動脈硬化に肉でもトロでもOKか?

2015-09-30 21:29:15 | Weblog

食事で血中コレステロールはさがる。
男(黒丸)女(白丸)横軸は低コレステロール食始める前の血中コレステロール。たて軸は6週間あとにどれだけ下がったか。もともと高い人ほどよく下がる。
(NEJM1982、Ehnhalm v307 p850)
 

結論
まずトランス脂肪酸の摂取をゼロにしよう。
余裕があればさらに健康的と考えられている食生活を選ぼう。
食事しだいで血中コレステロールはさがる。

実践
どうやって?
 なるだけご飯食、パンならばバケットかイギリスパンに。揚げ物は植物油脂100%を確認(スーパーの調理部のものならいけるかも)。箱や袋に入った洋菓子は食べない(カステラはOK、チーズケーキもOKの物もある。和菓子はOK)。洋菓子店のものも「油脂は何を使っていますか」と確認しよう(よほどこだわっている所でなければ安上がりのマーガリン、ショートニングを使っている。トランス脂肪酸を含む)。


根拠、背景
日本動脈硬化学会がコレステロール制限をすすめていたのをとりやめるということで混乱をおこしているようだ。週刊誌で今まで何だったのだという論調をみかけた。だまされておいしいものをガマンさせられたと。しかしこれは誤解である。

 日本動脈学会が根拠としている文献(Circulation 2014 Eckel v129 s76)によるとコレステロール摂取量をへらして血中コレステロールが低下するか判定する証拠は不十分であり今後さらに研究が求められるとのことである。
 さらに血中コレステロールを下げるために、野菜、果物、全粒穀物(玄米、ふすまのついた麦など)、低脂肪乳、鶏肉、魚、豆、植物油(ココナツ油など熱帯植以外の)、ナッツなどをまんべんなく、総カロリーが適切になるようとる。一方で砂糖、菓子、砂糖の入った飲料、赤身肉を制限するようすすめている。
 つまりコレステロール制限を明記していないからといってコレステロールを多くふくむ肉などの食べ物を制限しなくてよいといっているわけでわない。卵やイカなどについてはコメントしていない。度をすぎなければ気にしなくてよいと言うことだろう。


食事を変えれば血中コレステロールはさがる。
 フィンランドの研究で30夫婦に低コレステロール食を無償で提供。その内容とはミルクとバターをスキムミルクと植物油脂、そして不飽和脂肪酸の割合が多いマーガリンにかえてもらう。脂肪の少ない肉やチーズを選ぶこと。野菜果物をしっかりとること。6週間で平均で60mg/dlくらい下がった。高い人ほどよく下がる傾向があった。(NEJM1982、Ehnhalm v307 p850)
 変えた食事にふくまれるコレステロールが少ないから血中コレステロールが下がったのかどうかは結論できないが食事に気をつけることはたいせつである。


体に有害な脂質はトランス脂肪酸だけである可能性

 アメリカで8万人の女性に疫学調査。冠動脈疾患(心臓病)と有意に関連していたのは脂質の中ではトランス脂肪酸だけだった。動物脂肪は有意な相関なし。影響する証拠なしということ。(多変量解析 NEJM1997 Hu Meier v337 p1491)
トランス脂肪酸はマーガリン、ショートニング、洋菓子(バター100%使用と明記していないもの。スーパーにおいてあるものほとんど)、時間をおいてもパリッとしているドーナツ、フライドポテト(チェーン店のものはおそらく全て)、パン(パン店のものもバター100%か確かめよう。ほとんど違う。)等々にふくまれている。
 戦争でバターが不足して魚の油や植物油からバターと同じように室温で固まる硬化油脂を作る方法が発明された(マーガリン、ショートニング)。トランス脂肪酸は製造段階でできる有害な副産物である。

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