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『真田丸』29話「異変」 老いたる象徴、風の分岐

2016-07-25 18:30:16 | 大河

2016年大河『真田丸』29話「異変」のネタバレ感想のようなものまとめ。



真田の人たちは全体的にやりたい放題なのですが……。


※途中のドクターGごっこは、あくまでごっこなのであしからず。



関連リンク

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■薫ママンの秘密


第28回で「??」が提示された、薫ママンの出自。
どういうこったい、と兄弟が昌幸パッパに問い詰めたところ。

「信玄公に倣いわしも公家の娘を娶ろうといろいろ掛け合ったが相手にされず、ただ一人食いついたのが晴季卿の母御に仕えていた薫じゃ」

みんなに好かれるよりひとりに好かれるのもいいと思うよ(´,,・ω・,,`)
(がっつき過ぎて誰からも相手にされずに信玄公にも呆れられたパッパのスピンオフください)


ナイミツニナ!ナイミツニナ!コノハナシハナイミツニナ!!
(※いつもの平清盛ネタです)


とにかく誰がナイミツにしようともナイミツにせずとも。


「その前にわしが殺される」

自覚あるんかわれ。




■胃壁


ところで、真田家に新たな家族がひとり。
大谷吉継の娘・春が信繁の正室となりました。

春の雰囲気がどことなく梅と似ている、とこうちゃんや薫ママン。
ならば……と稲ちゃん。


「では私も前の奥方様に似ているのですか?」

お兄ちゃんの寿命(享年93)がまた縮んだ!




■信繁と春、初夜


信繁と春、祝言を挙げました。



11話の「祝言」ではせっかくのおめでたい席がしっちゃかめっちゃかになってしまったので、
「今真田が攻めれば勝てる」とかいつものことを言っているパッパに軽くけん制をした信繁です。

思えばあの「祝言」のあたりが真田源次郎信繁の幸せMAXだったのかもしれませんね……
【まとめ丸】真田源次郎信繁、大河ヒーロー成長日記 【主役は俺だ】

そして迎えた初夜。


「むろんそなたのことは大切に致す。しかし私はお梅のことを決して忘れることはない。辛いことかもしれぬがそれは承知してほしい」

お梅ちゃんとの思い出は多分それは忘れちゃいけないものだよ…
それでいいんだよ、源次郎…

(ラブコメの圧力にやられた)


「手をつないでもよろしいでしょうか」
「もちろん」


この初夜可愛らしすぎる問題。


しかしながら、ウィキペディア三成によると
「あのおなごは厄介」という。

……そうだな、何年か前に上野でネギ振り回してたもんな。(→「あまちゃん」の話・
奈落で『天下取れるよ!』って言ってたもんな。



■秀吉、老性自覚


ところで、老いた秀吉。
寝小便をしてしまいました。



片桐殿をだまし、隠蔽工作に走る信繁と三成。
この秀吉の寝小便に関して、三成はみっちゃん「たかだか寝小便」って言ってましたが、秀吉の受けたショックは計り知れないものと考えられます。

皮膚障害、感染、におい、不快感、睡眠不足などの身体的苦痛。
自尊心の低下、罪悪感、羞恥心、不安や孤独感、あきらめ、抑鬱などの心理的苦痛。
行動範囲の限定、人間関係の縮小、社会参加の制限、経済的負担、家族トラブルなどの社会的負担。
(→失禁がもたらす問題


秀吉がどこまで感じているかはわかりませんが、ショックは受けている模様。



秀吉の老性自覚、辛いな。

しかしそこはさすがに太閤殿下。

「死んだあとのことを考えていた」と。
「ご用意のよろしいことで」、冷たいながらも正論で返す三成さすが三成。


「拾が元服するまで、関白は置かぬと決めた。それまではお前たち奉行衆が相談の上政を行え」


そんな秀吉の様子に関して、不安を隠せない信繁。
思わず三成に相談します。



・毛が薄くなる ←老化現象、あるいは栄養不足
・同じ話を繰り返す、それに気づいていない。 ←初期の認知症疑いかも
・お怒りになると以下略 ←多分それは前から。




この「前からそうだから気にするな」というのが実に厄介。
近くにいればいるほど気づきにくい変化の兆候。



■フランシスコ吉蔵


秀次事件のショックを引きづるきりちゃん。
寧様に励まされるように、細川屋敷へのお使いを頼まれました。

そのためにやってきたのがまず伏見城の普請場。

……おやパッパがいない?
トラウマになるあのセミの鳴き声鳴り響く中、信幸が頑張っています。
そしてきりが会ったのはフランシスコ吉蔵という大工でした。

 

(小道具気になっちゃう勢ですこんばんわ)



■おてんと様がなんぼのもんじゃい


伏見城普請場にパッパはいなかった、ときりちゃんから聞いたママン。
ならばどこに行っているのか。
信幸を責め立てるのですが。



女のところだ!と感づいた薫ママン。

そんな女の感の鋭さをまだ知る由もないパッパは……


「おてんと様がなんぼのもんじゃい」

はいそうですおてんと様とか関係ねえです。ええ。

さらにパッパはこの人の想いも露知らず……


「昼間から太夫と遊びふける殿をわしは見とうない。昔の殿はどこへ行かれた?」

嘘です、前言撤回です。
おてんと様がなんぼのもんです。


しかしパッパ、マジでタヌキだなwww
【まとめ丸】 戦国たぬき合戦・真田昌幸 【騙された、また騙された】





■あらあら、あらあらあらあら。


もうあっちの夫婦もこっちの夫婦もそっちの夫婦も大変じゃないかってとき。
ママンに責められるわ、パッパは仕事しないわ、もうヤケクソになった信幸お兄ちゃん。
鳴り響く合戦BGM。


まずは元嫁の寝室。


ちょっと休憩。


すると突然今嫁が押し倒してきた。

(首締めるのかと思った)





その結果かどうかはわかりませんが、稲とこうちゃんに子が出来ました。
兄弟ぺチぺチうれしい。



■春ちゃん、会心のどストレート。


まあそんな夫婦のあれこれを知ることもないきりちゃん。
細川屋敷へのおつかいは続いています。

そのときちょうど真田屋敷でばったり会ったのが……


「どこへ行ってもうっとうしいと言われるきりさんですね」

会心のどストレート。
きりちゃんさすがに半笑い。


大丈夫きりちゃん、秀次はきりちゃんのこと『うっとうしい』だなんて思ってなかったから。
……あ、いや一度言われたけど、あれはまあハグされたからノーカンで。


でも気をとりなおして、「2人がとっても似合っている」と。


「きりさんにそう言ってもらえるとすごく嬉しい」

きりちゃんの表情が固まっちゃったよ、おいおい。

「きりに言われるのが嬉しい」って聞き覚えあると思ったら、源次郎も同じことを言っていました。
(→第11回


きりちゃんがんばれ。
きりちゃんは大坂編に必要な人物だ。



■秀次はもういない


そんなきりちゃん、細川屋敷の奥様のところまでおつかい無事到着。


細川玉。
洗礼名ガラシャで知られる人物です。


(しかしどうしたらあの明智光秀からこの橋本マナミが……)

切支丹であるガラシャに、秀次の形見である画について尋ねるきりちゃん。


「その方があなたのお守りにと下さったのでしょう」

神は人間なのか、神の母が神に祈るのか、神の母の母はおばあちゃんなのか……とか。
昔のきりちゃんなら延々と尋ねちゃいそうですけど。


神うんぬん切支丹うんぬんっていうよりも。
なによりこの絵画が美しい。
讃美歌が美しい。
信じる心が美しい。



その美しさを教えてくれた秀次はもういない。
それが彼女の心を占めていたのかなあと。

きりちゃんには幸せになってほしいものです。




■パッパ、本気出すってよ


そんな純愛きりちゃんですが、こっちはまあゲスいゲスい。
仕事さぼって高級クラブに昼間っから通ってたことがばれたパッパ。


それを問い詰める薫ママン。

 





パッパの言い訳コレクション。
っとにどーしよーもねえなあ!!




ママンは出浦殿に「あんた知ってるんでしょ?!どうなの?!」と話を振るのですが。


ドロンっ。


ママンが一旦画面から去って(声だけは聞こえる)、昌幸は信幸に伏見城普請の進捗状況について尋ねます。
図面を見た瞬間、パッパの目が戦闘モードに……


「このような平城、一気に攻め潰されてしまうではないか」

高台から一気に攻め込むその日のため。
真田のためならやる気だすパッパ。




餅といい碁石といい、今度は砂山使ってビジュアル解説。




■字幕はあえて消した


パッパのやる気スイッチ入って、出浦様もご満悦のご様子。



ご満悦……
ご満悦………



「構わぬ。わしが惚れたのはそんなお主じゃ」

斜め上をシュンッと、何かがかすめていった。



■はたらくお父さん


やる気スイッチの入ったパッパ、がんばってます。
眺める信幸と出浦様も一安心。

が、その足元で何やら張ったばかりの畳を替える作業が始まりました。
「なにごと?」と尋ねる信幸。


「(殿下が)今朝ほど部屋を見に来られまして、この段差でつまづかれまして」

バリアフリー工事か……。
秀吉の足元、おぼつかないのか……。




■家康と秀吉


話は大坂城、秀吉のところに戻ります。
秀吉は徳川家康を呼び寄せていました。



……内大臣?
……内大臣と……宋銭?
内大臣なら家康くんの右隣に……

(三谷脚本の手のひらで転がされてるのは自覚している平清盛クラスタです、こんばんわ。)

内大臣はともかくとして。
秀吉が家康に言った言葉がこれ。

「拾が元服するまで、関白は置かぬつもりだ。政は徳川殿を要とした大名たちの合議で進めていってほしい」


おや?
三成と信繁に言ったのと話が違う。



「拾のこれからは徳川殿、そなたに懸かっておる。どうか頼みますぞ」

『豊臣秀頼のこれから』はある意味徳川家康に懸かってるわな。
パッパより家康より誰より、これを老いつつある秀吉に言わせる脚本ゲスい(いいぞもっとやれ




■刑部の頚部が気になって仕方ない




殿下の見当識障害があかん、と義父・大谷吉継のところに相談に来た信繁。
しかし殿下の見当識の前に、気になるのが刑部の頸部

※以下結構適当なことを言います。



【刑部の頸部の皮疹】
・疼痛、発赤あり
・掻痒感、熱感、腫脹は不明
・水泡状にみえる、急性湿疹か?
・滲出液の漏出あり?


パッと見ではアトピー性の湿疹、天疱瘡・類天疱瘡の初期の水疱にも見える。
ともすると失明する原因はアトピー性の白内障あるいは網膜剥離が考えられますが。

もう一つ、症状が出ていました。
筆を持つときの右腕の神経症状。
これだ。

先週の回は咳と微熱の症状がありました。
今週になり、皮膚症状と神経症状の合わせ技。
さらにクランクアップ済みの片岡さんブログの写真情報だと、おそらく発疹は顔面に拡がっている様子。

……SLE?
いやSLEよりもベーチェット病か?
(※大谷吉継に関してよく言われるハンセン氏病は『真田丸』では描かれない、との丸島氏情報で除外しています)



全身状態見せてくれてもいいんだよ?
もっと主訴を主張してくれていいんだよ?


口腔内とか眼症状、外陰部の状態が間接的にわかるセリフくれてもいいんだよ。(そういうドラマじゃない




■大事なことなので2回言いました


『何故か』もう一度呼ばれた家康。


「わしは拾が元服するまで関白は置かぬつもりだ」(二度目)

さすがに怪しく思う家康。


「殿下は大丈夫か?」

もうひとりのタヌキに核心を突かれてしまい、焦る三成・信繁・片桐ですが……


「殿下よりむしろ私の方が」

誰か片桐殿に胃薬差し入れてやれよ!!



■秀吉、崩壊


そして三度。


「徳川殿を呼べ」

しかし三成がそれを制止します。


「殿下、その胸はすでに徳川殿には伝わっております」

秀吉は気づいた。
自分の中の壊れていく自分に。


このまだら状態が本人も介護者も辛いんだよな……


「わしは壊れてしもうたのか?」

信繁に尋ねる秀吉。
切実に、祈るように訴えます。

 
が元服するまでは生きていたいんじゃ。ただ生きておるだけではだめじゃ。がわしのようになりたい思う威厳のある父親であらねばならん」

殿下、捨じゃない、拾だよ。
捨はもういないんだよ。




殿下は何が見えているの……?
今目の前にいる人の名前は分かる……?


「死にとうない!」

これまで何百何万の人を死に追いやってきた秀吉。
いざ自身の老いと病と死を実感して、「死にたくない」と。

この老いる秀吉の描き方が興味深い。
老年期の発達段階(エリクソン)として、老性自覚、自己縮小感、絶望感の受容と克服がありますが……
まあできてないだろうな今は。
そもそも役割喪失を受け入れてなさそうです。



はたして『真田丸』の秀吉じいさんは、自己の人生を肯定的に受け止められるかどうか。
老いと喪失、自己縮小を受容できるか。

しっかし秀次は明らかにうつ病と思わせる描写で、秀吉は軽度ながら認知症。
いやーまさか大河ドラマでこれを見せられるとは思いもしなかった。




■近くにいるから気づけない


そんな秀吉の老いに対して、そばで見ている寧様は、というと。
三成たちが相談に押し掛けます。

太閤の記憶障害がひどく、影武者になれる人もいない。
三成はヒヤヒヤもんだったんだろうことはうかがい知れますし、そういうときに頼れるのが寧様ってのもわかる。


なのですが。


「何もかも押し付けとるからでにゃあですか!」

寧様らしくなく声を荒げました。



……寧様はわかってる。秀吉は確実に老いていると。
だから生せんべいとか、ビスケットとか。
パッと見は「秀吉に懐かしの味を」と用意しているようにも見えるんだけど。



でも生せんべい、めちゃくちゃ喉につまりそう。
ビスケット、カントリーマアムじゃあるまいし、水分なしだとむせそう。

もしかして……



……窒息か誤嚥あたり狙ってる……?
毒は盛らずとも「このまま死んでくれ」くらいのこと思ってる……?



序盤に三成が「怒りっぽいのは前からの話」と言っていたように。
寧様も「ただ疲れてるんじゃないかな」と。
近くで見ていれば見ているほどわからない。

寧様の言葉にも辛さを感じる。




もうひとり、ある意味秀吉をよく知る人物。
茶々様は秀吉の老いに対して、きっぱりと拒絶を示しました。


「拾に太閤殿下の老いた姿を見せたくないのです」
「拾にとって思い出の中の父親は、威厳に満ちた天下人でなければならないのです」


茶々の生い立ちを考えると不自然ではない気もします。
だって茶々はここまでわかりやすく確実に老いる親を見たことがないはず。


なんだか胸の詰まる話ですが。
老いを目視したことのない茶々こそがもしかしたら秀吉の『変化』に気づきうるのではないか、とも。



■風の分岐


伏見城の畳の件で、秀吉の状態を察した信幸。
秀吉の病状を信繁に尋ねますが、信繁は答えようとしません。



だって信繁は豊臣に深く入り込み過ぎているから。


信幸は続けます。

「分からぬが俺は徳川の婿だ。もし世が乱れて、そのとき徳川に就くことが真田を利するならば……俺は迷うことなく徳川につく」


「全ては真田のためだ」

全ては真田のために。
豊臣でも徳川でもなく、真田のため。




真田のために、豊臣につくか、徳川につくか。
風の分岐をみたような気がしました。




■異変


そのとき今年に慶長伏見地震が関西地方一帯を襲います。



熊本・大分の地震の記憶も新しい2016年。
熊本城が傷ついた記憶も強烈に目に焼き付いています。
その年に、配慮とリアリティーと持って描く制作スタッフに敬意を表したい次第です。



突然の揺れに襲われた人々はそれぞれの行動をとります。


秀吉のところへ駆けつける三成。


怯える秀吉。


稲のところに向かい無事を確かめる信幸。


こうの無事も確かめます。


秀吉の安否を確認しにいく信繁を送る春。


出浦と屋外へ出ようとしている昌幸を引き留めようとする薫。

 
そして昌幸と出浦が目にしたのは崩れた伏見城でした。



「太閤秀吉の最期が近づいている」

流れるナレーション。
秀吉の最期とかぶさる昌幸の表情。



■指月城



このあと史実的には場所を変えて改築される伏見城。
初期の伏見城は指月城と呼ばれています。

伏見城といえば、昨年の発掘調査で金箔瓦が出土したばかり。
ブラタモリでも『京都・伏見』で特集が組まれていました。



ついでに現在全国巡回で開催中の『発掘された日本列島2016』でも調査概要と遺物が展示されていました。

 

伏見城跡(指月城)発掘調査現地説明会(2015年6月20日開催)
伏見城の発掘調査/京都埋蔵文化財研究所(PDFファイル)



■次週『黄昏』


殿下や天下がどうなるかも気になるんだけどさ。
それよりほら……



これはいったい何事。

それにしても14回「大坂」15回「秀吉」での秀吉の登場シーン。



こう使われるとはなあ……



■時間にご注意を




都知事選ですね。
もう少ししたらオリンピック。
オリンピックイヤーの大河ドラマですが、リオで落雷事故が起きないことを祈ります。




■おまけの真田丸GO!







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