遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

トヨタの米公聴会

2010-02-24 00:55:25 | my notice
 日を追うごとに悪材料が続出し、留まるところを知らないトヨタの惨状は、根の深さを感じざるを得ない状況です。米国へ行くといったり行かないといったりしていた豊田社長、当然指名されて行くことになりました。クレームは何を差し置いてもすっ飛んで現場を訪問し、誠心誠意解決にあたり改善策、予防策を講じるとは、日本企業の鉄則であり、トヨタもそういったサービスでは鏡とされシェアーを伸ばしてきたはずでした。
 ただ、昨日のように鮮烈に思い起こされるビッグ3の公聴会。これでの失言を恐れ二の足を踏んでしまったのでしょうか?しかし、指名で呼びつけられる事態となり、心象の悪化に拍車をかけてしまいました。と、思うのは、米国の状況を知り尽くして、専門家と十分に作戦を練った上での判断に対する遊爺の素人判断...?その、こわ~い公聴会は、どのような展開が予測されるのでしょう?
 
 
トヨタを待ち受ける米公聴会 | 企業・経営:ニュース・解説 | nikkei BPnet 〈日経BPネット〉

トヨタ自動車のリコール問題がいよいよ新局面を迎える。米議会が3回続けて公聴会を開き、騒動の核心部分に迫る。出席意向の豊田章男社長は世界注目の「政治ショー」で何を語るのか。

 2月10日に予定されていた米下院の監視・政府改革委員会による公聴会が悪天候で流れ、24日に延期された。リコール(回収 無償修理)問題への対応に追われる米トヨタ自動車の社員はとにもかくにも一息ついた。だが、関門を突破するのは一筋縄ではいかない。

公聴会は政治ショーの側面も
 米議会には上院・下院に予算から外交まで行政機能に応じた様々な委員会があり、随時公聴会を開く権限を持つ。大きく分類すると、①管轄分野の問題に対する調査・追及、②立法のための詳細検討の2種類がある。特に前者の場合、世論の不満や不安を背景とした派手な政治ショーになりがち。金融機関や自動車メーカーの救済に関する公聴会で繰り返された光景であり、トヨタのリコール問題もそれに当たる。

 特に中間選挙がある今年、改選議員にとっては中央で活躍する姿を地元に見せつける絶好のチャンス。公聴会にはテレビカメラが入り、地元選挙区にも中継されるからだ。重箱の隅を突くような質問が続き、議員が交代するたびに同じような話が何度も繰り返される。質問は延々と続くが、証人の発言はごくわずか。答えを遮ってまた詰問する。正義が悪を糾弾するというパフォーマンスの側面は確かにある。
 北米統括会社の稲葉良睍社長や、渡米意向を表明している豊田章男社長は、そうした修羅場に立つことになる。

 消費者の安全にかかわる問題、相手は外国企業、しかも米ゼネラル・モーターズ(GM)を踏み越えて世界1位になった強者である。早口の英語でまくし立てる議員の質問攻めに窮して、トヨタの経営トップがしどろもどろになる姿。それを選挙区の有権者に見せつけることが、攻める議員の狙いだ。


 まず前半は、2月24日と25日に連続で予定されている2つの下院公聴会で、厳しい内容が予測されるのだそうです。

 ◆下院 監視・政府改革委員会の公聴会(24日)
  対象 ; トヨタ・稲葉氏、レンツ氏、米運輸省・レイモンド・ラフード運輸長官、その管轄下の高速交通安全局(NHTSA)・デービッド・ストリックランドNHTSA局長

  議員 ; エドルファス・タウンズ委員長(民主党、ニューヨーク州)
       工場立地や雇用などの面でトヨタとの政治的しがらみが少なく中立的。
       ダレル・アイサ筆頭理事(共和党、カリフォルニア州)
        「稲葉氏は日本の本社の怠慢を説明する立場にない」として、豊田社長の出席を強硬に求めてきた人物。電子制御スロットル・システム(ETCS)の欠陥の可能性も追及する構えを見せていてリーダーシップをとると見られる。

 ◆下院 エネルギー・商業委員会の公聴会(25日)
  議員 ; ヘンリー・ワックスマン委員長(民主党、カリフォルニア州)
        昨年6月に下院を通過した気候変動・エネルギー法案の共同起草者として知られる環境派で自動車業界には厳しい。トヨタのカリフォルニア工場は今年3月には閉鎖の予定で政治的ブレーキも利かない。
       ジョン・ディンゲル氏(民主党、ミシガン州)
        米自動車産業と自動車労組の本拠ミシガン州で伝統的に日本メーカーに厳しい土地柄
       バート・スタパック議員(民主党、ミシガン州)
        対日強硬派。米フォードモーター製自動車に搭載したファイアストン製タイヤが破損して死亡事故が続いた事件では、2000年9月から翌年6月にかけて5回も公聴会が開かれた。だが、「本件はそれを超える」と公言する。
       ジョー・バートン筆頭理事(共和党、テキサス州)他、ケンタッキー、ミズーリなどトヨタが工場進出している州の選出議員
        工場は雇用を生み、雇用は票になる。地元利益と政党間の思惑が複雑にからみ、委員会内部での激しい駆け引きが予想される。

 ◆上院 商業・科学・交通委員会(3月 2日)
  議員 ; ジョン・ロックフェラー4世委員長(民主党、ウエストバージニア州)
        国際基督教大学(ICU)で日本語を学んだ親日派で、トヨタ創業家との関係も深い。ウエストバージニア州にトヨタの工場を誘致した立役者でもある。比較的冷静な公聴会運営になると見られるが、「トヨタびいき」と受け取られれば世論の反発を買う。
        NHTSAのストリックランド局長はかつて議会委員会での上司と部下の関係。
       ダニエル・イノウエ議員(民主党、ハワイ州)
        トヨタに対してどのような援護射撃をするのかが注目だが、あからさまなトヨタ擁護はむしろ「日本vs米国」という対立を際立たせかねず、間合いが難しい。

 公聴会の動きを牽制する外部の動きがあり、2月10日に、ケンタッキー、インディアナ、ミシシッピ、アラバマ4州の知事が連名で下院2委員会宛に公正な審議を求める書簡を送っていることは、ご承知の通りです。GMと米クライスラーに公的資金を注入している連邦政府がライバルのトヨタを裁く矛盾を指摘し、「トヨタ車に乗るな」と失言したラフード長官も批判。トヨタを全面擁護したのだそうです。

 全体としては厳しい追及は必至ですが、かつてのジャパンバッシングのときとは異なり、日本企業の資本とはいえ、働いている人や、部品納入業者など内容は米国企業であり、一部の擁護者が居ることはわずかな救いではあるでしょう。
 しかし、米国を代表する(だからこそ?)ビッグ3もあの攻撃でした。対応の鈍さ=問題の危機意識欠如という世論を背景にした責め口は同じです。

 リコールを行政と交渉して減額分節約ができたという社内文書。そういうことが社内で文書として保存されているとは、トヨタのイメージから考えられませんが、包み隠さず社内の本意でないものもすべてを公開したということなのでしょうか?トヨタはロビー活動を強めているとのことですが...。

 そういう意味では、これまでの発言に見られる作る側の言い訳や過信からくる顧客軽視はかなぐり捨てて、起きてしまったことの非は詫びて、すばやい誠意ある対応をして逆に信頼を得る、災いを福に転じる道を拓くしか打開の方法はないでしょう。
 米国社会の慣習はよくわかりません。訴訟社会で非を認めてしまうと際限ない賠償が続くとも聞きます。しかし、このままユーザーのブレーキやアクセル、急加速の基本品質の不信を払拭できなければ、買ってもらえないのですから会社は存続できなくなるのを座して待つだけとなります。
 規模が大きい分固定費も大きく、赤字に転じるのも早く大きいはずです。一日も早い信頼の回復が望まれますし、そのためには豊田社長が言っておられる顧客重視、顧客の立場での対応の実行あるのみでしょう。社長が陣頭指揮で前面に立って、パフォーマンスでニュース用にディーラーの一部で頭を下げるのではなく、抜本的な対応と再発予防処置のアピールをお願いします。
 日本の製造業全体の信頼にもかかわっているのですから。
 トヨタの陰に隠れているけど、ホンダも...!




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 たかられる大国・日本―中国とアメリカ、その驚くべき“寄生”の手口


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1 コメント

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Unknown (むじな)
2010-03-01 13:17:33
これは、世界一になったトヨタに対する米議会の相も変らぬ幼稚なやっかみによるバッシングですよ。どこにも理はない。
そもそもトヨタの欠陥車というが、欠陥を作ったのは米国工場なんだから、米国人が作り出したもの。

GMにかわって世界一になった日本企業が、人種差別主義者の米議員には気に食わないだけでしょう。
こんなことやっているから、民主党の対中傾斜路線が説得力を持ってくることを、米国はわかっていないのかな?

そもそも中国や韓国の反日思想は米国が作ったもの。米議会なんてこれに限らず反日の巣窟ですよ。
それをこういう形で日本人に示したことで、日本の反米意識に火をつける可能性があります。

日本も、米国とは手を切って、むしろインド、中東と手を結ぶ姿勢を示したほうがいいかも。
中国は信用できないが、米国への牽制という意味で手を握るポーズは示したほうがいいでしょう。ただ中国と手を握ることと、中国の台湾やチベットに対する侵略を認めることは別問題です。

あなたは見ようとしないかも知れないけど、民主党政権の対中傾斜も、対米牽制の意図であって、決して人権問題で妥協しているわけじゃないよ。
岡田外相は、ウイグル人権問題やビルマ人権問題で発言していますよ。
あなたは民主党はだめだという先入観があるから、そうした重要な発言は目に入ってこないだけでしょうが、ビルマについては中国と一緒になって軍事政権を擁護してきた自民党と、民主党ではまるっきり違いますよ。
それを差し置いて「民主党は媚中」というのは、それこそあなたに人権問題という頭がないから、民主党の人権問題に対する発言に注意しないからでしょう。

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