遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

米大統領選で見えた、米大手メディアの情報収集能力

2016-11-11 23:58:58 | 米国 全般
 米大統領選では、総獲得票数の多いヒラリー氏(クリントン氏と表現すべきですが、どうしても夫のイメージが湧くので、ヒラリー氏と表現させていただきます。)が、選挙人獲得数の多かったトランプ氏に敗れました。大手メディアの多くが、ヒラリー氏優勢の世論調査結果を報じるなかでの逆転現象です。共和党の予備選挙でも読み違ったのに、大統領選で再び読み違い=誤報をかさねてしまいました。
 日本の衆議院選挙でも、小選挙区で獲得する議席数と、得票数の差の違いが出ますが、メディアの議席獲得数予測はそれを踏まえて予測報道されます。小選挙区では、勝か負けかで決まるので、得票数の差は関係ないからですね。米大統領選でも、勝った方が選挙人を総取りするので、獲得票数と獲得代理人の違いが生じるのですね。他にも、世論調査に答える人と、投票に行く人の違い、今回の特徴である「隠れトランプ」の存在がありますが、そんなことは最初から判っていること。情報収集では世界の最先端を行く米国の、情報を取り扱う大手メディアが、この仕組みや「隠れトランプ」の存在を、予測が外れた理由に挙げていますが、総得票数ではヒラリー氏が勝ったのですから、世論調査があながち間違っていたのではなく、選挙人獲得まで細分化した情報処理がなされていない結果と言えると考えますが、いかがでしょう。
 読売は、メデイアの影響力低下だと、警鐘を鳴らしています。
 

米メディア影響力低下 有権者、SNSに依存 大統領選分析 (11/11 読売朝刊)

 【ワシントン=小川聡】米大統領選での共和党ドナルド・トランプ氏の勝利を受け、新聞・テレビの影響力の低下を嘆き、メディアの「敗北」を認める声が広がっている


 今回の大統領選では、
米有力100紙のうち57紙が民主党候補のヒラリー・クリントン氏を支持し、トランプ氏への支持を表明したのは2紙
だけだった。トランプ氏に投票しないように呼びかけた新聞も少なくなかった。
 にもかかわらず、トランプ氏が圧勝したことについてCNBCテレビは、「
国民は主要メディアの調査や(社説での)見解を大して気にかけなかった
」と自らの影響力低下を認めた。
 
背景にあるのは、大手メディアに対する信頼性の低下と、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)からの偏った「ニュース」に依存する有権者の増加
だ。
 米調査機関ビュー・リサーチ・センターの今年の調査で、全国メディアの情報を十分信用できると回答した人はわずか18%。メディアは偏向していると回答した人は74%に上った。トランプ氏は演説の度に「メディアは不誠実だ」と批判していたが、有権者にその主張を受け入れる土壌があったと言える。
 
ニュースをどこから得るかを尋ねた調査では、新聞は20%にとどまり、テレビの57%インターネットの38%
に引き離された。
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、「
SNSでは同じ考えを持った仲間の投稿や党派的に偏ったニュースが急速に拡散する
。大手メディアはそうした状況に苦労している」と分析した。
 そうした中、先月13日の社説でトランプ氏を「大統領候補として不適格だ」と断じたワシントン・ポスト紙は9日(電子版)の社説で「我々は次期大統領が(国の)制度に敬意を示すよう望む。彼がそうした時には、米国民は彼を支持しなければならない」と主張した。

世論調査の過信認める
 【ワシントン=田原徳容】米大統領選ではドナルド・トランプ氏(70)が勝利を収め、大方の当落予測を覆した。
各メディアは世論調査の結果を踏まえた上で、見通しが外れた原因と選挙結果を予測することの難しさを伝えた

 
世論調査については、実際には少なくなった固定電話の所有者を主な調査対象とする手法の限界や、調査に応じる有権者の割合が激減しているとの指摘があり、精度に問題があると以前から言われてきた

 ロイター通信は、民主党のヒラリー・クリントン氏(69)が全米での総得票数で優位との調査結果を基に、同氏が9割の確率で当選に必要な270人の選挙人を確保する見通しと報じた。実際に
クリントン氏はトランプ氏を得票総数で上回った。しかし各州での選挙人獲得数の合計では及ばず、当落の見通しは外れた

 これは得票総数の多い候補が少ない候補に選挙人獲得数では逆転されてしまう「ねじれ現象」だ。同通信は、得票総数で優位との予測から、クリントン氏が総合的に勝利する流れにあると分析し、各州単位でも同氏の優位を「過信」する結果になったと説明した。
 米紙ニューヨーク・タイムズは、トランプ氏が優勢となった中西部ウィスコンシン、東部ペンシルベニアなどの州で、投票日直前までどちらの候補に投票するか決めていない白人層の動向を世論調査で読み切れなかった可能性を指摘した。
 また選挙予測などで定評があるインターネット・サイト「ファイブ・サーティー・エイト(538)」は
世論調査について、調査会社やメディアの経済的な事情が調査の精度に影響している点も指摘。関係者は「(対面式など)伝統的な調査方法に問題はない。ただ費用がかかるだけだ
」と語つている。

 今日のお昼のテレビ(TBS ひるおび)に、明治大学の海野教授が出演しておられました。研究・調査の為、予備選からヒラリー陣営のボランティア活動に参加されたのだそうです。
 戸別訪問をして、誰に投票するかを尋ねるのだそうですが、隠れトランプの人は答えないので、誰に投票するか決めていないに分類するのだと言っておられました。対話のなかでは、隠れトランプと推察できるのもあるとのこと。
 固定電話対象者での世論調査の限界は、日本でも声があがっています。余談ですが、一時(2年間くらいの間)頻繁に各種選挙で、いろいろな調査会社から電話がかかってきましたが、1年くらい前からぷっつり音沙汰がなくなりました。無作為にコンピュータで抽出した電話番号が対象とのことですが、各社、同じソフトなのでしょうか、かかってくるときは各方面から一斉にかかってくるが、かからなくなると完全に途絶えてしまいました。

 固定電話では、対象が減ったり、層の偏りがあり、対面式などの伝統的な調査方法なら問題ないが費用がかかるとのことですが、間違った情報となると判っている固定電話方式で間違った情報を流す方が、情報を扱うメディアとしてはより罪深いと考えます。対面は、個別訪問や、街頭で行うとしたら、在宅する層、街頭で答える層の偏りはどうなるのでしょう。街頭で対面調査する(投票する地域の特定が必要)のなら、携帯電話での調査でも同様の効果は得られるのではと考えますが、何故、携帯電話は対象にしないのでしょう。
 情報を重視、活用することでは世界の最先端の米国。予備選挙、大統領選挙と続けて間違った世論調査結果を流して、信頼を失墜させたメディア。面目にかけて、信頼できる世論調査方法を開発されることを期待します。

 トランプ氏の勝因については、多くのメディアで、多くの意見が出されています。諸兄も注目され情報収集されていることですので、ここでは多くは語りません。
 ただ、上述の、実際にボランティアで選挙活動をして、現地で研究された海野教授は、今日のテレビ出演では、以下の点を挙げておられました。
 ・キャッチフレーズのインパクトでは、トランプが予備選から首尾一貫していたが、クリントンは予備選時と、大統領選では相手に対応して変更せざるを得ず、変えたことで大統領選では出遅れたことと、長くてインパクトが無かった。
 ・ヒラリー氏は、テレビ討論で優勢となったからか、健康の為か、歴代重要視されるテレビ討論後の地方遊説の回数が少なく、逆に劣勢だったトランプは、遊説を増やした。また、遊説先選定の戦略(ここでは詳細は省略)も優れていた。 等々、現場を観て来られただけに、机上の情報を基に話す巷の解説者からは聴けない話をされていました。

 更に、トランプとの対処方法については、トランプが、コスト・効率意識が強いことを念頭に、合理性を重視することと同時に、「公平性」を重視することを唱えておられました、

 
トランプ的「公平」を突きつけられる日本 トランプの勝因と勝利演説の意味 - 海野素央
 海野教授の 歩いてわかった アメリカ大統領選(4) -- ノンジャンル -- 朝日新聞GLOBE ←予備選時の話


 # 冒頭の画像は、米大統領選から一夜明け、敗北を認め、次期米大統領に就任する共和党のドナルド・トランプ氏に協力していく意向を表明した、ヒラリー・クリントン氏




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