遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

王岐山・元政治局常務委員が全人代代表に

2018-01-30 23:58:58 | 中国 全般
 王岐山は、昨年10月の党大会で、政治局常務委員(チャイナ 7)を、定年内部ルールに基づいて退任していました。
 党大会での人事では、5年後の次の党大会では習近平がこの定年内部ルールに該当することから、その時にむけたポスト習近平の布石が注目されたことは、諸兄がご承知の通りです。
 定年内部ルール通りに王岐山が政治局常務委員を退職するのか、内部ルールを破って留任するのかが注目され、内部ルールを破る前例が創られれば、5年後のポスト習近平選定時に、習近平の延命への障壁が取り除かれるのですが、さすがにそこまでの横暴は通らず、王岐山は政治局常務委員を退職することとなりました。
 しかし、ポスト習近平候補の陳敏爾と、胡春華の両者の政治局常務委員入りも実現させず、「ポスト習近平は習近平」の目を残すことには成功していました。

 他方、腐敗行為の御旗の下に虎退治を敢行し、習近平の独裁体制構築に貢献した王岐山は、その過程で影響力が強まり過ぎて、習近平にとっても脅威となってきていることから、王岐山の定年延長はなされなかったとの説も聞かれましたが、ここで復活させて報いるということは、盟友としての絆は保たれているということになりますね。
 

王岐山氏、国家副主席か 習氏の右腕、異例の全人代代表に :日本経済新聞 2018/1/30付日本経済新聞 朝刊

 【北京=永井央紀】中国共産党の習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)の右腕として反腐敗運動を指揮した王岐山・元政治局常務委員が29日、国会に相当する全国人民代表大会(全人代)の代表に選ばれた。党トップ7の常務委員が退任後に全人代の代表に就くのは異例で、3月には国家副主席に就いて習氏を補佐する
との見方がある。実現すれば習氏の政権基盤は一段と強固になる。

 中国メディアによると湖南省人民代表大会(地方議会に相当)が29日の会議で王氏を代表に選出した。王氏は2017年10月の党大会で、党大会時点で68歳以上の党指導幹部は退任するとの内部ルールに沿って退任した。
全人代の代表に定年ルールはないが、1990年代以降、常務委員を退いた後に全人代の代表に就いた例はない
。王氏の手腕を評価する習氏が主導したとみられる。
 複数の党関係者は王氏について「
3月に国家副主席に就く可能性が高い」と述べた。国家副主席は国家主席を補佐する役職で、憲法には「国家主席の委託を受けて権限を代行することができる」「国家主席が欠けた場合は副主席が主席の職位を継ぐ」などの規定がある。年齢については「45歳以上」との規定しかなく、王氏も就任が可能
だ。
 現在の李源潮・国家副主席は習氏とは遠い関係にあり、実質的な権限は強くない。過去の国家副主席には次期指導者が経験を積むために就いたケースや、名誉職として長老にあてがわれた例がある。王氏の場合は、
外交や反腐敗などの分野で大きな影響力を持つ
との見方が多い。

 ただ、王氏は重要な職務を党と政府で別の人物が担当する「党政分離」に反対してきた。すでに
党職を退いた王氏が国家副主席に就くことには党内で異論がある。もともと汚職摘発で辣腕を振るった王氏への反発は強く、水面下でくすぶる習氏への不満が大きくなる可能性もある


 王氏は習氏と40年近い付き合いがある。2012年からの1期目の習指導部で汚職摘発を担う中央規律検査委員会書記に就任すると、周永康・元政治局常務委員ら習氏の政敵とされる人物を次々と失脚に追い込んだ。1期目の習氏の基盤固めを全面的に支え、信頼が厚いといわれる。


 
王岐山氏、全人代代表に 最高指導部は引退、臆測呼ぶ (1/30 産経)

<前略>
 
中国の国家副主席は現職の党中央委員や政治局員以外でも就任できるが、まず全人代代表として選出される必要がある。このため王氏の代表選出は国家副主席就任に向けた動きとの見方も広がっている。

 
一方で、代表選出が必ずしも王氏の要職就任を意味しないとみる向きもある。北京のある政治研究者は「新設する国家監察委員会に対する全人代の監督業務などに関わる可能性もある」と指摘した。

 とは言え、常務委員が退任後に全人代の代表に就くのは異例とされる厚遇で王岐山に報いた習近平。
 全人代の代表に定年ルールはない点、副主席の年齢については「45歳以上」との規定しかなく、王氏も就任が可能とは、うまい抜け穴をみつけたものです。
 江沢民・上海閥や、胡錦濤・共青団派との政局争いで、優位に立っている証とも見とれます。
 王岐山を、国家副主席に据えて、従来通りの二人三脚で党内の独裁体制を維持するのか、要職就任にとどめるのか。習近平の思惑と、他派閥との政局争いの行方が注目されます。

 王岐山が国家副主席になれば、外交や反腐敗などの分野で大きな影響力を持つとの見方が多いのだそうです。
 汚職摘発で辣腕を振るった王氏への反発はもともと強く、水面下でくすぶる習氏への不満が大きくなる可能性のある、党職を退いた王氏が国家副主席に就く異例厚遇。ここには党内で異論があるのも当然でしょう。
 「党政分離」に反対してきた王岐山を国家副主席に登用し、外交や反腐敗などの分野で大きな影響力を持つ副主席として活躍させるのか、前例の名誉職として留まる範囲なのか、副主席に登用するとしても職務権限の違いが注目されますし、副主席ではなく新設されるポストに就くにとどめるのかも注目点ですね。
 「ポスト習近平は習近平」の独裁体制へ向けて走る習近平が、このまま独走を継続できるのか、反習近平勢力が独走を阻止できるのか。要注目ですね。



 # 冒頭の画像は、党大会の衆目の前で、習近平を呼び止めた王岐山




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