晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

イトウの恋

2015年06月22日 | 
イトウの恋  中島京子 著

友人に勧められて読みました。
図書館になくて、amazon の古書¥55 でGet !
でも、送料の方が高くついちゃった(@_@;)

物語は、

「私とあなたはまた旅に出ましょう」
日本が西洋と出会ったばかりの時代の、切ない恋の物語です。

維新後間もない日本の奥地を旅する英国女性を通訳として導いた青年イトウは、諍いを繰り返しながらも親子ほど年上の彼女に惹かれていく・・
イトウの手記を発見し、文学的背景もかけ離れた二人の恋の行末を見届けたい新米教師の久保耕平と、
イトウの孫の娘にあたる劇画原作者の田中シゲルの思いは……。

本書の中で IBというイニシャルがまずでてくるのですが、これは、
イザベラ・バード です。PCで検索してみました。

1831年10月~1904年・
イギリスの女性旅行家、紀行作家。「日本奥地紀行」

と、ありました。。なんと実在の人物だったんです。
その通訳「イトウ」が残した手記から、ヒントを得て、こんな素敵な恋物語を考えつくなんて、中島京子さんてやはり
天才!
明治の古き良き?時代を背景に日本がまだ「未開の地」とされていたころの話であるから、町や風景や土地に住んでいる
人たちの暮らしぶりなどが、とても面白かったです。

西洋の人たちからすれば、日本人は、野蛮人とされていたんですね~
差別意識もあって、これがホンのちょっと前にあった日本の姿、って思うと不思議な感じです。

ミステリーのように、時代をさかのぼりイトウの娘の娘の娘・・がシゲルであることが判明。
そこで現代と明治の時代を行ったり来たりの展開。
これは・・ちょっと「小さいおうち」のような雰囲気です。

しかし、
イトウ20歳。IBは47歳。恋に堕ちるなんて・・
なんてロマンチックでしょう~。とはいえ、結局IBはさっさと逃げちゃうんですがね。

「日本奥地紀行」
ちょっと読んでみたい気持ちになりましたよ