遊爺雑記帳

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習政権 谷内正太郎NSC局長を異例の厚遇 その訳は

2015-07-30 23:21:03 | 中国 全般
 谷内正太郎国家安全保障局長が楊潔篪国務委員の招待で16~18日に訪中し、16日夕に楊潔篪国務委員、翌17日午前には常万全国防相、午後は李克強首相とハイレベル政治対話を行いました。外交上の格式を重んじる中国で外国の「事務方官僚」へのこのような厚遇は前代未聞のことなのだそうです。

 
日本の谷内正太郎国家安全保障局長の訪中全記録--人民網日本語版--人民日報
 
習政権「谷内氏厚遇」の理由 (7/30 産経 【石平のChina Watch】)

 今月中旬、訪中した国家安全保障会議(NSC)の谷内正太郎局長に対し、中国側は「ハイレベル」な連続会談で対処
した。
 16日には外交を統括する楊潔篪国務委員が夕食を挟み、5時間半にわたって会談し、翌日午前には、常万全国防相が会談に応じた。そして、その日の午後、会談に出てきたのは党内序列ナンバー2で首相の李克強氏である。
 
外交上の格式を重んじる中国で外国の「事務方官僚」へのこのような厚遇は前代未聞
である。
 それは谷内氏が単なる「一官僚」にとどまらず、安倍晋三首相の信頼が厚く、日本外交のキーマンであることを、中国側がよく知っているゆえの対応であろう。
 そのことは、
中国の指導部が今、安倍首相を非常に丁重に取り扱おうとしていることの証拠
だ。安倍首相を粗末にできないと思っているからこそ、「腹心官僚」の谷内氏を手厚く歓待したのである。
 昨年11月、習近平政権下の最初の日中首脳会談が北京で行われたとき、習主席は客である安倍首相を先に立たせて、自分が後になって出てくるという無礼千万な態度を取った。
 今回の対応ぶりとは雲泥の差である。この間、日中の間で一体何が起きたのか。
 日本側の動きから見れば、まずは今年4月下旬、
安倍首相が訪米し、オバマ大統領との間で日米同盟の強化
で合意した。
 5月21日には、安倍首相が今後5年間、
アジアに1100億ドルのインフラ投資を行う計画を表明した。そして谷内局長訪中の当日、東京では、安保法案が衆院を通過して成立のメド
が立った。
 この一連の動きは、中国側の目から見れば、まさに
習政権が進めるアジア太平洋戦略に「真っ向から対抗
する」ものである。
 今、南シナ海問題をめぐって米中が激しく対立する中、日米同盟の強化は当然、両国が連携して中国の南シナ海進出を牽制(けんせい)する意味合いがある。
 実際、常にアメリカと共同して中国の海洋拡張を強く批判しているのは安倍首相だ。そして、集団的自衛権の行使を可能にする安保法案が成立すれば、今後日本は、同盟国や準同盟国と連携して、中国の南シナ海支配を実力で封じ込めることもできるようになるのだ。
 その一方、安倍首相が表明した「1100億ドルのアジア投資計画」は、誰の目から見ても、まさに中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)計画への対抗措置であり、安倍首相による「AIIB潰し」ともいうべきものであろう。
 つまり、習政権が進めるアジア太平洋戦略の要となる
南シナ海進出とAIIB計画に対し、日本の安倍政権は今や「大いなる邪魔」
となっているのである。
 そして、安倍政権の今後の出方によっては、習政権肝いりのこの2つの「目玉戦略」は大きく頓挫してしまう可能性もあるのだ。
 したがって習政権としては、安倍政権をそれ以上「野放し」にすることはもはやできなくなった。
だからこそ、安倍首相と真剣に向き合って対話しなければならないと思った
のであろう。
 今回、中国指導部は安倍首相の「腹心官僚」の谷内氏をあれほど厚遇して、
9月の安倍首相訪中を積極的に働きかけた
。楊国務委員が谷内氏と5時間半にもわたって会談したことは、まさに中国側の本気さの表れである。
 対話から何かが生まれるかは今後次第だが、少なくとも、
中国への日本の対抗力が強化されたことが、習政権を日本との真剣対話に引き出したといえるであろう。「抑止力あっての外交」とは、まさにそういうことではないのか。

 人民網日本語版は、ハイレベル対応に至ったポイントを、「安保法案推進のタイミング」「歴史問題、防衛政策、海洋係争、米国のアジア太平洋政策など複雑な問題のハイレベルな政治対話による意思疎通」「谷内局長が安倍首相の重要な幕僚であること」をあげています。

 石平氏が指摘される通りで、安倍政権が、日米同盟の歴史的強化達成、AIIBへの誘いに乗らず、独自に1,100億ドルの投資計画を発表といった、習近平政権の目玉政策に真っ向から対立する行動を実現していることで、安倍首相を非常に丁重に取り扱おうとする様になってきたと言うことですね。
 相手の力を認めた時の中国は、慎重で真摯風な態度に豹変するのですね。そのかわり、弱いとみるやとことん突っ込んできます。日本の民主党政権は、後者に観られたのですね。
 それにしても、谷内正太郎国家安全保障局長は、昨日はロシア訪問をとりあげさせていただきましたが、米国のニクソン政権、フォード政権で国家安全保障問題担当大統領補佐官、国務長官を務めた、キッシンジャー氏に匹敵する働きぶりで、感嘆します。

 おかげで、日本の外交が、国力に見合う力を発揮し始めたのではないかと期待がもてますね。
 私利私欲が見え見えの老害議員や、某県知事、団体旅行引率議員等の百害があって一利もない輩とは雲泥の差の、人民網も認める、「重要幕僚」ですね。

 中露訪問の内容は秘中の秘が多いのでしょうが、これまでの日本政府や外務省では見られなかった、一段上の外交を感じ取れます。これも、NSC設置とその人材に恵まれた成果ですね。
 今後の更なるご活躍に期待します。



 # 冒頭の画像は、李克強首相と谷内NSC局長




  この花の名前は、福寿草  撮影場所 ; 信州四賀福寿草まつり 2015年 3月


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