蛇口屋

リフォーム業界のあれこれ

売買不成立…

2007-08-31 20:34:58 | Weblog
日中、普通に仕事をしていると、社長から怒り狂って電話がかかって来ました。
いきなり「どうなんってんだ、テメーの電話は?! ちっとも繋がらねーじゃあねえか!」突然喧嘩腰です。

この声は、お客さんにも聞こえる程の大声で、思わず、その家の奥さん、引いてしまいます。

うちのバカ社長、本当に声が大きいですからね、本当に、こう言うときは困ってしまいます。
要するに、ちっとも電話が通じなかった事に腹を立てている見たいです。
そうですか、じゃあ目的は果たしましたね。
「今通じているから、良いですね」と言って電話を切ります。

再びお客さんと仕事の相談、「あ、あの、大丈夫ですか?」なんて奥さんは聞いてきます。大丈夫です。と笑顔で言うと、また再び電話がかかってきて、出ると、「何で切るんだ?」本当にね、不思議そうに聞いてきます。
「電話が繋がったから良いじゃないですか、繋がらないって困ってたんでしょ? 忙しいから切りますよ」

切ろうとしているのを察して、社長は大声で騒いでいます、もうね、中学生の不良の生徒が巻き舌で威嚇する見たいな喋り方です。
もう既に、怒りに我を忘れて、最初の用件なんてとうの昔に飛んでいます。

電話の向こうでは、奥さんとA山が何か言っています。
微かに聞こえる奥さんの声は「もう社長をこれ以上怒らせないで、絶対、どういえば怒るか判って言っているわ」と悲痛な叫びとも思える声が聞こえて、思わず蛇口屋も苦笑いでした。

その間に、社長、「喧嘩を売ってるのかこの野郎!」見たいな事を出したので、「え? 買ってくれるんですか?」って訪ねたら、急に黙ってしまいました。

「じゃあ、売りましたから、会社で待っていてくださいね」
って言って仕事会社に帰ると、会社には誰もいませんでした。
うちの社長はビビリですからね。隣の警察署にでも駆け込んだかな?
まあ、どうでもいいや、って具合に帰ってゆきました。
本気で喧嘩なんて売るわけ無いじゃあないですか。

今の蛇口屋が社長に喧嘩売ったら、タダの基礎体力小学生低学年以下、運動神経ナメクジ並み、根性の欠片もない、境界型精神病者の老人を虐めるただの嫌なヤツになってしまいます。

明日の朝、解雇でも言い渡すつもりなんでしょうかね。
良いですよ、望むところです。

最近、この社長に対して、本気で取り組まなくなっている蛇口屋です。
どのように解放されようか、毎日ワクワク考えています。
今日は良いところまで行ったな。



揺るぎない信頼関係

2007-08-30 19:33:07 | Weblog
なんか、最近、社長様が、「A山を鍛え直してもっと効率の良い仕事をする」とか言い出して、A山をはじめとして、営業の皆さん、特に現場管理を代行する人たちに厳しくしていました。

もっとしっかり現場を見て、そして職人や下請けさんに現場を渡す。
無駄のない現場管理と集金。

とにかく、滞りのない素早い集金。

そして、現場サイドはもっと営業の言うことに耳を傾け、そして信じて仕事をするように、と朝っぱらから寝言…、いえ、今後の会社の指針を語っていました。

そうか、A山を信じれば良いんですね。

今日の仕事は混合水栓の取り替えと、TOTOのトイレの取り付け工事でした。

どちらもA山の持ってきた仕事です。

混合水栓の方は、「超簡単、もう目をつぶっていても出来るよ、確かシステムキッチンだったと思ったよ」

確か…。

この男は、この仕事について、もう30年にもなるというのに、未だにセットキッチンとシステムキッチンが見た目に判らないようです。

そして2件目は「トイレの床工事はいらないよ、だって排水芯20㎝のトイレだから、確かTOTOの720っていう便器でエロンゲートだから間違いなよ」って言ってました。

一軒目の現場、相当手こずって終了。システムキッチンのもの凄い古いヤツで、キッチンの中にインナーが入っていて、ある程度解体しないと、水栓にたどり着けない構造でした。

2件目は、もちろん、床解体工事付きのトイレでした。このタイプのトイレは馴染みがありますね。以前、会社に着いていたトイレです。排水芯は確か300くらいだと思いましたが、この家のトイレはもっと前に着いていました。

このままの状態でZC-1と言うTOTOの便器を付けると、立って用をたす男の人は、ドアを開けて外に出ないとダメですね。座って用をたすにしても、トイレのドアが10㎝くらいの所に来ます。

蛇口屋は全ての準備を整えて、工事に来てますから、大丈夫ですよ。

A山の事を信じているんです。

あいつがどれほどアテにならないか、心の底から信じているんです。
多分、A山の仕事をこなす下請けさんも、他の社員もみんなそうです。

ヤツの説明なんて、はなっからナシの方向で、例えば、あみだくじで、最初から外れ、って書いている方を引くと必ずあたりみたいな物です、本気で全く信じられない事を、信用している。
これだって、ある種の信頼関係ですよね。


穴…Ⅱ

2007-08-29 20:38:23 | Weblog
今日は、散水栓を取り付ける仕事でした。

ちなみに前日から憂鬱でした。

なんて言っても場所が無いんです。
玄関ポーチの所に、排水マスがあって、その間に水道メータがあるんです。
更にその上に雨水管があって、もう、掘る場所無いジャン。掘ったにしても作業なんて出来ないジャン。
しかもプロパン庫の真下を掘り下げ無ければいけないんで、一時的にプロパン庫共々、撤去していただきました。

でも、それでも本当に狭い。

下見をしたときから思っていて、「当日悩めば良いジャン」と、嫌な事はすぐに忘れる体質なので、昨日まですっかり忘れていて、再び憂鬱になっていた訳です。

ともかく、現場に着いて、掘り出したら、もうそこは配管の巣でした。

排水管、雨水管、水道メーターのリモコン線の保護管、ガス管が走っていて、まともに下までたどり着いているスペースは30㎝角くらいしかありません。

作業スペースを確保する所じゃなくて、もう、施工可能かどうかも判りません。

こう言うときは、まず管を切る。
そしてそれから考える。行き先も判らない列車に飛び乗るような覚悟に似ています。
今回はもう、蛇口屋、そこの穴に飛び込みました。
もう、頭から、バンザイするみたいな格好で入って行きました。

そしたらね、穴に身体を突っ込んでいる方が重くなって、完全に穴にはまってしまいました、

今日の現場は千歳市でしたから、火山灰質の軽くて柔らかい土に頭の半分を埋めながら、ああ、ヘルメット持って来れば良かった。と思うのと同時に、蛇口屋にとってヘルメットすら工具になるんですね。

まあ、考えていたプランとはだいぶかけ離れましたが、無事に施工は完了しました。

ただ、問題は、蛇口屋の体がすっぽりはまって出れなくなってしまったってことですね。
しかもこの間、柔らかくてサラサラの火山灰は崩れて、蛇口屋のおでこくらいまで埋まって来ていました。

地味にピンチか?

まあ、後、30分もすればガスを復旧にガス配管職人の方が来てくれるだろうし、その時、引っ張り出して貰えばいいか…。

自分の掘った、1M未満の深い穴にハマッて、思わぬ所で出来た時間で、一人、今後の事に熟考する蛇口屋でした。


2007-08-28 21:09:06 | Weblog
銅管にポツンと穴が開いてしまう現象を、ピンホール現象とか言いますよね。
銅管の金属の中に、混じった異種金属が水に溶けたり、電食したりして、従来水に対する耐久に優れた銅管に穴が開くと言った現象のことで、銅管を使っている家庭なら誰でもその危険をはらんでいます。

しかも、漏れが微量だと、検診(水道王メーター)でも中々気がつかなくて、木造住宅なら、割と早い段階で木を腐らせてしまいます。

防腐剤を使っても、直接水をかけられると、やはり木は腐って行くんですよ。

でも今日の穴は、もっと個人的で、ピンホールって言えばピンホールで、深刻な物で、それは蛇口屋の親指、靴下の穴です。

もうね、濡れた障子紙みたいに、あと一息で貫通! っていう状態を、お客さんの所で気がつきました。
家に上がって、なんか、足スースーするなあ、って思って、ほぼシースルー状態で、透けて見えてました、蛇口屋の足の親指。

ここで一気に貫通して、足の親指が『コンニチワ!』なんて出てきた日には、「今日の工事の人、靴下に穴が開いてた」とか言われ続け、あまつさえ、「10年くらい前に工事をしていただいた物です、はい、お宅の靴下に穴の開いた方に工事して貰いました」とか、ピンポイントで印象づけられてしまい、その人にとって蛇口屋は、生涯『親指丸出しで工事をしてくれた人(しかも笑顔)』になってしまうのです。

恐ろしい。まさに身震いします。

かつて、蛇口屋の知り合いの水道屋さんで、ズボンのおしりが破れていたのに気がつかなくて、さらにブリーフ派の彼は、半ケツを出したまま、笑顔で工事をしていた強者がいて、今でも、半ケツ野郎と言われている人がいますが、そんな話はともかく、工事の良否以前に、蛇口屋の親指をいかに露出しないように工事を行うかが、重要になって、妙にぎくしゃくしながら、移動していました。

そして、無事工事を終えて、靴を履く頃、力尽きたように、靴下は破れて、靴の中で、蛇口屋の親指は晒されました。

家に帰ったら手厚く葬ってあげるからね。


この力尽きた靴下は、もう一つ、蛇口屋の役に立ってくれています。メッセージを送ってくれたんです。
右足の靴下だけが穴が開いているってことは、多分、今、蛇口屋の右足は相当悪くなっているって事で、足を擦って歩いている証拠でもあります。

仕方ない、病院行くか。

蛇口屋の明日の仕事は午後からになりそうです。

ひとりぼっちで家を建ててみる

2007-08-27 20:12:11 | Weblog
一軒の住宅を、たった一人の人間の手で、施工は可能か?
お手伝いとか、バイトとかも雇わないで、本当にひとりぼっちで家を建てるんです。

この前の手作り別荘のお話から、今日、一軒の現場に集まった職人どうして、そんな話をしていました。

基礎の工事に始まり、大工工事に、電気・衛生・空調設備、それに表具関係と、一体何処まで一人で出来るだろうと、お昼休みは大盛り上がりでした。

色々、話し込んでゆくと、なんかね、出来るんじゃあないかって結論が出始めたんですよ。
昔の資材と違って、今の資材は、一人で工事するのを前提として作られている物が多い気がします。軽いしね。

それに、材料の主幹である木も、無垢の木ではなく、合板や集成材を中心に使ってゆけば、材料そのものに狂いが無いために、複数の目で見る必要もなく、正確な寸法で切って行けます。

それに工具だって、今は電動工具が支流で、木を切るのにわざわざ手ノコギリを使う大工さんはいません。
電源の確保さえ出来れば、工事は可能ですね。家そのもの大きさにもよりますけどね。

設備も電気ガス水道も、今は樹脂配管が支流ですから、昔のような鉄管や鉛管による大袈裟な工具は必要じゃあないですよね。これこそ現状の職人さんは一人で対応しています。

後は、設計だなあ、一人で作ってゆくことを考えて設計してゆかなければならないから、多分、知恵の輪かパズルみたいなノリで考えないと、いざ、施工してみると、迷路の袋小路になって、施工ストップの事態になってしまいますね。

でも、この『一人で建てる家』って言うのは、仕事としてではなく、どう考えても道楽ですよね。時間もかかりそうですし。

屋根は瓦葺きがいいなあ。
昔ね、蛇口屋の競売にかけられて取られちゃった家、屋根に瓦を上げて、次の日もの凄い雨が降ったんですよ。

大工さんも休みになって、学校帰りに誰もいないまだ屋根と、木の骨組みも家の、もうすぐ先にある未来に自分の部屋になる板張りの床で、ザンザンと流れる雨水をみて、何かこう、不思議な気持ちになってましたね。

ああいった空間が、蛇口屋はとても好きですね。

なんか、そんな事を考えてうっとりしていた一日でした。

もしも宝くじが当たったら、みたいな夢の話です。

混ざらない技術、逃げてゆく職人…

2007-08-26 23:27:03 | Weblog
昨日の続きになりますが、今の会社っていうのは、異種業種の職人の集まりですが、社長の推奨する多機能工(何でも出来る職人さん)とはまた違うようです。

基本的に、工具を使い、身体を使い、工事をする職人ですから、他業種でも、そこそこ動くことが出来ます。やることは違っても、単純に、切る、繋げる、割る、穴を空ける。っていう過程があれば、それはどのような業種にしても、ほぼ毎日やっている事なので、滞りなく処置することは出来ます。
つまり、大工さんも、サッシ職人も、エクステリアの職人も、蛇口屋のような設備屋さんも、電動ドリルや、ハンディグラインダー、丸鋸なんかの電動工具は、RPGゲーム風にいうなら装備が可能です。
普通の素人さんなら、音や動き事態にびびってしまう物ですが、そこは職人ですから、キチンと安全に使用する事が出来ます。

でも使えるからと行って、それが職人レベルで言うところの、「使える」と言うレベルに達しているかはまた別の次元のお話です。

例えば、小学生の子供でも、バットでボールを打つことは可能ですが、それはプロ野球選手と同等な物かっていうこととは違うと言うのと同じです。

職人において、お金を貰っている以上、プロだという意識があって、それは、年数に比例して、うちの社長のような素人には判るものではありません。他種工事に手を出して現場で工事をやって、材料に接しいる本人が、お客さんはごまかせて、社長は判らなくても自分の工事はプロか素人か一番判ってしまうのです。

例えば、ハンディディスクグラインダー(サンダーって呼ばれる物です)一つとっても、蛇口屋のような設備屋さんと、ER谷係長のような、元々が鉄サッシ職人であるエクステリアの人間とでは、『切る』と言う作業においても、もはや段階が違います。

人の目に触れるような所に、蛇口屋はこのような工具は使用しませんが、ER谷係長クラスになると、サンダーで切った事すら判らない程の仕上げレベルでの施工が可能です。更に言うと、切り方で、錆びたり、焼いたりと言う材料への影響も判るようで、そう言う箇所には必ずハサミを入れます。こういった心配りが10年後に差が出てくるそうです。
今作っている物の良否を言うのが素人なら、それに歳月を加えるのが職人の仕事なんですね。
そして、そうなるためには、一つの事をじっくりと極めて行く必要があって、それは、興味があるから出来るわけで、今その職人が、この職を極めているのは、その取捨の結果だと思うわけで、社長の言う多機能工は、その取捨して捨ててきた物を、拾って「ほらよ!」って無理矢理渡している様なモノで、これには、繊細でない、野太い職人だって、嫌になって来ますよ。

この会社に職人は勿体ないよなあ、って本当に思います。
多分、ガラスとダイヤモンドの違いがわからない経営者には、アクリルの偽物で十分ですよ。

そう言う偽物の会社が出来る仕事って、社会の上澄みみたいな、そんな所で生きてゆくしかないんですね。

混じる技術、逃げる職人…

2007-08-25 19:38:17 | Weblog
今更、書くことでも無いんですが、蛇口屋の居る会社は、複合的な建築リフォームな会社です。
普通、この手の会社って、営業がいて、仕事をするのは下請けでってパターンですが、この会社は自社の職人が工事をします。
サッシ職人、エクステリア職人、蛇口屋みたいな設備職人、大工、内装屋、土木職人、と様々です。

ヒマなときは、自分の仕事以外の仕事を手伝う事があるので、長年居ると、何となく段取りというか、仕事の内容を憶えてしまいます。

そして、何より、この複合する職人がコラボレーションすることで、思わぬハイブリッドな技術が誕生することになります。

工具一つとっても、それぞれの職人がそれぞれの職にあった工具で工事をするんですが、設備の工具であるモンキーレンチやウオーターポンププライヤーが意外な効果を発揮するときがあります。事実、蛇口屋は、床下から、少しだけ顔を出したフレキニップルをエクステリア班の使うボックスレンチとインパクトドライバーで上手に外す事が出来ます。

この組み合わせは今までの設備だけの会社では思いも付きませんでしたね。

今日も、床下の配管の固定に、サッシ職人の方が余らせて来た、アルミ製のアングルで固定してきました。本当に、あの白い塗装を施されたアルミアングルが、軽くて、頑丈で、加工が簡単で、錆のような浸食されなくて、重宝するんです。

その逆を言うと、エクステリアの職人やサッシ職人や大工さんは、蛇口屋が使うセーバーソーって工具を知らなくて、通常、彼らは金属の切断に、高速カッターか、ハンディグラインダー、1ミリ以下ならハサミを使用していて、特に旧設備撤去の時は、セーバーソーのような、鉄きり鋸の歯の前後で切ってゆく工具は使いやすいと言います。

後、シャパでちょっとした金属を切る蛇口屋自身、重宝されますね。電源のない現場も中にはあるので。

こういった、宝物のような社員がひしめくこの会社の人的価値を、一番理解していないのは、他ならない社長です。

この会社の進化を漬け物石のように押さえ込んでいる事に気がつかない社長の下を、今日も数人の人間が離れて行きました。

今度は、いよいよ蛇口屋の番ですね…。


男のロマン=男の夢=男の避難場所

2007-08-24 20:26:52 | Weblog
昨日に、引き続き、下請けさん達と、『手作り別荘』の妄想を膨らまして楽しんでいました。最低でも10坪は欲しいですね、建坪。

どうやったら、足場無しで、2階を作れるか? とか、屋根は三角屋根で、思う存分、雪を落としたい。とか、井戸も手で掘る? ハンドメイドのエレベーターを作って、縦穴を延々掘り続ける。いっそ、温泉掘って見る? 落ち着いたら。とかガンガンと妄想は膨らんでゆきます。

一年前の雪をどうにか取っておいて、天然の冷蔵庫の計画を立てて、そこに、発泡酒ではなくて、出来ればエビスビールを冷やしておいて、到着するなりグビッてやるのが、大工さんの夢だそうです。出来れば、最近、飲み過ぎを注意してくる家族(特に奥さん)は置いて来て、一人で自由を満喫するんだとか言ってました。日本酒の生酒も冷やしておきたい、氷と雪で、天然の日本酒セラーを作って見たいと何処か興奮気味に言ってました。
高いお酒をドンドン購入して、奥さんには内緒で、別荘に貯めて、時に楽しみたいって言ってました。

クロス屋さんも、出来れば女房は置いてきて、血中コレステロールなんて、全く気にしないで煙をモクモク立てて、塩焼き肉を、もう食べれない程、焼いて食べたい。もちろんビール(出来ればジョッキ)をグイグイ行きながら、野菜を食べろとか、もうここまでにして、なんて言う奥さんを置いてきて、自分の食べたいものを、食べたいだけ食べるのが夢だそうです。

そして、いつの間にか、話し合いに参加してきたA山は、いつでも何処でも、家中を好き勝手に歩いてみたい。ドアを開けたり閉めたりしても、『五月蠅い!』って言われなくて、深夜、足跡を立てて、トイレに思いっきり行って、少しづつ流すんじゃなくて、大で流して見たい。
でもって、お風呂も、みんなが使った後の最後の、浴槽の中にお湯が半分しか残っていない、足し湯をすると勿体ないからってボイラーすらも止められる家と違って、溢れるギリギリでざぶんと入って、ジャーってお湯を溢れさせたい、って笑顔で、遠くを見つめる眼差しで、みんなに、「そうしたいでしょ?」って同意を求めていました。

いやいや、誰もそこまで悲しい扱いをされてませんから、ここにいる人間を仲間だって思わないでください。家族にそんなに粗末に扱われるのはA山だけですよ。

みんな、A山の居ないところで話そうぜ、ダメだ、こいつ、本気で虐待だもん。
シャレにならいないや。


物置みたいな別荘が欲しい…

2007-08-23 20:16:19 | Weblog
昨日の続きで、お風呂の工事をしていただいていました。

その組み立て屋さん、とはもう10年くらいの付き合いで、蛇口屋は脱衣場で配管を、その方は、お風呂の浴室の中でコーキングをしながら、お互いの現状なんかを話していました。

今年の夏は暑いよねえ、なんて言ってみると、そのタカラの施工店さんは、な、なんと、別荘に行っていたそうです。
ニセコのね、別荘だそうです。

タカラの施工店ってそんなに儲かるのだろうか? 凄いな、って感心してしまうと、そのその施工店さんの社員であるQ藤さん、なんと、自分で別荘を建ててしまったそうです。

ヒマか? タカラ? 工事の仕事無いの?

と率直に訪ねると、今タカラはとっても忙しくて、その合間を縫って、片道2時間を走って行ったそうです。お盆の休暇前の日曜日の何日かを潰して建てたそうです。

っていうか、身体がヘトヘトでも、それを忘れるくらい、楽しいそうですよ、別荘作り。

建坪2坪。お風呂トイレ無し、窓無し、電気無し、水道無し、ってそれ、物置じゃん。

何でも、数年前の台風で倒された木や、落ちている木を使って、僅か3日間で形というか、なりは建てて、盆休み中に増築していたそうです。
土地は、知り合いの土地なのでタダ、そこでまた、ソーラー発電パネルをいただいて設置していると言う話です。

もっとも、その方は、電気なんていらないって言っていました。
静かな森の中で、七輪で肉を焼いて、ビールを煽っている。

月なんて出てたら、夜なんて眩しいくらいに明るいと言っていました。

夜空は澄み切って、星が大きく輝き、喧噪のような虫の声に自分の存在すらとけ込んでゆく…、なんて言っていましたね。涎が出るほど羨ましいです。

いいなあ、手作り物置別荘…。
時間を見ては、ちょっとづつ拡張して、一生かけて、もの凄い別荘を建てるって、凄い趣味ですよね。っていうか、子供の頃の『秘密基地』見たいなノリと、『男の隠れ家的なロマン』が一緒になって、蛇口屋の思考回路をびんびんに刺激して来ます。

そうか、普通にキャンプに行くより、別荘を建てる目的で、ビバークするって、いいかもなあ、最初はテントで、だんだん、家の形が出来てきて、ああ、なんか、蛇口屋、変な具合に面白くなってきましたよ。

まずは土地を買って、おおまかな、図面を引いて、家族で家造りって、良い趣味ですよね。

絶対、蛇口屋もやろう。
蛇口屋みたいな職業の人間にとっては、本当に究極の趣味ですね。

なんで、今までこれを思いつかなかったんだろ?

身から出た錆まみれの男

2007-08-22 20:48:40 | Weblog
昨日からA山は蛇口屋から逃げ回っています。

仕方ないので、必要もない高価な工具をA山の名前で買って、時間差で社長に怒鳴られて貰おうと思います。もう許してますよ。蛇口屋はとっても心が広いんです。

さて、この充電工具、何に使おう…。


今日は、タカラの施工店でお風呂の組み立て工事をしました。
蛇口屋はその間、壁掛けボイラーの取り付けです。

このボイラーも、A山の予定では金曜日に施工という事になっていて、到着は、金曜日の朝、現場着になっていたそうです。お客さんには、「木曜日の夜にはお風呂には入れますよ」とか言っていたそうで、最近暑いから、水風呂でも入るつもりだったんでしょうかね?

それにその予定だと、蛇口屋、配管の切り替えと、ボイラーの取り付け、洗面化粧台の取り付けを、クロス工事の終了する、木曜の午後だけで完成させなければなりません。

もう、時空でも越えない限り無理ですね、物理的に。

ホントに、工程組めないんだったら、蛇口屋に内容だけ言って、あとは任せとけばいいのにね。そう言うと、「だって、他の会社の職人と相談しなきゃならないから、こういう事は社交性の高い俺みたいな男じゃないとダメだよ」って端から見ると、顕微鏡でないと見れないような、ナノなプライドをひけらかして言っていました。

A山の言う、その他の会社の職人も、発注している材料屋も、みんな、最近じゃ、蛇口屋に連絡してくるんですがね。

会社じゃ、「ホント、この会社は、俺がいないとダメだよなあ」って言って、皆を苦笑いさせていたそうですが、K沢くんに、「A山さんに出来ないことが出来る蛇口屋さんの出来ることはA山さん出来ないですよね? 蛇口屋さんが居なくなったら、A山さん仕事になりませんね」と言われて、顔を真っ赤にして反論していたそうです。

良いんだよ、K沢くん、蛇口屋、ヤツは相手にしていないからね。
現場に入った瞬間、ヤツの作った工程は、霧散するんだ、もう、光に溶けて行く闇のようにね。

まあ、A山のホントの不幸は、これからじんわりとやってくるでしょうけどね。

自業自得、身から出た錆、これらの言葉が似合う男って、他に知りませんね。
でも、A山、それ以外にも、どうしようもないくらいの悲しみを背負って居るのを、この会社に長くいる者は皆知っています。

もっとも、それすら、自身の生み出した物なんですがね。