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 辞典の思い出 ・・・・「福音館小辞典文庫」 

2014年01月02日 | 日記・思い出
 中学生になったばかりのことだったと思います。家は今でこそ合併されて、石巻市ですが、その頃は牡鹿郡稲井村という所で、市街地のある石巻市には、自転車で1時間かかり、子どもはなかなか行けなかった頃です。
 石巻市には、金港堂、耽書房、大和書房という三軒の本屋がありました。
 あるとき町に行く長兄に辞書を買ってくれるように頼みました。
 兄が買ってきてくれたのは福音館の『小漢和字典』でした。この版は今はもう絶版だと思いますが、文庫本より小さくて、文字通り掌中に入る携帯と同じ大きさで、厚さだけは200ページもある実に細かい字の字典でした。きっと携帯用だったのでしょうか。
 私としては、辞典と言えば学校にもあるような、せめてB6版(128×182)位の大きさを想定していましたから、この小ささにはがっかりして、何か悲しい思いが湧きあがり、買ってきた兄に礼も言わなかったのではなかったかと思います。
 兄としては、あまりお金をかけたくないと何とか探し出してきた安価で実用的と考えた辞典でしょう。
 しかも、辞典ではなくて、字典ですし、この小ささですから、漢字の意味は分かっても広く用法や用例などは望めません。
 仕方がなくて、活用しましたが、恥ずかしくて学校には持っていけずに自宅でのみ使ったことを思いだします。これは自分の家の貧しさを実感した何度目かのことでした。
 あの三浦しおん著『舟を編む』を読み、映画を見た時にも、この自分のほろ苦い辞書体験を思い出さずにはいられませんでした。
 今でこそ、この辞典シリーズは版型など珍しい本ということで貴重なものでしょうが、この頃はとてもそう思えませんでした。

 この福音館は、今では「ぐりとぐら」「子どものかがく」など児童書、絵本などではたくさんの良書を出版して、誰でも一度はお世話になっている出版社であり、子どもたちや親に親しまれている出版社ですが、当時はこのような珍しい版の本も出版していたのでした。  きっと、貧しくても本を必要と考える学生たちを対象にしていたのでしょう。

 所が30年以上も前ですが、懐かしくて、古本屋で同じ型の「福音館小辞典文庫」の中の『歴代中国詩選』の本を入手しました。
 770ページ余りで、携帯と同じ大きさで携帯の5倍ぐらいの厚さでしょうか。1973年二版(1967年初版)で、まさに掌中に入る大きさでありながら、山田勝美著、久松潜一監修と、著名な国語学者が書き、詩経から清代まで900首ほどに加え、日本の名吟ものっていて、解説、通釈、語釈、余説と欲張った内容の貴重な本です。
 定価は当時の価格では400円でしたが、何円で購入したかは覚えていません。今でも本棚にあり、他の本と比較するときなどに使います。私には、もう虫眼鏡がないと困るほど小さな字ですが、印字はまだまだ鮮明です。

 半世紀も前、あの兄の買ってくれた辞典と同類のものがこのような形で残っていると思うと本との出会いというのもおもしろいものです。
 
 所でみなさんはどんな辞書を使っているでしょうか。
 今、本棚にある日本語の辞書には次のようなものがあります。
 ・漢字源(学研) ・広辞苑(岩波) ・岩波国語辞典(岩波)・古語辞典(三省 堂) ・国語総合辞典(旺文社) ・電子辞書シャープパピルス 
その他、ことわざ、文学、短歌、俳句関連など。三省堂明解国語辞典も欲しいところです。 
 今一番使っているのは電子辞書です。広辞苑が入っていますし、歳時記もあり、句会などで季語を調べるのには必須になっています。それでも紙の辞書も捨てがたく、別な用例などを確認するのに使っています。消えてしまっては困りますね。
 
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4 コメント

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Unknown (花)
2014-01-09 20:50:31
私はアクセント辞典にお世話になっています
三省堂国語辞典 (マーちゃん)
2014-01-11 21:24:13
辞典見てアクセントがわかるんですね。
今日の朝日の天声人語に辞書のことがのっていました。
最新の言葉を取り入れる代表の辞書として。発送電、その用例として発送電分離など。
大辭典 (ぶんぶん)
2017-04-01 00:01:33
平凡社 大辭典 は元々全26巻だったものを、私の高校時代に復刻縮刷版として出版されました。4ページ分を1ページに縮小して並べ、聖書並みの薄い紙の印刷で、何と上下2巻にまとめる画期的なものでした。
どうしても欲しくて、必死にお願いすると、日頃倹約家の父親は、2万円だったか3万円だったか、国語辞典として破格にもかかわらず、嫌な顔もせず買ってくれました。
72万語収録、大型の拡大鏡と、それを収納する抽斗まで付いた本立てのようなケース収まった風格のある辞書は、今でも現役で時々役に立っています。
初版が戦前なので、例えば「ニイタカヤマ」は「我國第一の高峯」となっており、富士山は「我國第一の名山」であり、最高峰ではありません。
おもしろい! (マーちゃん)
2017-04-06 22:57:30
すごい辞典をお持ちです。当時としては収録数もすごいのでしょう。拡大鏡がいつているというのも面白いですね。それに、ニイタカヤマが我が国の山で最高峰と。戦前の地図を見て、海外侵略の時期の版図を示したりしますが、これはまさしく、辞典から歴史がうかがわれるものですね。しかも現役で使われているとは。
期待した買ってくださったお父さんも先見の明があったと思っていらっしゃるでしょう。面白い話でした。ありがとうございます。

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