八年前の真？

　朝から暑かった。教会へ行く道は日陰が無い。洗礼を受ける前、祈りたくて毎日、教会に通った。今日と同じように暑かった。夏の日陰もない道を歩くと、なぜか山川方夫の「夏の葬列」を思いだす。中学の教科書に載っていた記憶がある。なんとも言えない残酷さと哀しさで中学生の心には消化不良だった。今、読んでもおそらくなんともいえない「後味の悪さ」があるように思う。

　言葉にならない強烈な「痛み」があった。八年前になるだろうか。それをなんと伝えたのかよく覚えていない。直接的な言い方はしていないはずだ。その大きなショックを忘れるような言葉が返ってきた。わが身の痛みなど忘れてしまった。「うそでしょう？あなたはそんなことを出来る人ではないでしょう？」と。

　今日の大河ドラマはそんな出来事を思い出させた。おそらく八年前のその言葉はうそではなかったのだろう。その言葉のお陰で私は生き返った。そうだとしても、あえてそんなことを伝えなくてもいいのに・・・・。「痛み」に苦しんでいた私をただ守りたかっただけの言葉なのか。その真偽を知ろうとは思わないが、、「ただ守りたいだけの言葉」は今も続いているような気もする。