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シリーズ「魔法の添削」その4~質問の分類と攻略法~

2017-05-29 | 仕事

オープンクエスチョンの攻略
質問をよく読んで、相手の意図を想像しながら書くには…(長文ですがお付き合いください)

(1)質問を時の流れで分類する

単に質問といっても、その数は無数にあります。なので、一つひとつ想定して行くと果てしなく課題が尽きないので、質問を時の流れで分類する事をお勧めします。
それは、「過去」「現在」「未来」「混合」の4つです。
それぞれの意図や対策は後で述べますが、ここではまず、応募書類の全質問が、それぞれどの部分に当たるかを分類し、その傾向で、会社が貴方のどんな一面を知りたいかを大筋で捉える事が出来るという事を知って欲しいのです。
ここでは、代表的なパターンを紹介します。
1:過去・現在・未来の比率がほぼ同じ(バランス型:幅広い情報が欲しい)
2:現在・未来の比率が高い(自己理解度重視型:課題意識や目標設定の有無を知りたい)
3:未来の比率が一番高い(企業研究重視型:仕事に対する理解度を推測したい)
4:未来の質問だけしかない(やる気重視:強い意志や覚悟の度合いを知りたい)
※「高い」とは質問数だけでなく、答える枠の大きさや文字数が多いものも含みます。
一般的に、規模の大小問わず未来を尋ねる質問に比重を置いている企業が多いと言えます。
それは「実際に起こる近未来のイメージが鮮明に湧いているのかどうか。」という事を知りたいからです。
就職を、単に「卒業するから就職する」と言った進学のような捉え方をしている人は、採用しても現場についてこられない、自発的に向上しない、やる気がないと判断されます。一方就職に強い意欲がある人なら、近未来の自分に夢や希望を重ねてどんな仕事をしているのかを想像しているに違いない、そういう人は未来の事を具体的に表現できるだろう。という論法が成り立つからです。
また、過去や現在を尋ねるのは、未来に対する信憑性(説得力)となり、「なるほど、だからこの仕事をしたいと思っているのか。」など、応募者への理解度が増し、より適正な選考に繋がるからです。
ではそれぞれの質問を、具体例を上げて説明して行きましょう。

(2)過去を尋ねる質問 ~過去の集積が未来を創る~

過去を尋ねる質問には、企業が知りたい情報が大きく3つあります。
1:どんな行動(行為)をしたか
2:どんな考え(感情)を抱いたか
3:その経験から何を得た(学んだ)か
そして、その情報をイメージしやすい「状況説明」として5W1Hを用いた説明も同時に求めています。
「誰が、何を、いつ、どこで、なぜ、どのように」という説明が、伝えたい情報によって的確に用いられているか否かを判断し、その人の説明力(伝達力)を推測するのです。
※5W1Hは以下に説明する質問でも同じように重要です。

質問の具体例

これまでで最も力を注いだ事と、そこから得た事を教えて下さい。

質問から企業の知りたい情報を読み取る手順

この質問でまず注目すべきは、「力を注いだ事」という点です。この時点で、企業側の求めている情報が、前述の1:どんな活動(行為)をしたか、と読み取る事ができます。仮に「最も感動した事」と聞いている場合は、前述の2:どんな感情を抱いたか、という事になります。
次に注目すべきは「そこから得た事」という点です。これは捉え方により「考え方」「技術」「具体的な品物」「地位や名声」など、様々な解釈が出来ますが、この場合「仕事に役立つ事」という視点で考えるのが無難です。
よって、企業側の知りたい情報は、「その経験がどのように仕事に活かせると思うか。」という事が推測できます。
そして最後に「これまでで最も」という言葉です。多くの人がいつまでの期間なのかで悩みます。
例えば「最も」なのが「小学生2年生のサッカーのシュートの練習」など、遠い過去の場合です。
この場合もやはり「仕事に役立つ事」という視点で考えます。
単に古いとか最近かではなく、その経験がどの程度仕事に活かせると思うのかを重視し、自分が最も相応しいと思う出来事に決めるのが良いでしょう。
いかに古い出来事でも、それが自分らしさを語るのに必要不可な出来事なら、または仕事をする上で欠かせない価値観を得た事なら(大きな分岐点や価値観を変えた事など)、自信を持って伝えるべきです。
但し、質問に「学生時代に」とか「ここ最近で」などと期間指定がある場合は、それに従います。
そして、その期間の中の”最も”なことを選んで書くと良いでしょう。

POINT

過去を尋ねるという事は、単に思い出話しを聞きたいのではなく、その経験がやがて仕事に活かせるという未来の暗示に通じているからです。
「ある成功体験をした人は、仕事においてもそれを再現しようと頑張るかも知れない。」
「苦しい事を体験した人は、心が強く人に優しく出来るので、丁寧なサービスが出来るかも知れない。」
「一生懸命努力を重ねて来た人は、目標を持って真面目に仕事に取り組む社員になるかも知れない。」
「人の上に立つ経験をした人は、組織の和を重んじ、人に従う事も出来るかも知れない。」
「クラブ活動を頑張った人は、チームワークを意識して集団行動に直ぐに対応できるかも知れない。」
など、このように過去の情報は企業側の欲しい人材になる要素があるか否かの判断材料となります。
ここで気付いて欲しいのは、如何に過去の事を尋ねていても、それは必ず未来(就職後)の貴方を想像するために聞いているのだ、という事です。

(3)現在を尋ねる質問 ~今は過去と未来の架け橋~

現在を尋ねる質問で企業側が知りたいのは、「自信の度合い」と「課題意識」です。
一見、相反する事のように思えるかも知れませんが、これは自己理解度の中の2大柱です。
ここでいう自信とは、自己満足ではなく、客観的に自分を分析し、自分の性格や能力、さらに興味を理解した上で、他者にそれを開示・主張出来る状態にある事を指します。よって、内に秘めているだけの誰も知らない自慢話や、勝手な妄想で作り上げた幻想の自分を装うのではなく、自他共に認める、ありのままの自分という事です。言い換えれば「自分を受け入れている人」「自分が好きな人」となります。
自分の事をどの程度分かりやすく表現できるかという技量を確かめる事で、自信の度合いを判断します。
また、課題意識とは、向上心とセットになっているかが重要です。単に自分の短所や嫌いな所を知っているだけではなく、それを課題として捉え克服しようと努力している人か否かを知りたいのです。
課題克服力は社会人として重要な要素と言えます。

質問の具体例

自由な表現で自分をアピールして下さい。

質問から企業の知りたい情報を読み取る手順

この質問で誰もが悩むのが、「自由な表現」という点です。文字通り自由なので、文章だけでなく、絵図やグラフ、更に色を付けるのも良いという事になります。
ここで重要なのが、自己分析です。「自由」と言う言葉にどのような反応をするか、と言う事です。
自分をよく理解している人は、あまり迷わず自分が得意な表現法を選ぶでしょう。しかし大半の人は「自由ってどの程度?」、「どんな風に書けば好印象を与えるのだろう。」などと考えてしまいます。
これは、自分の意思の前に、相手の趣味嗜好に合わさなければいけないという暗示に掛っているからで、まさに企業側の仕掛けた細工なのです。答えは無限にあり正解などないのに、「自由」という言葉だけで見えない制限を与えている質問法です。貴方の発想力を試す質問と言っても良いでしょう。
なので、攻略は簡単です。素直に受け止め、自分が最も得意な表現法を選ぶ事です。
更には、自分が楽しんで書く事です。この手の質問は白紙の枠に書かせるパターンが普通なので、キャンパスに作品を書くという感覚で、貴方の発想力をフルに生かす事をお勧めします。
このような質問をする企業の多くは、そんな貴方の自由な発想力やユニークなアイデアなどを求めています。非常識でなければ、型にはまらない自由さは若さの特権でもあるからです。
勿論、内容も重要で、自分の何を伝えたいのかを明確にしてから、それを最大限表現できる手法を考えるのが妥当です。当然、文章でも構いませんが、どうしても企業側に知って欲しい事を素直に伝える事を心がけて下さい。飾らない素直さも、企業側の求める人材像の一つです。

POINT

今の自分は過去の集積であり、未来に向かう通過点である。という捉え方が出来ますが、企業経営者の多くは「今こそ大事」と言います。今という一瞬を大切に出来ない人に、明るい未来はないという意味です。更には自分の事を大切に出来ない人は仕事も上手く出来ないという事に繋がります。
自信を持つとは、自分を好きになる事です。今の自分を受け入れる事です。人に自慢出来なくても、人より上手く出来なくても、自分が好きな自分を探して下さい。必ず見つかります。

(4)未来を尋ねる質問 ~未来は自分で切り拓くもの~

前述の通り、未来を尋ねるのは鮮明なイメージがあるのかどうかを確かめたいからです。
更に付け加えると、近未来の予想すら出来ない人は、仕事の上でも「次に何をすべきかが分からない人」という風に判断されます。どんな会社にも”仕事の流れ”があり、職場は常に効率を追求し、成果を上げるための工夫を強いられるものです。そこで重要なのが、次に何が起こるか、何を準備すべきか、どのように対処すべきか、といった、先を読む能力です。指示された事だけを淡々とこなす能力ではなく、常に先を考えて行動できる能力が備わっているどうかを判断するのに都合が良いのが、未来の事を聞く質問です。言われた事をするのは当たり前なので、あえてその対応力を確かめる必要度は低いのです。
企業にとって大切なのは、この人は自発的に自分のなすべき事を見出せる人なのか、或いは、多少の時間教育をすれば、そうなれる人なのかを判断する事なのです。
今は、多くの企業が厳しい経済状況の中で切磋琢磨している時代です。そんな時代にこそ、自主的に自分を向上させようという意識の高い「主体性を持った人材」が求められています。
なので、未来を尋ねる質問は選考においても非常に高いウエイトを占めます。
また、企業分析力も重要な要素となり、どの程度研究しているのかによって、志望度の高さを探ります。
いくら希望していても、その会社がどんな事をして何を目指しているのかが分かっていなければ、志望度は低いという判断になります。
企業研究の一番の攻略法は先輩に聞く事です。実際にその会社で働いている人に話を聞くと、近未来の自分がリアルに想像しやすくなり「そこで働く自分」のイメージが湧くからです。
イメージが湧かないのに、未来の事は書けないし、話せません。

質問の具体例

貴方は当社のためにどんな活躍が出来ますか。

質問から企業の知りたい情報を読み取る手順

この質問で重要なのは、「当社のために」という点です。この言葉の意図は、「社員一人ひとりの活躍が会社を生かすのであって、会社は社員のために存在するのではないよ。」という意味です。
裏を返せば、「会社依存の強い人は当社にはいらないよ。」と言っているのと同意語となります。
なので、このような質問をする会社に応募する人は、「自分も会社を支える一員となるのだ。」という強い決意が必要です。また、このような会社は報酬が高い分、要求度も高いかも知れません。或いは実力次第で若くして出世できる会社かも知れません。まさに、企業研究力が試される質問という事です。
もう一つ重要なのは、「どんな活躍が」という点です。多くの人が自分の能力の中で何か良い答えはないものか、と悩むところですが、大事な事を見逃しています。
それは「いつ」とは聞いていない事です。いつまでにという制限がない事に注目して欲しいのです。
現実には、何がどの程度出来るかは入ってみなければ分かりません。それは企業側も百も承知で、ましてや新卒を採用する上で、すぐに使い物になるなど初めから考えていません。
なので、この質問で知りたいのは応募者の自己理解力と計画設計力です。
「自分の今の力量を把握した上で、いつの時点でどんな活躍をすると計画しているのか。」となります。

POINT

未来の事は誰にも分かりません。しかし、未来に希望を持ち想像することは誰にでもできます。
どの企業も、現実の明日がどうなるのかなど分からないまま動いていますが、「どうにかなるさ」という経営をしている企業などありません。どの企業にも計画や目標があり、明確な経営目的があります。
だからこそ、自分の未来を、希望を持って想像し、いかにして実現させるかを考えている人を求めます。
また、その想像の未来を、他者に堂々と自信をもって言える人を探しているのです。
自分がその会社に入ったら、いつ、どんな活躍がしたいかが肝心で、出来るようになる、変われる自分を想像する事です。今の自分には出来ない事が、1年後には出来るようになっているかも知れません。
この質問の攻略は、「何が出来るか(今の能力)」を「何がしたいか(未来の能力)」に発展させる事です。
この考え方が出来るようになると、自然に目標が立ち、どうやって実現するかという手段の選択が出来るようになります。そして、それ自体が仕事に役立つようになります。
しかし、問題なのは「自分は能力なんてない。」と決めつける心です。多くの人が勘違いしていますが、元々能力とは人に自慢するためのものではありません。能力とは、貴方の個性を構成している部品のようなものです。生まれながらに持っている能力もあるでしょう。しかし、ほとんどは後天的に身に付けるものです。なので、仮に貴方がこのような考えがあったとしたら、次のように考えて下さい。
「幸運にも、自分にはこれからどんな能力も身に付けるだけの余力があるのだ。」と。
話の冒頭に戻りますが、この質問は時期を聞いていません。なので、これから貴方が身に付けたい能力をいつ頃身に付け、どの時点で発揮するのかを想像するだけで良いのです。
貴方の未来は、貴方の中にしかありません。自分と向き合い、素直に想像して下さい。



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