AIIB設立時、G7の欧州の国々は、英国の参加表明をかわきりに、次々参加しましたが、日米加の三国は参加しませんでした。ところが、AIIBの金立群総裁が、8月31日にカナダのAIIB参加申請を明らかにしました。カナダ財務省当局者は、9月中の加盟申請を目指す方針を示していました。
そして、9月22日の李克強首相のカナダ訪問。ここでは、マネーロンダリング、外貨持ち逃げ容疑などで、カナダに潜伏している中国人の引き渡しを可能にする、『犯人引き渡し協定』の締結への動きを進めることが目的だったのだそうです。
カナダはすでに中国人の移民にあふれかえり、大量の資源を輸入する中国抜きでカナダ経済は成立しないという弱い立場に追い込まれているのだそうです。
李国境の訪問に、カナダのマスコミ論調は歓迎色では無かったのだそうですね。理由は、中国は人権を無視する国で、「犯人引き渡し協定」は、人権を尊重してきたカナダの国是に反するというもの。死刑を実行している、野蛮な国だとも。（おやっ。日本も死刑は実行している。）
しかし、気持ちはそうでも、中国への資源輸出なしではカナダ経済がたちゆかない状況に追い込まれている。
更に、「カナダのAIIB参加は「トロイの木馬」」との声（フランスの国際的NPOのニュースサイト「ヴォルテール・ネットワーク」）もあり、中国は、カナダを足場に人民元の北米覇権を狙うのだと。
カナダのAIIB参加は「トロイの木馬」!? 仏メディア報じる | ハーバービジネスオンライン
カナダでの人民元での取引が拡大することによって、カナダと一緒にNAFTAを構成するアメリカとメキシコにも必然的に影響を与える。正に、カナダの木馬に乗り込んだ人民元を抱き抱えた中国の北米支配への攻勢の開始なのだと。
恐るべしはチャイナマネー。ASEANの一部の新興国だけでなく、カナダまでもお金の力で呑み込もうとしているのですね。そして、NAFTA（北米自由貿易協定）に人民元を浸透させる。。
カナダが、AIIBへ当初の不参加の姿勢を突如翻して参加申請することとした理由が解せました。
その後、申請・加入が正式に実現したのか、「犯人引き渡し協定」にトルドー首相が署名したのかの報道には未だ接していません。
チャイナマネーの持ち出しや、子供の留学を名目に夫人ともども出国する有力先のひとつにカナダの名は聴いていましたが、バンクーバーはホンクーバーと呼ばれ、豪邸は次々と中国人に買い占められているとは驚きです。
チャイナマネーに席捲される国になるのか、人権を尊重してきたカナダの国是に反する中国と、一線を画しとおせるのか。親中政権となったカナダ政府と、国民との動向と、NAFTA侵略を狙う中国の戦略に要注目ですね。
# 冒頭の画像は、トルドー首相と李克強首相
この花の名前は、ドイツスズラン
↓よろしかったら、お願いします。
そして、9月22日の李克強首相のカナダ訪問。ここでは、マネーロンダリング、外貨持ち逃げ容疑などで、カナダに潜伏している中国人の引き渡しを可能にする、『犯人引き渡し協定』の締結への動きを進めることが目的だったのだそうです。
カナダはすでに中国人の移民にあふれかえり、大量の資源を輸入する中国抜きでカナダ経済は成立しないという弱い立場に追い込まれているのだそうです。
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成２８年（２０１６）９月２３日（金曜日）
通算第５０３４号
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李克強首相がカナダ訪問の狙いは
逃亡犯引き渡し協定を締結迫るが、カナダ政府が難色
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中国の李克強首相はパキスタン訪問のあと、ＮＹへ飛んで、国連で演説し、安倍首相とも簡単な面談のあと、9月22日にカナダ入りした。
カナダのマスコミ論調は歓迎色ではなかった。
「中国は人権を無視しており、法制度はカナダとは異なる。死刑を実行している（野蛮な）国であり、『犯人引き渡し協定』を中国と締結するなど、人権を尊重してきたカナダの国是に反する」
実際に、李克強首相の訪問は、この条約締結が第一の目的である。
猛烈な反対がカナダで起きているが、中国首相の訪問で、親中派トルードー政権は中国の申し立てに応じて「犯人引き渡し協定」に署名するかも知れない。
実際に金融犯罪、とりわけマネーロンダリング、外貨持ち逃げ容疑などで、カナダに潜伏している中国人はおよそ百名。中国が国際手配した「容疑者」である。
中国はさきにスパイ容疑で二年間拘束してきたカナダ人のケビン・ガラットを釈放し、カナダ政府にあからさまな取引を持ちかけた。あたかも中国が人道的配慮をしたようなジェスチャーである。
カナダはすでに中国人の移民にあふれかえり、バンクーバーはホンクーバーと呼ばれ、豪邸は次々と中国人が買い占め、そのうえ、カナダからは大量の資源を輸入している。あまつさえカナダの資源企業を中国は買収し、いまや中国抜きにカナダ経済は成立しないという弱い立場にもある。
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成２８年（２０１６）９月２３日（金曜日）
通算第５０３４号
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李克強首相がカナダ訪問の狙いは
逃亡犯引き渡し協定を締結迫るが、カナダ政府が難色
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中国の李克強首相はパキスタン訪問のあと、ＮＹへ飛んで、国連で演説し、安倍首相とも簡単な面談のあと、9月22日にカナダ入りした。
カナダのマスコミ論調は歓迎色ではなかった。
「中国は人権を無視しており、法制度はカナダとは異なる。死刑を実行している（野蛮な）国であり、『犯人引き渡し協定』を中国と締結するなど、人権を尊重してきたカナダの国是に反する」
実際に、李克強首相の訪問は、この条約締結が第一の目的である。
猛烈な反対がカナダで起きているが、中国首相の訪問で、親中派トルードー政権は中国の申し立てに応じて「犯人引き渡し協定」に署名するかも知れない。
実際に金融犯罪、とりわけマネーロンダリング、外貨持ち逃げ容疑などで、カナダに潜伏している中国人はおよそ百名。中国が国際手配した「容疑者」である。
中国はさきにスパイ容疑で二年間拘束してきたカナダ人のケビン・ガラットを釈放し、カナダ政府にあからさまな取引を持ちかけた。あたかも中国が人道的配慮をしたようなジェスチャーである。
カナダはすでに中国人の移民にあふれかえり、バンクーバーはホンクーバーと呼ばれ、豪邸は次々と中国人が買い占め、そのうえ、カナダからは大量の資源を輸入している。あまつさえカナダの資源企業を中国は買収し、いまや中国抜きにカナダ経済は成立しないという弱い立場にもある。
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李国境の訪問に、カナダのマスコミ論調は歓迎色では無かったのだそうですね。理由は、中国は人権を無視する国で、「犯人引き渡し協定」は、人権を尊重してきたカナダの国是に反するというもの。死刑を実行している、野蛮な国だとも。（おやっ。日本も死刑は実行している。）
しかし、気持ちはそうでも、中国への資源輸出なしではカナダ経済がたちゆかない状況に追い込まれている。
更に、「カナダのAIIB参加は「トロイの木馬」」との声（フランスの国際的NPOのニュースサイト「ヴォルテール・ネットワーク」）もあり、中国は、カナダを足場に人民元の北米覇権を狙うのだと。
カナダのAIIB参加は「トロイの木馬」!? 仏メディア報じる | ハーバービジネスオンライン
カナダでの人民元での取引が拡大することによって、カナダと一緒にNAFTAを構成するアメリカとメキシコにも必然的に影響を与える。正に、カナダの木馬に乗り込んだ人民元を抱き抱えた中国の北米支配への攻勢の開始なのだと。
恐るべしはチャイナマネー。ASEANの一部の新興国だけでなく、カナダまでもお金の力で呑み込もうとしているのですね。そして、NAFTA（北米自由貿易協定）に人民元を浸透させる。。
カナダが、AIIBへ当初の不参加の姿勢を突如翻して参加申請することとした理由が解せました。
その後、申請・加入が正式に実現したのか、「犯人引き渡し協定」にトルドー首相が署名したのかの報道には未だ接していません。
チャイナマネーの持ち出しや、子供の留学を名目に夫人ともども出国する有力先のひとつにカナダの名は聴いていましたが、バンクーバーはホンクーバーと呼ばれ、豪邸は次々と中国人に買い占められているとは驚きです。
チャイナマネーに席捲される国になるのか、人権を尊重してきたカナダの国是に反する中国と、一線を画しとおせるのか。親中政権となったカナダ政府と、国民との動向と、NAFTA侵略を狙う中国の戦略に要注目ですね。
# 冒頭の画像は、トルドー首相と李克強首相
この花の名前は、ドイツスズラン
↓よろしかったら、お願いします。
