東京-大阪 単身赴任 旅物語

2003年10月1日から2012年9月30日まで経験した単身赴任。帰省旅行の思い出と、お得情報を綴っています。

伊勢うどんを求めて(後編)

2006-12-29 05:30:00 | ムーンライトながら
伊勢うどん@若草堂
往路:12月28日(木)
八O子→神田 :中央線快速
神田 →品川 :山手線
品川 →名古屋:快速ムーンライトながら91号
名古屋→鳥羽 :近鉄急行鳥羽行き
鳥羽 →伊勢市:快速みえ2号
伊勢市→鶴橋 :近鉄特急上本町行き
鶴橋 →天王寺:大阪環状線
天王寺→   :快速和歌山行き
運賃:¥1,100+青春18きっぷ1回分+近鉄株主優待券×2

鳥羽行き急行(前編より)ここで、5時30分発、鳥羽行き急行(531列車)に乗り換えねばならないのだが、近鉄連絡改札を使ったお陰で、なんとか間に合った。

この列車には、所謂5200系が充当されており、オール転換クロスシートで快適な旅が楽しめる。早朝ということもあって車内は空いている。一人2席使ってもまたお釣りがくるくらいである。

クロスシート下の蹴り込みこの5200系、JR西日本221系の兄貴分に当たる車両ではあるが、221系とは違って、座席下の蹴り込み部分にはヒーターが設置されており、足を載せると暖かくて気持ちがよい。反面、足が伸ばせないのは不便ではあるが、2席占有できるのであれば問題はない。これは、先ほど乗った臨時ムーンライトながらと同じである。昔の特急はこうだった。

外は吹雪名古屋で危うく寝過ごしかけたこともあって、トイレに行く時間も無かったため、列車内で済ませる。この列車、たった4両編成のくせに、トイレは、先頭車両、最後尾と2カ所もある。元来、団体、急行用車両というだけあって、221系の原型とは言え、コンセプトが異なる部分もあるのだろう。また、221系とは窓の構造が異なるので、隙間風のため窓側席は寒い。

おまけに外は雪、既に数cmの積雪がある。ポイントを守るため火が灯されているのが見える。

外はまだ、暗いため、見るべき車窓もなく、紀行文作成に専念する。

伊勢中川手前桑名、四日市、白子、津、...早朝、まだ、特急が走っていない時間帯ということもあって、鳥羽行き急行531列車は名実ともに急行にふさわしい走りっぷりで、一路、鳥羽に向かう。次第に雪は小降りになり、空は灰色から朝焼け色に変化する。

伊勢中川まで来ると、既に雪は止んでおり、透明度の高い冬の朝空が広がっている。ここで、しばし大阪方面の列車の連絡待ちをして、伊勢路へと急ぐ。あたりが明るくなるにつれて、車窓が楽しくなってくる。

松阪に続き、JRの線路と寄り添うように走って伊勢市に到着。

宇治山田今回の旅では、伊勢うどんを目指しているので、本来はここで降りても良いのだが、何分、まだ7時過ぎである。店が開いていない可能性大なので、そのまま終点の鳥羽まで行って、時間調節をすることにしている。


伊勢市を発って、JRをオーバークロスして、直ぐに宇治山田に到着。


宇治山田到着一応、伊勢志摩のターミナル駅なのだが、年末の早朝のためか、昇降客は少ない。しかし、大阪方面のホームでは列車待ちの乗客が結構居て、それなりに、活気はある。

宇治山田から終点の鳥羽までは、各駅に停まる。

と言っても、都心の私鉄とは違って、駅間距離も長く、それなりのペースを維持して、終点鳥羽まで後一息である。

鳥羽駅松阪、伊勢市、に次いでJRとの接近を果たして、定刻7時25分終点鳥羽に到着。近鉄急行2時間の旅であった。

転換クロスシートの私鉄急行で、これほど旅らしい旅を楽しめるのは、近鉄ならではである。

次いで、2分の連絡快速みえに乗って伊勢市に戻る予定なので、跨線橋を渡ってJRへの乗り換えを急ぐ。

快速みえ快速みえはたったの2両編成。後ろの車両は一部指定席なので、先頭車両海側に陣取る。

快速みえは、名古屋口ではいつも混雑することで有名なのであるが、冬休みの平日ということもあって、始発駅の鳥羽では閑散としていた。

出発間際に乗車するので、立席を覚悟していたのだが、嬉しい誤算であった。

快速みえの車内流石に、近鉄に対抗するJR東海の戦略商品だけあって、車内は綺麗で、セントラルライナーを彷彿とさせる。リクライニングこそしないが、シートも良く、これなら指定料金を取ってもまぁ許せると思う。

さて、わざわざ鳥羽まで行って、伊勢市に戻るのは、時間調整のためだけではなく、風光明媚な伊勢湾の車窓を楽しむため。これも目的の一つである。

鳥羽を出ると、近鉄と併走鳥羽を出るとしばらくは、近鉄と並行しているが、山側をショートカットする近鉄をアンダークロスして、JRの鉄路は海沿いに延びる。

しばらくすると、列車は、今年(2006年)夏の青春18きっぷのポスター写真の場所、海を隔てる砂嘴の上を走り池の浦に至る。今朝のような天気の良い日には、ここから、リアス式海岸の岬や、湾の島々を望むことができるのである。

再び伊勢市到着程なく、快速みえは、伊勢市に到着。ここで下車し、伊勢うどん探索に出かける。

実は、今回の旅の計画を立案する際に、JR伊勢市駅ホームには汽笛亭という立ち食いがあり、そこでも伊勢うどんが食べることができる。と、いう情報があった。

しかし、実際には、駅ホームには立ち食いは無く、改札を出て、カンを頼りに駅周辺を探索することにした。

JR伊勢市駅前伊勢市駅は、伊勢参拝の窓口になっているので、駅周辺にはいくつかのうどん屋はあることも事前に分かってはいた。しかし、そのいずれもが、朝は営業していないため、現地に入ってから足で探すことは、最初から覚悟はしていた。

駅前の筋には、幾つかの旅館や店が軒を並べているが、8時前ということもあって、まだ準備中の所ばかりである。

通りを渡ったところで、一軒の食堂があり、営業中の札が掛かっているのを発見。しかし、遠目にはとても営業しているようには見えなかったので、どうせ看板の掛け違いだろうと、あまり期待せずに扉に近づいた。

と、自動扉がきちんと反応し、中から”いらっしゃい”と声がしたので、逆に驚いてしまった。

若草堂店は、観光地によくある、大衆食堂風であり、常連とおぼしき数名の先客が居た。とりあえず、ストーブ近くのテーブルに腰を据えると、ごく普通に、ほうじ茶を供され、朝定食のメニューを示される。

”伊勢うどんも出来ますよ”の一言に、ほっと肩をなで下ろした。伊勢うどんを求めて、はるばるやって来て、もし、”朝は定食だけ”などと言わよう物なら、やりきれない気持ちになっていたであろう。

”伊勢うどん、卵入りでお願いします”

注文を取ってから、随分と時間が掛かっている。大阪人の感覚で言うと、うどんは、ファーストフードである。待たされると言うことに違和感を感じる。しかし、伊勢うどんはじっくりと茹でるのが正しい作り方であるそうな。

伊勢うどんおよそ10分後、目の前に、予期していた通りの伊勢うどんが現れた。

思い起こせば、小生が初めて伊勢うどんを知ったのは、20年前、東名阪自動車道亀山SAの立ち食いコーナーであった。器を除けば、凡そ、うどんとは似ても似つかぬ物体に躊躇したのだが、一口食べれば、新鮮な食感と味が口一杯に広がり、忽ち伊勢うどんのファンになってしまった。それ以降、伊勢を訪れる度に、必ず伊勢うどんを求めるようになった。

伊勢うどんの溜まりは、店によって味が異なる。ここ、若草堂の味は比較的甘い目のようである。卵入りにしたのは、溜まりの辛さをマイルドにするためなのだが、このような甘目の溜まりの場合は、むしろ、卵無しの方が良かったように思われた。

JR東海伊勢市駅駅前筋を100mほど進んだところに、若草堂はある。聞き漏らしてしまったが、恐らく7時~7時半には、開店していることだろう。正月を除いて、早朝営業のうどん屋が少ない中で、駅からも近く貴重な存在のように思われた。

無事、今回の旅の目的を果たし、大満足である。後は、一路、家族の待つ大阪に戻るだけ。

その前に、携帯電話で近鉄特急を予約する。既に、ポイントが1350ポイント貯まっており、来年1月には30ポイント失効することになっていたので、今回はポイントを使って無料で特急券を入手した。

赤福餅駅まで戻ると、赤福餅が気になった。ちょうど2個入りパックが販売されていたので、食後のデザートのつもりで購入した。¥220也。

JR側の改札から入り、近鉄のホームに出る。ホームの売店でお茶を購入し、8時33分発の上本町行き特急を待つ。

やってきたのは、ごく普通の4連の12000系、宇治山田発上本町行きの特急である。この時期、宇治山田からの乗客などいる訳はなく、小生の貸し切り状態である。

しかし、松阪伊勢中川と停車を重ねる度に乗客は増えていく。やはり、三重と大阪を結ぶ大動脈であることを実感する。

中川短絡線中川では、遅れている名古屋方面からの特急の連絡のため、3分ほど遅れて発車する。恐らく、早朝の雪のため、ダイヤの乱れが生じているのだろう。

中川駅出発後、中川短絡線合流地点手前で信号停車をする。なんと、同じく遅れているアーバンライナーを先に通すため暫く停車するとのこと。それなら、中川駅の出発を遅らせれば良いのにと思ったが、後ろも遣えているのだろう。

アーバンライナー待避特急に乗っているのに、同じ特急を待つのは釈然としないものがあるが、ダイヤの乱れを最小限に留めるためにはやむを得ないのだろう。

因みに、元々は、中川で名古屋線の特急が大阪線の特急に連絡している間に、アーバンライナーが短絡線を通過するようにダイヤが組まれている。

7分遅れで、次の停車駅、榊原温泉口に向かって出発。このあたりで、伊勢市駅で購入した、赤福餅を賞味する。小生、こし餡は好みでは無いのだが、こと、赤福餅に関しては別である。つきたてでとろけるような餅と、甘みを抑えてあっさりと仕上がった衣とは絶妙のハーモニーである。たった2個では物足りないが、我慢我慢。

腹が膨れるや、待ってましたと睡魔に襲われる。ここから、大和八木到着まで記憶を失う。

鶴橋駅にて気が付くと、結構多くの乗客が居るようであるが、幸い、小生の隣は空席である。ぼーっとした頭で、車窓を眺めている間に鶴橋に到着。回復運転により、遅れは2分まで短縮されていた。

ここで、ニコチンを補給した後、JR環状線に乗り換えて自宅へと向かう。

JALサファイヤ獲得のため、夏以来、鉄道の旅とは疎遠になっていたが、やはり、鉄道は楽しい。来年は来年でANAのプラチナ獲得のため、鉄旅の機会は減るだろうが、航空運賃が高く、かつ青春18きっぷ等が使える時期には、また、色々なルートで鉄道帰省旅行を楽しみたいと思う。



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