残ったままだ。「わかったぞ、バカやろう。お前をつかまえてやる」と相手もののしってきた。
  24. ***
  25. これがニュージーランドの路上風景なんだ。街路戦争とでもいうかな、一般市民は誰も知らないだろうな、冷戦のスパイ物の小説と同じさ。汚い罠と不法なキャンペーン、国際的な悪巧み、誘拐、死の脅迫、殴打、こそ泥、住居侵入。
  26. 最近の数週間、イアンは2つのグループがイアンのこの本のドラフトの元となる取材先に行っているのを知っている。ひとつは民間情報会社だが、もうひとつは公的な機関だ。そこではカネが動いている。「 詮索好きな調査官がやってきて、“もしもだが、キミがこの本のネタをばらすため、著作権を俺達に売ることも可能だゼ”という奴らを追い返したと思ったら別の奴らがやって来て、今度はより直接的に“50万ドルで黙るか?”なんて言うんだ」とイアンのガードマンをやる男が話してくれた。
  27. 「少しは魅力的だな、その取引は」イアンはガードマンの話しにため息をついた。「でもこれから自分の力でだけ良く寝るなんてできない相談だな、畜生!なんてこった。このネタはもうバレてるし、出版するしかないし、地獄だな」。
  28. この数ヶ月、ピータース議員の周りに集まっていたメデア群団はだんだん少なくなっていった。 彼が国会でのろしを上げ続けているが、それは文字通り煙の束で、火は起きそうには見えなかった。
  29. ピータース議員のBNZに関する情報はガサネタだと思っている人たちも多くいた。フェイリッチの取り巻きや取引先の人たちである。ピータースは情報源を明らかにしないし、誰も知らなかった。そのうちの一人は1992年9月5日に死んだ。彼が意見を述べる番組(著名な政治家と共同している)は、彼が死ぬ前にヘッドラインニュースを流している。
  30. 1992年6月のある日、中古コンピュータ販売業者のポール・ホワイト(26歳)に電話がかかってきた。電話の主はデイビッド・パルマー( David Palmer)で、彼は余剰品販売業者として、シティバンク(オークランド)から使用済みの家具を買ったばかりだった。その中に、コンピュータ類も含まれており、パルマーはホワイトが中古コンピュータを扱っていることを知っていたので彼に電話したのだ。
  31. コンピュータにはフロッピィディスクの詰まったプラスチックの小箱も含まれていた。ホワイトはそれを550ドルで買った。当然、フロッピィに何が入っているか調べた。磁気データで90枚のコンパクトディスクだった。パスワード付だったが、それを破った。シティバンクは捨てるとき、情報を消去していなかった。
  32. 「守秘義務の基本的な操作である消去をしていない?」、「しかもそれを中古屋へ売却する?」ホワイトはその情報を取り出すのに数日を要している。ホワイトはある友達から「その情報をある政治家に知らせれば、相当なビジネスになる」と言われた。
  33. データを読んでいくとわずかだが、相当、微妙なクライアントのものもあった。シティバンクにとって、守秘義務の上で痛手になるものも含まれていた。
  34. 裁判所の記録によると、ホワイトはシティバンクにその情報を返す場合、何がしかの報酬を得たいと考えた。それで、7月2日に弁護士をやとった。弁護士はマーク・ブロムキャンプ(Mark Blomkamp )と云った。弁護士を雇った日(7月2日)よりも早い或る日、ホワイトはシドニィーのグロース・コンピュータ社の同僚のところに電話をかけた。シティバンクのFD(フロッピィ・ディスク)とその中の情報のことを喋った。その同僚は、大方、情報の内容を理解し、「それと同じような情報漏洩がオーストラリアでも問題とされている」と言ってきた。彼はとてもその情報に興味を示し、すぐ回答して来たんだ。「よし、それはいいぞ、すぐその銀行とコンタクトを取るべきだ、ポール」、「だが、直接キミが銀行と連絡を取るのはまずい、銀行側はタフだから、オレが前面に立つヨ、弁護士経由でな」。
  35. 同僚は既にオーストラリアで、その種の事件に関する訴訟を知っている口ぶりだった。
  36. マーク・ブロムキャンプ弁護士がこの案件を引き受けた。彼は南アフリカ出身でニュージーランドで育った。ブロムキャンプの古い友人は、「マーク(ブロムキャンプ)は学生時代からタフで尊大なヤツだったよ、法律の冷酷なところをうまく利用するような人物さ」と云った。
  37. 7月7日(火)午前、ブロムキャンプはシティ・バンクの重役マイク・ファーランドに電話をした。後にファーランドは法廷で何が起っていたか証言した。「ブロムキャンプ弁護士は私に対し、依頼人の名前は明かせないが、依頼人が最近、貴社の廃棄したコンピュータを買ったと電話で話しました。私はそのコンピュータ類がオフィス・クリアランス社(デビット・パルマー)に売却されたことを知っています」と。
  38. マイク・ファーランド「ブログキャンプ弁護士は、その情報とコンピュータをいつ当方へ持ち込むか聞いてきました。“重要な情報だろう?”と云って来ました。最初はブロムキャンプ氏は善意でそれらを返すのかと思っていたのですが、やはり違っていました。彼のクライアントが返す前に“正統な報酬がほしい”と言っているというのです。ブログキャンプ自身が脅迫しているのではなく、そのクライアントが要求していると・・・」。
  39. マ「ブロムキャンプ弁護士は、そのクライアントがもし私共が正統な報酬を出さないならば、その情報をヘラルド紙、ナショナル・ビジネス・レビュー誌、その他の“その手”の雑誌に流すと言っていると言うのです」。
  40. 「シティバンクはもちろん、世界共通のルールとして、電磁気情報を破棄するときはデータを消去するか、FDを叩き壊すわけですが、売却するということは決して無いわけです」。
  41. タフなマイク・ファーランドはそのとき、そんな銀行秘密が洩れているハズがないと思い、「サンプルFDを出してもらいたい」とブロムキャンプ弁護士に言った。すぐにサンプルFDが提出され、それがシティバンクのルール違反のホンモノだったので、シブシブ、7月9日に会うことにしたのだという。
  42. シティバンク重役と顧問弁護士のそっけない返事、「ブロムキャンプはカネを騙し取ろうとしている」、「彼のクライアントが情報の返却代金として5万ドルも要求していると言ってるだけだ」、 「彼は、オーストラリアの裁判所でコンピュータ・データの回収に関し、ブランベル社(the Brambles company)が6万2千ドルを支払ったことがあると言っている」など。
  43. シティバンクはコレは大きな問題になると確信した。もし回収に失敗すれば、明らかにそれは「情報屋ジャーナリスト」の手に渡るだろう。銀行は脅迫状がまだ届く範囲にいるわけだ。ファーランドは時間稼ぎに出た。「アメリカの本店から5万ドルを払って良いか返事が届くまで7日程度かかる」と言ったのだ。ブロムキャンプは一週間待つことにした。その間クライアント氏(ホワイト)がその情報を拡散しないことも約束した。そしてクライアントの素性は決して明かしていない。
  44. ブロムキャンプが帰るやいなや、銀行内は蜂の巣をつっついたようになった。オフィス・クリアランス社のデビッド・パルマーに電話をかけ、ポール・ホワイトがコンピュータ情報の持ち主だと知った。7月10日にはホワイトの「情報漏洩の差し止めの訴え」を裁判所に申し出た。ブロムキャンプとホワイトがその盗品を持っている。それを返せということだ。
  45. その差し止めの請求の証拠として、ブロムキャンプ弁護士が銀行に提示した「とても取り扱いを慎重にすべき情報」とか、「この情報が洩れれば、あなたの銀行のクライアント(顧客)に対するは関係はとても困った状態に追い込まれる」と言う発言を録音したテープを提出したのだ。
  46. ここで重要なのはシティバンクは、クライアン(顧客)との秘密を守る意味でブロムキャンプたちと対峙しているということだ。銀行の顧客と言うものは送金内容や受金内容は外部に洩れることを極端に嫌う傾向がある。
  47. 「シティバンクともあろう唯一の銀行が“合法的でない”送金内容を外に漏らした?」。
  48. シティバンク側は即時の盗品返還は間に合わなかったが、情報拡散差し止め禁止の命令は受けた。 《ブロムキャンプ弁護士》
  49. トンプキンス判事(Justice Tompkins)はホワイト及び彼の弁護士、彼の取り巻き連中が持っている「10の書類ファイル」の情報を他に流すことを禁じた。(なぜ「10の書類ファイル」だとわかったのだろう?)
  50. 法的にどんな罪状を彼らにたたき付けられるか警察のアドバイスをもらうために、シティバンクは攻勢に出た。シティバンクからオークランド警察へ出された告発の調べによると7月16日、ホワイトたちは「窃盗」、「古物売買違反」、「名誉毀損」、「脅迫行為」、「金品強要」をした疑いが濃い。
  51. 告発した人たちは、シティバンク顧問弁護士セーラ・マカビィー(Sheila McCabe)やSFOの次長デニス・ペイン(Denis Pain・前オークランド地方裁判所判事)らと協議している。マカビィー女史のコメントでは、彼女はペイン次長に「どの政党がその事件に関与しているか」は話していないと言う。(既に政党間の問題と認識していた。)ただ、「シナリオ」を説明しただけだという。
  52. マカビィー女史のシティバンクへの報告の中で、「彼らは引き続いて行われるべき告発の手順として、”シティバンクがSFOに法的手続きで告発し、事件として捜査に乗り出してもらえるかどうかアドバイスを求めた”という。だが、SFO次長は“それは望み薄だ。その種の事件は警察の管轄だ”と言った」そうである。(にもかかわらず会議にSFOは非公式に出席していたわけだ。)
  53.  真実は違う。シティバンクは初めからSFOを事件に巻き込んでいたが、表面上は警察に告発しているように見せていたのだ。SFO捜査主任マーク・チャーチェス(Fraud Squad Detective Sergeant Mark Churches)は後日、SFO幹部たちに報告している。「ペインSFO次長は犯罪を示すいくつもの証拠があるので警察は逮捕状を取れるだろう、これは警察マターだとアドバイスしていた」と。
  54. 警察はアクションを起こした。ホワイトとシィティバンクはFD情報返還の法廷闘争に入っていて、その結論はしばらく出ない。民事事件としてのその結論を待っているわけにはいかないと判断したのだ。
  55. マーク・チャーチェス「宣誓書や往復書簡などがシティバンクから出された。私も”意見”を述べている」。「意見」とは犯罪であるとする告発側の意見で、警察が捜査に乗り出すべきだという意見だ。(余計なおせっかいだとも思えるが、)
  56. 警察の法務課は後になって「ホワイトもブロムキャンプも何も犯罪を犯していないので、それに関する告発手続きも彼らを捜査することもストップすべきだ」という見解を出した。だが、その時点までにホワイトの名前は公になってしまう。ポール・ホワイトは殺されるかもしれない。それが法務部から勢い良く世に知らされた理由だ。オークランド警察の刑事部はその間に逮捕状を取るための準備を始めていた。
  57. ホワイトの方はそんなに簡単な仕事とは思っていなかった。新聞、メデア、出版界では差止請求事件以来、ホワイトが何か悪者であるような扱いをしていた。議会では中道派ピータース議員がニュージーランドの政界・ビジネス界の癒着を告発するキャンペーン展開の期間中に起っているせいもある。
  58. 90のディスクを丹念に読み直し、他にも計表を作っったが誰か助っ人が必要だとホワイトは思ったようだ。
  59. クリス・コットン、彼もコンピュータビジネスで少しは財産を築いた小金持ちでおとなしい男だが、彼は下町でドクター・フロッピィという店を持って生計を立てていた。ホワイトはコットンにFD情報の分析を頼んだのだ。(分析は主に送金先の国、受取名義人の素性の解明だったと思われる。)
  60. ホワイトが死んでから、TVNZ(テレビニュージーランド)のインタビューに出たクリス・コットンは「例の5万ドルの送金は国会のメンバーである、ある人の多国籍企業から支払われていた」と話している。(これは重大な話でそのせいで、彼は殺された。)「カネはバハマに送られていた、目に見えない秘密組織(Discoveries)はこれをホワイトを脅かす材料としていた」と。「ポールはおそらく、これがワイロだと分かっていた」と。クリス・コットンはTVNZのイアンに、ディスクの中でたびたび出てくるある組織 に送金している日時を明らかにしている。
  61. コットンはホワイトにアドバイスしている。クリス・コットンはピータース議員と連絡をとるように勧めた。ホワイトが日和見主義のビジネスマンで正義・不正義には無頓着だったからだ。
  62. 「ウィンストン・ピータース議員の名を彼に教えたのです。ピータース議員はこの種の事件を追っていましたし、国会における調査特権も持っていましたから・・・彼(ホワイト)はそれに従ったと思います」。
  63. 事実、コットンは多くの事件について、その場所がいくつも有って、多くの人からなる容疑者のことを喋った。ポピュラーな政治劇、陰謀好きな政治家、26歳で、あとで逃亡犯に加えられる若者のことなどである。どちらかというと、テレビ・コメディで『ミスター・ビーンズ』役として気が小さくて、ナイーブな気持ちの持ち主、ローウェン・アトキンソン(Rowan Atkinson)に似た男、それがクリス・コットンだった。
  64. ある夜の間に、オークランドのピータース事務所で秘書の弁護士ブライアン・ヘンリィーとの会合が持たれた。会合に出席した全員に対する監視体勢が問題となった。 《ピータース議員事務所》
  65. どんな話し合いになったのかはわからない。ウインストン・ピータースはポール・ホワイトと直接話したとは公式には認めていない。だが、情報が直接ピータース議員へ渡っていたのは間違いないだろう。国民党の年次総会会場だった、チェルシィー・パークホテルで彼らは会っていた。バーのマネージャーのバリィ・コラードが証言している。議員とホワイトが一般人が立ち入り禁止の廊下の暗がりで激しく議論しているのが目撃されている。
  66. マネージャーはホワイトのことを知らなかったが、インタビューではホワイトの特徴的な顔ですぐわかったのだ。他にも二人が酒場・バードゲージやナイトクラブ・グレープス(Grapes)で目撃されている。二人は友人のようではなかったという。
  67. 警察のファイルによると、刑事部長チャーチスは7月29日(水)4時ちょっと前に電話を受けた。相手方はシティバンクのマイク・ファーランドだった。チャーチスは電話のメモを持っていた。「彼はある国会議員が匿名の人物から情報を受け取っているという情報が入った。国会議員の名はウィンストン・ピータースで、彼はホワイトが持っている、あの情報に興味があったようだ。会合の場所はハマーヘッド・レストラン( Hammerheads)で、二人でデイナーを摂った。会ったのは月曜(7月27日)の夜らしい」とチャーチェスの日記に書かれていた。
  68. 一般大衆が二人の会っているところを目撃するなんてことは、地獄でアイスクリームを見つけることよりは簡単かもしれないが、そうあることじゃない。だが、ホワイトはず~とシティバンクの監視下にあったのだろう。2ヶ月もの間探偵を付けるなんて費用が膨大だし、そんなちっぽけなFD情報に大げさな監視体制を組むことがおかしい。時給50ドルとしても24時間体制で追跡し、2ケ月なると7万6千ドルあまりだ。ホワイトがシィティバンクから入手しようとしていた5万ドルを軽く超えてしまう。盗まれたのは製造後10年も経ったセコハンのコンピュータなのだ。これで「この情報」が単に返還されれば事が済むとか、パソコン・ギアの返還価値の問題ではないということがわかる。
  69. イヤ、もしホワイトが見張られていたとするならば、それはシティ・バンクの行員じゃないだろう。出版業者が訴えられている状況下でもホワイトの写真は世に知らされていないのだ。匿名の第三者が何でホワイトを特定できる?ウィンストン・ピータースの晩御飯に付き合った友人かも知れないじゃないか。その匿名の野郎は何でシティバンクと懇意なんだ?つまり、ポール・ホワイトはある一定の数の公的機関の人たちから組織的に監視されていたとしか言えないじゃないか。
  70. □二台のトヨタの白いライトバン
  71. ドキュメンタリィー“フェイリッチホワイト社のBNZ取引”の情報源の取材で、ホワイトの住むノースショア・アパートの隣人が証言している。「向い側の道路の片に白いライトバンが窓を開けたまま、駐車していることがよくあった」と。隣人はその車のナンバーをメモしていた。NE9118、それはトヨタの白いライトバンで、オークランドから1300キロも離れた南島のゴレ(Gore)に住む婦人の持ち物だった。アン・メイケル(Ann Meikle)婦人はマスコミから電話を受け、「今お宅の車はどこにありますか?」と聞かれ、「前庭にあるわよ、ここから見えるわ、何で?」と答えている。
  72. 「トヨタハイエース・バンタイプ、車体カラー白、窓は黒のスモークガラス、車体登録番号NE9118、それが昨日はオークランドで奇妙にも目撃されたのです」とボブは云った。
  73. 「エ~と、私のバンはハイエースで、色は白です。ですが、窓はスモークではありません。丸い尾部と網の目のシールド加工した風除けが床下に取り付けられています。ですがナンバーはNE9118です。そうです」。
  74. そんなことがあっていいのか?オレは答えを予想して質問した。「あなたの車は昨日、オークランドにいた?」と。答えは「イイエ、ず~っと私とここに居ましたよ」だった。
  75. つまり、この2台のバンはホワイトのそばとオサリバンズ(O'Sullivan's)の家にもいた・・ということは2台は別ものだったということだ。ナンバーだけが一致していたということだ。それにしてもオサリバンの車が白のハイエースだということをオークランドのニセのプレートを付けた奴がどうしてわかったのだろう?偶然の一致だとしたら、宝くじよりも確立が悪い。考えても見たまえ、日本から輸出されるトヨタのハイエースの白いライトバンでセコハンの車が南島のちっぽけな町とオークランドのノースショアにある確率だ。別々のナンバーであったとしてもだ。オークランドのナンバープレートは明らかにニセモノなのだ。もちろん大きな探偵事務所なら十分な予算を持っているのでニセのナンバープレートを工場へ注文するのはたやすいだろう。(ここで、ニュージーランドでの国家保安体制の一つに、クルマの管理のことがある。不審者が止まっていると、住人は近くの警察や新聞社へ電話してその車の持ち主を調べてもらうことができる。それが街々で徹底しており、市民はすぐその不審車両の持ち主が分かってしまう仕組みなのだ。国はそれを一つの安全保障だと考えている。)
  76. □「プ~さんと会うのはあまりいい考えじゃないな」
  77. ウインストン・ピータースはホワイトと会うと決めた直後、誰かが、コンピュータディーラーへ電話した。そしてその電話をかけた人物はホワイトに「プーさん(ピータース議員のあだな)と会うのはあまりいい考えじゃないな」といわれた。ホワイトの驚きようは尋常じゃない。だが、ピータース議員の電話も盗聴されていたということじゃないか。事態は尋常ではなかった。
  78. 7月21日(火曜日)の夜、ホワイトの事務所の一階、グラフィック・デザイナーのジエオフ・ローエの玄関ドアがノックされた。「夜の7時ごろかな、雨が降っていて、ぬれたままサングラスを掛けた短髪のいかつい野郎が玄関先に立っていた。中には入ってこなかったが、ポールに会いたいという。ポールが二回から降りてくると二人は外に出て行った。
  79. 彼らは道路を横切って向こう側へ行ったのをローエは見ている。「男は戻ってこなかったが、ポールは戻ってきた。樹の葉っぱみたいに震えていた。ポールは“奴はSISだ。例のFDを彼らに返さなければ二日以内にこの家は警察からガサがけされるぞ”と云われたと話していた」。
  80. ポールの事務所の家主、建築士のポール・ヒギンズ (Paul Higgins)はもしそんなことをされれば、家主も損害を受けるので、ホワイトに抗議した。「すぐそんなものはシティバンクに返してしまえ」と。だがホワイトはそうはしなかったので、二日後本当に、警察の刑事が二人、捜索令状を持ってポールの部屋になだれ込んできた。
  81. ヒギンズとローエは雨の夜ホワイトが会った人物を最初は疑っていたが、予告どおりのガサ入れに驚いて今度はその黒メガネがどこか権力組織の地位に付いている人間なんだろうと思ったという。
  82. SISからか?SISでないとしたら、誰が警察が二日後にガサいれするとわかる?まさか警察が事前に脅かすなんてことはしないだろう?その1週間前、ウインストン・ピータースとデイナーを共にしたハマーヘッド・レストラン(Hammerheads restaurant)でSISが見張っていたというピータース議員側の情報もあるにはあった。
  83. ドン・マクルバーSIS中将(Lieutenant General Don McIver)はホワイトの死亡後、テレビに出演して笑った。「何も確認が取れることなんてないよ、キミが云ってることは何か理解できないね、キミが話していることに何の回答もないよ、だってはじめて聞く話だよ、ハーバーブリッジ・ハイウエイで事故で人が死んだという話は思い出したがね、それを知ったのはあなたの新聞でだよ、それにしても情報当局が彼にSISだと云ったとしたらだね、そいつはSISじゃないよ」とドミニオン紙に話した。
  84. だが、SISが関与しているといううわさはそう簡単には消えなかった。ピータース議員事務所の秘書で弁護士のブライアン・ヘンリィはホワイトとだびだび話をしている。そのヘンリィ秘書が言うには、「議員事務所は特殊な組織から監視されていて盗聴装置も取り付けられているらしい」ということだ。特殊な組織が狙う情報は、破綻した投資会社、エクイティコープ社とハイレベルの層とに係る経済犯罪(SFOが捜査している。また、IRDも過去に調査している。)事件で、そのバンクステートメントのFDが議員事務所にあったのだが、何者かにそれを盗みだされた。議員事務所に強行に侵入した痕は無く、堂々と入り口から合鍵で入ったようだ。合鍵は警備会社へ預けてある。だが、そのFDが盗まれた日の翌日の朝、警備会社の金庫から紛失しているのがわかった。(プロのスパイなら、その合鍵を元へ戻しておくだろうにネ。なお、蛇足だがエクイティコープ事件が起きたときもSFOが調査したが、その時の捜査主任もチャーチェスだった。)
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