遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

米下院に「ジャパン・コーカス」が誕生

2014-03-21 23:58:58 | 米国 全般
 安倍政権とオバマ政権とは、安倍首相が日米同盟を重視するにしては、このところ親密とは言えない状況が散見されます。
 両首脳の親密度もさることながら、日米のあらゆるチャンネルでの交流が減ってきている現状も危惧する声があります。読売の連載「語る 日本への提言」でも、日米の交流の多チャンネル化を提言の締めに取り上げていましたね。
 そんな先細りが懸念されるなかで、米下院に「ジャパン・コーカス」が誕生するのだそうです。
 対日貿易での米国の利益圧力団体になるのか、日米交流を深める団体になるのか、注目です。
 読売が概要説明と、デビン・ニューネズ共同議長のインタビューを載せています。
 

米下院に日本議連 超党派 TPPなど関与へ (3/21 読売朝刊)

 【ワシントン=飯塚恵子】米議会の下院に、日本専門の超党派の議員連盟が初めて発足
する。オバマ米政権が早期締結を目指す環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への日本の参加や、アジア重視の安全保障政策が注目を集めていることが背景にある。
 議連は一般に「コーカス(caucus)」と呼ばれ、米議会では法案策定や支持拡大などで影響力を発揮している。今回発足するのは「ジャパン・コーカス」。24日に発足式を議会内で開く。
日米間の議員交流をはじめ、TPPなど日本関連の政策課題について米政府にロビー活動することなどを目指す

 共同議長には、共和党のデビン・ニューネズ(40、当選6回)、民主党のホアキン・カストロ(39、同1回)の両下院議員が就任。すでに50人以上の議員が集まっているという。
 米議会では、1990年代の日米構造協議や包括経済協議など、主に経済摩擦が起きた際に日本への関心が高まったが、議連発足までには至らなかった。
 海外関係の議連では、
韓国やイスラエル、台湾などの勢力が大きい
とされる。韓国議連は、米韓自由貿易協定締結の際、力を発揮した。

中国台頭 安保も議論 デビン・ニューネズ共同議長

 24日に米議会に正式発足する超党派の議員連盟「ジャパン・コーカス」のデビン・ニューネズ共同議長に狙いや抱負を聞いた。

 
日本は米国の重要な同盟国だ。コーカスでは、国会議員や議会スタッフ同士の交流を活発に行いたい
。日米間の政策課題を議論し、まずは意見交換の受け皿となる形でスタートし、だんだん影響力のある組織に発展させていきたい。
 私の選挙区はカリフォルニア州で、農業が主要産業のため、日本への関心はまずは環太平洋経済連携協定(TPP)から始まった。北米自由貿易協定(NAFTA)の経験を経て、
地元では今、自由貿易は雇用やビジネスの拡大につながる、との理解が支持者に広がっている。TPPも積極的に推進するべきだ

 現在の日米共通の関心事として、中国の台頭がある。コーカスでは、通商摩擦などの経済課題だけでなく、安全保障分野も議論したい。安倍首相は日米同盟強化のために様々な課題に取り組み、奮闘している。
 メンバーは、私も手紙を書いて下院で募った。日本に関心がある議員は結構多い。私はメキシコ関係などのコーカスも運営しており、日本議連でもそのノウハウを活用したい。 (聞き手 ワシントン・飯塚恵子)

 日経は踏み込んだ報道で、日本政府が「ポスト・イノウエ」を探す計画を展開し、アジアに関心の高い若手議員らを日本に招くなど、将来の知日派育成と議連発足への根回しを進めてきた結果、念願だった議連の立ち上げが実現したとし、背景には、中国の台頭や米国のアジア重視戦略があり、日本の重要性を再認識する動きが米国内で出てきた表れだとしています。
 

米議会に知日派議連 TPP交渉の調整役に :日本経済新聞

 【ワシントン=中山真】米議会の知日派の下院議員らでつくる超党派の議員連盟が近く動きだす。大詰めを迎えている環太平洋経済連携協定(TPP)締結交渉の日米協議をはじめとする対日懸案をめぐり米政府に働きかけることなどが目的だ。先細りが懸念されてきた日米の議員交流や対日政策での議会ロビーの活性化につながるとの期待も出ている。
 議連の名称は「ジャパン・コーカス」。デビン・ニューネス(共和)、ホアキン・カストロ(民主)両下院議員が共同議長で今月、議会事務局に議連発足を届け出た。日本を専門に扱う議連が米議会にできるのは初めて。参加議員を募っており、2月上旬に日米両政府の関係者らを招いて米議会内で発足式を開く。

■ポスト・イノウエ
 米議会では特定の政策を実現させたい議員が議連を結成し、立法過程で存在感を発揮している。オバマ政権は黒人の地位向上をめざす黒人議員らのブラック・コーカスが強い影響力を持つ。韓国系のコリア・コーカスは米韓自由貿易協定(FTA)締結を推進した。
 米議会の知日派としては最近までダニエル・イノウエ元上院歳出委員長が代表格だった。オバマ大統領やバイデン副大統領とパイプを持ち、沖縄県の米軍普天間基地移設問題などで日本政府の立場を代弁することも少なくなかった。同氏は2012年12月に死去した。
 
日本政府内ではワシントンの日本大使館を中心に水面下で「ポスト・イノウエ」を探す計画を展開。アジアに関心の高い若手議員らを日本に招くなど、将来の知日派育成と議連発足への根回しを進めてきた。TPP交渉をはじめ、韓国系米国人が議会ロビーで攻勢をかける従軍慰安婦問題などに対抗するためにも議会への新たなパイプ構築の必要性に迫られていた


■対中国を意識
 ジャパン・コーカスの共同議長のニューネス氏とカストロ氏は両党の若手のホープ。両氏ともにTPPの日本参加を強く支持する立場だ。野党・共和党のニューネス氏は下院歳入委員会貿易小委員長としてTPP問題でカギを握る。
対中貿易では中国に厳しい姿勢で、安全保障面からもTPPの必要性を訴える

 与党・民主党のカストロ氏の双子の兄弟、フリアン・カストロ・サンアントニオ市長は民主党の将来の大統領候補にも名前が挙がり、兄弟で急速に知名度が高まる。いずれも
これまでの議会重鎮とは異なるタイプの知日派議員
だ。

 
日本政府の念願だった議連の立ち上げが実現したのは、中国の台頭や米国のアジア重視戦略を背景に、経済や安全保障で日本の重要性を再認識する動きが米国内で出てきた表れともいえる。

 アジアへの関心の高い若手議員と言えば、上院共和党のマルコ・ルビオ議員が来日した時は安倍首相が面談していましたね。
 
オバマ政権の安倍批判に、背を向ける共和党有力議員 - 遊爺雑記帳

 じわり動き始めた日米交流の巻き返し。
 更に広まって、日米同盟がより太い絆となることを期待しています。



 # 冒頭の画像は、デビン・ニューネス下院議員と塩崎衆議院議員




  この花の名前は、オトコエシ  撮影場所;六甲高山植物園 (2013年 9月 撮影)


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