キサラギ・ジュンの税務小説 『日本人のパナマ文書リスト公開ー住所別』『NORADテープー撃墜した戦闘機』

『イミテーション・ゴールド』『微風のマニラから』『天皇財産と課税』『ナピサン』『大統領になれなかった男』

キサラギジュンの「税務小説」紹介

2016-10-12 10:40:26 | 税務小説
  1. ジュン・キサラギの税務小説Flag Counter
  2.  著者情報キサラギです。フィリピン社会事情、マネロンの実態、犯罪銀行、CIA活動、中国近代史、老人と恋愛、右翼と現代政治に興味を持っています。
  3.  フィリピン紀行文微風のマニラからは3人の初老の男たちが人生最後のマニラ暮らしを再現します。
  4.  「香港銅羅湾分行殺人事件」はある都銀の香港銅羅湾支店を活用したマネロン・キャピタルフライト・不良債権飛ばし・税金詐欺などの犯罪行為のルーツをつきとめます。
  5. ハブとマムシとカミソリは四葉銀行の税務調査・金融庁調査の実態を追います。
  6. 天使墜落ボンドはある超資産家のタックスヘイブンを利用する相続税の租税回避・脱税事件を追いかけました。
  7.  書きかけですが、ニュージーランドの光とかげNAPISAN、「も連載していきます。こうご期待。そして、俺の最後の作品は???多分、ヤマシタトレジャーを扱ったGOLD WARRIORSか新ベトナム物語なんかじゃないかな、新・天皇の金塊みたいなものは命が惜しいのでやらないよ→『イミテーション・ゴールドでやることになってしまいました。そしてアメリカ同時多発テロを題材にNORADテープも、死がないルポライター。ほんとなんだから。そのほかジャンルとして「国際税務研究ブログ
  8. あるいは「GHQの女たち」も。

    1.  2006年夏 西経159度49分、南緯21度12分、ポリネシア、クック諸島
    2.  クック諸島は15の島でなる。その首島はラロトンガ島、現地語では”ヌクテレ”と呼ばれる。浮かぶ島という意味だ。その島の町役場、すなわち首都はアバルア町という。町はずれに唯一オークランドから直行便があるラロトンガ“国際”空港がある。そこから島の周回道路を北東へ3キロ、街並みを抜けて少し行ったところにホテルがある。瀟洒なコロニー作りのホテル。北の浜辺を見渡す高台のテラス、紫外線が強くヤシの樹を抜けてデッキを照らしている。茶の頭髪、日に焼けた肌、長い手足の男がデッキチェアに転がっている。そばのデッキベッドに連れがいる。金髪を短く借り上げた女、小麦色の背中をブラジャーの白線が横断している。下着が床に散らばっている。赤道から北風が女の背中を撫でていく。バックと麦わら帽子と携帯がテーブルに置いてある。トランキライザのビンからタブレットがこぼれおちている。
    3. 麦わら帽子が風で舞い上がった、女の背中をタッチ、テラスの向こうへ飛んで行く。女が気が付き帽子を追いかけた。ボーイがカクテルを運んで、階段を昇ってきた。ボーイの目が下半身に釘付けになった。ボーイに女がどなった。“ガダムゾファッキンサノビ”といいながら、ニコリと笑った。
    4.  ブルックリンなまりの米語でどなった女は、かつてはニューヨークの下町で育ったのだろう。今は香港でスワップ・ディーラーをしている。
    5. ■ラグーンの内側
    6.  島の周囲はラグーンで囲まれている。全体がまるっこい島だ。
    7. ラロトンガ~オークランドは3500キロ離れている。飛行時間2時間30分で飛び立った日の前の日にタイムスリップできる。
    8.  ここは欧米豪からダイバー、サーファーが訪れる南太平洋のパラダイスだが、彼らにとってばかり楽園であるのではない。多国籍企業、資産家、犯罪組織、テロリスト、金融機関、保険業、証券業などが逃げ込む租税回避港(タックスヘイブン)でもあるのだ。
    9. ■“そそのかされている”
    10.  先進国で構成するOECD(欧州経済開発機構、日本も入っている。)は、この島に住むCIAの連中とか、金融犯罪に手を染める弁護士たちから、この島の首相や長官たちが“そそのかされている”ことをよく知っている。それで、悪辣なタックスヘイブンを名指しで「ブラックリスト」にのせることにより、もうクックには経済援助をしないと脅かしたのである。日本もそれに同調し、わずか百万円足らずのODAをやめてしまったのである。というのは、その当時、まだクックは日本から独立国として認められていないこともあった。それで島の収入役(財務長官)は困ってしまったのだ。「ちょっとやりすぎたかな・・・」と。

    11. □“マネーはヤシの木のもとで育つ”
    12.  1981年南太平洋のど真ん中、ポリネシアにあるクック諸島が「タックスヘイブン」になることを非公式に宣言した。それまでは、漁業とわずかばかりの真珠の養殖で食いつないていた南の島がにわかに税法(勅令)を作った。「香港やシンガポールからこの島へ投資するものは、その投資の果実を支払う際、クック諸島の源泉所得税を課す」というタックスヘイブンにあるまじき税法を作ってしまったのである。世界に散らばるどこのタックスヘイブンでも源泉所得税がある国(地域)はここ一か所だけなのだ。じゃ~それで何ができるのか?その目的は?
    13. こうすればいいのだ。 すなわち、①日本の銀行の香港支店が、クック在住の銀行(EPBC)にカネを「100億円」貸し、利子を受け取るときにクックの源泉税(35%)を差し引かせ65%分の利子を受け取る。利子収入10億円からクック源泉税3億5千万円が差し引かれ、香港支店の手取りは6億5千万円だ。
    14. ②香港支店はその利子収入(10億円=手取り6億5千万円+源泉税3億5千万円)を、日本の本店で申告し、源泉税(3億5千万円)を法人税から差し引く。
    15. ③同時に、香港支店はクック在住の別の銀行(クック籍EPBCL)から預金「100億円」をあづけてもらい、その預金利子を払うときに、還してもらった源泉税分(3億5千万円)を上乗せして支払うのだ。預金利子率を8%とすれば、預金利子8億円+源泉税分3億5千万で11億5千万円をEPBCLへ支払うことになる。
    16. 「????なんで、そんなことをするんだ?そうすれば香港支店は1億5千万円損するじゃないか?」
    17. 「いいや損はしない。日本の銀行本店が法人税を3億5千万円少なく払っているからだ。すなわち、法人税3億5千万円ー預金利子1億5千万円=2億円のキャッシュのもうけが出ているんだ」。これを「キャッシュフロー・ベース」でのもうけという。
    18. 「じゃ~損をしている者はいないのか?」
    19. 「イヤ、いる。日本の政府(国税庁)が3億5千万円損している!」日本政府の損、おわかりだろうか、皆さんの税金だ。皆さんが損をしている。
    20. 「じゃ~得をしたのは?」
    21. 「得をしたのはニュージーランドで、投資会社をしているフェイリッチ&カンパニーの代表たちだよ、彼らはクックに銀行を2つつくり、その間をカネをグルグルっと回すだけで1億5千万円のもうけが出たんだから」
    22.  だが、それだけではない、クックへ支払ったはずの3億5千万円の源泉税もいつのまにか返してもらっているんだ。
    23. 「これじゃまるっきりのサギだね」
    24. 「そうさ、だからロイズCEOは“マネーはヤシの木のもとで育つ”と言ったんだ」。
    25.  在オーストラリアの英国人、金融詐欺師、デビッド・ウィリアム・ロイズが島を牛耳る米国CIAやBCCI、金融マフィヤや島の政治家たちに働きかけて、先進タックスヘイブン国のグランドケイマンをまねてイギリス仕立ての信託法や金融秘密法などを導入したのだ。ケイマンもクックも、もともとはイギリスの植民地だった。そこには世界最強のイギリス信託法、イギリス保険法、イギリス金融商品法、そして金融秘密法が導入される。何が最強かと問われれは島の警察署長(司法長官)は答えるだろう、「秘密を漏らしたものは次の日、ラグーンの外側でおぼれるってことさ、たとえどんな泳ぎの名手でもな」と。
    26. ロイド弁護士は“マネーはヤシの木のもとで育つ”が信条だった。
    27. ロイド弁護士は島の金融オフショアビジネスを行う仕組み(信託や保険、銀行、会計専門家、弁護士事務所、登記所)を設立していく。これらのツールは主にオーストラリアやニュージーランドの富裕層の投資をクックヘ呼び込み、税金のかからない利益を生み出し、その島に財産を留保するかスイスや香港やパナマの秘密口座に送ってしまうために使われるはずである。そのころのニュージーランドの法人税率・所得税率は最高六〇%もあり、だれもニュージーランドで納税したがる人はいなかったので、彼らの投資はクックの銀行経由、香港やシンガポール、東京、ニューヨーク、ロンドンへ向かっていった。
  9.  
  10. 極め付きはその名にふさわしく、徐々に世の中に知れ渡ってゆく。今はまだ、揺籃期だ。
  11. □ホワイトの死
  12. オークランド 1992年
  13. ピータース議員は、中古パソコンディーラーのポール・ゴードン・エドワルド・ホワイト(二六)から情報を入手していた。ホワイトはシティバンク・オークランドから処分された中古パソコンを別の中古屋から仕入れたのだが、それと一緒にフロッピーデスク九〇枚分の顧客情報と操作マニュアルなどの付属物も混じっていた 。
  14. ホワイトは友人のパソコン修理屋のクリス・コットンにデスクの解析を依頼する。コットンは情報の重大さに気が付き、ピータース議員をホワイトに紹介する。ホワイトとピータース議員がオークランドの安酒場「チェルシー・パーク・イン」や、ナイトクラブ「グレープス」、「バード・ゲージ」などで密会しているのが目撃されている。
  15. ホワイトは一九九二年九月五日(土)早暁、オークランドベイブリッジへアプローチするターンパイクの高架付近から落ちて死んだ。オークランド警察は・・・




  16. ジョン・ハサウエイの真空管ドール・ゲームよろしく。

 

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