Snapeの英語指南

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タバコと牛乳の関係

2013-12-07 00:44:40 | 現代時評

 

「タバコと牛乳」  ここにも“50年待ちピープル”が・・・

「タバコと牛乳」 ・・・ このタイトルを見て、どう思われたであろうか。この2つにどういう関係が、どういう対比があると感じられたであろうか。  “身体に悪いものと良いもの”?  “牛乳を飲むと肺がんになりにくい”?  “オトナと子ども”?

いずれでもない。   “タバコと牛乳は同じである” と言いたいのである。

 

タバコの害毒

現代のタバコは15世紀にコロンブスが新大陸から持ち帰ったものが起源であるが、その害悪はヨーロッパでは17世紀以前からすでに指摘されている。20世紀半ばになって医学的、統計的なデータに基づいて肺がんとの関係が科学的に裏付けられた。つまり欧米人がタバコを吸い始めてから、それが肺がんの主な原因であるとはっきり知るまでに450年以上かかっている。そしてその因果関係が明らかになっても、いったん産業化して大きな収入源になったものは簡単には崩れ去らない。実際、タバコと肺がんの深い因果関係が明白になっても、タバコの実害が注目されて公共施設やまともなレストランからタバコの煙が消えるようになるまでにすでに50年以上かかっている。それでも今日まだタバコが無くならないのはニコチンのもつ薬物依存性と、大きな税収ゆえの “保護のおかげ” ではなかろうか。国家が違法な依存性薬物の中でニコチンを例外扱いにして薬物依存気質の人間に高い値段で売りつけているわけである。

 

毒物の回避

一つ注意しておきたい。世の中にはニコチン依存症から抜け出せない自分を自己正当化するためにいろいろ理屈をこねくり回し、世間のまともな人々がタバコを嫌うのを、魔女狩りだ!ファシズムだ!とヒステリックに叫ぶ人間がいる。日本を代表するアニメ映画の監督もそのタイプのようだ。ニコチン依存症の恨み節である。ニコチンが人間に叫ばせているのである。

人体に有害なものを遠ざけることじたい結構なことではなかろうか。これはファシズムだろうか?ヒトラーはタバコ嫌いだったそうだが、それはヒトラーが他の点はさておいて、タバコに関しては賢明であったいうことだろう。ヒトラーもまんざら捨てたものではないというだけのことだ。井戸水に水銀が含まれていたら飲まないほうがいいだろう。カビの生えたパンは食べないほうがいいだろう。塩分を摂りすぎると心臓に良くないというのなら、控えたほうがいいだろう。単純なことである。ニコチンががんの元になるというのなら、がんになりたくないひとは避けるだけではないか。

 

牛乳は乳がんの主原因だった

ふむふむ、まあ、タバコはいちおうわかった。じゃ、牛乳は何なんだ?タバコとどこが同じなんだ?

実はどちらもがんの主要な原因なのである。ただ、タバコは “肺がん” の主原因であるが、牛乳は “乳がん” の主原因なのである。厳密に言えば、牛乳に限らず乳製品一般がそうなのである。さらに言えば、女性のみならず、乳製品は男性の前立腺がんの主原因とも考えられているのだ。この根拠については別ページに詳述している。→ 「牛乳と乳がん・前立腺がん」

 ちなみに乳がん患者が増えるにつれて乳がん専門医の収入は増大し、乳がん患者が減れば、彼らの収入も減るという現実もある。わたしが以前あるパーティーで話を交わした紳士は心臓外科医だったが、わたしが「タバコを吸う患者さんに止めるように言いますか」と尋ねたら、「いや、特に言いませんよ。・・・“大事な患者さん”ですから」と、ニヤリと答えた。

喫煙による肺がんのまともな専門医だったら、単に「タバコはやめなさい」だけで少なくとも主原因の除去はできるのであるが、乳製品の場合はあまりにもわれわれの食生活に浸透しているだけに、その主原因の除去を実際上勧めるのはあまりにも酷なうえ、非実際的というわけである。また、うっかり乳製品が原因であると本当のことを言ってしまうと、酪農業団体、乳業団体から圧力がかかるのは目に見えている。同業者である医者や研究者たちからも村八分にされかねない。実際数年前にそういうことが起きている。それを恐れて医者や医学研究者、医療専門家は口を閉ざすことになる。このブログ主のような、医者でも大学教授でもないただの人間は自由にものが言えるというだけだ。

 

産業としてのタバコ、産業としての牛乳

何の縛りもない “恵まれた” 立場だからこそ、本当のことを言わせていただく。2013年現在、一般大衆は牛乳の潜在的な危険を知らされずにいる。乳製品一般が有害で危険である可能性についての警告をいっさい受けることなく放置されている。タバコの場合は、すでに以下のような警告文の表示が法律で義務付けられているのはご承知の通りである。

「喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります。」

しかし、牛乳、バター、ヨーグルト、チーズ、アイスクリームといった乳製品に、同様に以下のような警告文が表示されるようになるのにあと30年以上かかるだろう。

「乳製品の摂取は、あなたにとって乳がんや前立腺がんの原因の一つとなります。」

自分の頭で考えない人間は、だいたい世の中の大勢に従うので、今から数十年経って、こういった警告が現実に乳製品のパッケージに表示されるようになってはじめて慌てることであろう(当人がその数十年の間に乳がんや前立腺がんで死んでいなければの話であるが)。そういった警告表示が登場してもそのまま乳製品を摂取し続ける人間は多いであろう。タバコでさえ未だに高いお金を出して吸っている人間が少なからずいるのである。

 

牛乳は数千年にわたって “シロ” だとみなされてきた

乳製品が危険なのか安全なのか吟味し、判断する機会すら与えられずに、“牛乳はからだにいい” という牛乳神話だけがいつまでもテレビや新聞で繰り返されている。骨粗鬆症の予防だの、子どもの背が伸びるだのという “迷信” である。これらの迷信については別ページで説明している。 → 「牛乳の迷信」

タバコ産業は全産業中のごく一部を占めるにすぎず、関連産業も特にない “孤立” したセクターである。多くの男女や子供には無縁の産業である。肺がんの原因とし名指しされてしまったら、あとは少しずつ撤退するしかない。いずれ尻尾切りが可能な孤立したマイナーな産業である。しかし、日本の酪農業と乳業は戦後、食品業界に登場し、今や相当の比率を占める巨大な産業セクターに成長しており、女性、男性を問わず、子どもにも縁が深い産業である。そう簡単に “渋々と撤退” というわけにはいかないであろうし、生き残りのための熾烈な抵抗があろう。そもそも乳業系の会社の多くは子どもの健やかな成長に貢献することを謳っていることが多い。そして、創業者をはじめ、社員も “より豊かな食生活” “子どもの健やかな成長” を信じて乳業に従事してきたのである。たしかにこの善意にウソはなかった。しかし、文明の最初期から連綿と続いているこの産業に科学的なメスが入ったのはほんのつい数十年前のことである。タバコに対する評価はもともと何百年も“黒かった”。ほとんどずっと“悪習”とみなされていた。しかし牛乳に対する評価は数千年にわたって“白かった”のである。牛乳を飲むのは“良い習慣”と思われてきた。何千年ものあいだ誰も牛乳を疑わなかったのである。それが、西暦2000年に一人のイギリスの女性科学者が出版した1冊の本によって大転換が起きた。この衝撃的な本については、別ページで紹介している。 → “Your Life In Your Hands” by Jane Plant  邦訳 「乳がんと牛乳」 

根拠のない迷信 

“善意” を言うのであったら、水銀も不老不死の物質として珍重されていた時代があり、“善意”と“信念” からそれを皇帝に献上した家来もいる。秦の始皇帝はそれによって死んだとされている。長い伝統によって信じられていたものが科学的検証に耐えず捨てられる羽目になるケースは無数にある。聖なる川であるガンジス川の水を飲むことは自らを清めるうえでも意味のあることとして、数千年にわたって行われてきて、そして今日でも行われているふつうの行為である。立派な伝統ではないか。しかし、今日まともな教育を受けているインド人でガンジス川の水をそのまま口にする人間はいない(ガンジス川にはあらゆる生活排水や糞尿が流れ込んでおり、水葬にされた人間の遺体すら浮かんでいる)。伝統の長さは科学的論証上、何の意味も持たないことがある。単に無知の恐ろしさ、悲しさを示す実例に過ぎないことすらある。善意や信念が根拠のない迷信の上にそびえることが人災の始まりである。 

 

 

 

 

牛乳は “聖水” か

はっきり言おう。牛乳は、現代人にとって “ガンジス川の水” である。ガンジスの民がガンジス川の水を“聖水”としてありがたがって飲んでいるのと同じように、欧米型社会の人々は、牛乳を“健康の元”としてありがたがって飲んでいる。ヨーグルトやチーズといった乳製品を “安全” で “ヘルシー” だと思って食べている。どちらの人々も根拠のない迷信を疑うことなく受け入れ、その伝統的な行動パターンを繰り返している。 そして、避けられるであろう苦しみの元をわざわざ進んで摂取している。タバコの場合と同じである。文化的自由 とも言えようが、自分が飲んでいるもの、食べているものが単にわかっていないだけである公算が大である。事実を知った上で、それでも選ぶのはけっこうである。しかしその事実はほとんど知らされていない。それどころか、巧妙に隠ぺいされている。乳製品の有害性はもう20年以上前から海外で指摘されている。日本でこれが今日のタバコほどに一般的に危険視されるようになるまでにあと30年以上はかかるであろう。牛乳産業全般や一般大衆の食生活・嗜好への多大な影響を考えると、相当の抵抗、反撃も予想されるので、一般大衆が牛乳を避けるようになるまでに50年くらいかかるかもしれない。その50年後にやっと腰を上げることになる人々を “50年待ちピープル” と呼ぼう。

  

 


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