NHK受信料制度について

法律家が、NHKの受信料制度、特にその合憲性について考え、議論します。

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NHK受信料裁判 最高裁への国の意見書

2017年04月25日 | NHK
NHK受信料の違憲性の問題については、こちらの4月15日の記事を未読の方は是非一度お読み下さい。

受信料裁判で、最高裁の求めに応じて法務大臣が意見書を提出したそうです。

この国による意見提出の制度、私も今回初めて存在を知ったのですが、戦後2例目だそうで、1件目では違憲判決が出た事件で行われたとのことです(その時も国の意見は合憲でした。国会が決めた法律について聞かれたら、国が合憲というのは当たり前でしょうけど)。

最高裁がこんな異例なことをしたのが何を意味しているのかについてもいずれ考えてみたいのですが、今日はその意見書の内容についてです。

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まあ予想通り、受信料は合憲っていうのが意見書の結論みたいですが、その理由は、報道で見た限り、

・災害時、緊急時などの有事に国民に正確な情報を提供して、国民が生命や財産を守れるようにするために受信料の支払を義務付けてNHKを運営する必要がある
・諸外国でも受信料制度によって公共放送が運営されている、


という2点のようです。

諸外国のことは、子どもじゃあるまいし「よそはよそ、うちはうち」っていう気もしますが・・・。

で、本丸の有事の際の情報提供ですが、これ自体は必要という気もしないではない。何らかの形で、放送を通じて国民に情報提供する機能は、国として整えておく必要があると思います。

ただ、4月15日の記事でも書いたとおり、「有事の際の情報提供」とは全く関係ない娯楽やスポーツ番組が大部分で、受信料の大半もそこに使われていると思われることが問題なんです。

オールオアナッシングではない

違憲か合憲か、という議論は受信料制度が一から十まで全部違憲、という議論もあり得ますが、一から三までは合憲だけど四から十までは違憲、という結論だってあり得るんです。

つまり、有事の際の情報提供事態は必要だから、受信料を義務付けてNHKを運営すること自体は合理性があって、そのために財産権を制約するのも許される。
だ・け・ど、憲法で保障された財産権を侵害するわけだから、その侵害の程度はなるべく少なくすべきで、必要となる理由との関係を離れてむやみやたらと大きくなってしまったら、その大きくなり過ぎた部分は違憲だよ、という理屈です。

実は、私も偉そうに書いていますが、4月15日の記事や今回の記事で書いたようなことは、法律家だったら多くの人が考え付く理屈です。
最高裁っていうのは司法界の頂点ですから、実際に違憲判決が出るかはともかくとして、中の人は「受信料制度が過大になっていないか」という視点でも必ずモノを考えるはずです。

最高裁が国に意見書まで出させて、受信料裁判も盛り上がってきましたね。
違憲判決が出るかはなんとも言えませんが、判決で最高裁がどんなことを言うのか楽しみです。
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