遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

新生党のマクロン新大統領 コアビタシオンで苦戦の可能性も

2017-05-15 23:58:58 | my notice
 フランスの新大統領は、EUとの協調を重視する独立系のエマニュエル・マクロン氏が勝利しました。
 その勝因について、仏、米、中の主要紙の解説を産経が載せています。国民が、必ずしもマクロン氏を支持したわけではなく、反ルペン=反大衆迎合で、既存政党には不満を持ちながらも、フランスの「共和国精神」やEUを尊重する意思が表されたとの評価が大勢の様ですね。
 日頃接することが稀で詳しくないフランスの様子。勉強がてらの備忘録としてアップさせせていただきました。
 

マクロン仏大統領誕生 (5/15 産経 【環球異見】)

 
5月7日に行われたフランス大統領選の決選投票で、欧州連合(EU)との協調を重視する独立系のエマニュエル・マクロン氏が「反EU」派の極右、国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン氏を大差で下した。地元の仏紙や中国紙は「ポピュリズムに妥協しなかったことが勝因」などと分析した。これに対し、米紙は「リベラル勢力にとって『執行猶予』にすぎない」との見方を示した。
                  ◇
□ルモンド(フランス)
■ポピュリズムに妥協せず

 
仏紙ルモンドは9日付社説で、マクロン氏が勝利した結果について「すべての民主主義の擁護者にとり、この成功はすばらしい知らせ」とたたえた。マクロン氏が「大衆迎合主義(ポピュリズム)とは決して妥協しない」姿勢をとり、「欧州統合の理想への愛着を明確に宣言した上で擁護した」ことを特に高く評価した。
 同紙は勝因について、マクロン氏が「幸運と才能」を備え、「多くの運命のいたずらを利用するすべを知っていた」と解説。
経済回復で成果を出せなかった与党の社会党、候補に醜聞が持ち上がった最大野党の共和党という二大政党への不信が高まるなか、「世代交代」や「政治の刷新」の必要性を認識していたマクロン氏は「既存システムが崩壊しようとする現実に対し、直感的に心の準備ができていた」
とする。
 同紙はまた、第1回投票で左右の極端な思想の候補に多くの票が流れ、決選投票でも多くが棄権したことを踏まえ、「『民主主義の疲弊』どころでなく、譲歩して共にやっていくことが、ますます不可能になってしまったようだ」と、
選挙で露呈したフランス社会の亀裂
に危機感を示した。

 一方、
仏左派系紙リベラシオンは8日付社説で選挙結果について「共和国精神の勝利」
と評した上、「ナショナリズムの台頭はとどめうることが証明された」と強調した。
 マクロン氏に対して同紙は、
ルペン氏阻止を目的に投票した有権者が6割以上を占めた
ことを踏まえ、「分別による投票者に貸しをつくった」と指摘。6月の国民議会(下院)選で勝利すれば、経済改革などの公約実行の「正当性」を得たことにはなるが、その場合も「改革の野心」を満たすだけでなく、ルペン氏の票や棄権票に表れた「怒れるフランス」、つまり「庶民」に対する「公正」を忘れてはならないと忠告した。(ベルリン 宮下日出男)
                  ◇
□ウォールストリート・ジャーナル(米国)
■マクロン氏の勝利は「執行猶予」

 米大統領選で「トランプ現象」を経験した米国のメディアは、テロや不法移民に厳しい姿勢を取るFNのルペン氏が3分の1以上を得票したことに着目し、
マクロン大統領の勝利はルペン氏が離脱を公約したEUや仏国内のリベラル勢力にとって「執行猶予」にすぎないとみている。

 
ウォールストリート・ジャーナル紙は8日の社説で、マクロン氏の「アウトサイダー(外部者)の地位や楽観的な展望が、伝統的な政党にうんざりした有権者を魅了」し、FNを阻止したい有権者の票を集めたことが勝因
だと分析。一方で、イスラム過激派との戦いや国境管理の強化を主張したルペン氏は、国内でのテロを目撃した有権者への訴求効果を持ったとも指摘した。社説は、EUに対しても、「経済機会、より高度な安全を提供しなければ、また、ブリュッセル(のEU本部)からの命令に憤慨する有権者を尊重しなければEUプロジェクトの安定にはほど遠い」と改革を求めた。

 
ワシントン・ポスト紙のコラムニスト、E・J・ディオンヌ氏は8日に同紙に掲載された論評記事で、ルペン氏に対するマクロン氏の勝利は「トランプ氏の台頭が、新たな形式の国家主義の予兆ではないことのもう一つのあらわれ」であるとした。そして、マクロン氏の登場によって、かつての「第3の道」は復活する機会を得たと指摘。リベラルな民主主義は猶予期間を手にした
と前向きにとらえた。

 
ニューヨーク・タイムズ紙は8日の社説で、フランスの有権者は「移民排斥主義者の幻想に魅了されることなく、フランスが開かれ、進歩的で、寛容で、そして欧州人であり続けるべきだと信じる若くて楽観的な大統領を選んだ
」と評価した。一方で、フランスにも米英と同様にグローバリゼーションで阻害されたと考える「忘れられた人々」が存在することを挙げ、「深く分裂した国家」のかじ取りがマクロン氏の課題になるとした。(ワシントン 加納宏幸)
                  ◇
□環球時報(中国)
■グローバル化は後戻りできない

 
中国国営新華社通信は、仏大統領選でのマクロン氏の勝利について「フランス人は過激な大衆迎合主義(ポピュリズム)を拒絶した」と評価する論評を配信した。
 論評は、
マクロン氏が勝利した原因について「多くの有権者がその政策に賛同したからではなく、右翼の国民戦線が権力を握ることを阻止するためだった」と言及した。マクロン氏の当選は「EUとユーロにとっての勝利でもある」とし、EUが多くの問題に直面しながらもフランスの大多数の人たちはEU解体ではなく欧州統合の強化を望んでいる
と解説した。
 一方、ルペン氏が決選投票に進んだことは「有権者の現状に対する不満を反映しており、国民戦線がフランスで無視できない政治勢力になっていることの表れだ」とも指摘。乏しい経済成長力や高止まりした失業率など多くの困難を抱える中、
マクロン氏が政権運営のために十分な支持が得られるかは6月の国民議会選で決まる
とした。

 中国共産党機関紙、人民日報系の
環球時報は社説で、フランスとドイツはEUの“エンジン”だとした上で「もし反EU、反グローバル化を掲げるルペン氏が当選していれば、英国の離脱よりもさらに大きな衝撃となり、EUの死を意味するものだった」と分析。マクロン氏の「ポピュリズムを阻止する戦い」は全欧州、ひいては世界にとって意義があったと称賛
した。
 社説は「“フランス版トランプ”のルペン氏が容赦なく打ち負かされた今、ポピュリズムの勢いが過去のものになったと言うのは性急すぎるが、口から出まかせだとも言えない」として同勢力への打撃を強調する一方、「欧州のポピュリズムは決して退場していない。引き続き行われる選挙で、EUの主流派はどの戦いも負けることができない」と論じた。さらにグローバル化は「人類社会の片道切符」で後戻りはできないと訴え、「本国優先」は選挙スローガンにすぎず実行に移すことは決してできないと主張した。(北京 西見由章)


 仏国内の世論は分裂したままで、政権運営の困難さが予測される中、新政党で、議会に基盤のないマクロン新大統領。既存政党への反発、反ポピュリズムと、フランスの「共和国精神」やEUを尊重する国民の意志をどれだけ糾合して、議会選挙で基盤を確立できるかが、今後の政権運営のカギをにぎることとなるのですね。
 そしてそれは、EUの存続、世界経済の安定にも大きく影響する。
 しかし、国内世論分裂の火種は残っていて、大統領の出身政党と首相の政党が異なる「コアビタシオン」の状況が発生する可能性もある。

 
【仏大統領選】当選したマクロン氏が直面する困難な課題 - BBCニュース
 新フランス大統領マクロン氏就任とフランス国民議会選挙のゆくえが気になる - マルチ・ボウル

 まだまだフランスから目が離せない様ですね。


 # 冒頭の画像は、マクロン新大統領とブリジット夫人




 この花の名前は、クジャクアスター


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