マチンガのノート

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「なぜ私たちは、喜んで“資本主義の奴隷"になるのか?」フレデリック・ロルドン

2017-05-23 19:48:44 | 日記

本書に出て来る、インドにあるアメリカ人向けのコールセンターの話では、

アメリカ人の客によりよく「応対する」ために、アメリカ人のアクセントで話し、

アメリカの時事ネタや、テレビドラマの話を知っておくように、

自らの名前もアメリカ風のものを名乗るように、など「人的資源」として振る舞うように強制させているとのこと。

昔の植民地支配なら銃や権力で行っていたのだろうが、現代の企業なら、さまざまな

「インセンティブ」を用いて行うのだろう。

インドのコールセンターならまだ勤務が終われば本来の振る舞いに戻れるが、

実店舗など通常のサービス産業なら、勤務時間以外でも企業イメージを壊さないように、

ずっとよりよく振る舞わねばならないとのこと。

昔の終身雇用制の日本なら、まだ本人にとってもある程度は”採算”が

採れていたのかもしれないが、現在ではとても無理だろう。

若者の保守化が言われて久しいが、アルバイトや社員として働き始めるのが

サービス産業である割合が大きくなったというのも、大きな影響を与えているのだろう。

客に対してキレて、「こんな所でやってられるか」などと言って辞めても

それからの様々な周囲の反応も、ネットなどで見える化されたというのも

大きいのだろう。


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