遊名人壱實

まさかのものがまさかなものを作る意外性の面白さに溺れ狂っています。今後手遊びの作品を紹介したいと思います。

No.68座敷雛と路地のあかり

2016年04月04日 | 日本のあかり行灯
 昨年、八幡浜の知人の住む小さな村で≪あんどん≫をともした。その時「親戚が来年、跡取りに長女が生まれたんで、来年の座敷雛に、この≪行灯≫をやってもらえんかな」と頼まれた。私は断ることもなく了承。
 この地区では200年の昔より、跡取りの長女誕生には、座敷いっぱいにお雛様を飾りお披露目する《座敷雛》という伝統行事が4月2日3日の二日間、今に受け継がれています。それはそれは立派なもので、《大工》と呼ばれる棟梁始め、《結》という助け合いの精神の元、一週間も前から村中総出(一日約30人にも及ぶ日も)で作り上げて行くものです。
 両親から贈られた七段飾りの豪勢な雛様を始め、中世の都の再現、盆栽の立派な松や満開の桜や森、瀧や池を配した庭園は素晴らしい。ちょうど私が八幡浜に行く2日朝、NHKで以前の映像が流れていました。
 この日私が行ったのは、大野由莉ちゃん、昨年8月2日に生まれた可愛い、おじいちゃん、おばあちゃんにとっては大切な宝物。
私が行ったときちょうど、おじいちゃんに抱っこされた由莉ちゃん、じっとはしていなかったように思いました。それほど元気でしたよ。
        

        
     由莉ちゃんの初節句祝う座敷雛
           伝統の村行列の人


 この座敷雛から続く、宇和海を望む最高のロケーション、路地の緩い坂道に90灯近くの行灯を飾る。3時頃から知人やその友人と・・・、前日、下見していたとおり坂道から、幅1mに満たないほどの狭い路地を神社への順路を灯す。坂道には色とりどりの《四角錐》やいろいろな形の行灯を並べ、狭い路地はみどりの灯り、桜の下には《吊り行灯》を配す。この行灯の一番輝いた状態を頭に描き配置、皆さんにきっと堪能してもらえるだろうと。
 夕刻、宇和海には落日のあかりの道がのびる頃、行灯は自己主張をし始める。座敷雛を見に来た人たちも坂道の行灯に歩いてゆく。皆さんあかりの中をゆっくりとゆっくりと歩いている。狭い路地のあかりに吸い込まれるように神社境内の灯りへと。満開のさくらに吊るす行灯や散々と配された行灯の中を・・・、多くの人に満足してもらえたと感じ取れました。
        

        
    座敷雛延びるあかりに導かれ
      あんどんの路地歩く坂道

お彼岸フェスタ・音とあかりの饗宴

2015年09月24日 | 日本のあかり行灯
 21日、菩提寺で《長法寺お彼岸フェスタ》が開かれました。世界的なマリンバ奏者《カラムス》のお二人の
長時間の熱演に大盛り上がり、境内には夜店も出店、酒、ビールを片手に檀徒の皆さんもノリノリで楽しい初秋の
夜を満喫されました。
 そんな境内に、一週間ほど前、寺裏山の墓への帰り、住職から詳細を説明され≪行灯≫をとの話があり、了承。
当日60灯を持ち込み、皆さんのお手伝いのおかげで時間内に飾りつけることができた。
 マリンバの演奏も盛り上がりを見せたころ、お寺の《鐘》を合図に≪行灯≫は一斉に点灯された。帳が下りるにつれ
60灯の行灯たちは個性を主張し始め、それぞれが見事に会場の皆さんを≪あかり≫の世界へと誘ってくれた。
 また、近くに居ながらにして会うことのない同級生に暫らくぶりに再会、30年ぶりに懐かしい人に巡り合い旧交を
温め、意味の深いものを私自身堪能することができた。素晴らしい一夜になりました。
   
   里の寺音とあかりに誘なわれ
       夜店で遊びフェスタ楽しむ

  
   釣り鐘をともすあかりの空間に
         今夜も一献酒がうまいゾ

  
   マリンバに般若心経合わせ読む
        初秋の寺は彼岸のフェスタ


 私を大事にしていただいた、亡き先代住職が遺した庭園の観音様に行灯を添え、ひとり偲んだ。
   先代の遺した庭の観音様
      寄り添う行灯あかり一灯

 

灯る夏夜・座敷雛の里

2015年08月27日 | 日本のあかり行灯
 22日、八幡浜市真穴の路地の坂道を20余年来の友人の全面協力で6年ぶりに≪行灯≫を灯しました。この地区は4月2,3日
《座敷雛の里》として賑う。跡取りの長女誕生の初節句を祝う古くからの風習を伝承している。座敷一杯に繰り広げられる
絢爛豪華な平安絵巻を彷彿させる枯山水に豪華な《お雛様》を座敷狭しと飾られます。両日、小さな集落の狭い路地の
坂道は人、人、人で埋め尽くされる。そんな素晴らしい路地の坂道をキャンパスに灯しました。

            

    

   宇和海を望む路地坂座敷雛
     里は一夜のあかりの宴 


  座敷雛里はあかりの葉月の夜
       路地裏歩く淡色の坂

 
 友人手作りの案内板から自らマイクを持ち集落への案内放送等々、5時頃から準備を開始、ロケーションはいいのだが、
≪暑≫と坂道の往復には老いの身には堪えるのは私だけではない。このような大変な時期にお手伝いしてくれている近所の
人たちにカンシャ、感謝。でも、きっと見て、驚いて、吃驚。最後は必ず≪笑顔≫になる事を信じているからこそ頑張れる。
 周囲も薄暮になった頃、うちわを片手に《パタパタ》と、人が来始めた。「わぁ~、キレェ~」開口一番、この言葉から
始まり、坂道の行灯を一つ一つ、下から上を、上から下を、全体を・・・時間をかけ、じっくりとあかりの中を歩いてくれ、
放送の案内効果もあり沢山の人に来ていただいた。そして長い時間、見て、喋って笑顔で楽しんでくれた。
 8時半終了「来年は我が家が座敷雛、あかりで彩りたい」と、お願いされた。嬉しい出来事、だからやめられないんですよ。
ありがとう一ヶ月姉の友人ちゃん。そして元気に頑張ってくれ、抜きにしては語れない二人の孫ちゃん≪ありがとネ≫。
 尚、29日には、過ぎ行く夏を惜しみ、松山≪坂の上の雲ミュージアム≫に於いて《水に煌めくあかり》を行います。
館内ではコンサートが開催されます。

坂の上の雲ミュージアムde行灯

2015年07月22日 | 日本のあかり行灯
 ≪坂の上の雲ミュージアム≫は司馬遼太郎著書で、その後、NHK大河ドラマで全国で話題になった
《坂の上の雲》。館内には日露戦争で活躍された松山市出身の秋山兄弟、俳人正岡子規の資料を展示し、
世界的な建築家設計の松山屈指の観光施設です。
 そんな晴れの舞台ともいえる館に平成21年、友人の紹介で、7月、一か月間もの長い期間≪行灯≫を
展示することになりました。館内狭しと飾る30灯の行灯。
 すでに6年目を迎えた今夏、期間は7月半ば~8月15日まで、館内を彩らせていただきます。
松山へお越しの際は是非、≪坂の上の雲ミュージアム≫へお立ち寄りになり≪行灯≫のあかりを愛で、
観光松山の思い出の一ページに加えていただければ幸いです。
                    
行灯に《桑名の千羽鶴》を加えてみました。背景は松山城の麓にある大正の西洋風建築で元藩主の
別邸≪萬翠荘≫です。

上の写真は昨年の土曜夜店の日、庭内の池に行灯をともし 水に煌めくあかり を演出しました。

   松山の夏夜ゆかたde
        ミュージアム

新作 行灯Ⅱ  350灯

2015年07月16日 | 日本のあかり行灯
 平成17年、第一号の行灯を作った。大きくて不格好な、でもその時はそれで良かった。以来、自らを高めるよう異なった
デザイン、この世に二つとない行灯を作り続けて10年、350号になった。だが、私の手元には80灯くらいしかない。
 作った行灯に命を吹き込もうと《日本のあかり行灯》と称し、あかりを灯した。友人のお庭で、≪座敷雛の里》の路地の
坂道、石庭結で、小千の宮楽園で披露し、みんなで遊び、みんなで楽しんだ。これからも遊名人として・・・。
     
         347号                       348号
     
         349号                       350号
     
         351号                       352号
 7月末、《座敷雛の里》、あの路地の坂道を8年ぶりにともし、まず自身が童心で楽しむ。
 平成22年7月、一ヶ月もの長い期間、松山《坂の上の雲ミュージアム》に於いて、私の≪行灯≫が館内を飾り、
今夏もお声がかかり、光栄にも松山を代表する観光施設で6年連続、期間はお盆過ぎまで30灯の行灯が館内の
夏を彩らせていただくことになりました。近々、状況をお知らせいたします。
 尚、詳細は分かりかねますが、26日(日)には《落語会》が開催されるそうです。